2025年3月8日(日本時間9日)、米国ラスベガスのT-モバイル・アリーナにて『UFC 313: Pereira vs. Ankalaev』(U-NEXT配信)開催された。
メインカードの第1試合では、噂のマウリシオ・ルフィが登場。32勝中11のKOを誇るキング・グリーンと対戦し、1R スピニングヒールキックで衝撃の失神KO勝ち。オクタゴンの中で日本語で「海賊王におれはなる!」と咆哮した。また、バックステージでは、カイオ・ボハーリョやカルロス・プラチス、ジーン・シウバらFighting Nerds勢が勝利後にかける眼鏡の理由も明かした。
▼ライト級 5分3R〇マウリシオ・ルフィ(ブラジル)11勝1敗(UFC3勝0敗)[1R 2分07秒 KO] ※右後ろ廻し蹴り×キング・グリーン(米国)32勝17敗1分(UFC13勝11敗1分)
『ONE PIECE』の主人公“ルフィ”の異名を持つマウリシオ・ルフィは、5月のブラジル大会でUFCデビュー。ジェイミー・ムラーキーと対戦し、スライディングカーフキック=水面蹴りを、まるで「ゴムゴムの鞭」のように打ち込むと、パンチをスリッピング・アウェーでかわすして後ろ廻し蹴り、さらにカニ挟みでテイクダウン。
二段の跳びヒザ、そして「ゴムゴムの銃」のごとく長い右ストレートを叩き込んでTKO勝ちを収めている。そして2戦目もハメス・ヨントップを圧倒しての判定勝ち。ここまでMMA6連勝中だった。28歳。
今回対するグリーンは元ライト級ランカー。2024年は4月の記念大会『UFC300』で“鉄人”ジム・ミラーに判定勝ち後、7月にパディ・ピンブレットに三角絞めで一本負け。レスリングがバックボーンで、ルフィに似てノーガードからの見えにくいパンチを武器としている。38歳。
【写真】オクタゴンという大海原で胸にルフィのタトゥーを刻んで戦うマウリシオ・ルフィ。開始のホーン前には腰を落とし、右手をマットに向けて、左手をヒザの上に乗せる『ONE PIECE』のルフィのポーズを見せた。
1R、いきなり左右スイッチを見せるルフィ。オーソのグリーンも低い手の構えから右関節蹴り狙い。かわすルフィが圧力をかけて左前手フックの動き、そのままバックヒジが打てる体勢で止まって見せる。
右関節蹴りのグリーン。ルフィは伸びる右ストレートをヒットさせると、グリーンの左をかわす。じりじりと金網に詰めたルフィは右カーフから左フックのフェイントを見せてそのまま回転、右後ろ廻し蹴りでかかとをグリーンの側頭部にヒット!
テンプルにもらったグリーンは前のめりに倒れ、ルフィがKO勝ち。オクタゴンで連続3回宙返りを見せた。
連勝ファイターぞろいのジム=のFighting Nerds恒例の眼鏡をジョー・ローガンとともにかけてインタビューに臨むと、「1日に2つのボーナスを獲得するにはどうしたらいいか考えていたんだ。これが答えじゃないかな」と笑顔。次戦の相手にベニール・ダリウシュを指名し、最後に「ブラジル、ラスベガス、ジャポン! 海賊王におれはなる!」と日本語で叫んだ。試合後のルフィにU-NEXTが話を聞いた。
スピニングヒールキックを決めるために2回フェイントを仕掛けた
──UFC3連勝で今の気分は?
「とてもいい気分だ。本当に勝てて嬉しい。もう一つ勝利を重ねたことが、ね」
──フィニッシュのスピニングヒールキックが見事でした。
「練習をしていたし、計算もしていたし、そして遂行した」
──スピニングヒールキック前の左フックはフェイントだった?
「グリーンにはひとつのフェイントだけじゃうまくいかないから、フェイントを積み重ねる必要があったんだ。2回フェイントをして、キックを当てたよ」
──Fighting Nerds勢が勝利後にかける、壊れかけの眼鏡にはどんな意味があるのでしょうか。
「ああ、この眼鏡はFighting NerdsのNERDS(=オタク)を表しているんだ。特にオタクはいじめられやすいし、恐怖に立ち向かわないといけない事がある。いろんな壁を越えなければいけない。Fighting Nerdsはそのために戦うんだ。彼らがいじめから向き合えるように。彼らの背中は僕らが護るよって。オタクは賢くて障害を克服できて非常に尊敬されるべき存在で、強い人間なんだ。でも誰でもここに上がってこんな戦いをするわけじゃないだろう。だから俺たちがオクタゴンに上がるときは彼らの代表として戦う。それに、この眼鏡は意外と丈夫なんだよ(笑)」
──日本のファンに伝えたいことは?
「(日本語で)海賊王におれはなる!」