キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】4戦目で前王者に挑む木村涼仁「1回目で僕の情報が少ない今だからこそ勝てるかなと思う」

2025/07/08 21:07
【KNOCK OUT】4戦目で前王者に挑む木村涼仁「1回目で僕の情報が少ない今だからこそ勝てるかなと思う」

福島にあるKNOCK OUTアリーナ常葉での活躍が認められて抜擢された木村(C)KNOCK OUT

 2025年7月20日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT.55』(U-NEXT配信)にて、KNOCK OUT-BLACKライト級3分3R延長1Rで大谷翔司(KNOCK OUT クロスポイント渋谷)と対戦する木村涼仁(Bellus Gym)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 これがプロ4戦目となる木村は、ここまで全勝全KOの快進撃。6月のREBELSでも2R KOを収め、またUNLIMITEDのトーナメントに参戦しての戦いぶりが認められて前王者との対戦に抜擢となった。この大チャンスに燃える木村の心境とは?

打ち合いで勝つイメージをしている


──6月1日、常葉アリーナでの津田翔戦は見事なKO勝利でした。あの試合を今、振り返ると?

「正直、もっとやりたいことがあったなとは思うんですけど…次の相手が大谷翔司選手に決まった今となっては、出してない技がいっぱいあって、見せられずに終わってよかったというのも多少思ってはいます。あと、その前までの2戦は1R KOだったので、1Rで倒せなかったのは少し悔しいです」

──キックボクシングではこれで3戦3勝(3KO)。倒して勝ち続けているのは、どういう理由だと思っていますか?

「当て勘がいい方だなとは思ってるんですが、思い切りがいいのも理由かなと思います。よく『ビビらずに前に出てる』と言われるんですけど、本当はすごくビビってるんですよ。もらうのが怖いから前に行っているというのが、倒せているポイントなのかなと思います。

──試合を見ていると、前進して攻撃する時のメリハリが効いているなと思うんですが。

「そこを強く意識しているわけではなくて、緩急が「勝手についている」という言い方がたぶん正しいんだと思います。自分のことを、一発でドカンと倒すタイプでもないと思っていて、連打とか速い手数を出そうとすると、緩急も自然とついてくるのかなという感じですね」

──アマチュアボクシングの実績もありますが、そこへの影響はありますか?

「多少あると思います。ハンドスピードには自信がありますし、アマチュアボクシングでは一発というより手数、ヒット数が重視されるので。今の方が力感も上がっているとは思うので、プロの一発の重さと、アマチュアボクシングの手数やスピード感がうまく融合できているのかなとは思います」

──その上にUNLIMITEDも経験しましたよね。4月のワンデー・トーナメントでは準決勝でローブローのダメージにより棄権という悔しい結果でしたが、UNLIMITEDを経験しての効果は何か感じますか?

「いろいろ思いつくことはあるんですけど…練習とかでもオープンフィンガーグローブ(OFG)でやることが増えて、拳の当たるところとかをボクシング・グローブの時より意識して打つきっかけになったのと、より思い切りがよくなったのかなと感じます。UNLIMITEDって、最初はキックボクサーに有利なルールだと言われてたんですけど、やっぱりタックルとかあると全く違うので、タックルも意識しながら自分の得意な打撃を出そうとしていたんです。そこからキックに戻ってタックgfルもなくなったら、以前よりも視野が広がったんですね。ディフェンスとかも力を抜いてできるようになったのは、UNLIMITEDをやってよかったことですね」

──ちなみにUNLIMITEDはこの先もやりたいですか?

「やりたいです。この前の61kgトーナメントは、選考会から考えるとけっこう長かったんですけど、そこに出ていた選手たちとは終わった後も交流ができて、一緒に練習したりした選手もいるんですよ。だからあのメンバーとUNLIMITEDで戦うのはもういいかなと思っていて、できればあのトーナメントのメンバーで、他の選手たち、例えば本職のMMAの選手たちとかと対抗戦とかやれたらいいなと。そういう形だったらUNLIMITEDもまたやりたいなと思います」

──6月の勝ちっぷりとトーナメントでの戦いっぷりが認められる形で、7月は本戦出場、しかも大谷翔司選手との対戦が決まりました。最初に聞いた時はどう思いましたか?

「純粋に、大谷選手とやれるということがうれしかったですね。大谷選手は以前から好きな選手だったので、ずっと試合を見てましたし、「対戦できたらな」と考えたりもしていたので、光栄に感じました。ビックリもしましたけど、『やらせてもらえるんだ』と思って。経験もキャリアも全然足りてないと思っていたので」

──確かにキャリア差はすごく大きいですよね。「今でいいのか」ということは思わなかったですか?

「後になって多少思った部分はあるんですけど、逆に今だからこそやりたいというか、自分でもどれぐらいやれるか分からないなと思ったので、ここで勝って本物になるか、負けて『まだまだだね』で終わるか、本当に今の立ち位置を見られるいい機会なのかなと思っています」

──どういう試合にしたいですか?

「最初からガンガン飛ばしていくしかないのかなとは思っています。1R勝負ぐらいのイメージでいきたいです。どっちがペースを握るかで勝敗が変わってくると思うので、ペースを取らせないように、向こうのペースにならないように、スタートダッシュでペースを握って、早く自分のスタイルに持ち込みたいなと思います」

──手を出させないぐらいの勢いで?

「いや、打ってきてほしいです。自分ではカウンターも得意だと思っているし、相手も
『元チャンピオン』というよりは普通に『チャンピオン』クラスじゃないですか。この前試合したばかりですが、KNOCK OUTのトップだと思っているので、そのトップにどれだけ自分の武器が通用するのかなというのを見たくて。ガンガン打ってきてもらって、カウンターとかでペースを握れたらいいなと思います。ガンガン来てもらわないと盛り上がらないし(笑)、打ち合いで勝つイメージをしています」

──そこで勝つ自信は?

「自信はメチャクチャありますね。負ける気がしないというとウソになるし、10回やったら僕が負け越すだろうなとは思うんですけど、『初見殺し』ぐらいの感じで、1回目で僕の情報が少ない今だからこそ勝てるかなと思っています」

──ここで勝ったらエラいことになりますよ。

「本当ですよね! 勝ったら本当にタイトル戦線に行けると思っているし、ここで勝ったら次がタイトルマッチでもおかしくはないじゃないですか。『そんなところにいていいのか
な』とも思いますけど、ありがたいですよね」

──それだけの相手ですよね。

「今はまだタイトルどころじゃなくて、大谷選手しか見えてないですけどね(笑)」

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