(C)KNOCK OUT
2月11日(月・祝)『KNOCK OUT 2019 WINTER 「THE ANSWER IS IN THE RING」』大田区総合体育館にて、番長兇侍(INNOVATION・Hard Worker)と対戦する健太(NJKF・E.S.G)
85戦の戦績を持ち、1カ月に1回試合を行うことから“月イチ健太”と呼ばれるが、2018年10月にはREBELS、11月にはシュートボクシング世界トーナメント、12月にはクンルンファイトトーナメントと、勝ち上がれば“月2”も辞さない構えで様々な団体に参戦している。31歳のタフガイだが、そこにはベテランならではの創意工夫もあるという。
プロ14年目に突入。マンネリは敵という健太は、“超攻撃型”番長との対戦を前に、「選手の物まねをするのが好きなので、昔憧れていた選手の動画をYouTubeで観て自分の動きに取り入れている」と明かす。「次の試合で新しい自分を見せたい」──年始はほんの少し試合間隔が空いた“隔月ニュー健太”が披露するのは猛牛と戦うマタドールスタイルか、それとも……。
◆健太「試合数がレガシーになってもしょうがない。試合数ではなく勝っていかないと」
――2018年は11戦6勝(1KO)5敗の戦績でしたが、ご自身にとってどういう1年でしたか。
「プライベートでは結婚があったので人生の中でも大きな1年になりましたが、試合の思い出しかないですね。勝率もちょうど半分マンで満足していないので、どげんかせんといかん!(どうにかしなければいけないという意味の宮崎弁)」
――なぜここで 2007 流行語大賞を(笑)。今回、昨年9月のタップロン・ハーデスワークアウト戦以来のKNOCK OUT参戦が決まりました。
「KNOCK OUTに出るのが久しぶりな感じがしてしまい、歳を取るのと共に月日が経つのが早く感じられます。つい最近タップロンとやったばかりだと思っていてまだミドルを受けたヒジが痛いのに……。KNOCK OUTの戦績も4戦して2勝2敗の半分マンなので、きっちり存在感を示すためにもどげんかせんといかん! ちなみに僕はこのフレーズを忘れられることなく、よく使ってます」
――1カ月に1回試合を行うことから、「月イチ健太」と呼ばれる健太選手が今年1月に試合をしていないのはなぜですか?
「営業が追い付かなかったんです(笑)。1月は興行自体が少ないので新日本キックの興行に出ようと思ったら、出場メンバーの写ったポスターが出ていて乗り遅れた感がありました」
――どのように試合スケジュールを入れているんですか?
「各団体の年間興行スケジュールを見て、ここは何日前だからイケるんじゃないかとか考えています」
――まるで団体側が会場を押さえているような感じですね(笑)。
「そうですね。あまり試合間隔が近いと入れるのは難しいですが、最低3週間の試合間隔があれば問題ないです。まずは国内の試合を押さえるのですが、以前に4カ月連続、後楽園ホールで試合をしたことがあり、応援してくれる方へのチケット販売のことも考えないといけません。定期的に中国での試合を挟むといい感じになります(笑)。去年6月のNJKFと8月のREBELSで7月に試合がなかった時に、周りの人の感覚が麻痺してきて『今月試合ないの? 最近試合やってないの?』と(笑)」
――練習を休みたいと思うことはないのでしょうか?
「ないですね。毎月試合をやっていますが、無理して月1でやっているわけではなくペース的にいいからやっているんです。妻から『そんなに試合をしなくてもいいんじゃないの?』とたまに言われることもありますが、そんなには言われないですね。試合前にピリピリすることもなく、むしろ試合前の方が気持ちは穏やかになってます。格闘家の奥さんというと、旦那の減量のこととか大変だねとか言われそうですけど、大変だとは絶対に言わせません。自分の方が家にいることが多く、家事でも何でもやっちゃいますからね。試合前になると、休んでゆっくりしているので、心も落ち着いてます」
――昨年11月にシュートボクシングのS-cup65kg世界トーナメントに出て海人選手の攻撃で顔が腫れてましたが、1カ月後には中国での試合をしていました。身体を回復させる独特の方法があるのでしょうか。
「僕は普段からスパーリングをやらず、練習はミット打ち中心なので顔が腫れていても差し支えなく練習出来るんです。試合後、身体が痛いところはないと言ったら嘘になりますが、練習でやれることをやりながら治していきます。例えば4週間の試合間隔があると、試合を終えて右のスネが痛いと右の蹴りは今週いっぱいまで我慢しようという感じでいます」
――ちなみに次のKNOCK OUT後、いつまで試合スケジュールは決まっているのでしょう。
「まだ確定はしていませんが、3~4月までは話があります(笑)。KNOCK OUTさんは今回の結果を踏まえてカードを組まれると思うので、いい勝ち方でアピールしたいと思います」
――そんな中で今回、番長選手との試合が決まりました。どういう印象がありますか?
「番長選手の前回のKNOCK OUTの映像はネットにアップされてますか? 会場に着いたら第1試合の番長選手の試合は始まっていて、KNOCK OUTのスタッフに自分の席を聞いたら反対側だというんです。教えてくれた場所で探していたら、間違っていて逆側だったんです。もう今年1番ピリピリしてましたね。戻っているうちに中尾(満)選手が番長選手のパンチでダウンしていて試合が終わりました(笑)」
――まさかのKNOCK OUTが健太潰しに(笑)。
「わざと見せないようにしていたのかもしれません。前にRISEに出ていた時に番長選手の試合を見たことがあり、ぶんぶん振り回してノーガード状態で無茶苦茶面白い試合をするので笑えましたね。僕とは上がるリングも全然違うので、いつかやるとは全く思いませんでした。どういう試合になるのか自分でもわからないので楽しみです。ここまでのキャリアになると、色んなタイプとやっているので大丈夫です」
――番長選手は22戦の戦績でタイトル歴がないのに対して、健太選手は85戦の戦績があります。ここまでキャリアがある選手との対戦がここ数戦はなかったと思いますが、リスクは感じませんか?
「美味しいか、美味しくないかと言われたら美味しくないパターンですが、そういう選手にキッチリ勝ってこそまたチャンスが来るんです。どのプロモーターにも言っているのですが、海外の超強豪だろうが、デビューしたての選手だろうが対戦相手は誰でもいいんですと。ルールはラウェイでもいいんですと(笑)」
――対戦相手を選ぶ最近の選手に聞かせてあげたい、いいお話ですね。
「この選手とやっても意味がないとかすぐに拒否する選手はいますよね。お前は何者だと。そういうやつは、どげんかせんといかん!」
――まさかここでも(苦笑)。番長戦に向けて強化していることはありますか?
「今、色んなスタイルを試しています。僕はプロで14年目に突入しましたが、マンネリは一番いけない、常に新しい発見をしないといけないと思っています。僕は選手の物まねをするのが好きで、昔憧れていた選手の動画をYouTubeで観て自分の動きに取り入れてます。今は言えませんがハマっている選手がいるので、次の試合で新しい自分を見せたいですね」
――番長戦でまさかの梅野源治スタイルが見られるかもしれないと?(健太は梅野の物まねを得意としており、シャドー動画などをよくSNSでアップしている)
「あはは! それをみんな見たいのかもしれませんが、梅野選手ではありません(笑)。新しいスタイルを取り入れて練習しているので、乞うご期待です。次の試合はリスクのある試合ですが、もし負けるようなことがあれば新しいスタイルに挑戦して間違ったということで(笑)」
――すでに言い訳を(笑)。
「それは冗談ですけど、ゴングが鳴ったらいつも通り、ガードをしっかり構えてジャブを打ってるかもしれません」
――今年はどういう 1 年にしたいですか?
「毎年言ってますが、挑戦の年にしたいですね。キックボクサー健太としてさらにこのキック界で生きていくというセルフブランディングをして、『キックボクシング界に健太あり』と言われるような1年にしたいですね」
――試合数を増やすことのチャレンジも?
「試合数を無理やり増やせばいいというものではないんですよ。試合数がレガシーになってもしょうがない。誰が安倍政権やねん! 試合数ではなく勝っていかないと。俺は何百戦したとか、そういうスポーツではないですからね。まずは次の番長戦。2019年健太のニュースタイルをご堪能下さい」