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元ONE世界バンタム級王者で、元DREAMバンタム&フェザー級王者のビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)が2月20日(木)『ONE 171: Qatar』(カタール・ルサイルスポーツアリーナ)でのケビン・ベリンゴン(フィリピン)との5度目の戦いで引退することを発表した。
◆『ONE 171: QATAR』(U-NEXT配信)
2025年2月20日(木)午後11時~カタール ルサイル・スポーツ・アリーナ
▼ONEバンタム級 5分3R
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/カナダ)24勝6敗
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)20勝10敗
ビビアーノは、地元カナダのCBCの動画で、20年間のMMAキャリアを終えることについて、「僕は5度、柔術世界選手権を制した。いま自分のジム(Flash Academy Martial Arts)を持ち、多くの生徒たちがいる。そして毎年、生徒たちの面倒を見ている。僕は旅に出ることが多いし、新しいチャンピオンのために柔術やMMAの知識を蓄える時期だと思うんだ」と、現役を退き、後進の育成のために新たな知識を得て、次世代に伝えたいとした。
続けて「今、多くの人が僕のことを“ファイター”と呼んでいるけど、MMAだけが生き方というわけではない。次の世代のためにどうやって情報を吸収し、知識を伝えるか、それを理解することが大切だ。多くの場合、人は簡単に諦めてしまう。僕はいつも、“決して諦めないで、常に動き続けなさい”と教えている。次に何が起こるか分からない──MMAがそう僕の人生を変えたんだ。そうやって、次の人たちや次の世代、次の週のために、過去の知識を生かしていくんだ」と、引退も前進だと語った。
1980年3月、ブラジル・アマゾン マナウス生まれのビビアーノは、オズワルド・アウヴェス門下生として、ムンジアル2003年、05年、06年の黒帯64kg級世界王者に。2004年のブラジル『Jungle Fight 3』でMMAデビューし、リアネイキドチョークで一本勝ち。
2戦目がいきなり、KOTC世界バンタム級王座戦で、ユライア・フェイバーにTKO負け。3戦目がHERO'S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦で、山本“KID”徳郁にスタースイープを決め、腕十字を仕掛けるなど肉薄も判定負け。
2009年からDREAMに参戦し、フェザー級GPで大塚隆史、今成正和、ジョー・ウォーレン、高谷裕之を破り優勝。初代DREAMフェザー級王座についた。2011年12月にはDREAMバンタム級王座も獲得し、2階級制覇。
ONEには、2012年8月から参戦。2013年5月に岡嵜康悦に判定勝ちでバンタム級暫定王座を獲得すると、2013年10月にキム・スーチョルに判定勝ちで王座統一に成功。
2016年1月にケビン・ベリンゴンと初対戦し、1R キムラロックを極めて4度目の王座防衛に成功。以降、7度の王座防衛に成功すると、2018年11月のベリンゴンとの2戦目でスプリット判定で敗れ、王座陥落。2019年3月の3度目の対戦では3Rにベリンゴンが反則の後頭部へのヒジ打ちで失格。王座を戻した。
2019年10月にベリンゴンと4度目の対戦。2Rにビビアーノがリアネイキドチョークを極め、防衛に成功。しかし、2022年3月のジョン・リネカー戦で左フックを被弾し、KO負けで王座陥落。2022年11月の前戦ではマーク・ステファン・ロマンに判定負けで2連敗を喫していた。44歳。
2024年1月には青木真也の対戦相手候補となったが、セージ・ノースカットが対戦相手となり、ノースカットは試合直前に欠場、青木はジョン・リネカーと対戦している。
対する37歳のベリンゴンは、ビビアーノとの4度目対戦後、2020年にリネカー、2021年にクォン・ウォンイル、2022年にキム・ジェウンにいずれもTKO負けで、現在5連敗中。今回は2年3カ月ぶり復帰戦となる。
MMA24勝6敗のビビアーノは、対ベリンゴンで通算3勝1敗。ベリンゴンとの5度目の対戦が、最後の試合になる。ONE Championship史上最多のタイトル戦勝利数と、ONEバンタム級MMAにおける最多防衛記録を保持しているビビアーノは、元王者として有終の美を飾ることができるか。