海外へ向けて英語アナウンスも交えて行われた記者会見に出席した石井館長(左)と宮田K-1プロデューサー
2025年9月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館と11月15日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催される『K-1 WORLD MAX』の記者会見が、7月1日(火)都内にて行われた。

会見では-70kgの世界最強決定トーナメントを昨年に続き開催、16名選手参加により9月の開幕戦で1回戦8試合、11月の決勝ラウンドで準々決勝~決勝が行われることが発表されたが、K-1アドバイザーとして会見に出席した、K-1創始者である石井和義・正道会館館長は、会見で次々と“K-1改革案”を提案。さらに、K-1の未来について語った。
「K-1はいよいよ生まれ変わり、世界に発信していきます。これは今までやらなかったのではなくやれなかった。いろいろなものが整理されてブランディングも放送権も全て含めてM-1スポーツメディアに戻ってきましたのでこのような世界展開が出来るようになった。これは非常に喜ばしいことでございます。

新生K-1の10年はK-1と宮田さんが創立されましたKrush、この2つのイベントで若い日本人ファイターを鍛えに鍛えて、そしていま日本は若いファイターたちの宝庫であります。このファイターたちがやっと世界に飛び立てる時期が来たということです。
これはスタンディングバウトではK-1にしか出来ない。それはなぜか。やはり1993年から2013年の約20年間、フジテレビ、日本テレビ、TBSこの3局でゴールデンタイムで放送し、最終的には世界124カ国で放送していたこのK-1のブランド力と知名度があってこそ初めて出来る偉業なんです。

ヨーロッパからアジア、南米までK-1の名を知らない格闘技ファンは誰もいません。それくらいK-1は有名です。つまりUFCと並んで、どの団体が有名かというと名前だけに関してはUFCとK-1が世界が認知する団体なんですね。今年はブラジルに加えてアメリカ、ヨーロッパでもK-1の大会がたくさん行われます。世界146カ国が加盟しているWAKO(世界キックボクシング団体協会=石井館長は日本代表)とうまく連携しながら世界中でK-1の大会が行われるようになればますますK-1を目指してくる世界の選手たちが増えてくると思います。
WAKOはIOC(国際オリンピック委員会)の承認団体でありますからIOCと協議してオリンピック競技になる一歩手前の段階なんですけれども、オリンピックになる時はK-1ルールで進めていきましょうと話をして、IOCの方からぜひK-1ルールでやってくれとの要望も受けております。

つまりK-1が世界に広がることイコール、キックボクシングがオリンピック競技になれる、この相乗効果によりキックボクシング、K-1という競技をより世界中に広げていただきたい。そのお手伝いをアマチュアとプロの両方でしていきたいと思っております。もちろん見る人がいるからやる人がいる。プロがいるからアマチュアがいる。これは表裏一体で2つで1つなんですね。だから両方伸びていかないといけない。
これだけキックボクシングの団体が世界中にある中で、今一つ伸び悩む問題はずば抜けた最高峰の競技を行う場がないからです。それをぜひK-1で作り上げていただきたいと思っております。K-1のKはキックボクシング、空手、カンフーなどのスタンディングバウトの総称であります。最高峰のステージ、それがK-1ですね。そのK-1がもう一度生まれ変わって最高峰のステージになることが、キックボクシングが最高峰のファイティングスポーツとしてもっと世界に広まっていくことになり、それイコール、キックボクシングがオリンピック競技にも参加できることにつながっていくことになると思います。だからK-1の役割は非常に大きいんですね。

日本で生まれたK-1こそが世界中を一つにまとめて、みんなの夢をつなげる競技に出来る可能性を持った団体だと思っています。メディアを制する者が世界を制すると言います。僕たちの時代は地上波テレビが全盛の時代でした。今はネットが全盛の時代です。世界中のネットワークを広げてひとつにしてK-1はメディアを制していただきたいと考えています。宮田プロデューサーと矢吹オーナーの考え方、方向性、世界戦略はまさに今の時代にマッチした世界戦略だと考えておりますし、僕も出来る限り応援していきたいと考えています」
最後に、これは僕個人の考え方ですが、K-1は国際的なファイティングスポーツとして広がっていくべきだと僕は思いますね。VISAやマスターズ、トヨタとかベンツのようなメジャーな企業が応援したいと思ってもらえるメジャーなスポーツになれるのはK-1だけだと思っています。バイオレンスの方へ行くと確かにその時は面白いかもしれませんけれど、世界的なスポーツ、子供に見せたいと思うスポーツにはなりにくいと思います。唯一K-1がその可能性を持っているファイティングスポーツだと僕は思っております。
だから方向性を間違えないようにして欲しい。オープンフィンガーグローブでやるのはそれはそれで面白いかもしれないけれど、あくまでも世界的なファイティングスポーツとしてやる以上はグローブでやるべき。オンスというのは綿の重さだからいくらでも小さく出来るので、よりエキサイティングにするにはグローブを小さくすればいいだけの話なので。むしろK-1はアメフトやラグビーではなくサッカーを目指した方がいいと思いますね。
OFGにしたら投げあり、つかみありでしょう。投げたら関節技をしたいよね、叩きたいよね、踏みつけたいよね。どんどんバイオレンスになっていくんです。そうなるとMMAに勝てるわけないですから。しかしボクシングは面白いでしょう。K-1はボクシング以上のスタンディングバウト、打つ・蹴るのスポーツにしていく。そこを間違えなければ間違いなく世界のファイティングスポーツになります。そこにはボクシング以上の大きなお金が集まって来ます。志を持って大きなお金をつかんでください」
また、ONE Championshipについて聞かれた石井館長は「チャトリさんはよく頑張っていると思います。偉いなと思います。ぜひ、もっともっと頑張ってほしいです。キックもムエタイも、アジア発ですからね。あれだけ活躍してくれて、僕らも心強いです。それ以上の大きなマーケットを作ったのはK-1なので、楽しみにしてください。チャトリ、将来は一緒にやろうね。同じ志の仲間じゃないですか。一緒に大きなことやりましょう。これは僕の個人的な意見ですよ」とエールを送ると共に呼びかけた。





