吉成名高(左)はバンルーロックを「自分と似ている」「他の選手の2倍は速い」と強敵と見ている(C)ONE Championship
2025年6月27日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 114』(U-NEXT配信)にて、アトム級ムエタイ3分3Rでバンルーロック・シットワチャラチャイ(タイ)と対戦する吉成名高(エイワスポーツジム)。
ONE Championshipオフィシャルサイトの英語版・タイ語版にそれぞれインタビュー記事が掲載され、『ONE Friday Fights』に出場する日本人選手としては別格の注目度の高さを伺わせる。

英語版では「ONE2戦目はルンピニースタジアムです。相手の母国に行くのは久しぶりですが、敵地でも自分の強さ、ムエタイの真髄をしっかり見せたいと思います。必ず勝ちます。そして日本の格闘技の強さを証明したいです」との意気込み。
対戦相手については「バンルーロック選手はこれまでONEで3戦3勝3KOと、フィニッシュ力と攻撃力に優れたファイターです。しかもサウスポーで、タイのファイターの中では珍しい、出入りの多いタイプという印象です。さらにキックボクシングのアマチュア世界大会でも金メダルを獲得しており、ムエタイ出身でありながらキックボクシングのスタイルも使える、まさに万能選手という印象です」と話す。

そんな相手とどう戦うか、名高は「最初からスピード勝負になると思うので、スピードで相手を上回ることがカギです。相手がスピードで勝てないと思ったら、接近戦に出てくると思います。だから、相手が積極的に攻めてきたら、カウンターや大技で仕留めたいですね。1RでKOを狙うのではなく、3R全てを使ってテクニックでKOしようと思っています」と、倒し急ぐのではなく戦略的に戦って3Rの中で倒したいとした。
ONE Championshipに参戦しての変化を聞かれると「ONEとの契約が発表され、3月のイベントでデビュー戦が行われた後、試合前後で海外のフォロワーが飛躍的に増加し、フォロワー数はほぼ倍増しました。ほとんどが海外のファンで、本当に世界的に認知されている団体なんだと実感しました。海外の格闘技ファンからも、僕のスタイルを高く評価してくれているというコメントをたくさんいただきました。世界レベルのファイターを目指す僕にとって、最高の舞台だと思っています」と、海外のファンに広く知られるようになったという。

そして11月16日(日)東京・有明アリーナで開催される『ONE 173』について「有明アリーナという会場で、日本の格闘技ファンは本当に盛り上がっています。前回3月の大会(ONE 172)で僕自身も盛り上がることができました。今回もしっかり勝って、このまま勝ち続ければ、11月の大会にも呼んでもらえると思います」と参戦したいと語った。
一方、タイ語版では「ムエタイのボクサーには独自のスタイルがあります。地元で戦う方がずっと強いんです。タイでタイ人の選手に勝てるようになるまで、自分のファイトスタイルを調整するのに少し時間がかかりました」と、タイのムエタイに適応するのは容易ではなかったとの話も。

「今では、多くの人が僕をムエタイにおける日本人ボクサーの代表として見てくれています。僕のパフォーマンスが、ムエタイに対する人々の見方を変えるきっかけになれば嬉しいです。次の試合では、もっと自分のスキルを見せたいと思っています」との意気込み。

バンルーロックについては「僕とファイトスタイルが似ています。2人ともサウスポーだからです。彼は動きが速く、キックも強く、明らかに他の選手の2倍は速いです。でも、僕は自分の方が速いと確信しています。スピードという点では、僕の方が優位です」とし、「トレーニングではスピードトレーニングに重点を置いています。シャドーボクシングでも、ミットでも、サンドバッグへのパンチでも、常に相手の動きやどんな技を使ってくるかをイメージしています。今では以前よりもさらに速くなりました」と、相手のスピードを認めつつもスピードでは絶対に負けないとの自信を見せる。
そして最後には「ONEの舞台で、自分のムエタイスタイルを存分に発揮したい。それはずっと夢見てきたことです。この挑戦のために、他のステージで獲得したタイトルを手放しました。そして、自分にはそれを成し遂げるだけの力があると確信しています。負けるためにリングに上がるつもりはありません。全ての試合に勝ち、ONEのベルトを勝ち取ることが目標です」と、日本人初のONEムエタイ世界王者になると誓った。



