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【RISE】世界王座戦で再戦決定の志朗vs.大﨑孔稀「自分の中ではまだ強い志朗を見せられていない」(志朗)「倒す気でいるし、倒せないことはない」(大﨑)

2025/12/17 22:12
 2026年3月28日(土)東京・両国国技館『RISE ELDORADO 2026』の対戦カード発表記者会見が、12月17日(水)都内にて行われた。  RISE世界バンタム級タイトルマッチ3分5R延長1Rで、王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)vs.挑戦者・大﨑孔稀(OISHI GYM)が決定。  志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就いた。 「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」ではクマンドーイに敗れ準優勝。2024年3月は田丸辰の挑戦を受けて世界王座の初防衛戦に臨んだが、偶発的なバッティングで無効試合となった。9月に田丸との再戦を判定勝ちで制し、拳の手術を経て2025年3月に復帰戦でユン・ドクジェに判定勝ち。8月には玖村将史にリベンジすると共に2度目の防衛に成功した。戦績は35勝(14KO)6敗4分1無効試合(タイの試合は除く)。  大﨑はこれまでにJ-NETWORKスーパーフライ級王座、WMC日本同級王座、BOMバンタム級王座を獲得。RISEには2019年11月から参戦。2023年12月に鈴木真彦を破り第8代RISEバンタム級王座に就くと、2024年8月に大森隆之介を判定で破り王座初防衛に成功。11月に『ONE Friday Fights』初参戦でフオ・シャオロンに判定勝ち。2025年5月、門口佳佑をKOした。8月にはジラリー・キャルービーに判定勝ち、11月にウィッティコーンをTKOして戦績を38勝(22KO)7敗1分1無効試合としている。ひとつの引き分けを挟んで10連勝中。  両者は2022年10月に対戦し、この時は延長戦で志朗が判定勝ちしている。  会見で大﨑は「やっと辿り着いたかなって言うのが第一で。3年前に負けてるんですが、そこから実力を付けてまた志朗選手の前に立ったと思うので、あとは乗り越えるだけかなと思います」と、待ち望んでいたリベンジマッチに気合い十分。  志朗は「短いスパンで3度目の防衛戦。毎回強い相手とやってきて自分も嬉しいです。RISEだけじゃなく日本国内で自分が戦いたい選手は大﨑くん以外いないですし、過去最強の相手と認めているので、最高のキックボクシングの試合になると思うのでRISEの世界王者は志朗だというのをしっかり証明したいと思います」と、大﨑を“過去最強の挑戦者”と認めるとした。  正式に試合決定と聞いてどう思ったか。大﨑は「オファーが来る前に、ベルトを獲って志朗選手の背中が見えてきた時にそこを目指してずっとやってきたので、オファーが来たというよりはやっと辿り着いてそこを超える時が来たなって思います」とし、志朗は「戦うタイミングもあるので、3月はお互いベストじゃないかなと思いましたね。お互いに勢いがあって、前回の試合もお互いKOしているし。因縁があった玖村選手とやって、次にRISEと誰とやるとなったら今一番勢いある大﨑くんがいいなと思っていました。自分的にはぜひって感じです」と、両者とも“来た”と思ったとする。  大﨑からの対戦アピールを受けてきた志朗は「俺に言われても困る、RISEに言ってよと(笑)。試合を組むのはRISEだからって思っていましたし、ちょっと待てよと。その時に勢いある選手と戦うという意味では田丸選手もそうでしたし、俺は別に待たせたわけではないので謝る必要はない。RISEに言ってくれよって思ってました」という。  3年前の初対戦とは違うとの印象はあるか、と聞かれた志朗は「最近、ボクシングキックからキックボクシングに戻ってきた感じがある。自分と大﨑くんは蹴りとパンチをお互い出せる選手なので、強敵だなと。ほとんどの選手はパンチか蹴りに偏っているんですけれど、オールラウンダーに出来る選手で、RISEのトップランカーに全員勝っているので3年前よりは強くなっていると思いますね」と評した。  大﨑本人は自分の進化を「全部と言えば全部。蹴りもパンチも、スピードもテクニックもパワーも全部上がっている自信があります。一番はパンチの技術が上がっていると思います」との自覚がある。 [nextpage] 最高の試合が出来ると口を揃える  志朗の言うボクシングキックからキックボクシングへの回帰については「そこは僕も感ているところで、キックボクシングで蹴りって凄く大事だと考えています。だから僕は普段から蹴って行く。それが判定に響くかと言ったらそうではない試合もあるので、そこは志朗選手と同じ意見ではあります。(志朗は)最近パンチで倒しているイメージがあるが、元々蹴りを使う選手なので。両方使えるのでタイプは似ていると思っています。だからこそRISE内でも最高の試合が皆さんに見せられるんじゃないかなと思っています」と、志朗と同じく“ザ・キックボクシング”の試合を見せられるんじゃないかと話した。  大﨑が、今なら志朗に勝てると確信したのはいつ頃かとの質問には「ベルトを鈴木選手から獲った時に、ひとつの形が残せたと思って。そこから王者としてという気持ちが強くなって、そこから試合をするたびに成長を感じることが出来ました。そこからですね。防衛戦もして、ONEにも出させてもらって、そこでもしっかり結果を出すことが出来たので、そこからって感じですかね」と、2023年12月に王座に就いてから自信は深まっていったとする。  志朗は倒す戦い方も、ポイントを取る戦い方も出来る。どちらで来るか分からないが、大﨑は「めっちゃ考えてます。志朗選手が強いというのも認めていますし、だからこそいろいろなパターンも考えておかないといけない。前回も負けた理由がそういうことがあったので、それは分かっていること。僕は倒せる力も持っていますし、そこで勝負することも出来るし、もし志朗選手がポイントを取りに来るならそれはそれで対策は考えています。5Rあるのでそういうことも考えています」と、万全の対策で臨むとした。  試合については「僕はもちろん倒す気でいるし、倒せないことはないと思っています。それを狙いつつも、そう簡単に崩れないことも分かっているので判定でも勝てるように対策はしていきます」とする大﨑に対し、志朗は「15分あるので、その中で気を抜いたり、集中力とか気持ちとかメンタルの部分が占めると思いますね。テクニックもパワーもそうだし、最終的にはメンタルが試合を左右するのではないかと思います」とメンタルが重要になるとする。  試合までまだ時間があるが、どんな準備をするかと聞かれると大﨑は「対策は前回の試合前から大まかな部分は決まっていて。現状としてはもっと広げたり、逆にいらないかなと思う部分は捨てたりの作業をしているところです。現状としてはほぼほぼ決まっているので、来年はもっともっとそこを突き詰めていく感じです」と、かなり前から志朗対策は進めてきたという。  これに志朗も「結構前から意識していたので、大﨑くんはこんな感じだからどうするというのはチームで話し合ったり、試合が無い期間にそういう練習もしていました。来年1月から合宿もやって。沖縄合宿をやった時は3回とも勝っているので、勝ちに行けるように今回も沖縄合宿を組んでいるので準備万端です」と、こちらも以前から対策は進めていたと明かした。  2025年はどんな年だったかとの年末恒例の質問には、大﨑は「いい年だったと思います。一番大きかったのは名古屋大会を開いてもらって、そこで門口選手をKO出来たのが僕の中で大きいことで。そこから次は誰とやるんだってなったら限られていて、その時に志朗選手の名前を出させてもらいました。前回しっかりKOで勝つことが出来たので、3月志朗戦へ向けた2025年って感じでした」と話す。  志朗は「自分は怪我して苦しんで、徐々に良くなって強い志朗を見せられた。試合でまだ出していない技や練習では出来ているのに試合では出来ていない技があるので、もっと強くなれるなって試合をするたびに思っています。自分の中ではまだ強い志朗を見せられていないです。来年こそ強い志朗を見せたい」と、完璧な自分を見せたいと語った。  また、伊藤隆RISE代表はこの試合がメインになる可能性が高いとした。そのことについて大﨑は「僕、意外とELDORADOで試合をするのが初めてで。シンプルに嬉しいのが一番です。WORLD SERIESは銀のトロフィー、後楽園はオブジェ、ELDORADOは金のトロフィーなのでそれが欲しい(笑)。メインだろうなと思っていたので、1年に1回の祭典なので塩試合ではダメだと思います」と、メインでいい試合をしてトロフィーを受け取りたいとする。  志朗は「自分は3年連続でメインなのでそんなにないけれど、試合内容でRISE関係者、みんなを納得させる試合内容で、メインの仕事をしないといけないと毎回思っています」と、これまでと変わらない心持で行くとした。  なお、ELDORADOは10試合ほど追加する予定で「年末の試合が終わってから決めるカードもあるので、決まってから発表したいと思っています。来年のRISEは世界の団体とどんどん戦っていきたい。世界に通用する日本人を育成していきたいと思います」と、伊藤代表は語った。
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