(C)RISE
2025年11月2日(日)に東京・両国国技館開催される『RISE WORLD SERIES 2025FINAL』に出場する原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)と志朗(BeWELLキックボクシングジム)が、永末“ニック”貴之トレーナーが主宰する2泊3日の鴨川合宿に参加。主催者より合宿リポートが届いた。
永末トレーナー主宰の合宿は定期的に行われ、RISE世界バンタム級王者・志朗を筆頭にRIZINバンタム級王者・井上直樹など各競技のトップファイターたちがジャンルの枠を超えて参加している。今回の合宿には原口健飛の姿もあった。
8月のRISE大田区大会でチャド・コリンズの持つRISE世界スーパーライト級王座に挑んだ原口は、1Rに左ハイキックでダウンを奪ったものの、2R以降はチャドの猛攻を受け、判定負けという結果に終わっていた。
この一年で原口はペットパノムルン・キャットムーカオ 、ミゲール・トリンダーデ、チャドと65kgの世界トップ3にいずれも敗北。シード枠での登場となるGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENTに向けて、トップ3の壁を打破すべく、着手したのが今まで経験しなかった練習をすること。その一貫が今回の合宿への参加であり、合宿直前には韓国に渡り、共にトーナメントにシード参戦するイ・ソンヒョンのもとでもトレーニングキャップを張っている。
「もともと11月にトーナメントが決まっていたので、いつまでもクヨクヨしてられへんなと思ったんですよ。もちろんチャドに負けて悔しかったですけど、その悔しさを悔しいだけで終わらせちゃあかんなと思いました。この悔しさをどう生かすかをチームで話し合いながら、今まで話したことないぐらい深い話もして、何かを変えてみようっていう結論になりました。
それが何かは正直分からないし、答えはないと思うんですよ。だったらとりあえず今までやってこなかったことをやってみて、それをやったあとにシンプルに自分自身がどう変わるのかを見てみたい、感じてみたいと思いました。そういう気持ちとシンプルに成長したいという気持ち、それが今回の合宿に参加しようと思った理由ですね」(原口)
一般的に合宿と言うと年に一回、もしくは夏合宿や冬合宿という形で行われるものだが、永末トレーナー主宰の合宿は隔月ペースで行われ、試合スケジュールに合わせて上乗せされることもあるという。
志朗曰く「日本の選手は3~4カ月に1回や半年に1回ペースで合宿をやることが多いと思うんですけど、僕はそれでは世界のトップ選手や海外の選手には勝てないと思っているんですよ。だから基本的に合宿は2カ月に1回、大きな試合が決まればさらに追加する形でやっています」と、まさに世界で勝つことを目的にした合宿だ。
取材日は早朝からの階段ダッシュに始まり、午後と夜にフィジカルトレーニングとジムワークを行う三部構成。体を追い込むことはもちろん、普段は顔を合わせない選手たちとのジムワークは刺激にもつながっている。
「僕は関西出身やから定期的に参加できるわけじゃないんで、シンプルにキツかったですね。でも刺激を入れたいという思いで、歯を食いしばりながらやってました。しんどい練習そのものは普段からやってるんですけど、合宿という形式で高負荷のトレーニングを連続でまとめてやることはあまりないので、いい経験になりました。技術練習では普段は手を合わせない選手たちばかりなので、色んなパターンを知ることができて楽しいですね」(原口)
「練習メニューはニックさんが考えてくれて、今回は階段ダッシュ、フィジカル、技術練習という感じですね。合宿では普段手を合わせない競技の選手がいて、ジムの練習とは雰囲気も変わるので、そういう部分でも結構いい経験になります。普段の練習ではみんなある程度お互いのことが分かっているので、初めてやる相手にはこういう技が決まるんだとか、色んな発見があるのもいいですよね」(志朗)
一度の合宿参加で選手が劇的に強くなることはないが、変わるきっかけを掴むことは出来る。原口は合宿の成果は自分次第だとし、志朗も「普段やらない合宿に参加するという時点で何かを変えたいという気持ちが伝わってきた」と話す。
「この合宿で何を得られたかは分からないし、得られたものがどこで出るかも分からない。次の試合で勝ったからと言って、この合宿が活きたかどうかも分からないと思います。だからあの合宿に行って良かったなとか、もし行ってなかったら負けてたかもしれないと思うのは自分次第。合宿が終わったあとに行って良かったと思える気持ちになればいいなと思います」(原口)
「最初は『本当に(原口が)合宿に来るのかな?』と思ったんですけど(笑)、普段やらない合宿に参加するという時点で何かを変えたいという気持ちが伝わってきました。僕も『THE MATCH 2022』で負けた時はすぐ合宿に行って、それから新しいスタイルを作ろうと思って練習を続けていました。この合宿に参加したからと言って急激に変わることはないと思うし、地道に積み重ねていくことが必要で、何かを変えようと思ったら継続して続けなければいけない。原口くんにとってこの合宿が変わるきっかけになったらいいなと思います」(志朗)







