1回戦、準決勝と無敗の相手に初黒星を付けてきた安尾。決勝でも上遠野に初黒星を付けるのか(C)K-1
2025年12月19日(金)東京・後楽園ホール『Krush.183』のダブルメインイベント第2試合にて、「第5代Krushフライ級王座決定トーナメント決勝戦」3分3R延長1Rを上遠野寧吾(POWER OF DREAM)と争う安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)のインタビューが主催者を通じて届いた。
2人にはプロ初黒星をつけさせることができた

──10月の準決勝、大久保世璃戦は判定勝利でした。あの試合を今、振り返ると?
「思ってたよりは、苦戦せずに終われてよかったかなという感じでした。相手に動き回られて、反応できずに自分が不利な状況になったらイヤやなと想像してたんですけど、思ってたほどメッチャ動き回る感じでもなかったので、1R途中からちょっと安心しました」
──試合前には「スロースターターなので、1Rからもっと自分からいかないと」と話していましたが、そこに関しては?
「やっぱり1Rは、ちょっと見ながらやってたかもしれないですね。そこはまだ課題です」
──実際、試合では大久保選手との経験の差が出たかなという印象だったんですが、実感としてはどうでしたか?
「自分では、そこはあんまり分かってないかもしれないです。ただ、試合が進んでいくにつれ、大久保選手が焦っていく感じはちょっと見えました」
──では割と、自分の試合をしっかりやることができた?
「うーん、でもやっぱり、近い距離ではちょっとその向こうの掛けだったりでちょっと苦戦してしまって。ちゃんとできたかどうかっていうと、そこまででもないですね」
──同じ大会でのもう1試合の準決勝では、上遠野寧吾選手が勝ちました。その試合はどう見ましたか?
「『やっぱり上遠野選手が上がってきたかー』みたいな感じでした。決めるパンチの当て感は半端ないなと思いましたね」
──今回、決勝で対戦するにあたって、一番警戒するところは?
「やっぱりその決めのパンチが怖いですね。サウスポーが苦手というところがあるので、もらわないようにしたいなとは思ってるんですけど。でも前の渡部蕾戦の時よりは、サウスポーに対しての対応とかはだいぶマシになってきてるなとは思ってます。
──それは練習中の感覚で?
「そうですね。試合に向けての練習の中でそういう手応えがあります。だから渡部戦とはまた違う対応ができるかなと思います」
──上遠野選手は、それこそ序盤からガンガンいって勝っている選手ですよね。余計にその対応がカギになりそうですが。
「自分は1Rよりも2R、3Rと上がってくる感じですけど、向こうは確かに1Rから上げてきますね。1Rは特に、自分は攻撃への反応が悪かったりもするので、そこに対して狙ってくるやつを必ずもらわないようにしたいし、自分もしっかりと当てていくように注意しようかなと思ってます」
──その上で、自分としてはどう勝ちたいと思ってますか?
「ベルトが懸かった試合で、まず絶対に向こうの方が当て勘があるので、ダウンを奪われないようにすることと、逆に自分がダウンを奪いにいける感じで戦えたらと思ってます。でも自分は、まだサウスポーに対しての決め感をあまりちゃんと持ってるわけじゃないので、KOで倒せるかどうかはまだ不安なんですけど。できたら倒せたらいいなとは思ってます」
──この3試合、トーナメントでコンスタントに戦っていることによって強くなれている部分っていうのを実感してますか?
「はい。サウスポーに関してはようやくちゃんと慣れてきたかなという感じはしてきました。今回、また渡部戦みたいな感じになったら絶対ダメなので、進化したところを見せたいです」

──安尾選手はこのトーナメントで、ここまで渡部蕾選手、大久保世璃選手に勝って、そして決勝は上遠野寧吾選手。全部、プロ全勝の相手との対戦なんですよね。
「そうなんですよね。2人にはプロ初黒星をつけさせることができたので、今回の相手にもできたら、メッチャ最高ですね」
──そして、ここで勝てばいよいよKrushチャンピオンですね。以前に他団体でチャンピオンになってはいますが、気持ち的に違うものがありますか?
「DEEP☆KICKの時はあまりにもトントンと行きすぎて、今となっては、チャンピオンになった感覚があまりなかった感じだったんですけど、でもベルトを獲れた時は本当にメッチャうれしかったんです。Krushに関しては、トーナメントで1、2、3と長いスパンでやっていて、ベルトについては今からメッチャ実感が湧いてます。だから、ここで獲れたら達成感もあると思うし、自分の自信にもつながってくると思います」
──その分、プレッシャーは感じていますか?
「やっぱりベルト獲れる、獲れへんでけっこう差があるので、絶対これ獲らな、っていうプレッシャーは自分の中で持っちゃってる気がします」
──そもそもそういうプレッシャーには強い方?
「あんまり意識しすぎないようにというか、まず上遠野選手に勝つことだけを考えて、それにプラス、ベルトが付いてくるみたいな感じで今は考えてます」
──決勝まで来て、周りからの期待の声も大きいんじゃないですか?
「メッチャ大きいですね。『絶対ベルト獲って帰ってきてや!』ってみんなに言われてます。それにも応えないとと思うし、あと、兵庫県にKrushのベルトを持って帰ってきた人はたぶんまだいないので、自分がその1人目になれたらと思ってるし、お父さんと話したりもしてます」
──そもそも、地元で強くなって地元にベルトを持ち帰りたいという気持ちは大きいですよね。
「そうですね。以前にそういう話を人からされた時に、『そういえばそうやな、そういう考えもあるな』と思いました。自分ではそこまであまり考えたことがなかったんですけど(笑)。ベルトのことを考えてたら、その他のことはあんまり意識できなくて」
──そうですか(笑)。でもチャンピオンにもなったら、またいろんな変化がありそうですね。
「ですね。チャンピオンになった選手の話を聞いてたら、メッチャ羨ましいなと思うので、自分も早くチャンピオンになりたいです」
──そのために一番大事なものって、今は何だと思っていますか?
「やっぱり気持ちだと思います、本当に。『ここで弱音吐いてたらアカンな』とは思ってて。サウスポーが苦手で、その意識はまだちょっとあったりもするんですけど、試合では今までやってきた練習、スパーリングとかを信じて、しっかりと全部出し切ろうと思ってます」
──では最後に、改めて今回の試合への“決意”をいただけますか?
「必ず今回ベルトを獲って、今まで支えてくれたお父さんとか、家族、あとジムで練習してくれたみんなにベルトを巻いた姿を見せられるように、必ず勝ってきます」





