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『ROAD TO UFC』で敗れた日本人選手が韓国で再起を果たし、再び「UFCへの道」を進んでいる。日本で実績のある選手を踏み台にしようとする韓国勢を相手に河名マストはZFNで、原口伸はROAD FCで勝ち名乗りを受けた。その2選手の試合を紹介したい。
2025年6月7日(土)、韓国・ソウルのSpomotiveにて、『ZFN Origin 2』が開催された。元UFCフェザー級コンテンダーの“コリアンゾンビ”ジョン・チャンソンが主催する同大会で、河名は2戦目。
河名は、2017年U-23世界選手権グレコローマン59kg級初代世界王者。GLADIATORフェザー級王者として、2024年5月の『ROAD TO UFC』に参戦し、1回戦で韓国のソン・ヨンジェに判定勝ち。しかし、8月の準決勝でシェ・ビンに1R KO負けで連勝が4でストップした。
続く12月の『ZFN 02』でユ・ジュサンと対戦。1R、先に左を当てたものの、打撃戦で右ストレートを被弾しTKO負け。キャリア初の連敗を喫した。168cm、30歳。
チェ・ソンヒョクは、韓国MAX FCでキックボクシングでプロデビュー後、2021年にTFCでプロMMAデビュー。Double G FCを経て、2023年5月には愛知のSHOOTBOXING 2023 YOUNG CAESER CUPにも出場。シュートボクシングルールで奧山貴大に判定負けも、ZFNでは旗揚げ大会でパク・ジンを1R TKO。第2回大会でチャン・イクファンを2R TKOで連続TKO勝ちをマークしている。173cm、28歳。
▼フェザー級 5分3R
〇河名マスト(日本/ロータス世田谷)11勝5敗
[1R 3分14秒 ジャパニーズネクタイ]
×チェ・ソンヒョク(韓国)6勝7敗
1R、サウスポー構えのチェ・ソンヒョクに左回りで右ミドルを先に突いた河名。ソンヒョクは左ミドルの蹴り返し。その左足を掴んだ河名がダブルレッグに切り替え持ち上げテイクダウン! その首を左のギロチンに狙うソンヒョクだが、河名は右手は入れさせずクラッチできず。
ヒジをマットに着いてケージ際まで這うソンヒョク。腰を抱く河名は、ケージに上体を立てて座るソンヒョクの立ち際に首をがぶりながら右ヒザも、首を抜いたソンヒョク。
河名の左をかわして右フックを突くソンヒョクに、かわした河名も左で差して組むと、ダブルアンダーで両脇を差してボディロックテイクダウン!
フルガードのソンヒョクの下からのキムラを組ませず、左前腕でソンヒョクの首を押して剥がして、ソンヒョクが金網に上体を立てようとするところに右のパンチ。立ち際に左で差してバッククリンチ狙いも、右で小手を巻くソンヒョクは、左手で引手を掴んで払い腰テイクダウン!
投げられながらもボディロックを放さなかった河名はそのままダブルアンダーで立ち上がり。ケージにソンヒョクを押し込む。互いに細かいヒザの突きあいから、四つ組みから離れるソンヒョク。
すぐに追う河名は左も右に回ってかわしたソンヒョク。河名は右ミドル。そこにワンツーを突くソンヒョクは、左ストレートも。バックステップでかわした河名は、右を打ち込むと、そこに右前手フックをヒットさせるソンヒョク! さらに左右連打に河名はバックステップから巧みに右にサークリングして距離を取る。
追いかけるソンヒョクの右の強振に、カウンターのダブルレッグでマット中央でテイクダウンを奪う河名! 下からのソンヒョクの腕十字、三角絞め狙いをかわして中腰からパウンド。そこに草刈りで蹴り上げを打つソンヒョク。
足をさばいてかつぎパスの河名は、正面からがぶり。ソンヒョクの右脇下から左腕を差し込み、首もとの右手とL字クラッチ。相手を返してソンヒョクの左足に左足をかけて相手を腹に包んで前方に返してジャパニーズネックタイ! ソンヒョクがマットを叩いてタップした。
ジョン・チャンソン代表の祝福を受けた河名は、英語で「アイム・フリーダム、サンキュー。レスリングとパンチをミックスさせて戦おうとしましたが、レスリングだけになってしまいました(苦笑)。プラン通りでなかったですが、この試合をコンプリートできました」とマイク。
続けて、インタビュアーから「フィニッシュのペルヴィアンネクタイは?」と問われ、「この技はペルヴィアンネックタイではなく、ジャパニーズネクタイ。僕のコーチ(八隅孝平)のスペシャルテクニックです。ZFNでもう1試合戦いたい。そしてUFCに行きたい。韓国のファンとコリアンゾンビに感謝しています。2月に母が亡くなり、この勝利を遠くに逝った母親に捧げたいです」と話し、目頭を押さえ、最後に日本語に「母さん、ありがとう」と語り、手を合わせて天に掲げた。
















