2025年2月8日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2025 act.1』でコムキョウ・シットポージョーウォー(タイ)と対戦するSB日本ライト級王者・笠原弘希(シーザージム)のインタビューが主催者を通じて届いた。 笠原は強打を武器に2018年9月にSB日本フェザー級王座、2019年9月に同スーパーフェザー級王座、2022年4月に同ライト級王座とSB史上初の三階級制覇を達成。海外強豪勢を相手に連続KOでSBチャンピオンの強さを証明してきたが、2024年2月にONEでのワラポン・ソー.デッチャパン戦で判定負け。10月の復帰第一戦では長谷川祐也を1Rわずか55秒でKOした。
昨年12月の『GROUND ZERO』ではONEで活躍するムエタイ戦士と戦い、持ち味の攻撃力を発揮できないまま判定で敗れた笠原は新たな目標を定め、復活に燃えている。 今回はムエタイのイサーン地方王者で身長182cmの長い手足を活かした攻撃を得意とするコムキョウ・シットポージョーウォー(タイ)と対戦。日本人選手との対戦経験も多い相手だ。
バックドロップを狙っていきたい
――前戦となった昨年12月、ONEからの刺客ジャック・ジャックムエタイとのOFGマッチでは惜しくも延長戦の末に判定負けでした。
「復帰2戦目ということで自分的には試合感覚が戻ったと思って試合に挑んだつもりだったんですけど、試合中、考えていることに対して身体が追いついてこなかったり、俊敏に動けなかった自分がいて、歯がゆかったです。まだ感覚が全然戻ってなかったことで満足する動きができませんでしたが、自分で何が足りないかを把握できた試合だったと思いました」
――実際に対戦したジャックの印象はどう感じましたか。
「テクニックもあって上手くてもちろん強かった相手でしたが、いつもの僕だったら普通に倒していた相手だなと思いましたね」
――今は前回と同じような感覚にならないよう、今はどう調整しているのでしょう。
「より自分を徹底的に追い込んで、視野を広くしてモチベーションを上げるようにして、より熱い気持ちで練習に挑んで質を上げるように頑張っています。練習では、全体的な技術のレベルアップも考え、キレ、パワー、スピードを意識しながら打撃の強化もしています」
――次の相手、コムキョウにはどういう印象がありますか。
「まだ映像を見てないのですが、182cmの高身長ということだけを掴んでいて、これから映像を見て研究します」
――対戦相手が発表されてから時間が経ち、試合も近づいている中、まだ相手の映像を見ていないのは、いつもそういう感じなんですか。
「特別な理由はないのですが、ただ見てなかっただけで、いつもそんな感じなんです(笑)。もう40戦以上やってますし、毎回、自分のスタイルを貫けば誰が相手でも問題ないとも思っています」
――なるほど。174cmの笠原選手よりも、コムキョウ選手が8cm高いことに関してはどう考えていますか。
「戦ってみないと分からない部分はありますが、僕は身長が高くても低くてもそこに関しては特に気にしてないですね。
――今までに対戦した中でも特に大きかった選手としては重森選手がいますね。
「そうですね。重森選手とは1勝1敗でもちろん強い相手でしたが、今回の相手よりも重森選手の方が強かったと思います」
――相手の身長が高いと、笠原選手の必殺のボディブローも入りやすそうですか。
「入りやすそうですけど、身長が高くてもムエタイの選手だと懐が深そうですし、中に入った時にヒジが来ると思うのでこれから作戦を練ります。逆に、身長が低い選手よりも、身長が高い選手だと腰の位置が高くなって投げやすいと思うので、シュートボクサーらしい戦い方を意識してバックドロップを狙っていきたいなと思います」
――今回の試合に関してはテーマはありますか。
「今回、再起戦になりますが、今年中にあとスーパーライト級、ウェルター級の2階級のベルトを獲ってやろうかなと思っているので、今回の相手はそれに向けての火付け役になってもらおうかなと」
――笠原選手はすでにSB史上初3階級制覇を達成していますが、5階級制覇も視野に!
「そうですね。今の階級ではなかなか対戦相手が見つからない状況ですし、何か目標がないとモチベーションが上がらないなと思ってそういう目標を決めました。スーパーライト級王者のイモト選手、ウェルター級王者の奥山貴大選手といつ戦ってもいいです」
――奥山選手は昨年12月にMMAデビュー戦で衝撃一本勝ちしたことで、3月にはDEEPフェザー級GP出場が決まったりと、MMA路線で忙しくなりそうです。
「MMAルールでSBのタイトルマッチでもいいですよ。MMAの練習は全くしていませんが、何でもありのルールだと僕は間違いなく強いと思うので、全然勝つ自信はあります」
――以前、対戦を熱望していた原口健飛選手や白鳥大珠選手は昨年に開催されたRISE世界トーナメントに出場して負けてしまいましたが、どう感じました?
「やはり普通に悔しくて、世界の選手はやっぱり強いなと思いました。準優勝のミゲール・トリンダーデは凄くインパクトを残していましたが、僕とやっても面白いんじゃないですか? 僕を倒したチャド(・コリンズ)に2度KO勝ちしているミゲールを倒せば、チャドにリベンジする必要もなくなるのでぜひやってみたいです。僕は世界の強豪と戦って、勝っていく自信はあるので、ここからバリバリ仕上げていきます。弟の友希もRISE世界トーナメント出場が決まってますし、僕も今年、2025年は暴れてやろうかなと思っているので期待してください」
――笠原兄弟に負けじと、山田ツインズも今勢いがありますね。
「僕は試合順はあまり意識してないのですが、山田ツインズは今回、メインとセミで出るので、僕の試合に負けるなよという気持ちで背中を押してあげたいと思っています」