MMA
インタビュー

【ONE】内藤頌貴「自分の我儘な動きをしたい」=10月5日(土)「ONE Warrior Series: 日本 vs. 世界」

2019/10/04 19:10
「基本的に自分がやりたいことを、いつもやりたいんですよ」──内藤頌貴は、我儘なファイターだ。 兄・内藤のび太とともに格闘技のバックボーンが無く、パラエストラ松戸に同時に入門し、プロになることすら考えていなかった兄弟は、修斗で世界ランカー入りするファイターとなった。先に総合を始めたのは頌貴だった。 トッププロや王者が集い、日々、自信を失うような相手と練習する環境だったからこそ、格闘技を続けることができた、と兄弟ともに口をそろえる。 弟は兄と異なり、立って戦う時間が長い、打撃を軸に戦うファイターだ。そこでも「自分主導で戦いたい」という頌貴は、グラウンドで一見、受けの寝技のようで「自分がやりたいこと」を徹底する兄と、我儘な点では似通っている。 「試合は自分のために戦います。周りを言い訳にしたくないし、自分のために必死に頑張る。なおかつ、周りが喜んでくれたら嬉しい」──内藤頌貴は、10月5日(土)「ONE Warrior Series: 日本 vs. 世界」での初の国際戦で自身のスタイルを貫けるか。 ――これまで「GRANDSLAM」以外は修斗一筋という戦歴の内藤頌貴選手ですが、今回、修斗とONE Championshipのパートナーシップ契約もあり、さらにONE WARRIOR SERIES 初の日本大会が決まり、参戦のオファーを受けました。この話を聞いたときはどんなお気持ちでしたか? 「鶴屋浩(パラエストラ千葉ネットワーク代表)さんから連絡が来て、こういう話が来ているぞ、と。“ああ、俺に来るんだな”と思いました(笑)。前回も負けてるし、このタイミングで来るんだな、というのはありました」 ――昨年末に小堀貴広選手とベストバウト級の試合を勝利し、今年6月に前田吉朗選手にスプリット判定で敗れたタイミング。でも、オファーが来るのだったらチャンスでは? 「そうですね。まあこんないい方はちょっとあれかもしれないですけど……死ぬほどONEに魅力を持っていたわけではないです。でもジムの仙三さんや兄(内藤のび太)が出ていて、間近で見ているので、その凄さとかは現地でも感じるところがあって。なおかつ、僕はずっと外国人選手とやってみたくて」 ――国際戦は初めてになるのですね。 「そうですね。やっぱり経験しないとわからないので、それはずっと僕の中でやってみたいという思いがありました。なので、もうこんなことはそうそうないなと思って、受けさせていただきました」 ――右利きサウスポー構えで左ストレートを効かせてのラッシュで試合を決めた小堀戦での劇的KO勝利から、6月の前田戦での判定負けになって、どんな課題を感じましたか。 「もうちょっと……前田戦がやっぱり倒そうという意識が強く芽生えてしまったりとか、自分では無意識にやっていたんですけど、やっぱ“無意識に頼る”ような戦い方にしちゃったなという後悔は今、ありますね。そこらへんを修正しつつ、やっている感じです」 ――それは打撃にちょっと寄りすぎていたということでしょうか。 「打撃に寄りすぎていたというよりも、打ち方というか、つなぎ方ですね。当てるまでのプロセスとかを取っ払って、ただ一発当てるという考えに至っちゃっていたなと。それが前田戦でより出てしまった」 ――もうちょっと丁寧に当てるためにセットアップを組み立てて、といくべきだったと。 「そうですね。組み立てるべきだなというのは思いました」 ――ところで内藤選手は普段は体重的には誰と練習することが多いのですか? 「うちのジムは基本的に全員でやるので。特に扇久保(博正)さんとか、征矢(貴)、黒澤(亮平)、のび太とかと、恐山(陸奥太郎)、ほかにも……。うちのジムは軽量級が本当に充実しているので」 ――頌貴選手より少し大きな選手とも練習されて、たいてい誰かが試合を前にしている状況ですね。 「そうですね。毎回ちゃんとした相手もいるし、充実したトレーニングができているなと思います」 ――基本、水抜き無しのONEの計量も、のび太選手のセコンド等でずっとご覧になっているかと思いますが、ご自身でのイメージはされていたんですか? 「そこまで想像してはいなかったですけど、ちょっと61.2(kg)は少し大きいなというのは感じますね。自分はいつもそんなに身体が大きいタイプでもないので、61がどうなるのか。まあ、減量がないので、水抜きもしなくていいし、身体にはいいと思うので、いざ試合になったときに、やっぱり身体の大きさはどうなるんだろうという思いはあります」 ――そうですね。対戦相手の大きさも気になるところです。プロモーションとしてのONEもセコンドとして見てきてどんな印象を持っていましたか。 「メディカルとか、しっかり選手を大事にしているように見られます。選手を尊重している感じはしていました」 ――対戦相手のアレックス・シルドですが、グラップリングや立ち技の試合映像は出てくるんですけど、MMAの試合映像はあまり観ることができませんでした。 「そうなんですよね。映像もあまり出てこなくて。なんで立ち技やってんだ、とか」 ――タイガームエタイとはいえグラップリングコーチをしているとのこと。でもムエタイの試合でもヒジで斬られながら、右ストレートで逆転KO勝ちするなど、根性が強そうでした。 「そうですね。盛り返したりもしていたので、でもまあ、そこらへんは格闘技をやっている以上はどっちかが奪うものだし、そういうことをするために格闘技をやっているという部分も僕の中ではあるので、いい相手、嬉しい相手かなと思います」 ――印象としてはいかがですか? 「タイガームエタイのグラップリングコーチしているんですよね? ただ、今までいろいろな選手と戦ってきて、警戒しすぎても意味ないなという部分もあるんです。僕はどっちかというと打撃寄りですけど、寝技が嫌だというわけでもないですし、別に無理して付き合うつもりもないですけど、寝技を逃げるつもりもない。そこは正面からぶつかって、びっくりしないようにやるつもりです。タックルしてこいよ、殴ってこいよ、と、そういう気持ちです。見える範囲でアラを探しつつ、自分の我儘な動きをしたいと思います。相手に合わせつつも自分のやりたいことをやり通したいです」 ――修斗でキャリアを積み上げながら、今回のONE WARRIOR SERIES参戦となり、内藤選手としては、その先をどのように描いていこうと思いますか。 「評価をしてもらえるならば、すごく嬉しいことです。でも、修斗でやっていきたいなという思いが今も昔もあって、今も修斗に戻りたい、修斗でやっていきたいという思いがああります。今回の試合も継続できるかどうかもわからない状況ですので、まずはこの試合でしっかり勝って評価をしてもらえるような人間になっていきたい。それを修斗の試合でもやっていきたいなと。修斗とはあまり離れすぎずやっていきたいんです。ただ僕が好きなだけなので、そこにすがるつもりはないですが、そういう思いはあります」 ――ONE WARRIOR SERIES 初の日本大会で周囲の人応援に来るのでは? 「そうですね。心強いですが、試合は自分のために戦います。周りを言い訳にしたくないし、自分のために頑張る。なおかつ、周りが喜んでくれたら嬉しいです」 ――先はどうなるかわからないけど、一個一個勝って、修斗のランキングも含めて積み上げていくと。 「積み上げていかなきゃなと思います。今は扇久保さんがフライ級の世界王者ですけど、ランキング上位に勝ったらその位置に行けるのに、こぼしてきたので。ただ、やっぱりあまり先を見据えて喋るのは好きじゃなくて、シルドにまず無事に勝ちたいですね。いい試合──いい試合をするつもりもないですけど、僕が必死に戦う姿を見て、楽しんでもらえたらいいかなと思います。とにかく、必死でやりたいと思います」 ――最後に、ONEの先輩であるお兄さんの内藤のび太選手からは何かアドバイスがありましたか? 「まったくないです(笑)」 ――思っていた通りの回答をありがとうございます(笑)。言葉にしなくても通じ合っている、ということで。 【関連記事】10月5日(土)& 6日(日)「ONE マーシャルアーツ・ファン・フェス」最新スケジュール鈴木祐子「バックボーンが全くなくても掴んだ、このチャンスをモノにする」、内藤頌貴、SARAMI、椿飛鳥、山下竜一、櫻井裕康、有井渚海、基山幹太、それぞれの思いジェイク・ムラタ「“100回に1回”の勝利をこの試合に持ってきて、ZST、Fighting Nexusに他団体の王者を引きずり込みたい」SARAMI「1週間後(ONE両国大会)、怪我人が出たら私、行きます。そのつもりでいるんで」工藤諒司「ONE WSで勝ち続ける、一敗もしないのが目標」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント