「他団体から来た選手には絶対負けられない」と対抗意識を燃やす武尊
2019年11月24日(日)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり』で、第2代K-1 WORLD GPフェザー級王者・村越優汰(湘南格闘クラブ)と対戦するK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者の武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)。
3月の試合で右拳を骨折し、手術してからの復帰戦となる今回。約8カ月ぶりの試合へ向けてのインタビューが主催者を通じて届いた。
■最高の試合で最高のKO勝ちをしたい
――3月「K'FESTA.2」以来、8カ月ぶりの復帰戦が決まりました。欠場期間にアメリカでの合宿もありましたが、武尊選手は定期的にアメリカに行かれていますよね?
「今のK-1は周りもどんどん進化しているし、新しい選手たちも出てくるじゃないですか。だから少しずつでも自分が進化していかないといけないし、そのためには新しい刺激も入れていかないといけない。そうじゃないと周りの進化についていけないと思うので、そのためにアメリカに行くようになりました」
――打撃系の選手の海外修行と言えばタイやヨーロッパがほとんどですが、なぜ武尊選手はアメリカを選んだのですか?
「どこで練習するかは選手のタイプによると思うんですよ。ムエタイをやって強くなる選手もいれば、ボクシングをやって強くなる選手もいる。僕の場合は自分のスタイルに足りない動きが総合格闘技にあって、実際にアメリカで練習したら練習内容がすごく自分にフィットしたんですよね。今回はボクシングにも重点を置いて、フレディ・ローチ(※マニー・パッキャオも指導するボクシング界の名伯楽)さんに指導してもらって、アメリカに行くと自分に足りないものが分かります。
技術以外にもアメリカはスポーツ科学がものすごく進んでいて、脳波を調べて身体の疲労度や筋肉のバランスもすべてチェックできるんです。それをもとにトレーニングを続ければ、年齢を重ねても良いコンディションを作ることが出来ると思います」
――武尊選手もキャリアが長いですが、まだまだ自分の伸びシロはある、と。
「メチャメチャありますよ。だからアメリカに行くと自分の可能性が感じられて嬉しくなるんです、まだまだ俺は強くなれるんだって。横軸が技術で縦軸が身体能力だとするなら、アメリカに行くことで横軸・縦軸どちらも伸ばせるので、本当にデビューしたばかりの頃のように強くなることができます」
――そして今大会では村越選手との対戦が決まりました。最初にオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
「前からやりたいと言われていたし、K-1に参戦する前から村越選手のことは知っていました。階級も一緒だったので、意識はしていました。K-1に来てからもちゃんとベルトも獲って、防衛して、結果も残してる選手なので。このタイミングでやってもいいのかなと思いました」
――会見で村越選手は「KOは狙わない。武尊選手を完封する」と発言しています。それについてはどう思いますか?
「選手の戦い方はそれぞれなので、あまり言いたくないですけれど。僕に勝つつもりなら、それだけのことをやらなきゃいけないというのを、ちゃんと分かった方がいいかなと思います。K-1を引っ張る責任が求められることを分かっていないですよね。はっきり言って『KOは狙わない』と宣言しているようじゃファンはついてこないし、K-1の神さまがいるなら、オマエは選ばれないよって。そんなことを言っている選手は、僕に勝てないですね。自分が倒されてもいいくらいの覚悟で倒しにくる選手じゃないと僕には勝てないです」
――武尊選手の復帰戦を待ち望んでいたファンのみなさんにはどんな試合を見せたいですか?
「本当にずっと待たせちゃったので、一番いい勝ち方で勝つところを見せたいです。僕が休んでいるあいだにいろいろな選手が活躍してたんですが『やっぱり武尊が一番輝いてるな』『K-1の中心は武尊だな』という試合を見せたいですね」
――今回はK-1 JAPAN GROUPとして初進出となる横浜アリーナ大会です。過去のK-1も何度も大会を開催してきた会場で、たくさんの名勝負が生まれた場所です。
「僕も横浜アリーナまで試合を見に行ったことがあったし、この大会を成功させることが昔のK-1への挑戦じゃないですけれど、昔のK-1を超えるという意味ですごく大事な大会になると思います。僕自身、他団体から来た選手には絶対負けられないし、この後に繋げるためにも、ここは絶対にいい勝ち方でいかないといけないと思うので、最高の試合で最高のKO勝ちをしたいと思います」