2026年8月29日(土)に中国・上海の浦東発展銀行上海オリエンタルスポーツセンターで開催される『UFC Fight Night: Nurmagomedov vs. Song』のフライ級で、鶴屋怜(日本/THE BLACKBELT JAPAN)が、同級10位のケビン・ボルハス(ペルー)と対戦することが分かった。海外複数報道後、ボルハスがSNSでカード決定を投稿した。
▼フライ級 5分3R鶴屋 怜(日本/THE BLACKBELT JAPAN)11勝(4KO・TKO/5SUB)1敗(UFC 2勝1敗)ケヴィン・ボルハス(ペルー)11勝(8KO)5敗(UFC 2勝4敗)
24歳の鶴屋は、MMA11勝1敗(UFC2勝1敗)。第8代フライ級キング・オブ・パンクラシストとして『ROAD TO UFC』シーズン2に出場し、24年2月に優勝でUFCと契約。24年6月の本戦デビューでカルロス・ヘルナンデスに判定勝ち。
25年3月の『UFC 313』で、現フライ級王者のジョシュア・ヴァンと激闘の末に判定負けでキャリア初の黒星を喫した。
2025年8月にはモンゴルのニャムジャルガル・トゥメンデムベレルとの試合が発表されていたが、負傷欠場。26年5月の前戦マカオ大会で1年2カ月ぶりの復帰戦、当初はフライ級でへスス・アギラーと対戦予定だったが、アギラーの欠場により、バンタム級でルイス・グルレーと対戦。
初回に、サウスポー構えからの左を当てた鶴屋は組んで3分19秒、リアネイキドチョークで一本勝ち。ヴァン戦からの再起を果たしている。
対するペルーのボルハスは28歳。MMA11勝(8KO)5敗でUFC2勝4敗。22年にインカFCフライ級王座につくと、23年8月のDana White's Contender Seriesでヴィクター・ディアスに判定勝ちでUFCと契約。
23年11月のUFCデビュー戦では、現王者のジョシュア・ヴァンに判定負けも、初回に踏み込んでのワンツー、内側を突く右の打ち下しでヴァンからダウンを奪っている。
24年5月にアレッサンドロ・コスタと対戦し、右カーフを被弾し、2R TKO負けで2連敗も、25年3月にロナウド・ロドリゲスにまたもワンツーの右ストレートでダウンを奪う判定勝ちでオクタゴン初白星。
25年8月にスムダルジと対戦すると、サウスポー構えの長い弾幕に苦戦。飛び込んでの右を当て、自らシングルレッグを仕掛けるもテイクダウンを防がれ、最終回に離れ際の右ヒジを受けて崩れるなど判定負け。
26年2月に柔道・サンボベースの無敗のイマノル・ロドリゲスと対戦。初回にワンツーで飛び込んできたロドリゲスに近距離でカウンターの左フック、さらに追い打ちの右フックでダウンを奪い首相撲ヒザで崩すも、ロドリゲスのレッスルアップからの小外刈に下に。2Rにケージに詰められての右にダウンを喫し、パウンドTKO負け。再び2連敗を喫した。
しかし、26年6月の前戦、堀口恭司vs.マネル・ケイプが行われたMETA APEX大会で金星。
ボルハスの3ポンド体重超過により、129ポンドのキャッチウェイトで11勝無敗・UFC4連勝中のアンドレ・リマと対戦すると、アウトボクシングを駆使し、パンチのヒット数を増やしたボルハスがリマに判定勝ちで、無敗のプロスペクトに初黒星をつけている。
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プレスもアウトボクシングも巧みなボルハス、一本負けは7年前に一度のみ
ボルハスは、空手・ムエタイがバックボーンのルタ・リーブリがベースだが、前に出る圧力と手数を出すストライカーで、変則的なステップで蹴りからパンチのコンビネーションも多彩。
右三日月蹴りを刺して、そのまま着地前に右ストレートや、左ハイからそのまま前方に左足を着地させての右ストレートは空手の動きが応用されている。
サークリングしながら前足のピポットで後ろ足でストップして左ジャブ、右ストレートの飛び込みにはヴァンも対応できずにダウンを喫している。
カウンターのテンカオ、相手が下がれば跳びヒザ。右後ろ廻し蹴りと蹴り技も多彩で、下がりながらのワンツー、特にインサイドを突く右ストレートが最大の武器。
一方で、UFCでのテイクダウンの成功率は0%となっており、自ら組むより、テイクダウン防御率73%のディフェンス力を駆使して、16戦で一本負けは7年前の『Combate 53』で左ハイを効かされてのリアネイキドチョークでの1敗のみ。
ペルーのアイヴァン・イベリコ率いるPMAC(Pitbull Martial Arts Center)所属のボルハスは、UFCのガストン・ボラニョス、元PFL王者のヘスス・ピネド、エンリケ・バルボーザらとトレーニングを積んでおり、寝技での対処も穴ではない。
連勝のプロスペクトキラーのボルハスはスタンドで危険な相手だが、前戦でバンタム級ながら、サウスポー構えでシャープなワンツーを効かせてがぶりからバック、RNCを極めた鶴屋にとって、スタンドから組みの繋ぎの進化に注目のUFC4戦目となる。
ボルハスは、UFCのMETAランキングでは10位(※メディアパネルランキングではランク外)。トップ10に入っているボルハスを下せば、鶴屋が希望する上位ランカーとの対戦も見えてくるフライ級のチャレンジマッチとなる。
同大会の前日の8月28日(金)には『ROAD TO UFC シーズン5 準決勝』も開催され、日本から鶴屋と同門の内田タケルのほか、鈴木崇矢、田嶋椋、福田万智の4選手の出場も決定しており、見逃せない真夏の上海決戦だ。
『UFC Fight Night: Nurmagomedov vs. Song』予定カード
▼バンタム級 5分5R ※選手名から前戦ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)20勝1敗(UFC 8勝1敗)3位ソン・ヤドン(中国)23勝9敗1分(UFC 12勝4敗1分)5位
▼女子ストロー級 5分3Rヤン・シャオナン(中国)19勝5敗(UFC 9勝4敗)デニージ・ゴメス(ブラジル)12勝3敗(UFC 6勝2敗)※UFC4連勝中
▼フライ級 5分3Rアレックス・ペレス(米国)26勝10敗(UFC 8勝6敗1NC)スムダルジ(中国)19勝7敗(UFC 6勝4敗1NC)
▼ライトヘビー級 5分3Rジュニア・タファ(豪州)7勝6敗(UFC 3勝6敗)リュウ・ツァー(中国)3勝1敗(UFC 0勝0敗)※元K-1 WORLD GPクルーザー級王者
▼フライ級 5分3R鶴屋 怜(日本/THE BLACKBELT JAPAN)11勝(4KO・TKO/5SUB)1敗(UFC 2勝1敗)ケビン・ボルハス(ペルー)11勝(8KO)5敗
ペルーのボルハスは、12歳で空手、14歳でムエタイ、16歳でカンフーを始めた頃、MMAと出会った。「自分はこのスポーツのために生まれてきたんだと思ったし、すごいことをやれるって思った」と天啓を受け、貧しい生活のなか、トレーニング費用を捻出するために路上でお菓子を売り歩いていたという。
22年にインカFCフライ級王座につくと、23年8月のDana White's Contender Seriesでヴィクター・ディアスに判定勝ちでUFCと契約。「それまでで一番番重要な試合だった。UFCへの道を開く扉だったし、タフなヤツが相手だったから」。
念願のUFC契約を果たし、勝利も掴んだボルハスは、「UFCのプラットフォームを利用して、俺みたいに貧しい地域から来た若い人たちに勇気を与えたい。鍛錬、一貫性、信念によって、夢は本当に叶うんだってことを証明したいんだ。周りはよくそんなの無理だっていうけど、努力すればどこまでだっていけるっていう証明する者に俺はなりたい」という。
働くモチベーションは「自分の家族。もう金で苦労することがないようにしたいんだ。家族を支えたい――そのためにこの仕事をやっている」と、大黒柱としてボルハス家を支える。
「ファイターとしての姿の背後には、恐れ、疑い、苦しい瞬間を経験しながらも、諦めないことを選んだ1人の人間がいるってことを知ってほしい。もし俺の道のりが誰かの心に響いて、自分自身を少しでも信じられるようになったとしたら、自分は正しいことをやってるってことになる」──ボルハスは今回も上海のアウェーで勝ち名乗りを受けるか。