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【ONE】クリスチャン・リーのライト級王座防衛戦はノーコンテストに。若松佑弥が3連勝!王座戦アピール、青木真也がアバテのヒールフックにタップ、ガサノフがアミールと大激闘

2024/12/07 10:12
ONE Fight Night 26: Lee vs. Rasulov2024年12月7日(土)タイ・ルンピニー・スタジアム※U-NEXTにてLIVE配信中 ▼第11試合 ONE世界ライト級選手権試合 5分5R─クリスチャン・リー(米国/シンガポール)[2R ノーコンテスト]※リーのアイポークでラスロフが試合続行不可能に─アリベック・ラスロフ(トルコ)  メインイベントでは、ライト級&ウェルター級の二階級王者クリスチャン・リーが2年1カ月ぶり復帰。ONE世界ライト級王座防衛戦(5分5R)として、無敗のアリベック・ラスロフの挑戦を受ける。  当初、11月8日(日本時間9日)の『ONE 169』で実施予定だったこのカードは、米国アトランタからタイ・バンコク開催変更に伴い、12月大会にスライドされた。  クリスチャン・リーは、MMA17勝4敗。2022年11月の『ONE FIGHT NIGHT 4』で当時のウェルター級王者キャムラン・アバソフに4R TKO勝ちも、翌月に実妹のヴィクトリア・リーの死去があり、以降、試合を行なっていなかった。  アンジェラ・リーが引退するも、悲しみを乗り越え、実弟エイドリアン・リーがONE2連勝を飾るなか、セコンドにもつき、復帰の準備を行って来た。  対するラスロフは、MMA14勝0敗。6KO・4一本勝ちのフィニッシャーだが、2024年7月の『ONE Fight Night 23』のライト級MMA暫定世界王座決定戦では体重超過で、元同級王者のオク・レユン(韓国)に判定勝ち。レスリングでオク・レユンに競り勝ったが、暫定王座獲得はならなかった。  1R、ともにオーソドックス構え。ラスロフは得意の前手の左フックに、リーは右を差して押し込み崩すも、残したラスロフ。リーは左ジャブ、右ロー。  ラスロフは左右も、リーもワンツーから左ハイで押し戻す。さらに後ろ廻し蹴りも。右フックを打ち降ろすラスロフに、首相撲ヒザから組んだリーは右で差して押し込むも離れる。  ラスロフの左右はまだ遠いなか、リーは右ハイ、左ハイで前に。押し戻すラスロフも右ボディストレート。リーは右カーフを当てる。さらに頭を下げてのフックにヒザを合わせるラスロフ。リーもヒザを返した。  2R、左ジャブを突くリーは左ハイ! さらに頭を下げて踏み込んでの右。右から左で差して組むリーは深追いせず、右ヒザで離れる。右カーフから右を当てたリー。身体が崩れたラスロフは詰めて組んでクリンチアッパー! さらに右で差して押し返すが、突き放すラスロフは右!  ワンツースリーのラスロフにボデイロックテイクダウンのリー。すぐに立つラスロフが前に。ノーモーションの右ストレートを当てるラスロフ。右ストレートから左ハイに繋ぐ。  しかしリーは右カーフ。そこに打ち返したラスロフにリーの前手がアイポークとなり中断。ダメージが大きく、試合はノーコンテストとなった。 [nextpage] ▼第10試合 ONEフライ級 ムエタイ 3分3R×ナックロップ・フェアテックス(タイ)[判定0-3]〇ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)  ナックロップはK-1に来日経験があり、2022年9月に朝久裕貴と対戦してKO負け。タイのテレビマッチで活躍し、激しい試合をするムエタイ選手として知られている。  2023年1月にONE初参戦、3連勝をナビル・アナンにストップされたが、その後は11月にデッドゥアンレックにTKO勝ち、12月にペットンローに判定勝ち、2024年4月には格上のムアンタイとパンチ&ヒジの大接戦の末に判定2-1で勝利。両者にボーナスが贈られる大激闘だった。  6月にタギール・カリロフにヒジで初回KO勝ちし、本戦契約を獲得して今回が本戦デビュー。パエスの代役で今回はゴントラニーが参戦。  1R、サウスポー構えのゴントラニーにナックロップはヒジも、ナックロップの右をかわして左ストレートを当てたゴントラニーが前に。さらに左ミドル。詰めるナックロップの右ローの蹴り返しに、再び左を当てたゴントラニー! 左インローも。接近戦でも左右を突く。  2R、じりじりと詰めるナックロップに、左ミドルを返すゴントラニー。なおも詰めるナックロップの左右をかわしてコーナーを出ると、左の蹴りで先制して、打ち返しに左! ダウンしたナックロップは立ち上がり、詰めて首相撲ヒジのナックロップに、ヒジを打ち返すゴントラニー。しかし、近距離の右でゴントラニーのアゴを上げさせたナックロップはラッシュもゴング。  3R、距離を詰めて右アッパーのナックロップ。下がりながらも左ミドルを返すゴントラニーは左ストレート! 退かないナックロップはコーナーに詰めてワンツースリーも、ゴントラニーは左ミドルを返してゴング。 [nextpage] ▼第9試合 ONEアトム級 サブミッション・グラップリング 世界選手権試合 1R10分〇マイッサ・バストス(ブラジル)[判定3-0]×ダニエル・ケリー(米国) 「ONE世界アトム級サブミッション・グラップリング選手権試合」として、王者マイッサ・バストスと、挑戦者ダニエル・ケリーが立場を変えて再戦。  前回は、ケリーのヒールフックを凌いだバストスがボトムから攻め続け、最後はヒールフックも仕掛けて王座を奪取している。互いに手の打ちを知った再戦でどんな戦略で臨むか。  1R、ケリーは引き込みからバストスの右足を左足でフックする。ベリンボロを狙うバストスはかかとのフックを外して、トップからヒザでピンしながらパスガード、サイドに。  レッスルアップしたケリーが上からパス狙い。下になったバストスはケリーの首を抱えてギロチン狙いも、作らせないケリー。下から潜って右足を掴んだバストスは足関節狙いからトップに。  ダースチョーク狙い。正対したケリーは足首を掴むが、バストスは左足に内ヒールでうつ伏せに絞る。「キャッチ」のコールを受けた。  判定3-0で、ケリーをパスし、ヒールフックでキャッチを奪ったバストスが勝利。雪辱に燃えるケリーを返り討ちにした。 [nextpage] ▼第8試合 ONEフライ級 MMA 5分3R〇リース・マクラーレン(オーストラリア)[判定2-1]×ジャレッド・ブルックス(米国)  1R、ともにオーソドックス構え。右を振って組むブルックス。コーナーで左足をかけてマクラーレンの背後から右のクリンチボクシング。  足を解いても崩して左足をかけてコントロール。右ヒザを相手のヒザ裏に突くと、正対したマクラーレンが離れて、右ストレート。ブルックスは右から左を強振。組むと、コントロールするマクラーレンはヒザを突く。  2R、マクラーレンの左ハイをキャッチしたブルックス。しかし立ち際を譲らないブルックスは、そこでボデイロックで押し込む。離れるマクラーレンは右ロー、左ジャブ。  まっすぐ組もうとするブルックスを腹の下に入れて防いで常に正面に立ち、ブルックスの入りにワンツーで迎撃。さらに首相撲からヒザを入れる。コーナーに詰めるマクラーレンはジャブをヒット。ブルックスが飛び込んでゴング。  3R、ジャブを突くブルックス。マクラーレンもジャブの刺し合いのなか、ブルックスが飛び込んで左フック。ジャブを入れたマクラーレンだがブルックスも左を返すと組みに。突き放すマクラーレンは飛びヒザ、右カーフ。ブルックスは右を返すと脇差しでコーナーに押し込む。  突き放すマクラーレンが詰め返すと、回るブルックスに右ヒジ。額からの出血が多くなるブルックス。ワンツーで詰めるマクラーレンにブルックスはダブルレッグ! がぶったマクラーレンはアナコンダチョークも極めきれず。外したブルックスがダブルレッグに入り、マクラーレンが両足を広げて防いでゴング。  判定はスプリットに割れ、ブルックスのバックを防いだマクラーレンが右ヒジでブルックスをカットさせて、2-1で勝利した。 [nextpage] ▼第7試合 ONEフライ級 ムエタイ 3分3R×デニス・ピューリック(カナダ/ボスニア・ヘルツェゴビナ)[3R 2分58秒 KO]〇エリアス・マムーディ(アルジェリア)  ピューリックは2015年1月にK-1に初来日、卜部功也にKO負け。2022年5月の『ONE 157』でONE初参戦を果たし、シャーゾット・カブトフに判定負け。8月にタギール・カリロフに判定勝利、2023年5月にヨードレックペットにTKO負け、12月にニューイエンにKO勝ちと勝ち負けを繰り返し、2024年4月にジェイコブ・スミスに判定勝ち。6月に体重超過したロッタンにキャッチウェイト戦で判定負け、ONEでの戦績を3勝3敗とした。ブアカーオが所属するバンチャメークジムでムエタイを学んだほか、テコンドー、空手、MMAの経験もある。  マムーディは2016年11月のK-1 WORLD GP初代フェザー級王座決定トーナメントに初来日し、準決勝に進出も小澤海斗に判定負け。2017年4月のKrushでは西京春馬に判定負け。2018年6月のK-1 WORLD GP第2代フェザー級王座決定トーナメントでは村越優汰と延長戦まで戦ったが判定2-1で1回戦敗退。しかし、2019年1月のONEでは小笠原裕典に勝利し、2月にはWBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王座に就いた。  5月、ONEフライ級キックボクシングタイトルマッチでペッダム・ペッティンディーアカデミーに挑戦したが、マムーディが急所攻撃を受けて試合続行不可能となり、負傷判定で敗れ王座奪取ならず。2021年6月にONEでモンコルペット・ペッティンディーアカデミーに判定2-0で敗れ、約2年ぶりの試合となった2023年8月のエドガー・タバレス戦にて初回TKO勝ちで復帰すると2024年8月には内藤大樹にバックハンドブローでKO勝ち。  1R、詰めるピューリックの左右に首相撲ヒザはマムーディ。回転力上げて右オーバーハンドを見せるピューリック。かわすマムーディは左ヒザ、左ロー。ピューリックは右フック。右スーパーマンパンチでマムーディを後退させる。そこに左右ラッシュで右を当てたピューリックにヒザが落ちたマムーディだが、ゴングに救われる。  2R、後ろ蹴りのピューリック。マムーディはワンツーから右ヒジ! テンカオ、右ボディ! 下がるピューリックに首相撲ヒザ。さらに右ヒジも、そこに右ストレートを合わせに行くピューリック。マムーディは左右からヒジ、ヒザを混ぜて前進。後ろを向いたピューリックの背後から右ヒジも後頭部となり中断。再開でゴング。  3R、詰めて右テンカオのマムーディ。首相撲を嫌うピューリックをとらえヒザ蹴り。そこにボデイロックするピューリックだが、「注意」。ワンツー、左ミドルで詰めてヒジ! コーナーで体を入れ替え左右を突くピューリックだが、マムーディの反撃には再三の背中を見せたエスケープで「イエローカード」。再開も、マムーディの首相撲ヒザからの左右に、心も折れたピューリックがダウン。マムーディがTKO勝ちした。 [nextpage] ▼第6試合 ONEフライ級 5分3R〇若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA)[判定3-0]×ギルバート・ナカタニ(米国)  若松は、2022年3月にアドリアーノ・モラエスの王座に挑戦も3R 一本負けで戴冠ならず。同年11月にウ・ソンフンとのキャッチウェイト戦で判定負けで2連敗を喫したが、2023年7月にシェ・ウェイを1R TKOに下すと、2024年1月にダニー・キンガッドに判定勝ちで2連勝中だ。  キンガッドを相手にノンストップのスクランブル戦でパウンドでダメージを与えた若松は、北米の強豪を相手にスクランブルをさせずに上回れるか。  デメトリアス・ジョンソンが引退し、王座が空位のなか、11月9日(土)の『ONE 169: Malykhin vs. Reug Reug』(U-NEXT)では、フライ級1位のアドリアーノ・モラエスと3位のダニー・キンガッドが対戦し、モラエスが2R ギロチンチョークで一本勝ちしている。現在2位の若松にとって、ランキング外の外敵を退けて、モラエスとの王座決定戦をアピールしたいところだ。  対するナカタニは、ラスベガスのシンジケートMMA所属でMMA8勝1敗。2014年からのアマチュア戦でも10勝2敗と好成績を残している。プロMMAでは4KO・TKOと2つの一本勝ちをマーク。 『ONE Fight Night 6』でマイキー・ムスメシと判定まで耐えたガントゥムル・バヤンドゥレンを2021年の『LXF 6』(ビクター・ヘンリーがメインイベントの大会)でリアネイキドチョークで一本に極めるなど組み技にも積極的だ。  20224年8月の前戦『LFA 190』では、3.4ポンド体重超過のジョーダン・ハリスに対し、オーソからシングルレッグ、ハイクロッチで持ち上げてスラムするなど、パワフルな攻撃を仕掛け、スクランブルからバックの取り合い、肩固めやスピニングバックエルボーなど、ひとときも止まらない激闘を見せている。  初戦からトップランカーの若松と激突するが、若松は2024年1月の日本大会でダニー・キンガッドを下し2連勝と波に乗っており、裏を返せば、その相手に選ばれたナカタニに対する期待度も相当なものだと言える。  前王者DJの現役引退に伴い、ONEフライ級MMAの世界王座は現在、空位の状態。果たして、ナカタニは若松を下し、一足飛びでタイトル挑戦のチャンスを掴むのか。  1R、ともにオーソドックス構え。若松は左ヒジで飛び込む。ナカタニの入りにシングルレッグの若松だが、ナカタニは押し込みヒザ。それをつまんで尻餅を着かせた若松がテイクダウンへ。  突き放したナカタニは左ミドル。さらに右カーフ! 四つから崩す若松に、残すナカタニの組みに左小手で投げる若松。残すナカタニの右をかわして左を当てる若松!  尻餅を着いたナカタニを追って左ジャブ、右ストレート、アッパー。ナカタニはダブルレッグでコーナーに押し込むが、体を入れ替えヒジは若松。回るナカタニを追う若松。  そこにカウンターのダブルレッグでテイクダウンはナカタニ。しかしすぐに立つ若松はプレスをかけて右を当てる。  2R、中央を取る若松に、取り返すナカタニ。左ジャブを打つが、そこに右ボディは若松! 詰めて打撃のナカタニをさばく若松は右ハイ!  被弾しながらも前に出るナカタニに、若松はテンカオ、左ミドルでナカタニを下がらせると、インロー、右ストレート! 効かされたナカタニはサークリング。ナカタニの大きな左右をかわす若松は右ハイ! 組むナカタニはコーナーに押し込み左ヒジを突く。  3R、右オーバーハンドの若松は、左アッパーを当ててダウンを奪うとパウンド! しかしここで立ち上がり前に出るナカタニのシングルレッグに四つに持ち込む若松が小内刈テイクダウン!  ハーフから細かいパウンド。ナカタニはフルガードに戻し、腕十字狙い。ヒジが伸びかけた若松だが抜いて立ち上がり。立つナカタニは首相撲ヒザ。  離れる若松は、左ジャブ、ローを当てる。頭を振って飛び込むナカタニの左右をかわして、若松は左前手、真っ直ぐをヒットさせる。  判定は3-0で若松が勝利、試合後「もちろんONEのチャンピオンを僕が獲って、フライ級の世界一はONEだと証明したいです」とONEフライ級タイトル戦線に名乗りを上げた。 [nextpage] ▼第5試合 ONEフェザー級 5分3R〇シャミル・ガサノフ(ロシア)[判定3-0]×ハリル・アミール(トルコ)  1R、サウスポー構えのアミールにガサノフはシングルレッグで押し込み、ボデイロックでリフトしてリング中央でテイクダウン、すぐさまシングルバック、さらに4の字ロックに変えてリアネイキドチョーク狙い。  足を解いたガサノフにいったん正面を向きかけたアミールがシングルレッグから立ち上がりに行くが、ガサノフは腕十字を狙う。  2R、サウスポーから左ミドルハイを腕に当てるアミールだが、すぐにシングルレッグでコーナーに押し込むガサノフは力を使い引き出そうとするが、アミールはコーナーでロープを掴みテイクダウン狙いを防ぐ。  ハーブ・ディーンレフェリーの注意後、再開。ガサノフはシングルレッグテイクダウン。ハーフからパスを狙うガサノフに、フルガードに戻すアミールも下から細かい打撃を当てる。  3R、ガサノフのシングルレッグに首相撲ヒザを突くアミールだが、離れてなおもダブルレッグでロープまでドライブしてテイクダウンするガサノフは立ち際にバックを奪い、リアネイキドチョーク狙いから下に落ちながら腕十字へ。  ここは腕を抜いたアミールをすぐに追い、バックにつくガサノフ。アミールは後方についたガサノフにスロエフストレッチ気味に崩して、互いにスクランブルでバック狙い。  ともにシングルレッグの取り合いからノーアームギロチンはアミール! さらにダースチョークを狙うが、そこで首を出してシングルレッグのガサノフ。ともに極めさせずゴング。判定3-0でガザノフが勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 ONEライト級 サブミッション・グラップリング 1R10分×青木真也(日本)[1R 2分25秒 ヒールフック]〇コール・アバテ(米国)  青木は、2024年1月28日のONE日本大会で、セージ・ノースカット欠場の代わりに緊急出場したジョン・リネカーを相手に、1R 3分、リアネイキドチョークで一本勝ち。2022年11月のサイード・イザガクマエフ戦の敗戦から1年2カ月ぶりのMMA戦で再起を飾っていた。  2019年10月のONE日本大会でホノリオ・バナリオに一本勝ち以降、江藤公洋、 ジェームズ・ナカシマ、エドゥアルド・フォラヤンを相手に4連勝をマークした青木は、2022年3月に秋山成勲に2R TKO負けすると、同年11月にイザガクマエフに1R TKO負け。  グラップリングルールではケイド・ルオトロに判定負け、マイキー・ムスメシに一本負けしており、ONEでは4連敗と黒星が続いていたが、2024年1月大会でリネカーからタップを奪っている。41歳。  今回、青木がサブミッショングラップリングルールで対するコール・アバテは、試合時に20歳になったばかりの天才グラップラー。  ONEには初参戦で、幼少期と色帯のキャリアを通じて、ほとんどすべての主要トーナメントでゴールドメダルを獲得。AOJ(ART OF JIU JITSU)出身で、2023年7月のIBJJFアジア大会で優勝後、“レジェンド”ギリェルメ・メンデスからBJJの黒帯を授かっている。  テキサス出身のアバテは黒帯を巻いてまだ1年余りとはいえ、BJJとサブミッション・グラップリングの最高峰の大会に慣れていることは確かだ。  2021年、ADCCのイーストコーストトライアル66kg級で、当時まだ16歳のジュブナイル青帯だったアバテは、黒帯世界王者のエステバン・マルチネス 、EBI王者のジョン・カレスタイン、キース・クリコリアンらに勝利。また、ジオ・マルチネス、ディアンドレ・コルベといった世界トップクラスの黒帯にも勝利している。  1R、詰める青木にコーナー際ながら引き込むアバテ。フルガードから手首を掴み、青木の足を蹴って崩すが、ガード中央に戻る青木。  アバテはロープ際で下から三角絞め狙いの四角から、足を解いてともにフットロック狙い、アバテは足はかけずにトーホールド狙い。ここは凌ぐ青木に、アバテはヒザ上で足をトライアングルに組み、内ヒールをうつ伏せになって極めて青木からタップを奪った。  ONEデビュー戦でレジェンドから一本を奪ったアバテは5万ドルを獲得。「ずっとレジェンドである彼のビデオを見て研究してきた。凄く真也のことを尊敬している。レッグロックで勝てたことが嬉しい。これからも若い人の見本になるように戦ったいきたい」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 ONEストロー級 キックボクシング 3分3R〇ジョナサン・ディベラ(イタリア / カナダ)[判定3-0]×ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)  ディベラは格闘家だった父に2歳から教えを受け、極真空手の黒帯を取得。アマチュアキックボクシングで20勝(17KO)無敗、アマチュアボクシング6勝無敗の戦績を収めてキックボクシングのプロに転向すると現在までISKA北米王座やISKAインターコンチネンタル王座を獲得。GLORYにも出場した。  2022年10月にONE初参戦を果たすと、いきなりONE世界ストロー級キックボクシング王座決定戦に抜擢され、ジャン・ペイメンを判定で破り新王座に就いた。2023年10月にはダニエル・ウイリアムスを判定で破り初防衛に成功。しかし、4月の『ONE Friday Fights 58』での2度目の防衛戦前にハイドレーションテストの検体を提出できず、計量が許可されなかったためプラジャンチャイとの試合は中止、王座は剥奪。6月にプラジャンチャイとの王座決定戦に臨んだが判定で敗れ人生初黒星を喫した。戦績は12勝(4KO)1敗。  ボテーリョは2015年4月のK-1に来日し、寺戸伸近に判定負け。2018年6月にONEで小笠原裕典に逆転KO負け。同年12月にはパンパヤックに判定負けも、2019年3月には渡辺優太に判定勝ちでONE初白星。しかし、その後はスーパーレック、内藤大樹、品川朝陽、アスランベック・ジクレーブに泥沼の4連敗。崖っぷちで迎えた2023年11月、“中国の天心”として話題となったジャン・ペイメンから番狂わせの判定勝利をつかむも、この試合を最後にONEから離れていた。2024年10月にONEへ復帰するとトンプーンに左フックでダメージを与えての判定勝ち。  ディベラは格闘家だった父に2歳から教えを受け、極真空手の黒帯を取得。アマチュアキックボクシングで20勝(17KO)無敗、アマチュアボクシング6勝無敗の戦績を収めてキックボクシングのプロに転向すると現在までISKA北米王座やISKAインターコンチネンタル王座を獲得。GLORYにも出場した。  2022年10月にONE初参戦を果たすと、いきなりONE世界ストロー級キックボクシング王座決定戦に抜擢され、ジャン・ペイメンを判定で破り新王座に就いた。2023年10月にはダニエル・ウイリアムスを判定で破り初防衛に成功。しかし、4月の『ONE Friday Fights 58』での2度目の防衛戦前にハイドレーションテストの検体を提出できず、計量が許可されなかったためプラジャンチャイとの試合は中止、王座は剥奪。6月にプラジャンチャイとの王座決定戦に臨んだが判定で敗れ人生初黒星を喫した。戦績は12勝(4KO)1敗。  ボテーリョは2015年4月のK-1に来日し、寺戸伸近に判定負け。2018年6月にONEで小笠原裕典に逆転KO負け。同年12月にはパンパヤックに判定負けも、2019年3月には渡辺優太に判定勝ちでONE初白星。しかし、その後はスーパーレック、内藤大樹、品川朝陽、アスランベック・ジクレーブに泥沼の4連敗。崖っぷちで迎えた2023年11月、“中国の天心”として話題となったジャン・ペイメンから番狂わせの判定勝利をつかむも、この試合を最後にONEから離れていた。2024年10月にONEへ復帰するとトンプーンに左フックでダメージを与えての判定勝ち。  1R、サウスポーから左カーフを蹴りながら前に出るのはディベラ。左ストレートも伸ばす。コーナーへ詰めると左ハイ。ボテーリョは左フックを合わせに行くがディベラのスピードある左ストレート&左カーフに下がり続ける。ディベラは左ミドルから左ストレート、ボテーリョは左フックもすぐにディベラが攻撃を返す。  2R、ジャブで圧をかけるディベラは左カーフ、左ストレート。ボテーリョも右カーフを蹴り返すとすぐにディベラが左ストレートを伸ばしてくる。得意の左フックをなんとか当てたいボテーリョだが、ディベラのスピードについていけない様子。右ミドルを蹴るボテーリョに、ディベラはすぐに左カーフ、左ストレートを返す。徹底した左カーフから左ミドル、ボテーリョが返そうとしたところへディベラが左ストレートを合わせてボテーリョを後退させる。  3R、ディベラはここで右フック。下がるボテーリョに“前へ来いよ”とアピールする。ワンツーで前へ出るディベラにボテーリョは左ミドルも、圧をかけられて後退。ボテーリョの右ミドルにディベラは左ストレート、左ボディだ。ボテーリョの右ミドルに右フックを合わせていくディベラ。左ボディもフォローする。最後は余裕を見せるディベラが二回転蹴りを放ち、ノーガードで挑発。終了ゴングが鳴ると、ボテーリョは怒りを露わにし、ディベラはさらに挑発して険悪な雰囲気に。  判定3-0でディベラの圧勝となった。 [nextpage] ▼第2試合 ONEライト級 サブミッション・グラップリング 1R10分〇ダンテ・レオン(カナダ)[1R 2分01秒 腕ひしぎ三角固め]×ブルーノ・プッチ(ブラジル) プッチは開始と同時にダブルレッグもレオンがガブる。レオンはバックへ回ると4の字ロック。背後からプッチの左腕を左足で縛りながら右腕を取ると、後ろへ回していき腕十字狙い。  さらに両足を絡めて三角絞めの体勢を作ると背後からアメリカーナ狙いから腕ひしぎ三角固めでフィニッシュ。プッチに何もさせず世界トップグラップラーの実力を見せつけた。レオンもボーナスを獲得。 [nextpage] ▼第1試合 ONEストロー級 ムエタイ 3分3R〇トンプーン・PK・センチャイ(タイ)[2R 1分10秒 TKO]×ダニエル・ウィリアムス(豪州/タイ)  トンプーンは2023年3月の『ONE Friday Fights 10』から参戦し、トゥモロー、ペットモンコル、ヤンダムに3連勝して12月の『ONE Fight Night 17』に出場。エリス・バドル・バルボーザのボディブローにKO負けを喫したが、バルボーザに禁止薬物の陽性反応が出たため無効試合に変更されている。  2024年2月はティムール・チュイコフにTKO勝ち。しかし、5月にザカリア・ジャマリに判定負けでONE初黒星を喫すると10月もルイ・ボテーリョに判定負け。ニックネームは“タイのサイタマ”とワンパンマンの主人公の名前を持つ。  ウィリアムスはMMAでも戦うオールラウンダー。2024年2月にMMAでリト・アディワンに判定負け、10月はMMAで体重超過のバンマ・ドゥオジに判定勝ちした。  1R、ローとミドルの蹴り合いからスタート。ワンツーで前に出たウィリアムスにトンプーンが左フックを返す。トンプーンの右フックをもらったウィリアムスは左右の縦ヒジで前へ出ると、ウィリアムスも左右フックで応戦。トンプーンがジャンプしての右縦ヒジを放つとトンプーンが右ストレート、そこから打ち合いになる。  2Rが始まってすぐ、トンプーンが左ミドルからの右フックでダウンを奪う。すぐに打ち合いとなり、トンプーンが右フックでダウンを追加。組んでのヒザでピンチを凌ごうとしたウィリアムスだが、トンプーンの右フックがヒット。レフェリーがストップし、トンプーンが激闘TKO勝ちで連勝をストップした。 「1Rは落ち着いて相手の動きを見ていた。2Rは相手の作戦が分かったので行った」と語ったトンプーンにはボーナスが贈られた。
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