NJKF CHALLENGER 112025年11月30日(日)東京・後楽園ホール※U-NEXTにてLIVE配信
▼第9試合 IBFムエタイ日本統一スーパーライト級王座決定戦 3分5R〇吉田凜汰朗(VERTEX/NJKFスーパーライト級王者)=63.4kg判定2-1 ※48-47、47-48、49-46×切詰大貴(武勇会/INNOVATIONスーパーライト級王者)=63.3kg
ラウンド毎に優劣を付けるマストシステム、スタンディングダウン無し、アクシデントのバッティングやローブローで試合続行不可能となった場合は試合続行不可能になった方の負けとなるIBFムエタイルールで行われる。
1R、頻繁にスイッチする吉田は左右のストレートを顔面とボディへ。切詰はローを蹴りつつパンチを狙うが、踏み込んだところに吉田が右の縦ヒジ。終盤、両者ともストレートで打ち合う。
2R、ミドルとカーフを蹴り合う両者。このラウンドは切詰がアグレッシブにパンチで攻める場面が目立つ。吉田も右クロス、ワンツーをヒットさせるが、終盤になると切詰が再びパンチを多く出して優勢。アツくなったか、切詰はラウンド終了後にパンチを出してしまい、注意を受ける。
3R、互いに右カーフを蹴り合い、相手のストレートやフックを被弾する。パワーで吉田、手数で切詰。ワンツーで前に出る切詰に吉田の右カウンターが当たる場面もあったが、切詰は手数で取り戻す。
4R、右フックをヒットさせた吉田がジャブを多用して当てていく。さらに右ストレート、右カーフ。次第に吉田の攻撃が当たるようになり、終盤には右ストレートがクリーンヒットして切詰が腰を落とす。パンチをまとめた吉田がこのラウンドは完全に制した。
5R、吉田はジャブ、右クロスでヒットを奪い、切詰も逆転を狙ってワンツーを繰り出す。吉田は左ハイをかすめさせる。切詰に攻めさせ、カウンターとリターンをとっていく吉田。切詰も最後まで逆転を狙ってパンチを放って行った。
判定は2-1と割れ、吉田が接戦を制した。赤いベルトを腰に巻いた吉田は「このベルトを獲れて一安心しているところですが選手として反省点があるので、会長とまた上に上がって行きたいと思います。世界取る前に自分の目標に向かってやっているんですけれど、東京までわざわざ応援に来てくれるのは当たり前じゃないし、期待に応えるために世界王者になります」と、IBFムエタイ世界王座奪取を誓った。
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▼第8試合 NJKFバンタム級タイトルマッチ 3分5R×嵐 (キングジム/王者)=53.4kgTKO 3R 1分52秒 ※ヒザ蹴り〇山川敏弘(京都野口ジム/挑戦者・同級3位)=53.4kg※山川が新王座に就く。嵐は初防衛に失敗。
1R開始と同時に嵐が飛びヒザ蹴りの奇襲。その後は右カーフを蹴り、左ボディを狙う。山川はジャブを突きながら右カーフと左右ロー、細かくパンチを当てていく。終盤、嵐がパンチをまとめて優勢を印象付けた。
2R、ジャブを突きながら右ローを蹴る山川。軽くパンチを当てていく。嵐は右の強打で山川に尻もちを射つかせた。パンチを狙う嵐に山川は笑みを浮かべ、のらりくらりとした動き。終盤、打ち合いになってアツくなったか、嵐はラウンド終了のゴングが鳴った後に山川を殴り、さらに制止しようとしたレフェリーを突き飛ばす荒れっぷりで減点1に。
3Rになると山川は首相撲で勝負に出る。首相撲からのヒザ蹴りが突き刺さり、嵐はうずくまってダウン。笑みを浮かべて立ち上がった嵐は右ストレートで応戦するが、またも山川の首相撲に捕まってヒザを突き刺されてダウン。レフェリーがここでストップした。
新王座に就いた山川は「練習に付き合ってくれてみんなのおかげで勝てたと思います。京都から応援に来てくれてありがとうございます。目標はまた僕の試合を見たいと思ってくれたらそれなりの強い相手とやりたいと思います。武田プロデューサーよろしくお願いします」と、喜びの涙を流して語った。
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▼第7試合 初代IBFムエタイ日本統一ウェルター級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R×亜維二(新興ムエタイ/NJKFウェルター級王者)=再計量TKO 2R 0分36秒 ※レフェリーストップ〇佐藤界聖(PCK連闘会/聖域統一スーパーウェルター級王者)=66.35kg※佐藤が決勝へ進出。
亜維二は19歳のNJKFウェルター級王者で、戦績は10勝(6KO)2敗1分。佐藤は仙台在住の23歳で、佐藤“魔王”応紀を母に持つ魔王の子。戦績は13勝(5KO)6敗1分。1R、亜維二は前蹴りから威力のある左ミドル、ワンツーを放って行き余裕の表情。佐藤は左右ローと、左のカウンターを狙う。
2R、打ち合いが激しくなったところで佐藤の右ヒジで亜維二はカット、さらに佐藤が左フックをビッグヒットさせ亜維二をのけ反らせる。その直後、前に出た亜維二と佐藤が同体で倒れ、亜維二は右手をマットに着いて右肩が外れたか、右肩の異常を訴える。レフェリーがストップし、佐藤のTKO勝ちとなった。
佐藤は「久しぶりのウェルター級で減量の方がうまくいくか不安だったんですが、しっかり仕上がっているなと思ったのでKO出来て嬉しいです。今日勝って2月に決勝戦があるとおもうんですけれど、今日みたいにKOするので応援よろしくお願いします」と勝利者インタビューに答える。
すると先に決勝進出を決めていた高橋がリングに入り、「お前、一番いい勝ち方してるんじゃねえ、この野郎」と八つ当たりすると、「決勝盛り上げましょう」とメッセージを送った。
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▼第6試合 初代IBFムエタイ日本統一ウェルター級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇高橋幸光(飯伏プロレス研究所)=66.45kg判定3-0 ※30-26×井原浩之(ハーデスワークアウトジム/MA日本ミドル級王者)=66.4kg※高橋が決勝へ進出。
高橋は元J-NETWORKライト級王者、元MA日本同級王者、元WMC日本スーパーライト級王者、元BOMウェルター級王者の四冠王。プロレスラーに転向後、2024年10月からキックボクサーとしての活動も再開している二刀流。戦績は43勝(15KO)25敗5分1無効試合。対する井原はトーナメント最年長の41歳で、28勝30敗2分の戦績を持つ。 1R、両者ともかなり慎重。ほとんど攻防はなく、残り1分で高橋が左ローを2発、右フック。井原がインローを返した。
2R、井原が左右インカーフを蹴り、高橋は前に出るが手は出ず。残り1分になるとまたも高橋が左ローを連発。ロープを背負った井原には右ストレートでのけ反らせた。
3R、高橋は左ローを蹴って左ハイ、このラウンドはパンチを多く出す。井原の右ストレートには左ボディを返す。高橋が後ろ廻し蹴りを放つと、直後に前へ出た井原だがそこへ高橋が左フックでダウンを奪う。井原が立ち上がったところで試合終了。判定3-0で高橋の勝利となった。
高橋はマイクを持つと「NJKFさんは10年ぶりくらいにリングに上がったんですけれど、倒して勝ったらプロレスやるつもりだったんですけど、前回も今回も判定勝ちでやめておいた方がいいと思ったんですけれど、空気が冷えてるじゃないですか。なのでプロレスをやろうと思います。盛り上がってないのは武田幸三プロデューサー、あなたのせいだと覆うんですよ。今日のカード組んだの全部あなたでしょう」と武田を挑発。
武田もリングに上がり「おい、この空気どうすんだ?」と高橋のせいで冷え切った空気の中、高橋に怒りのタイキック(尻への蹴り)。高橋が悶絶し、会場は盛り上がった。
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▼第5試合 64kg契約 スーパーファイト 3分3R延長1R×健太(E.S.G)=63.85kg判定0-3 28-29、27-30×2〇佐々木勝海(エスジム/NJKFスーパーライト級3位)=63.9kg
2025年1月にプロデビューし、126戦目(68勝21KO49敗8分)を迎えた健太がラストマッチを迎えた。その相手を務める佐々木は9勝(2KO)2敗2分の空手をベースに持つ選手。1R、佐々木はジャブと左右ミドルで距離を支配し、健太のパンチと蹴りは空振りが多い。佐々木は縦ヒジも放つ。
2R、健太は距離感をつかんできたか右の伸びるストレートが当たり始める。前へ出てパンチを狙う健太に、佐々木は左ミドルを蹴りながら右ストレート、ヒザ。健太の右フックに佐々木も右フック、ヒジを返した。オープンスコアは19-19、20-18×2で佐々木。
3R、パンチを当てようと前に出る健太だが、佐々木が左ミドルで先制。健太は右ローを蹴り返すが、ならばと佐々木は日zを突き刺す。接近する健太に佐々木はヒジ、ジャブを出しては離れる。その足に追いつくことがなかなか出来ない健太。
判定は3-0で佐々木の完勝といえる内容に。佐々木は「正直ビビってしまってまだまだだなと思いました。本当にめちゃめちゃ怖かったです。また機会があったらよろしくお願いします。来年、凛太郎選手、僕とお願いします」と勝利者インタビューに答えた。 試合後には健太の引退セレモニーが行われ、現役に別れを告げた。
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▼第4試合 日韓交流戦 NJKFフライ級 3分3R延長1R ※ヒジあり×真美(team lmmortal/S-1女子世界ライトフライ級王者)=50.75kg判定0-3 ※27-30×3〇ジョン・アヨン(韓国)=50.35kg
真美はONE Friday Fightsでも激闘を展開したが、4月大会では計量オーバー。判定で佐藤“魔王”応紀に敗れた。再起戦では167cm、17歳ながら11勝(4KO)1敗1無効試合の戦績を持つアヨンと対戦する。 1R、アヨンはいきなり組み付くと首相撲からのヒザ蹴りを連打、隙あらば左右のヒジも打って来る。真美は右ストレートをヒットさせ、パンチで称するがアヨンにすぐ首相撲に持ち込まれてしまう。
2Rもアヨンは首相撲に持ち込むが、離れるとワンツーも打って来る。パンチとヒジを織り交ぜてヒザに持ち込むアヨン。真美はパンチを繰り出そうとするも首相撲になってしまう。オープンスコアは20-18×3でアヨン。
3R、唸り声をあげてガムシャラにパンチで攻める真美に、アヨンは離れるとミドルを蹴り、ワンツーの右を当て、至近距離では右ヒジ、そして組んでのヒザ。あらゆる距離を支配するアヨンに真美はガムシャラにパンチを出して抵抗した。
判定はジャッジ3名とも30-27のフルマークでアヨンの完勝となった。
アヨンは勝利者インタビューに「日本で試合したかったので関係者のおかげで試合が出来ました。相手が世界王者と言うことで緊張したんですが、練習してきたのでリングに上がる時に勝ちを確信しました。またNJKFで試合をしたいです」と笑顔で語った。
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▼第3試合 NJKFスーパーバンタム級 スーパーファイト 3分3R延長1R×王 清志(振興ムエタイジム/同級6位)=55.15kgKO 2R 1分43秒 ※右フック〇祖根亮麻(大和ジム)=55.0kg
1R、前蹴りを多用する祖根は左フックを狙い、王は左ミドルを蹴っての左フックを狙う。ボディを連打する祖根に王は左フック。
2Rになると激しく打ち合う両者。互いに左フックを狙いあう中、ボディも打つ祖根が至近距離で右フックをヒットさせてダウンを奪う。立ち上がった王だが足元がふらつき、そこでレフェリーストップがかかった。
祖根は「たまたま倒れちゃったような感じなので…ありがとうございました。今回進退を懸けて臨んだんですけれど、この勝利は後ろで支えてくれた人たちのおかげです」と勝利者インタビューで胸の内を語った。
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▼第2試合 58.8kg契約 スーパーファイト 3分3R延長1R〇工藤叶雅(Vallely)=58.25kg延長R 判定2-1 ※10-9×2、9-10×陽平(TAKEDA GYM)=58.4kg※本戦の判定は29-28、28-29、29-29。
陽平も武田幸三の秘蔵っ子。6月大会にて16歳でプロデビューし、初回TKO勝ちを収めた。同じく2戦目の工藤は19歳。デビュー戦はTKO負けとなっており、初勝利を目指す。 1R、長い手足から左ミドル、右ストレートを放つ工藤。陽平は右ロー、右ボディストレートをヒットさせると左ボディ。前に出る陽平を工藤は右ストレートでのけぞらせた。
2R、左ミドルを蹴る工藤は陽平が前に出てくるとジャブ、右ストレートで迎え撃ちのけ反らせる。陽平はアグレッシブに前へ出て右ローを蹴り、工藤をロープ際に追い詰めると回転の早いコンビネーションでボディと顔面を打つ。
3R、陽平は勝負に出てパンチの連打で工藤をコーナーへ追い詰めるが、工藤はテンカオと左ミドルで反撃。テンカオがボディへ突き刺さる。それでも前に出てパンチで攻める陽平だが、工藤の右ストレートにのけ反る。最後は工藤が前蹴りで突き放して終了。
本戦の判定は三者三様のドローで延長戦へ。リーチの長い工藤が先に右ストレートや左ミドル、ヒザを一発当てては組み付くを繰り返し、先手を取られる陽平は自分のパンチを打つことが出来ない。工藤の右ストレートがビッグヒット。陽平は前に出て右ストレートを打つが、すぐに組まれて連打を出せず。
判定は2-1で工藤が勝利をもぎ取った。
工藤は「めちゃめちゃきつかったです。嬉しいです。目標は勝ち続けることです」と勝利者インタビューに答えた。
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▼第1試合 NJKFフライ級 スーパーファイト 3分3R延長1R×トマト・バーテックス(VERTEX)=50.45kg判定0-3 ※27-30×3〇竹田奏音(TAKEDA GYM)=49.9kg
竹田はCHALLENGERシリーズをプロデュースする武田幸三の愛弟子。9月大会にて16歳でプロデビューし、KO勝ち。2戦目で1勝4敗2分のトマトと対戦する。 1Rから竹田が首相撲からのヒザ蹴りに持ち込み、トマトを圧倒。離れるとロー&左右フックで応戦するトマトだが、竹田の首相撲に捕まる。
2Rは両者とも序盤からアグレッシブ。竹田は右ロー、左右ミドル、ヒザ蹴りと次々技を繰り出す。トマトは左右フックで応戦するが手数が違う。オープンスコアは20-18×3で竹田。
3Rはさらに両者アグレッシブな攻撃。竹田は右ローに左右ミドル、右ストレート。トマトは右フックで勝負をかける。勢いに乗る竹田が最後まで手数を減らすことなく攻め続け、判定3-0のフルマークで勝利した。
竹田は「いつも通りの練習の動きが出来なくて悔しい想いがあります。このままでは次のCHALLENGERに呼んでもらえないので、もっと練習を頑張ります」と語った。