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【Bellator】ヒョードル、35秒TKO負け。ベイダーが二階級同時制覇。超新星アーロン・ピコが衝撃の逆転KO負け。WWEジャック・スワガーがMMAデビューで一本勝ち=『Bellator 214』

2019/01/27 11:01
【Bellator】ヒョードル、35秒TKO負け。ベイダーが二階級同時制覇。超新星アーロン・ピコが衝撃の逆転KO負け。WWEジャック・スワガーがMMAデビューで一本勝ち=『Bellator 214』

(C)Bellator

1月26日(土・現地時間)米国カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで『Bellator 214』が開催された。

メインで行われた「Bellator MMAヘビー級ワールドGP決勝」では、元PRIDE王者のエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)と、現Bellator MMA世界ライトヘビー級王者のライアン・ベイダー(米国)が激突。DAZNで世界に生配信された試合は、ベイダーが1R35秒、左オーバーハンドフックからのパウンドでヒョードルをTKO。ライトヘビー級と合わせ、同時二階級制覇を達成した。

セミファイナルでは、ボクシングで全米ジュニアゴールデングローブ優勝、レスリングで2013年USAW全米ジュニア選手権のフリースタイルとフォークスタイルの2部門で優勝、2015年レスリング世界ジュニア選手権で銅メダル獲得という超新星アーロン・ピコ(4勝1敗)が、ノード・ラハット、ジョージ・カラカニャン、アンディ・メインに勝利している強豪ヘンリー・コラレス(16勝3敗)と対戦。

先に得意の右アッパーでダウンを奪ったピコだが、立ち上がったコラレスとのクリンチボクシングの攻防で、右ボディ打ちから軌道を変えたコラレスの右フックを浴び、ダウン。KO負けを喫した。5連勝を決めたコラレスはフェザー級王座挑戦をアピールした。

また、元オール・アメリカン・レスラーでWWEではジャック・スワガーとして活躍したジェイク・ヘイガーがMMAデビュー。MMA1勝1敗のJW・カイザーを1R2分09秒、肩固めで降した。

▼Bellatorヘビー級GP決勝戦 5分5R
○ライアン・ベイダー(米国)227.8lb/103.32kg
[1R 0分35秒 TKO]
×エミリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)236.2lb/107.13kg

メインは2018年1月から8選手が参加し争われている「Bellator MMAヘビー級ワールドGP」の決勝戦。決勝に勝ち上がってきたのは、エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)と、現Bellator MMA世界ライトヘビー級王者ライアン・ベイダー(米国)。

ヒョードルは2018年4月の1回戦でフランク・ミアに1R 48秒でTKO勝ち。10月の準決勝ではチェール・ソネンに1R4分46秒でTKO勝ちし、決勝進出を決めた。

対するベイダーは2018年5月の1回戦でキング・モーに1R 15秒でKO勝ち。10月の準決勝ではマット・ミトリオンに判定3-0で勝利し、決勝へと駒を進めている。「Bellator MMA世界ヘビー級王者」となるのは、ヒョードルかベイダーか。両国国家が流された後に、ゴング。

1R、ともにオーソドックス構えから。細かくステップはベイダー。ヒョードルは中央を取る。しかし、前後にステップ踏むベイダーは、右に頭を下げて左のオーバーハンドフック! これに反応できずもんどりうって倒れたヒョードルにベイダーはすぐに追撃の鉄槌! レフェリーが間に入った。

左瞼から出血したヒョードルは立ち上がり、憮然とした表情でカットマンの処置を受けると、ベイダーとハグを交わした。

ライトヘビー級と合わせ、二階級同時制覇となったベイダーは、ヒョードルに敬意を示すと、「あの左は見えなかっただろう。2つのベルトを守る」と語った。42歳“ザ・ラストエンペラー”を打ち破った35歳のベイダーは、27勝5敗に。ヒョードルは38勝6敗となった。

▼フェザー級
○ヘンリー・コラレス(米国)145.7lb/66.08kg
[1R 1分07秒 TKO]※右フック
×アーロン・ピコ(米国)145.5lb/65.99kg

1R、ともにオーソドックス構え。右インローから入るコラレス。さらに近づいたピコに右ストレートも首で受けるピコ。右で飛び込んだコラレスに、近距離から右アッパーはピコ! 後方にダウンし尻餅をつくコラレスだが、左腕は差しに行く。

ここで立ち上がったコラレスとピコはクリンチボクシングに。左で首後ろを掴み右ボディアッパーはコラレス! ピコも右で首後ろを掴み、右ヒザを腹に、さらに左ボディアッパーを連打する。

しかし利き手はコラレス。コラレスはアッパーから、右フックに軌道を変えるとピコが一瞬、動きが止まり棒立ちに。そこにコラレスはさらに右を振り、後方に倒れるピコにパウンドへ。すぐにレフェリーが間に入った。

ピコはデビュー戦以来の黒星で4勝2敗。強豪を立て続けに降したコラレスは17勝3敗とし、「次は誰だ?」と静かにタイトルマッチを要求。セコンドのベンソン・ヘンダーソンの祝福を受けた。

▼ヘビー級
○ジェイク・ヘイガー(ジャック・スワガー/米国)238lb/107.95kg
[1R 2分09秒 肩固め]
×JW カイザー(米国)224.3lb/101.74kg

元オール・アメリカン・レスラーでWWEではジャック・スワガーとして活躍した36歳のジェイク・ヘイガーがMMAデビュー。MMA1勝1敗の40歳JW・カイザーと対戦する。

1R、208cmと長身のヘイガー。共にオーソから右を振るとカイザーも右を打ち込むが、そのまま組み付いたヘイガーは金網際でカイザーの右足を取り、引き寄せてテイクダウン。

片足を抜き、ハーフからストレートアームバー狙い。これを外されると、ヒジ! ハーフのまま、肩固めへ。サイドに出ることなく極めた。

▼バンタム級
○フアン・アルチュレタ(米国)135.8lb/61.59kg
[判定3-0(29-28×3)]
×リッキー・バンデハス(米国)135.9lb/61.64kg

1R、共にオーソから。細かくスイッチするアルチュレタにバンデハスは前蹴り。アルチュレタは右から左で飛び込む。さらに右インロー。しかしバンデハスが圧力をかけると金網に詰まるアルチュレタは低いダブルレッグ。切るバンデハス。なおもアルチュレタはニータップから金網まで詰めてバックに回ったところで1Rが終了。

2R、サイドステップから飛び込むアルチュレタ。バンデハスはバックスピンキック。かわすアルチュレタは再びニータップも深追いせず。アルチュレタの飛び込みを見切るようになってきたバンデハス。飛び込みからボディロックして押し込むがバンデハスは金網背に切る。アルチュレタの左サイドキックをつかみにいくバンデハス。アルチュレタは右スーパーマンパンチもかわすバンデハス。しかし手数が足りない。アルチュレタはダブルレッグから脇を潜りスタンドバックへ。小手に巻き正対際、リフト狙うアルチュレタにバンデハスも腰強く倒されない。

3R、歩きながら左ハイに繋げるアルチュレタ。バンデハスも右ハイを返すが、その蹴り終わりに組み付くアルチュレタ。突き放すバンデハス。アルチュレタの飛び込みにカウンターのヒザを当てるバンデハス! しかしアルチュレタは構わずダブルレッグからスタンドバックへ。クラッチを切るバンデハスだが、アルチュレタは休まずローシングルへ。これも切るバンデハスだが後手に。圧力かけて右ミドルは行くが、必ず圧力かけ返すアルチュレタはシングルレッグへ。そこにヒジを打ち、離れ際にワンツーの右を当てるバンデハス! アルチュレタも頭を振りながら打ち合いに応じ、ゴング。

判定は3-0(29-28×3)で1、2Rを優勢に進めたアルチュレタが勝利した。戦績を22勝1敗としたスペイン系米国人のアルチュレタは試合後、ケージのなかでスペイン国旗を掲げた。

▼フェザー級
○アデル・アルタミミ(イラク)144.9lb/65.72kg
[1R 1分16秒 腕十字]
×ブランドン・マクマハン(米国)144.7lb/65.63kg

イラク、極真会出身のアルタミミは試合前に押忍の十字を切る。マクマハンのシングルレッグで金網際に押し込まれたアルタミミだが、アルタミミはキムラロックから後方に回して腕十字で一本勝ちした。アルタミミはこれで7つ目の一本勝ち。レスリングのバックボーン、そしてドゥエイン・ラドウイック、グレッグ・ジャクソンらコーチ、ジョー・スティーブンソン、カブ・スワンソン、TJ・ディラショー、ジェイク・エレンバーガーらとの練習を経て、MMAキャリアを積んだアルタミミは戦績を8勝5敗とした。

▼160ポンド契約
○ジェシー・ロバーツ(米国)
[判定2-1]
×A.J. アガザーム(米国

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