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【DEEP JEWELS】HIMEが重田ホノカを腕ひしぎ腕固めで極める「RIZINで伊澤星花選手と」対戦アピール、奥富が栗山をドミネートで再起、彩綺がSAAYAと熱戦スプリット判定勝ち、横瀬が成本にキムラ極める、エレナがちゃんりなにTKO勝ち。堀内があきぴに判定勝ち、渡辺が大井に腕十字、山吹が判定勝ち

2025/05/25 12:05
 2025年5月25日(日)東京・ニューピアホールにて『DAYS Presents DEEP JEWELS 49』(U-NEXT配信/公式YouTubeメンバーシップ配信)が開催されている。前日計量では、メインイベントの49kg契約試合で、重田ホノカ(THE BLACK BELT JAPAN)が50.70kg。1.75kg体重超過に(※夜『DEEP TOKYO IMPACT 2025 3rd ROUND』計量)。 ▼DEEP JEWELS 49kg以下→50.7kg 5分3R〇HIME(毛利道場)48.95kg[2R 3分00秒 腕ひしぎ腕固め]×重田ホノカ(THE BLACK BELT JAPAN)50.70kg※1.75kg体重超過 試合は、重田ホノカが最終計量で1.75kgのオーバーのためDEEP公式ルールに則り実施。重田ホノカは「減点3」からのスタートとなり、HIMEが勝利した時のみ公式記録となる。重田ホノカが勝利した場合はノーコンテストとなる。  当初、3月23日に組まれていたカードだが、重田が練習中の怪我で欠場。今大会で組まれた。  HIMEは、バスケットボールで実業団の日立笠戸女子に所属し、ポイントガードとして活躍したアスリート。MMA5勝4敗で、2024年9月の前戦では、彩綺を3Rにわたりフィジカルと総合力で上回り判定勝ち。37歳。  重田は高校柔道では個人戦で東京都2位。MMA4勝1敗で、2024年3月『PANCRASE 341』でフライ級王者・端貴代に挑戦し、判定勝ち。プロデビューから11カ月・プロ4戦目でベルトを巻いた。しかし、2024年7月の前戦『PANCRASE 346』で杉山しずかに1R、ニンジャチョークで一本負け。キャリア初の黒星を喫している。21歳。  56.7kgのフライ級から前回の試合決定時は50kg契約だったが、今回はRIZIN女子スーパーアトム級(49kg)戦に。いかに力を発揮できるかが問われたが、重田が1.75kgの大幅体重超過。  計量後、重田は嗚咽しながら「HIME選手、サポート、応援してくださってる方々に本当に申し訳ございません……。やれることを全力で頑張ります」と絞り出すようにコメント。  HIMEは「どんな形であれ、自分は勝ちにこだわって試合するだけですし、しっかり勝って、DEEP JEWELSが一番いい大会で面白い、一番強いっていうのを自分が代表してアピールしますので、面白い試合をするつもりです」と語っている。 【追記】重田ホノカが最終計量で1.75kgのオーバーのためDEEP公式ルールに従い実施。重田ホノカは減点3からのスタートとなり、HIMEが勝利した時のみ公式記録となる。重田ホノカが勝利した場合はノーコンテストとなる。  1R、サウスポー構えの重田が中央。左足にテーピング。オーソのHIMEは右オーバーハンド、左ジャブ。ジャブのダブルのHIMEにシングルレッグからクラッチした重田はパワフルに後方にそり投げ!  立ち際にバックを奪い、リストコントロールする重田だが中腰で前に落としたHIME。がぶりの重田はアナコンダチョーク!  さらに組み変えてダースチョークへ。ここも斜めに上を向き組ませないHIMEは立ち上がり。そこにヒジを突く重田。  2R、ワンツーのHIMEに重田はシングルレッグ。片足立ちのHIMEを押し込み、なおもシングルレッグからダブルレッグも、またいだHIMEがマウント!  バックマウントからパウンド! 正対した重田に三角絞め、HIMEは右脇に重田の左腕を挟んでヒジを伸ばすと、タップは無くも動けない重田にレフェリーが間に入った。  試合後、HIMEは「得意じゃないグラウンドで極めることができて進化を見せられたんじゃないかと思います。みんな打撃を期待していたと思いますが、そでだけじゃないHIMEを見せられてホッとしています。相手選手はPANCRASE出身で、私はDEEP JEWELS出身の誇りを背負って戦いました。DEEP JEWELSにどれだけいい選手が集まっているかを見せられたと思います」と語った。   またバックステージでは、今後を問われ、「やっぱり上の大会にもう出てみたいですね。DEEPも大好きですけど、RIZINとか出たいので、どんどん自分の強みをアピールしていろんな上の大会に出れたら、一番理想じゃないかなって思います」と語り、対戦相手については、「今パッと思いついた方でいいですか? 伊澤星花選手、やっぱりベルトも持ってますし、階級も近いですし」と、RIZINスーパーアトム級王者の名前を挙げた。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS 59kg以下 5分3R×栗山 葵(SMOKER GYM)57.70㎏[判定0-3] ※27-30×3〇奥富夕夏(リバーサルジム新宿 Me,We)57.60kg  栗山は、2023年2月の中井りん戦での一本負け後は4連勝中。2023年6月の『RIZIN.43』で熊谷麻理奈に1R KO勝ちすると、2023年11月のDEEP JEWELSで齊藤百瑚に1R TKO勝ち。  2024年3月のDEEP OSAKAでMANAを1R 左ストレートからのパウンドでTKOと、いずれも初回に相手をマットに沈めている。2024年5月に中井りんと1年3カ月ぶりに再戦予定も右膝前十時靭帯断裂により欠場していた。  2025年4月6日に1年1カ月ぶりの復帰戦を地元・大阪で戦い、鈴木”BOSS”遥のレスリングに組みでも激闘。判定勝ちし、MMA8勝5敗1分とした。  奥富は、相撲をベースにアマチュアで5戦5勝、プロデビュー戦から3連勝を飾り、2024年3月のDEEP JEWELSでは、アマチュア時代に階級下の万智を破っている柔道強豪の齊藤百瑚と対戦。判定18-18マスト齋藤×3で齋藤が上回るも、齋藤の体重超過で公式結果はノーコンテストに。前戦は2024年7月の『ONE Friday Fights 71』でファイニー・メスキータ(豪州)と対戦し、打撃で後手に回り、組みでも崩せず。逆にメスキータに払い腰で投げられ、リアネイキドチョークを極められた。国際戦で苦い初黒星を喫したことで課題が浮き彫りになった前戦を経て、再起戦でどんな進化を見せるか。  1R、サウスポー構えでサークリングの奥富を追う栗山は蹴りに蹴りで尻餅を着かせ、左アッパーを当てて尻餅を着かせると、すぐに立つ奥富はシングルレッグ。そこにヒジを落とす栗山。奥富はボディロックで崩しながらサイドバックでパウンド。そのスペースで立つ栗山を崩して左足をかけてリアネイキドチョーク狙い。  リストコントロールする奥富を外した栗山は立ち上がるも、なおも組み続ける奥富はボディロックから前に崩してヒザを着かせてバックマウントからパウンド。右足はかけさせない栗山。奥富のラウンドに。  2R、サウスポー構えの桐山にサークリングしながらバックフィストでシングルレッグの奥富。切る栗山の左の入りにシングルレッグテイクダウンも左小手で立つ栗山に、奥富はスイッチ狙いの栗山にボディロックを組み、前方に崩し。片ヒザ立ちの栗山に手首をコントロールする奥富。  切って立とうとする栗山をダブルレッグテイクダウンの奥富! 両足を上げて支点を無くしてパウンド。左足を入れて左のパウンド。立ち上がり正対しクラッチを剥がしてシングルレッグから立つ栗山が前に出てゴング。奥富のラウンドに。  3R、詰める栗山は左の蹴りから左。そこにシングルレッグの奥富。スプロールも切り切れない栗山に、奥富はケージまで詰めてテイクダウン。左足をかけて右脇を差してコントロール。左のパウンドをこつこつ突く。立ちかける栗山を再三崩して栗山が立ち上がったところでゴング。  判定3-0(30-27×3)のフルマークで栗山をドミネートした奥富が再起を果たした。奥富は、試合後、バックステージで「山﨑(剛)さんのアドバイスで、頭からぶつかり脇を締めて押し込む相撲を試合前に落とし込めた」と、練習の成果を語った。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS 49kg以下 5分2R〇彩綺(和術慧舟會 HEARTS)48.95kg[判定2-1] ※19-19マスト彩綺×2, 19-19マストSAAYA×SAAYA(VICTORY GYM) 49.0kg  ムエタイからBreakingDown、DEEPで3勝3敗も激闘続きの彩綺。2024年は3月に古瀬美月を36秒KO後、9月にHIMEにMMAで差をつけられ判定負け。12月には桐生祐子に判定勝ち。  2025年3月の前戦では、グラップラーの青野ひかるに組み伏せられて判定負け。MMA3勝4敗と綺麗に白星と黒星を繰り返している。殺傷能力の高いストライキングがMMAで花開くか。  同じくMMA2勝2敗で白星と黒星が交互になっているSAAYAは、2025年3月の前戦で須田美咲のワンツーを被弾しダウンも、下からの腕十字であわやの場面を作り、払い腰テイクダウンを決めるなど熱戦もスプリット判定負け。殴り合いは必至もどちらが先にMMAとしての完成度の高さを見せるか。  1R、サウスポー構えから左インローの彩綺。右ストレートのSAAYAは詰めて組み。右で差し上げる彩綺はヒザ蹴りで離れ、左ミドル、左ボディ、ストレート。左回りのSAAYAを追う。右差しで組むSAAYAは離れても彩綺に右ストレートを当てて前に!  さらにワンツーで詰めて左差しで崩し、バッククリンチから根毛もすぐに立つ彩綺は圧力をかけて左ヒザ。しかしSAAYAも右ミドル、右ストレート。前に出た彩綺は自らダブルレッグテイクダウン。パウンドからSAAYAの立ち際に蹴りも狙う。  2R、左ボディ、左ストレートを突く彩綺。右ロー、左回りのSAAYAを追って首相撲ヒザ。SAAYAも左右の蹴りと右ストレートを返す。しかし追う彩綺はシングルテイクダウン。右手首を掴んでアームバー狙いからヒザ、ミドルを被弾しながらも立つSAAYAは右を当てる。  しかし、彩綺は左ボディを突くと、右から左を当てて前蹴り! 下がったSAAYAを彩綺が詰めるとSAAYAも右で押し戻す。右の蹴りも当てるSAAYAは頭を下げた彩綺にヒザを突きゴング。  判定は割れて、19-19マスト彩綺×2, 19-19マストSAAYA。彩綺が接戦を制した。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS 54kg以下 5分2R〇横瀬友愛(BELVA)53.75kg[1R 1分39秒 キムラロック]×成本優良(POLAR GYM OSAKA)53.60kg   1R、詰めてボディロックテイクダウンの横瀬姉妹の妹・友愛はハーフからパウンド、さらにパスしてサイドに移行すると、手首を掴んでキムラロックへ。自身の手首とクラッチを組んで肩側に絞るとレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼DEEP 60kg以下 5分2R〇エレナ(和術慧舟會 HEARTS)59.05kg[2R 1分14秒 TKO]×ちゃんりな(Y&K ACADEMY)57.90kg  テコンドーベース・キックのエレナに、空手ベースのちゃんりな。近い距離で打ち合う両者に上下に蹴りも混ぜるエレナが的確な打撃でスタンディングダウンも奪い、2R 1分14秒 TKO勝ち。 [nextpage] ▼DEEP JEWELSストロー級 3分2R アマチュア Sルール×あきぴ(ABLAZE 八王子)50.55kg[判定0-3] ※18-20×3〇堀内美沙紀(FIGHT BASE 都立大)52.65kg  あきぴは3月の前戦でフルコンタクト空手出身のせりなに打撃を出させず一気に詰めてのテイクダウンからパスガード。リアネイキドチョークを極めている。  佐藤将光がセコンドの堀内は、2022年全日本ボクシング選手権女子バンタム級優勝者。元オリンピック強化指定選手からMMAに転向し、アマチュア SルールでMMAデビュー戦となる。  1R、ジャブ突く堀内を詰めるあきぴはバッククリンチ狙いも、万智が「テイクダウン難しい」という堀内は体を入れ替える。ブレーク。  すぐに組むあきぴに左差しの堀内に、引き込むあきぴ。その際で足を越えマウントの堀内は右のパウンドを狙いすまして打つが、ゴング。  2R、先に右カーフのあきぴ。組み付くが突き放す、スプロールする堀内。がぶりからギロチンチョークも横回転で首を抜くあきぴは立ち上がり。そこに右から左! 返しのフックの堀内にシングルレッグから引き込む形になるあきぴ。ハーフから潜りを狙うが、堀内はパウンド。あきぴを足を効かせて防ぎながら三角絞めを狙うが、ゴング。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS 50kg以下 3分2R アマチュアSPルール×大井すず(和術慧舟會 HEARTS)49.10kg[2R 0分55秒 腕十字]〇渡辺真央(POLAR GYM OSAKA)49.70kg  50kg以下のアマチュアSPルール(3分2R)で、元THE OUTSIDER王者で人気放送作家・大井洋一を父に持ち、 レスリング47kg級でインターハイ2連覇を飾っている大井すず(和術慧舟會 HEARTS)が参戦。渡辺真央(POLAR GYM OSAKA) と対戦する。  大井は、4月6日の大阪大会で当日計量49kg契約でセアリ(KING GYM KOBE)との熱戦を制して判定勝ち。44kgで王者を目指すという。渡辺は柔術&キックベース。アマチュア修斗関西選手権、アマチュアGLADIATOR等に出場。GLADIATORでは、横三角での一本勝ちを極めている。  1R、サウスポー構えの大井は、渡辺の左前蹴りを掴んで肩口に持ち上げテイクダウン。足を効かせる渡辺をパスするが、サイドから渡辺はバギーチョーク狙いから解いて立ち上がり。  すぐにバッククリンチの大井はボディロックテイクダウン。マウントでパウンド! しかし、そこに下からシザーズを合わせる渡辺は、三角絞め! さらに腕十字に大井を寝かせてゴング。渡辺のラウンドに。  2R、右前蹴りの渡辺。ワンツーの左を突く大井は、ダブルレッグテイクダウン。しかし下の渡辺は大井のパウンドに右腕を掴んで腕十字! ヒジを抜こうとした大井だがタップした。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS ストロー級 3分2R アマチュアSPルール×和智美音(リバーサルジム立川 ALPHA)51.40kg[判定0-3] ※18-20×3〇山吹マリン(和術慧舟會 AKZA)51.85kg  1R、ともにバレーボール出身。ともにバレーボール出身。長いジャブの山吹は先に組んでボディロック&小外でテイクダウン。ハーフから顔面パウンド無しルールで腕を獲りに。ボディ打ちから腕十字狙いも、そこで立った和智が左フックで前に。  2R、先に詰める和智に、山吹はワンツーで迎え撃ち、左差しで組みに。いったんは両脇を差す和智に体を入れ替えた山吹は、ヒザを突き、小外刈テイクダウン。ハーフからボディにパンチ、さらにリアネイキドチョークへ。和智は半身になって凌いでゴング。  判定は3-0(20-18×3)のフルマークで山吹が、バレーボーラーからアマチュアMMAデビュー戦同士の戦いを制した。
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