2025年6月27日(金)タイ・バンコクのルンピニースタジアムにて『ONE Friday Fights 114』(U-NEXT配信)が開催された。今大会に出場する日本人4選手と対戦相手はいずれも計量/ハイドレーションテストをパス。
▼ONEバンタム級サブミッショングラップリング 10分1R〇須藤拓真(X-TREME EBINA)=144.6LBS(65.59kg)/1.0218[判定3-0]×シャムスディン・マゴメドフ(ロシア)=143.8LBS(65.23kg)/1.0203
MMAでも7勝3敗のレコードを持つ須藤は、グラップリングでは、Level-Gでライト級王者となり、今成正和をトーホールドで破るなど国内最強の組み技師の一人。
24年12月の『Breakthrough Combat02』で中島太一を足で極めるブルドッグニーバーでタップを奪うと、25年2月の『Breakthrough Combat03』では、23年のADCCアジア&オセアニア予選66kg級準優勝の竹内稔を三角十字で極めている。
対するシャムスディン・マゴメドフ(ロシア)は、BJJ黒帯。5歳より父に連れられて空手を始め、9歳にもなると「もっとハードなことがやりたい」と思うようになり茶帯まで進んだところで並行してボクシングの練習も始める。その後MMAの練習も始めると、週2回のトレーニングの1回はキックボクシング、もう1回はグラップリングというなかでグラップリングが自分に合っていると感じ楽しみはじめる。その後09年に初めてロシアのグラップリング選手権に出て勝利。
兵役を経験したのち、13年にロシア選手権で入賞すると、グラップリング、そしてブラジリアン柔術にのめり込む。最初はアリアンシで練習して、数カ月後に別のクラブへ。そこで自身で場所を借りて運営を始めた。茶帯時代にACBJJ世界選手権で2度優勝(ギ&ノーギ)。ADCCモククワでロシア王者に。2023年ADCCプーケットオープン65.9kg優勝。現在カルペディエム・バンコクのコーチも務めている。同じAL LEONEスポンサーアスリートとして、ジョセフ・チェン、ユアン・リーとも交流を持ち、ADCCプーケットでは、激しいスクランブル戦とともに、積極的な足関節で勝ち進んでおり、須藤とのレッグロック合戦の展開もありえそうだ。
試合決定に須藤は、「じゃじゃん! ONE出ます。足取って来ると言いたいところですが、色々進化してるので、他の技でも魅せたいなと思ってます」との意気込みを示している。果たして、ONEバンタム級で須藤は新風を巻き起こすか。
1R、押し込むマゴメドフ。須藤も立ち合い、スタンドでジャンプしてがぶり首を抱えるが、突き放すマゴメドフ。右腕をアームドラッグで手繰るマゴメドフはダブルレッグテイクダウン。
須藤は外掛け外ヒール。ストレートフットロックに回転したマゴメドフはうつぶせに。横回転でずらしていく。須藤の外ヒールにかかとを抜くマゴメドフ。
なおもフォールスリープスイープから足関節をセットしにいく須藤に、ディフェンスに徹するマゴメドフはヒザを抜いてトーホールド、外ヒールも極めさせない。
外ヒールで2度の「キャッチ」を得た須藤。ストレートフットロックのマゴメドフに、須藤もストレートフットロック。
ヒザを抜き、パス狙いのマゴメドフにガードを戻して、50/50、フォールスリープを仕掛ける須藤。サドルも深くは組ませないマゴメドフは、腕十字狙いも須藤のヒジは抜けている。
外掛け外ヒールから残り30秒でトップを選択した須藤に、いったんはクローズドガードに入れたマゴメドフもだが、両足を解き下から足をからめてゴング。
判定3-0で、防御に徹するマゴメドフから2度のキャッチを取った須藤が、ONEサブミッショングラップリング初陣で勝利した。