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【MMA】ロンダ・ラウジー「柔道の指導で格闘技への愛を再発見した」vs.ジーナ・カラーノ「本来あるべき場所にいると感じる」=5.16 Netflix初のMMA大会

2026/03/12 11:03

ロンダ「変化の最前線にいられることを誇りに思う」


(C)Esther Lin/Most Valuable Promotions

(会見後の囲み取材)

──お帰りなさい。今回の復帰にあたり、UFCとの交渉もありましたが、最終的にNetflixやMVP(ジェイク・ポールのプロモーション)をパートナーに選んだこと、そして自分がふさわしいと思う扱いを受けられたことへの安堵感はありますか?

ロンダ 他の選択肢も検討していました。TrillerやFITE TVなど、投資家も見つけていました。でも、最終的にNetflixと繋がったとき、それが究極の目標になりました。彼らは世界最大のストリーマーであり、最もプレミアムなチャンネルです。今回の試合にはそれが必要だと思いました。

 UFCはParamountとの契約を選び、目先の大きな小切手を手にするという大きな間違いを犯したと思います。そのせいで世界最大のストリーマーであるNetflixという枠を空けてしまい、そこを誰かが埋める必要が出てきました。UFCは「自分たちは大きすぎて潰れない」と過信しているようです。

 私とジーナは、世界的な知名度という点ではこのスポーツで最大の二人です。MMAファンの多くは、格闘技界の外では今の王者が誰なのか誰も知らないという事実に気づいていません。私に声をかけてくる人の多くは「あなたが戦っていた頃以来、試合を見ていない」と言います。UFCは株主への利益を優先する短期的な強欲さのせいで、近年の格闘技史上で最大の試合を、自ら手放してしまったのです。この試合は、間違いなく史上最も視聴されるMMAの試合になるでしょう。

──ダナ・ホワイトの最近の情熱について、UFCの会見の時と、ボクシングやパワースラップ(平手打ち大会)の話をする時では違いがあるように見えます。UFCがParamount傘下になり株主が優先される中で、彼の立場は厳しくなっていると感じますか?

ロンダ 彼の手から離れてしまったというのはある意味で「クール」なことだとも思います。ジョージ・ルーカスが自分の「子供(スター・ウォーズ)」を売却し、自分の思い通りにならないことが起きているようなものです。感情的に距離を置かないと、やっていられないでしょう。

 かつてはテレビに映るすべてのディテールに彼の情熱と目が行き届いていました。しかし今は、情熱も愛もない、ただ「仕事だから出勤している」だけの大勢の人々に任されています。その違いは明らかです。

 また、彼はすでにMMAで「勝利」しました。もうこれ以上やることはありません。だから今は、スラップやボクシングなど、ゼロから何かを作り上げようとしているのでしょう。同じことを何度も繰り返す中で、高いモチベーションを維持し続けるのは本当に難しいことです。私はこれまでにキャリアを3回変えましたが、彼がいまだに続けていることには驚かされます。

──ジョン・ジョーンズ、フランシス・ガヌー、そしてコナー・マクレガーも「強欲ではないオファー」を待っていると言及しています。大物たちが声を上げ始めた今、UFCに対して何らかの押し戻しや変化が起きる瞬間だと思いますか?

ロンダ UFCが現状に気づくことを切に願っています。格闘家を優先せず、できるだけ安上がりな試合を組んで済ませようとすれば、このスポーツの市場シェアを失うことになるでしょう。

 今の彼らには、最高の試合を組むインセンティブがありません。PPVモデルではなくなったため、77億ドルの放映権料から手元に利益を残すには、支出を最小限に抑えればいいからです。大物選手や最高のカードを組む必要がなくなってしまった。変化は訪れようとしています。私はその最前線にいられることを誇りに思います。

──最後に、今回のパートナーであるジェイク・ポールについての印象を教えてください。

ロンダ 彼は「鋼の心臓(Balls of steel)」の持ち主ですね。私の夫はヘビー級ですが、彼もヘビー級と戦ってきました。彼は人生のずっと後になってからアスリートになりました。「プロモートする格闘家」というよりは、「戦うプロモーター」と言えるかもしれません。

 彼はマイク・タイソン戦で1億800万視聴という史上最多記録を作りました。それは彼が今の景色の変化を理解しているからです。今は階級が飽和しすぎて、知名度のある選手がほとんどいません。だから、こういった「ショーケース・ファイト(注目を集める試合)」こそが未来なのです。

 彼はマイク・タイソン戦で「時代の変化」を捉えました。格闘技に興味がない人でさえ私にあの試合のことを聞いてきたのは、それが単なる試合ではなく「ベビーブーマー(タイソン)対 ユーチューバーの小僧(ジェイク)」という、世代間対立のような構図があったからです。彼はビジネスの鼓動を捉えています。だからこそ、私のこの試合を受けるのは彼にとって「当然の選択(No-brainer)」だったのです。

ジーナ「最終的な成功は勝利してケージを出ること」

──久しぶりですね。格闘技から離れてリラックスしていたと思いますが、どのくらい格闘技が恋しかったですか?

ジーナ 格闘家というものは、常に頭の中で誰かを蹴っているようなところがあります。トレッドミルの上にいる時でも、頭の中では常に誰かと戦っているんです。その感覚が消えることはありません。プロの格闘家なら理解してくれると思います。

──ロンダは「ジーナが辛い状況にいるのを見て、自分も必要だったから誘った」と話していましたが、実際にキャンプに入り、復帰を目前にして、今どれほどこれが必要だったと感じていますか?

ジーナ 実は2024年の9月から健康への取り組みを始めていました。5年ほど前には「格闘技はもう二度とやらない」と諦めていたんです。でも、時間が経つにつれて、自分にはこれが必要だったというより、心から「愛しているし、やりたいんだ」と気づきました。

 ディズニーとの訴訟が解決した後、他にもいくつかの機会がありましたが、どれが一番重要かを天秤にかけたとき、朝起きてこの試合に向かうことのほうが重要だと悟ったんです。これほどまでに自分を追い込めるのは、この試合があるからです。ここまで深く、激しく自分を追い込めるのは本当に恵まれていると感じます。

──格闘家は本当の意味で引退することはないと言われますが、あなたはかなり長い間離れていました。ジムでの練習中、あまりの過酷さに「復帰すべきではなかったかも」と後悔した瞬間はありましたか? それとも最初から「戻ってこれて最高だ」という確信だけでしたか?

ジーナ もちろん、浮き沈みはありました。でも、母と話したときに「もしやるなら、後ろを振り返っちゃだめよ」と言われたんです。その会話の後、「やるんだ、コミットするんだ」と決意が固まりました。契約書にサインした瞬間、もう後戻りはできません。全力を尽くすと決めたことで、マインドセットが変わりました。今は他の機会なんてどうでもいい。この試合だけがすべてです。そう思えるようになってからは、とても美しい日々です。

──2009年当時に比べて、今のMMAのレベルや技術は大きく向上しています。トレーニングやコーチの指導法に違いを感じますか?

ジーナ 以前よりも「スマート」なトレーニングになったと感じます。昔はただジムに行って、お互いにボコボコにやり合っているだけでした。今はリカバリーも重視されていますし、よりプロフェッショナルなスポーツになりました。選手もより洗練され、万能になっています。彼らから毎日学べるのは大きな喜びです。MMAコミュニティが私を温かく迎え入れてくれたことも、とても特別なことだと感じています。

──ディズニーとの和解についても触れられましたが、今後の俳優としての活動はどうなりますか?また、ファンが熱望している「ワンダーウーマン」の役については興味がありますか?

ジーナ ストーリーテリングは私にとって最も強力なツールの一つですし、格闘技と同じで、俳優としてもやり残した仕事があると感じています。この試合を終えたら、次に何があるか見てみようと思っています。監督業にも興味があります。ディズニーとの件は、悪い状況に対して良い形での「終止符」を打てたので感謝しています。

 ワンダーウーマンについては、そう言ってもらえるのは最高の褒め言葉ですが、おそらく彼らはもっと若い層を求めているでしょう。その時期はもう過ぎてしまったかなと思っています。

──あなたやロンダが「強さは美しい」という価値観を広める前は、女性の筋力トレーニングは一般的ではありませんでした。自分がインスピレーションの源であると感じますか?

ジーナ 朝起きて、困難な扉をくぐり抜け、それをやり遂げた自分に誇りを持つ。それがインスピレーションだと思っています。女性は少し早い段階で「現役引退」を促されるような風潮がありますが、人間の体や可能性についてはまだまだ学ぶことがたくさんあります。私がこれほど長いブランクを経て復帰できるのなら、女性の皆さんも必ず自分の目標に到達できるはずです。簡単ではありませんが、できるということを知ってほしいです。

──あなたにとっての「成功」とは何ですか? ケージに戻ること自体が成功なのか、それともロンダに勝たなければならないのでしょうか?

ジーナ 今ここに立っていること自体が大きな成功です。次の成功はトレーニングキャンプをやり遂げること、その次は計量をパスすること、そしてケージに入ること、戦うこと。もちろん、最終的な成功は「勝利」してケージを出ることです。

──今回はフェザー級戦ですが、久しぶりの減量についてはどうですか?

ジーナ 面白いことに、20代の頃よりも今の方がずっと良い状態にいます。非常に真剣に取り組んできましたし、精神的にも今の方が落ち着いていて、地に足がついていると感じます。計量の時にその成果を見せられるのが楽しみです。多くの体重を落としましたし、それが皆さんの刺激になればいいなと思っています。

──今、MMAで注目している選手はいますか?

ジーナ ホリー・ホルム、アマンダ(・ヌネス)、ローズ(・ナマユナス)……みんなインスピレーションを与えてくれる素晴らしい存在です。離れていた数年間で、以前よりもずっとMMAのファンになりました。女性格闘家たちは本当に素晴らしいです。

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