2025年8月2日(日本時間3日)米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて開催される『UFC Fight Night: Albazi vs. Taira』に、中村倫也(アメリカン・トップチーム)の出場が決定。ネイサン・フレッチャー(英国)と対戦することを中村が自身のSNSで発表した。
▼バンタム級 5分3R中村倫也(日本)9勝1敗(UFC3勝1敗)ネイサン・フレッチャー(英国)9勝2敗(UFC1勝1敗)
中村は、フリースタイルレスリング61kg級で2017年U-23世界選手権優勝などの実績を残し、2021年にプロMMAデビュー。2022年の『ROAD TO UFC』優勝を経てUFCと契約し、RTU決勝での風間敏臣戦を含め、ファーニー・ガルシア、カルロス・ヴェラを相手に3連勝。MMA9連勝をマークしたが、2025年1月の『UFC 311』でムイン・ガフロフに判定負け。キャリア初黒星を喫した。MMA9勝1敗、30歳。
直前で構えが定まらないなかガフロフに敗れ、日本、そして米国フロリダで次戦に向けて作り直してきた中村はいかに7カ月ぶりの試合に向かうか。今回はAPEXでいつもより小さめのオクタゴンとなる。
(C)Zuffa LLC/UFC
対するネイサン・フレッチャーはMMA9勝2敗(UFC1勝1敗)の27歳。パディ・ピンブレット率いるNext Generation MMA Liverpool所属で、キャリア初期は桜庭スパッツを愛用していた極め技師。身長は170cmで中村と同じながら、リーチが178cmと4cm中村を上回る。9勝中、1KOと7つの一本勝ちをマークするグラップラーで、4つのリアネイキドチョーク、2つの肩固め、1つの三角絞めが決まり手でトップ、バック、ボトムからも極めを持つ。
Cage Warriorsで活躍後、24年3月のTUFに階級上のフェザー級で出場したが初戦でカーン・ オフリに判定負け。24年9月のUFC APEX大会でリトアニアのジギマンタス・ラマスカとフェザー級で対戦し、2Rにボディロックテイクダウンからサイド、マウント、肩固めで一本勝ち。
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25年3月のUFCロンドン大会で本来のバンタム級に落として9勝2敗(UFC1勝2敗)のケイラン・ロクラン(アイルランド)と対戦。初回にロクランにテイクダウンを奪われるも、2Rにフレッチャーがシングルレッグから軸足を刈ってテイクダウン。ケージ際の立ち上がりにダブルレッグで手を着かせて背中に乗ってボディトライアングル。背後からパンチでラウンドを取り返した。
しかし、3Rにダブルレッグテイクダウンから立ち上がりをコントロールされると、がぶりから体を入れ替え、バックフィストをヒット。さらにジャブも突き、ロクランを出血させるも、ジャッジはロクランを支持し、スプリット判定で敗れている。
サウスポーの中村に対し、フレッチャーは基本はオーソドックス構えもスイッチも使い、ジャブ、右を突いてのシングル・ダブルレッグテイクダウンからのグラップリングで勝負しトップ、バックからの極めのみならず、下からの三角絞めも得意とする。
一方で、テイクダウンディフェンスは50%と際立って高いわけでもなく、ハーフガードから潜ってシングルレッグでレッスルアップ。バッククリンチからのグランビーロールなど、ポジションを取られてからのスクランブルに注意が必要だ。
中村はスタンドの立ち位置を制して左を突き、いかにテイクダウンに繋いでスクランブルさせずに押さえ込んで削るか。
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日本人UFCファイター「真夏の決戦」はまだまだ続く
(C)GONG KAKUTOGI/Zuffa LLC/UFC
中村が参戦する8月2日のAPEX大会は、平良達郎vs.アミル・アルバジのフライ級5R戦がメイン。
今回の中村の発表で、8月には、日本人UFCファイター4人の参戦が決定したことになる。翌週の9日(日本時間10日)のファイトナイトでは、バンタム級で風間敏臣がエライジャ・スミスと対戦。さらに16日(日本時間17日)の『UFC 313』では、フライ級で朝倉海がティム・エリオットと対戦する。ほか堀口恭司、木下憂朔が復帰戦を控えており、“真夏の決戦”はまだまだ続きそうだ。
中村はXで「一切の迷いなく 最高の準備ができています。ここから再び、登り詰めていきます」と意気込みを記している。
“真夏の決戦”で先陣を切る中村は再起を飾り、UFCバンタム級で再び頂きを目指す。