傷が癒えた右拳で思い切りパンチを繰り出す武尊
2019年11月24日(日)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり~』に出場する、K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者の武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が14日(木)所属ジムにて公開練習を行った。
「いい感じで仕上がっていますが、疲労が溜まっています。それで今日もMAXの動きができなかった。これが疲労が抜けたら100%になる。いつもそうなんですが、あと1週間で疲労を抜いて、試合当日は100%の動きができるようになっていると思います」という武尊だが、パワフルなミット打ちを披露。
3月の試合後に手術した右拳でもフルパワーのパンチを繰り出して見せた。「あれくらいで打てるようになりました。ずっと拳の部分に(衝撃の)吸収帯を入れて打っているんですが、それを入れずに打ったらどれくらい効くのかという楽しみはあります」と、本番で右を打つのが楽しみだとする。
「手術して半年間くらいスパーリングができなかったんですが、その間に右の拳を使わない練習をいろいろして、新しい発見もいろいろありました。アメリカにも行って新しいエッセンスをいろいろ試せた期間でしたね。スパーリングを再開して、いろいろとやっていく中で“これ、倒れるな”という倒せる攻撃とか新しい発見がいろいろあったので、いい状態で帰ってこれたと思う」と、右の拳が完治するまでの期間は決して無駄ではなくプラスになったと説明。
アメリカ修行では「今回はボクシングジムに結構行きました。マニー・パッキャオ選手の元トレーナーや、世界チャンピオンの選手に教えてもらったりして。ボクシングのコンビネーションだったり、サウスポーと戦う時はパンチの打ち方や距離感が大事になってくるので、そういうところが勉強になりました」と、ボクシングテクニックを強化したようだ。
ならば倒すのはパンチかと聞かれると「どうでしょう。新しく倒せる技もあるので、どれが当たるかは分からない。蹴りであまり倒したことがないので、蹴りで倒すとはあまり言えないですけど(笑)。現役で1回くらいは蹴りで倒してみたい。ハイキックとか。まあ、倒せれば何でもいいやという感じ。どれが当たっても倒れると思う」と、全ての攻撃に自信あり。
ここでも「アメリカに行った時はまだ右手が使えなかったので、左を使う攻撃をいっぱいやりました。いつも行っている(ドゥエイン・)ラドウィックさんのところにも行ってきました。いつも独特のコンビネーションを教えてくれるんですが、これはサウスポーにハマるなというものもありましたね。今までと違う戦い方もできるようになったと思います。幅を広げることができた」と、右が使えなかったからこそ学べることがあったという。
「今まで僕はサウスポーと戦う時は、正面にいてパンチをもらっちゃっていたんですが、サイドを取るということはサウスポーに有効だと思った。そういうことも勉強になりましたね」と、ラドウィック独特の相手のサイドにつくコンビネーションが、今回対戦するサウスポーの村越優汰(湘南格闘クラブ)に有効だと話した。
その村越は記者会見で、KOすることよりも勝つことが重要と勝ちに徹すると宣言。武尊は「それは人それぞれ。思うのは勝手。でも僕とやって3R逃げ切れた選手はいない。捕まえて倒します」と、いくら勝ちに徹しても倒しに行くと言い放つ。
同じく記者会見で村越が「僕が勝つことによって格闘技界の流れを変えるので、この目の前の試合に勝ってその対戦は実現させません」と、武尊vs那須川天心戦を阻止すると言ったことに関しては「何とも思わなかった。僕は止められない。勝ってから言えよ、という感じ。ああやって盛り上げてくれるのはいいんですが、そんなに簡単に言えることでもないと思うし、僕はそれのためにずっとやってきたというのもあるし。この試合をやったら分かるんじゃないですか」と、分からせてやるつもり。
さらに、村越が那須川と2度対戦経験があることから「そういった意味でも今回の試合はモチベーションがある。より早く、圧倒的なパフォーマンスで勝つ。そこでもいいアピールになるのかなと思う」と、差を見せつけるとした。