MMA
インタビュー

【RIZIN】鈴木千裕、悔しさを滲ませて「しっかり休みます」「これは何か試されてるんだなって。人生うまくいきすぎない。でも最後に勝つのは俺」

2025/05/05 03:05
 2025年5月4日(日)東京ドーム『RIZIN男祭り』の第15試合RIZINフェザー級(66.0kg)5分3Rで、朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)に3R2分56秒、カットによるドクターストップでTKOに敗れた鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が試合後インタビューに答えた。  左目のまぶた上をカットし、左目が腫れた痛々しい姿。右足をやや引きずりながら歩いてきた鈴木だが、3月30日の『RIZIN.50』香川大会でカルシャガ・ダウトベックと激闘を繰り広げてからの短い期間での調整、その試合で負った怪我のことなどは一切口にしなかった。 チャンピオンに戻るためにしっかり休みます ――試合後の感想は? 「……最後に勝ちますよ、もう1回」 ――朝倉選手と対戦した印象は? 「今回は自分との戦いだったので覚えてないですね」 ――自分との戦いとは短期間での試合、プレッシャーのこと? 「常に自分との戦いですけどね。特に今回は。自分を信じましたね。でもダメだったので。やることは分かっているので。今日は負け、そういう日です」 ――大歓声は耳に入った? 「もちろん入ってますよ。もっといい試合を皆さんに見せたかったんですけれどね。申し訳ないですね。応援してくれる人たちに勇気と感動を渡すのが俺の使命なんですけれど、ちょっと出なかったですね」 ――今後の目標は? 「やることは分かってて。(高木)凌と俺がもっともっとコミュニケーションとって八王子とクロスポイントでもっとチーム力を上げないといけない。チーム力が足りないんだなって思って。凌と俺が知恵を振り絞って、いろいろな選手を呼んで、もっといい環境を整えてもっともっと強くなれるんですよ。気持ちは折れてないので。そういうところを改善して目指すべきはチャンピオンですよ。もう1回チャンピオンに戻るのは当然。そのためにはしっかり休みます。身体をちゃんと戻して、いい環境を作って、でやれば負けないですよ」 ――左目の絆創膏はどの程度? 「かすったんですかね。爪かグローブの先端か分からないですけれど。かすったので、表面的に切れたので(回復は)そんなにかからないんじゃないですか」 ――東京ドームで未来と戦って感じたものは? 「それは感じなかったですけど。よく分からないですね」 ――朝倉選手にやり返したい? 「王者になるにあたって連勝を重ねていけばいずれ当たるんじゃないですか。その時はぶっ飛ばしますよ。もう一回作るかな、強い千裕を戻しますよ」 ――この試合を受けて得られたものは? 「一番は応援してくれる人たちがこんなにたくさんいてくれて本当に嬉しかったんですよ。すげぇ俺、幸せもんだなと思って。デビューした時は10人いなかったですし。どんどん試合を重ねるにつれて1人、2人と増えていって、ドームにいった時は僕の名前をコールしてくれる人たちがいて、子供も応援してくれて、そこまで登ってきたんだなって思って。応援してくれる人たちと、チームと家族に感謝しています。  だからこそベストな試合を見せられなかったというのが心残りなので。この試合に出られたのは俺を応援してくれる人たちがたくさんいるからです。それが原動力になっているんだなって思って。だからしっかり回復して、もう1回ファンの人たちが僕の試合を見たいって言ってくれて、僕の試合で勇気をもらってくれる、そういう恩返しをしたいと思っています。それが今回の試合で得られたことですね」 [nextpage] 土俵に上がった時点で言い訳はない ――年始に最短で王者に戻ることを掲げてスタートした。今日の敗戦でタイムテーブルはずれ込む? 「最短で戻りたいのが一番ですが、人生は上手くいくこともあれば、上手くいかないこともある。そういう壁にいまぶち当たっているのでどう崩していくかを考えないといけない。時間がかかっても最後に勝つのは俺なんで。遅かれ早かれ関係ないですよ。多分、試練なんですよね、きっと。何かを得るには何か犠牲を払わなければいけないのはつきもので。  8連勝して王者になってそこから負け越して。これは何か試されてるんだなって。人生うまくいきすぎない。こういう時にどう突破するかを考えないといけないので。俺はまだ25歳ですよ。まだまだ全然強くなれるし、もっともっと高みを目指せるし、俺の心が折れない限り真の負けではないので。だから大丈夫です」 ――朝倉選手と戦ってみて、例えばテイクダウンが想像以上に強かったなど想定以上のことはあったか? 「ないですね。なんかいろいろありましたけれど、やられたんだからしょうがない。そういうのはなかったです」 ――蹴りが出なかった、追い足がいつもほどではなかったのは朝倉選手のカウンターを警戒したから? 「そういう時もありますよ」 ――それは調子が悪かったという意味? 「勝負の世界なので上手くいかないこともあれば、上手くいく時もあるので。今日は天が味方してくれなかったですね」 ――目の上の傷は縫ったか? 「ちょっと縫いましたね。聞いてないので(何針かは)分からないですけれど、そんなに縫ってないですよ」 ――朝倉選手がテイクダウンに来た時、引き込んでいたのは何か意図があったのか? 「技を狙おうとしたんですけれど、浅くて取り切れなかっただけですね」 ――メインイベント(クレベルvs.シェイドゥラエフ)を見ての感想は? 「素直に悔しかったですね。クレベルもをリスペクトしているので悔しかったです。でも、俺もクレベルも心が折れてなかったらまた戦いますよ。格闘技って全員敵なんですけれど同士なんですよね。お互いの思想が合致すれば、それは敵から仲間になってチームになるので、もしまたクレベルがOKしてくれれば学びに行きたいし、僕もできることがあれば協力するのでノープロブレムですね」 ――クレベルとの関係は共闘になっている? 「そうですね。僕はクレベルがホームパーティーに呼んでくれて『あなたはファミリーだよ』って言ってくれて、僕も家族だと思っているので家族だから助け合いますよ」 ――フィジカル・コンディションは100%ではなかった? 「みんなそれなりに100%じゃないですよ。みんな100%に限りなく持っていってるけれど、みんなそれぞれ背負ってやっているのでそれも含めて勝負じゃないですか。土俵に上がった時点で言い訳はないんですよ。だから今回は負け、朝倉選手の勝ち。悔しいですけれどしょうがないじゃないですか。だからコンディションはベストですよ。出来るだけ100%の状態持って行って勝負に挑んでいるのでしょうがないんじゃないですか」 ――テイクダウンされて、コーナーに詰められる展開が続いた。朝倉選手がテイクダウンを狙ってくる予想はしていたか? 「そうですね。でもしょうがない、勝負だから」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント