2024年11月23日(土)に中国・マカオ のギャラクシーアリーナにて『UFC Fight Night Macao: Yan vs. Figueiredo』(U-NEXT配信/UFC Fight Pass配信)が開催されている。前日計量は全選手がパス。
同大会ではメインカード以外にも、注目のカルロス・ヘルナンデスvs.ニャムジャルガル・トウメンデムベレル、ロニー・カヴァナvs.ホセ・オチョアのフライ級戦。さらに、日本人選手が勝ち上がれなかった『ROAD TO UFC 2024』3階級の決勝が行われる。中国、韓国、英国の3カ国の選手たちは、同朋対決も含め、どんな試合でUFCとの契約を決めるか。
なお、大会の模様は、日本時間23日(土)17時にスタート予定のプレリム7試合、20時に始まるメインカード6試合を含む全試合が、『UFC FIGHT PASS』ならびに『U-NEXT』でライブ配信される。
UFC Fight Night Macao 速報
現地および日本時間2024年11月23日(土)中国・マカオ /ギャラクシーアリーナ
【メインイベント】※選手名からインタビュー
▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5Rピョートル・ヤン(ロシア)17勝5敗(UFC 9勝4敗)135.5lbs/61.46kgデイブソン・フィゲイレード(ブラジル)24勝3敗(UFC13勝3敗)※UFC3連勝中 135lbs/61.24kg
バンタム級。ヤン3位、フィゲイレード5位。
UFC無敗で王者となったヤン。スターリングとの防衛戦では、優勢に試合を進めながら、4Rに反則の顔面ヒザを打ち込み、UFC史上初の反則負けでの王座陥落。1年後に組まれた再戦(スターリングは負傷で1年のブランク)では、1Rにスターリング得意のバックテイクを許す展開で、後半追い上げるもスプリット判定負け。次戦のショーン・オマリーには優勢に試合を進めて勝ったと思われる内容だったが不可解な判定負けで連敗。さらに続くドバリシビリ戦では、テイクダウンを奪われすぐに立ち上がってもしつこく組みに来るドバリシビリに攻めを封じ込まれ、UFC4敗目で初となる完敗を喫した。前戦は中国の若きスター・ソン・ヤドンと対戦し、接戦の末勝利して連敗を止めている。31歳。
対するフィゲイレードは、アレッシャンドリ・パントージャに判定勝ち後、ティム・エリオットにギロチンチョークで一本勝ち、ジョセフ・ベナビデスとの王座決定戦で2R TKOも体重超過で王座獲得ならず。再戦で1R リアネイキドチョーク(RNC)で一本勝ち。ベルトを巻いた。その後アレックス・ペレスもギロチンで極めて5連勝も、ブランドン・モレノとの初戦でドロー。そこからUFC史上最多となる同一カード4連続タイトル戦で1勝2敗と負け越した。
2023年12月にバンタム級転向でロブ・フォントに判定勝ち、2024年4月にコーディ・ガーブラントにRNCで一本勝ち。 2024年8月の前戦でマルロン・ヴェラにも判定勝ちで3連勝中だ。36歳。
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▼女子ストロー級 5分3Rヤン・シャオナン(中国)18勝4敗(UFC8勝3敗)116lbs/52.62kgタバサ・リッチ(ブラジル)11勝2敗(UFC6勝2敗)115.5lbs/52.39kg
女子ストロー級。シャオナン2位、リッチ10位。
シャオナンはUFC300のセミでウェイリーと初の中国人同士(アジア人同士も初)のタイトル戦で対戦。3Rにはパンチでダウンを奪い、あわやという場面は作ったが、それ以外のラウンドではウェイリーにテイクダウンから攻められる展開で判定負け。散打バックボーンのストライカーで、パンチの技術は高くないものの、打たれ強さとパンチの重さを武器に打ち勝つスタイル。グラウンドには若干穴がある。35歳。
リッチはUFC6勝2敗で、UFCデビュー戦の負けは階級上のフライ級で相手が現2位のマノン・フィオロ。ストロー級での唯一の敗戦は今は下位ランカーのルーピー・ゴディネス戦で、タックルを切られ打撃をもらう展開で敗戦。8月の前戦は大ベテランのアンジェラ・ヒルと対戦し、打撃でも打ち合って休まず攻め続け、ランカー相手に初勝利を挙げた。柔道・柔術がバックボーンのグラップラーだが、打撃も向上しつつある。29歳。
シャオナンはUFC参戦前の最後の試合が2016年の『ROAD FC 43』の藤野恵実戦(ノーコンテスト)で、UFCでも近藤朱里と対戦して判定勝ちしている。リッチはSEI☆ZAで日本に住み込んでトレーニングしていた時期があり、ともに日本に縁がある選手。
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▼ウェルター級 5分3Rソン・ケナン(中国)22勝8敗(UFC6勝4敗)171lbs/77.56kgムスリム・サリコフ(ロシア)20勝5敗(UFC7勝4敗)170.5lbs/77.34kg
ウェルター級。
中国のケナンは重い打撃と、ディフェンス能力はあまり高くないが、打たれても引かない頑丈さが武器。UFC6勝4敗と、アジア勢にとっては重い階級で勝ち越している。前回のリッキー・グレン戦は、もともとフェザー級のグレンがウェルターに上げた初戦で、フィジカル差を活かした攻めで圧勝した。34歳。
ロシアのサリコフは散打で5度世界一になっていることもあり、キング・オブ・カンフーのニックネームを持つ。MMAでもKO勝ちの多いストライカーで、サイドキック、バックスピンキックを多用する典型的な散打ファイター。一時5連勝でランキング入りしていたこともあったが、その後は2勝3敗と負け越して、現在はノーランカー。ウェルター級では4番目に年長の40歳。
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▼女子フライ級 5分3Rワン・ツォン(中国)6勝0敗(UFC1勝0敗)ROAD TO UFC出身 126lbs/57.15kgガブリエラ・フェルナンデス(ブラジル)9勝3敗(UFC1勝2敗)126lbs/57.15kg
女子フライ級戦。ワン・ツォンは5月の『ROAD TO UFC』のワンマッチで一本勝ちしてUFCと契約し、トーナメント勢より一足早く今年8月にUFCデビュー。デビュー戦はUFC1勝3敗のビクトリア・レオナルド戦で、1分少々で右を打ち抜き意識を飛ばすKO勝ち。バックボーンはキックで、2015年には現王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコにキックの試合で判定勝ちしている。MMAデビューからはまだ2年半で、ここまで6戦全勝。初戦でのインパクトのある勝利後、ランカーとの対戦をアピールしていた。それは実現しなかったもののUFC2戦目で早くもメインカードに抜擢されている。32歳。
フェルナンデスはテコンドーがバックボーンのストライカー。柔術のバックボーンもあるものの、UFCデビューから2戦はテイクダウンされると何も出来ずに2連敗。6月の前戦は、UFCデビュー戦のカーリ・ジュディスに序盤から打撃でアグレッシブに攻め、スタミナ切れしたものの、僅差で逃げ切っての判定勝ち。同じく打撃のバックボーンを持つ者同士の対戦だが、オッズは今大会一番のアンダードッグに。31歳。
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▼ライトヘビー級 5分3Rヴォルカン・オーズデミア(スイス)20勝7敗(UFC8勝6敗)206lbs/93.44kgカーロス・アルバーグ(ニュージーランド)10勝1敗(UFC6勝1敗)※UFC6連勝中 205.5lbs/93.21kg
ライトヘビー級。オーズデミア8位、アルバーグ10位。
オーズデミアは2017年にUFCデビューすると、半年で3試合し3連勝。翌年ダニエル・コーミエのタイトルに挑戦したが2RKO負け。ここまでUFC8勝6敗で、イリー・プロハースカのUFCデビュー初戦の対戦相手も務めたが、2RでKO負けした。直近はボグダン・グスコフとジョニー・ウォーカーに2試合連続で1Rフィニッシュ勝利している。バックボーンはキックボクシング。35歳。
ニュージーランドのアルバーグは元キックボクサーで、MMAとキックの二刀流から2020年にMMAに完全転向した。転向初戦がDWCSで、勝っていきなりUFCと契約。初戦のケネディ・エンジーチュクー戦は1Rにパンチ・キックでラッシュしたがスタミナが切れ、2Rに逆転KO負け。MMAの洗礼を浴びたが、そこから6連勝中。前戦でランカーのアロンゾ・メニフィールドと対戦すると、ゴング後いきなり飛び込んできたメニフィールドからパンチでダウンを奪って12秒でKO勝ちし、ランキング入りを果たした。34歳。
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▼ライトヘビー級 5分3Rジャン・ミンヤン(中国)17勝6敗(UFC1勝0敗)ROAD TO UFC出身 205lbs/92.99kgオジー・ディアス(米国)9勝2敗(UFC0勝0敗)205lbs/92.99kg
ライトヘビー級。
ミンヤンは2022年の第1回『ROAD TO UFC』第1試合で1RKO勝ちし、『ROAD TO UFC』からのUFC契約第1号選手となっている。昨年は怪我や中国大会中止などで試合が流れ、今年2月にようやくUFCデビュー。相手もUFCデビュー戦のブレンドソン・ヒベイロで、序盤ヒベイロのパンチを被弾したものの、かまわず打ち合ってパンチ三連打を打ち込んでKO勝ち。打たれても引かない気持ちの強さと殺傷能力の高い打撃が武器だが、ディフェンスの甘さはこれから上を目指す際の不安要素となる。26歳。
ディアスはLFAでミドル級王座を獲得すると、2022年にミドル級でDWCS出場。しかしアグレッシブファイターの代名詞的存在のジョー・パイファーに2RKO負けでUFCとの契約はならず。その後ライトヘビーに階級を上げ、LFAで2試合連続KO勝ちし、今回UFCデビューのチャンスを掴んだ。キャリア9勝(7KO・2一本勝ち)2敗で、勝っても負けても2R以内に決着している。34歳。
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【プレリム】
▼『ROAD TO UFC 3』バンタム級トーナメント決勝 5分3Rバーエゴン・ジェライスー(中国)18勝5敗(UFC0勝0敗)RTU2度目の挑戦 135lbs/61.24kgユ・スヨン(韓国)13勝3敗(UFC0勝0敗)元DEEPバンタム級王座、BLACKCOMBAT同級王者 135.5lbs/61.46kg
『ROAD TO UFC』シーズン3バンタム級決勝戦。
中国のジェライスーは昨年も出場し、一回戦で上久保と対戦すると、ONEで6連勝していた上久保を打撃で攻めて苦戦させ、スプリット判定まで持ち込んだ。今年は一回戦で同じ中国のリー・ユンフェンにチョークで一本勝ちすると、準決勝ではパンクラス王者透暉鷹と対戦。1Rテイクダウンを奪われ終始攻められ続けたが、2Rはケージに押し込む展開で取り返すと、3Rは透暉鷹のタックルをがぶってギロチンを仕掛け、下になり外した透暉鷹から上をキープし続けて勝利した。28歳。
スヨンは元BLACKCOMBAT&DEEP王者。昨年9月にDEEPとの対抗戦で、当時の王者石司とダブルタイトル戦で対戦すると、バックマウントからのパウンド連打で1RKO勝ちし、カザフスタンのNaiza FCの王座を合わせて3団体の王者となった。トーナメント初戦は今年2月のRIZINで瀧澤に圧勝した野瀬との対戦だったが、組みの勝負で常に野瀬の上を行き、判定ながら完勝。準決勝は日本の小崎に勝利して勝ち上がった中国のザウパースーとの対戦で、スヨンが常にテイクダウンで先手を取り判定勝ち。28歳。
1R、両者オーソドックス。スヨンがハイキックを放つ。ジェライスーが詰めて右ストレートを放つ。さらにバックスピンキックがボディにヒット。飛び込んだジェライスーにパンチを入れたスヨン。飛び込んだスヨンだがシングルレッグ。テイクダウン成功。ガードで背中を付けたジェライスーだが、下からパンチを入れていく。ハーフにしたスヨンは肩パンチを入れる。
体を起こしたジェライスー。起き上がらせないスヨン。フックガードに切り替えたジェライスーだが、スヨンが両足を超えてマウントに。ジェライスーはハーフに戻すと体を起こしタックルへ。がぶったスヨンが投げてテイクダウン。サイド。残り40秒でまたマウントに。ブリッジで抵抗するジェライスー。スヨンはマウントをキープして残り僅かで鉄槌・パウンドを打ち込んだ。1R終了。
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▼『ROAD TO UFC 3』フライ級トーナメント決勝 5分3R×キルー・シング・サホタ(英国)12勝3敗(UFC0勝1敗)BMFライト級王者 126lbs/57.15kg[1R 2分36秒 KO]〇チェ・ドンフン(韓国)9勝0敗(UFC1勝0敗)125.5lbs/56.93kg
『ROAD TO UFC』シーズン3フライ級決勝戦。
サホタはイギリス生まれイギリス育ちだが、パンジャブ人ファイターとして『ROAD TO UFC』に出場した。アマチュアのIMMAFで長くキャリアを積み、『ROAD TO UFC』出場前のプロ戦績はすべてヨーロッパでの試合で9勝2敗。シク教徒で、シク教の寺院で開催していたMMAクラスに参加したことがきっかけで格闘技を始める。
『ROAD TO UFC』初戦は中国のイン・シュアイに9度もテイクダウンを奪われるも、すぐにリカバリーする展開でスプリット判定勝ち。準決勝は初戦が松井斗輝の体重オーバーで不戦勝だったフィリピンのルエル・パニャレスとの対戦で、タックルを切って打撃を入れる展開で判定勝ち。29歳。
韓国のドンフンは昨年日本のGLADIATORに参戦し3RKO勝ち。今年2月にはGLADIATORのフライ級トーナメントに出場し、一回戦で和田教良に三日月蹴りを効かせてダウンを奪うとパウンド連打でKO勝ちした(Road To UFC出場が決まったため、トーナメントは辞退している)。
『ROAD TO UFC』初戦は昨年の『ROAD TO UFC』決勝で鶴屋怜と対戦したニウシュイエとの対戦で、打撃で互角の展開となりスプリット判定勝ち。2戦目はインドのアンガド・ビシュトとの対戦で、攻め込まれる場面も多かったが、2R・3Rにダウンを奪ったのが大きく、またもスプリット判定勝ちで決勝進出を決めた。25歳。
1R、両者オーソドックス。お互いスイッチを見せる。手足が長いサホタが蹴りで牽制。ドンフンも距離を取り様子見しているが、サホタがプレッシャーを掛けてきた。ローキック。踏み込んだドンフンの右フックがヒット。詰めて首相撲を狙ったが離れた。ドンフンがフルスイングのパンチを打ち込んでいく。右フックがヒット。さらにもう一発右フック!アゴにもらって頭から崩れ落ちるサホタ!KO!
1R2分36秒、KOでドンフンがRoad to UFCシーズン3フライ級優勝。
勝ったドンフンは試合後のインタビューで「夢なのかと思った。びっくりしている。どのラウンドになるかはわからなかったが、最初からKOを狙っていた」とコメントした。
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▼『ROAD TO UFC 3』女子ストロー級トーナメント決勝 5分3R〇シー・ミン(中国)17勝5敗(UFC1勝0敗)115.5lbs/52.39kg[3R 0分46秒 KO]×フォン・シャオツァン(中国)10勝3敗(UFC0勝1敗)115lbs/52.16kg
『ROAD TO UFC』女子ストロー級決勝戦。中国人対決。
シー・ミンはMMA16勝5敗。キック・テコンドーがバックボーンのストライカーだが、KO勝ちは1回で一本勝ちが6回。打撃のヒット数で上回り判定勝ちするスタイルで、一回戦は韓国のソ・イェダム、準決勝は中国のドン・フアシャンにスプリット判定勝ちで決勝進出。医師免許を持っており、『ROAD TO UFC』出場前は病院に勤務していた。30歳。
シャオツァンは今年の『ROAD TO UFC』開始前から優勝候補と目されていた選手で、一回戦はインドのキラン・シンに圧勝。準決勝は『ROAD TO UFC』UFC前にも対戦して勝利している元JEWELS王者・本野美樹とのリマッチとなり、本野のタックルを切って打撃を入れる展開から、3Rにテイクダウンを許したものの、決めさせずに逃げ切って判定勝ちした。MMA10勝2敗でまだ22歳。
1R、オーソドックスのシー・ミンにシャオツァンはサウスポー。ローキックを蹴るシャオツァン。リーチ・慎重で上回るシャオツァンが遠い間合いからミドルを入れる。インロー。シー・ミンの飛び込んでのパンチはバックステップでかわされた。シャオツァンの前蹴りをキャッチしたシー・ミンがケージまで押し込むとダブルレッグに。ケージでこらえるシャオツァンだが、シー・ミンはケージ中央に向きを変えるとテイクダウン。が、シャオツァンフックスイープで返してマウント!ヒジを入れるシャオツァン。背中を向けたシー・ミン。バックマウントから仰向けになるとまたマウントになるシャオツァン。シー・ミンがまた亀になりバックマウントになると、足のフックを解除したシャオツァンは立ち上がりスタンドへ。ミドルの打ち合い。シャオツァンのヒザがボディにヒット。左ハイをヒットさせたシー・ミン。さらに左右のフックで出る。1R終了。
2R、飛び込んでくるシー・ミンをパンチで迎撃するシャオツァン。ワンツーがヒット。さらにインロー。シー・ミンのハイをかわすと逆にハイをヒットさせるシャオツァン。飛び込んでいくシー・ミンに打ち下ろしの右を入れたシャオツァン。左ミドルを入れるシャオツァン。ロー。さらに左をヒットさせる。お互い蹴りを出しているが、シー・ミンの蹴りは空振りが目立つ。左右のパンチを振って出るシー・ミンだがバックステップで距離を取るシャオツァン。パンチからタックルに入りケージに押し込むシャオツァン。しかし差された腕を小手に巻いて凌いだシャオツァン。2R終了。
3R、蹴りで出るシー・ミンだが、距離を取りかわすシャオツァン。左ストレートで間合いに入らせないシャオツァン。しかしシー・ミンの踏み込んでの左ハイがビッグヒットしシャオツァン仰向けにダウン! KO!
3R46秒、シー・ミンKO勝ちでRoad to UFCシーズン3女子ストロー級優勝。
踏み込んできたシー・ミンにカウンターを狙っていたシャオツァンだが、そこに右ハイをもらって完全に意識を飛ばされた。意識は戻ったが、首を固定されたまま担架で運ばれる。
リーチで劣るシー・ミンが逆転KO勝利でUFC契約を手に入れた。試合後のインタビューでは「とてもうれしいが、相手が心配。準決勝までKOする機会があったが自分がアグレッシブでなかったからできなかった。次世代のジャン・ウェイリーになりたい」とコメントした
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▼フライ級 5分3R〇カルロス・ヘルナンデス(米国)10勝4敗(UFC3勝3敗)125.5lbs/56.93kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ニャムジャルガル・トウメンデムベレル(モンゴル)8勝1敗(UFC0勝1敗)GLADIATOR、『ROAD TO UFC』出身 125.5lbs/56.93kg
フライ級。
ニャムジャルガルはバットゲレル・ダナーに続く2人目のモンゴル人UFCファイター。日本でも活躍した元ONE王者ジャダンバ・ナラントンガラグの弟子。2023年にGLADIATORに参戦すると、フライ級王者NavEをわずか7秒でKOした。昨年の5月の『ROAD TO UFC』Roadにはワンマッチで出場し、『ROAD TO UFC』ベスト4のトップノイ・キウラムと対戦。1Rから大ぶりのパンチで勢いよく攻めたが、攻め疲れして失速し、スプリット判定勝ち。8月にもう一度ワンマッチ出場のチャンスを得ると、同じく5月の『ROAD TO UFC』ワンマッチで勝利したタイのピーター・ダナソーから足払いでテイクダウンしてのチョークで一本勝ち。UFCとの契約を決めた。
当初は今年6月にUFCデビュー予定だったが、ビザの問題があり欠場となっていた。8戦全勝の26歳。
対するヘルナンデスはUFC2勝3敗で、昨年12月に平良達郎、今年6月に鶴屋怜と、日本人相手に連敗中。3戦続けてアジアの無敗ファイターとの対戦となる。平良にはパンチでダウンを喫してKO負け、鶴屋には2Rまでグラウンドで攻め込まれ続けたがフィニッシュは許さず、3Rには鶴屋の反り投げが潰れて下になったところで上から攻めたが、29-28×3で判定負けした。キックがバックボーンだが、一発の重さはなく、手数で判定勝ちするスタイルで、キャリアでKO勝ちはゼロ。31歳。
1R、お互いオーソドックス。ヘルナンデスがプレッシャーを掛けるとケージ際まで下がったニャムジャルガル。タックルに入るヘルナンデス。受け止めたニャムジャルガル。離れるヘルナンデス。ジャブから右を放ったニャムジャルガル。ヘルナンデス間合いを詰めてタックルへ。ニャムジャルガルはギロチンに抱えたが外したヘルナンデスがサイドからマウントへ。背中を向けたニャムジャルガルからバックマウントを奪取。ニャムジャルガルが反転して立ち上がると、バックについてきたヘルナンデスをスクランブルで引き剥がし離れた。
ニャムジャルガルがプレッシャーを掛ける。ニャムジャルガルのローに右を返すヘルナンデス。パンチで飛び込むヘルナンデスにヒジを狙ったニャムジャルガル。また飛び込んだヘルナンデスの右がヒット。残り1分。ニャムジャルガルが逆にタックルを狙った。シングルレッグ。片足でこらえるヘルナンデス。離れた。ヘルナンデスがタックルへ。切ったニャムジャルガルが引き剥がすとケージを背負ったヘルナンデスにパンチをヒット!ダウン気味に倒れたヘルナンデス。バックに回るヘルナンデス。チョイバーを仕掛けるが、逃れたヘルナンデスが背中に乗りチョークを狙う。ホーン。
2R、パンチで飛び込んだニャムジャルガルに両脇を差したヘルナンデスだが、投げを放って凌いで離れるニャムジャルガル。大振りの右フックが空振り。パンチから飛びヒザを出したニャムジャルガルだが、ヒザをかわされてつま先がローブローになりタイムストップ。再開。プレスするニャムジャルガル。左右のパンチを打ち込む。ヘルナンデスがタックルに入る。かわされたが四つに組んだヘルナンデス。ニャムジャルガルの投げが崩れて下になる。
ハーフでかっちり固めて押さえ込むヘルナンデス。ニャムジャルガルが立ちに行くが、すぐに足をかけてテイクダウンしたヘルナンデス。背中を向けて立ったニャムジャルガルだが、バッククリンチからテイクダウンを狙っていくヘルナンデス。グラウンドに引きずり込んだ。両足をフックしてバックマウントに。尻を浮かせて前に落とそうとするニャムジャルガル。残り10秒で落ちたところでパウンドを落とすニャムジャルガル。足で阻んだヘルナンデス。2R終了。
3R。パンチで出るニャムジャルガル。ヘルナンデスは左右にステップ。右を打ち込むニャムジャルガル。ヘルナンデスのタックルは切られる。ニャムジャルガルの右フックは空振り。ケージに詰められたヘルナンデスだが、パンチで前に出て脱出。しかしまた下がってケージを背負う。ニャムジャルガルの右フックに合わせて組み付いたヘルナンデスだが、投げで引き剥がすニャムジャルガル。パンチをかわしてタックルに入るヘルナンデスを受け止めるとヒザを狙ったニャムジャルガル。ニャムジャルガル詰めるが、大振りのパンチに合わせて組み付いたヘルナンデス。引き剥がした。残り1分。ニャムジャルガルが詰めるが手が出ない。アッパーを放つが右を返される。ニャムジャルガルの右がヒット。距離を取ろうとするヘルナンデスにまた右。ヒットしたが、ヘルナンデスシングルレッグで凌ごうとする。最後にバックについて投げたヘルナンデス。タイムアップ。
29-28ヘルナンデス、29-28ニャムジャルガル、29-28ヘルナンデス。スプリットでヘルナンデス勝利。
ジャッジ割れたが、ニャムジャルガルがキャリア初黒星。
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▼フライ級 5分3R〇ロニー・カヴァナ(英国)8勝0敗(UFC1勝0敗)DWCS出身 126lbs/57.15kg[判定3-0] ※30-27、29-28×2×ホセ・オチョア(ペルー)7勝1敗(UFC0勝1敗)125lbs/56.70kg
フライ級。
英国生まれのカヴァナだが、両親が中国出身。今年8月のDWCSで1RKO勝ちしてUFCとの契約を決めた。ブラッド・ピケットが設立したロンドンのグレートブリテン・トップチーム所属で、DWCSまでの全試合は英国でキャリアを積み、ここまで7戦全勝(5KO・2判定勝ち)。25歳。
ペルーのオチョアは南米でキャリアを積み、8戦で7勝0敗1NC。カヴァナと同じく8月にDWCSでの試合が組まれていたが欠場したものの、本戦デビューが決まった。チャールズ・オリベイラの所属するシュートボクセ・ディエゴ・リマでトレーニングしている。23歳。
1R、オーソドックのカヴァナにオチョアはサウスポーに構える。カーフを蹴るカヴァナ。前蹴り。右ハイがオチョアの顔面をかすめた。お互いローキックを蹴るが、カヴァナの蹴りが強烈にヒット。パンチで出るオチョアに右を返したカヴァナ。オチョアのローにワンツーを返す。カヴァナはワンツーからさらに前蹴りを入れる。右ミドル。バックヒジを狙ったオチョアだが浅い。カヴァナのカーフキックで足が流れたオチョア。しかしカヴァナのローキックがローブローになりタイムストップ。1分半ほど休んで再開。オチョアは右のまぶたをカットしている。オチョアのオーバーハンドの左がヒット。さらに詰めてパンチを入れるが、打ち終わりにカヴァナもパンチを返して1Rが終了。
2R、ミドルを入れるカヴァナ。オチョアのハイキックからのバックスピンキックはスウェーでかわす。お互い蹴りでの攻防が続く。カヴァナがオチョアの蹴りに右ストレートを返してヒット。バランスを崩してスリップダウンしたオチョア。すぐに立った。オチョアプレッシャーを強めてきた。オチョアの前蹴りからバックブローも上体をそらしてかわすカヴァナ。オチョアの前蹴りが顔面にヒットするが、カヴァナ詰めた。カヴァナボディを打たれてケージまで下がる。ケージを背負ったカヴァナにボディブローをヒット。タックルで凌ごうとするカヴァナだが、がぶったオチョアがバックに回りパウンド連打。カヴァナの立ち上がり際に背中に乗るオチョア。残り10秒でチョーク!しかしややズレて横に落ちかけているオチョア。2R終了。
3R、ジャブ、前蹴りで牽制するオチョア。左ミドル。間合いに入れないカヴァナ。しかしミドルに左フックを合わせてヒット。ケージ際まで下がったオチョアに詰めていくカヴァナだが、ヒザを出して凌いだオチョア。ミドルの蹴り合い。インローからカーフキックを入れるカヴァナ。飛び込んでヒザを出す。残り2分。カヴァナの右ハイはブロックしたオチョア。ケージに詰める。左右にステップするカヴァナ。オチョアのハイは距離を取りかわす。オチョアの飛びヒザに左フックを合わせたカヴァナ。オチョアが飛び蹴りから左ボディを放ったが下がってかわしたカヴァナ。残りわずかでバックスピンキックをヒットさせるカヴァナ。オチョアが出てくるが距離を取るカヴァナ。タイムアップ。
30-27、29-28×2の3-0でカヴァナ勝利。無敗のUFCデビュー戦対決はカヴァナが制した。
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▼バンタム級 5分3R〇シャオ・ロン(中国)27勝8敗(UFC1勝1敗)135lbs/61.24kg[3R 1分28秒 TKO]×クアン・レー(ベトナム)8勝2敗(UFC0勝2敗)136lbs/61.69kg
バンタム級。
シャオ・ロンは『ROAD TO UFC』シーズン2準優勝で、これがUFC本戦デビュー戦。『ROAD TO UFC』では一回戦で野瀬翔平、準決勝で上久保周哉をいずれも僅差判定で破って決勝に進出。シャオ・ロンの負傷により、今年6月のサウジアラビア大会で行われた決勝戦は韓国のイ・チャンホとの対戦となり、この試合も接戦となったが、スプリット判定負け。バックボーンは散打のストライカーで、26歳ながら35戦(29勝6敗)のキャリアがある。
クアン・レーはベトナム生まれで現在はアメリカ在住。今年9月のDWCS出場が決まっていたが、8月のUFCで欠場した選手の代役として急遽デビュー。元ランカーのクリス・グティエレス相手にカーフキックを効かされたものの、判定まで持ち込んだ。グティエレス戦がキャリア初黒星で、8勝1敗。33歳。
1R、開始と同時にケージを蹴って中央に出たシャオ・ロン。お互いオーソドックス。ジャブ、カーフキックを出すが、レーが飛び込んでジャブの連打から左フックをヒット。もらったが打ってこいとアピールするシャオ・ロン。シャオ・ロンが飛び込んでパンチを入れるが、打ち終わりにワンツーを返すレー。先に飛び込んでいくシャオ・ロンだが、レーが打ち終わりにパンチを返す。レーがステップインしてジャブをヒット。さらに左ミドル。レーの蹴りをキャッチしたシャオ・ロンがシングルレッグでテイクダウン。すぐに立ち上がるレー。シャオ・ロンがヒジを入れて離れる。シャオ・ロンの右ストレートがヒット。残り僅かでアッパーから左フックを入れるシャオ・ロン。さらに左フックを放つとレーの右フックと相打ちに。ホーン。
1R後半に入りギアを上げてきたシャオ・ロン。
2R開始と同時に飛びヒザを放ったシャオ・ロン。レーも右フックをヒットさせるが、シャオ・ロンは左右のフックで飛び込んでいく。ミドルからヒジを入れたシャオ・ロンが四つに組むが、レーが振りほどき離れる。レーの右フックが顔面を捕らえ、一瞬ヒザを着いたシャオ・ロンだが、すぐにワンツーを打ち返す。口から出血しているシャオ・ロンだがどんどん前に出てパンチを出していく。レーがタックルに入る。切れずに倒されたシャオ・ロン。立ち際にバックについたレーだが、シャオ・ロンはスクランブルで脱出して逆にスタンドバックを取る。正対して離れたレー。残り1分。レーのワンツーにシャオ・ロンもワンツーを返す。大振りの左右のフックで出たシャオ・ロンがまた飛びヒザを放つ。ホーン。
ジャッジの判断が分かれそうなラウンドに。
3R、また開始と同時にダッシュしたシャオ・ロン。そのまま飛び込みから組んでケージに押し込むと、ヒジを入れて離れた。シャオ・ロンが右フックから組み付いてバックを狙うが、レーは振りほどいて離れる。シャオ・ロンまた飛びヒザ。クリンチアッパーを入れる。シャオ・ロンの右ストレートがヒットしレーダウン!すかさず鉄槌を入れるシャオ・ロン。レフェリーストップ!
3R1分28秒、地元のシャオ・ロンがKO勝ちでUFCデビュー戦を勝利で飾る。試合後のインタビューでは「デイナ、ボーナスが欲しい!Road to では準優勝だったが、機会がもらえてよかった。次はランカーと対戦したい」とコメントした。
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▼ライト級 5分3R×ハイサアー・マハシャテ(中国)10勝4敗(UFC2勝3敗)155.5lbs/70.53kg[判定0-3] ※30-27×3〇ニコラス・モッタ(ブラジル国旗)15勝5敗(UFC3勝2敗)155lbs/70.31kg
ライト級。
中国のマハシャテは2021年のDWCSで勝利しUFCと契約。UFCではスタンドで下がりながらの右フックで相手の意識を飛ばしてKO勝ちし、鮮烈なデビューを飾ったものの、そこから2連敗。後がない状況で迎えた今年4月の4戦目は、UFC7勝7敗のベテラン・ガブリエル・ベニテスと対戦し、接戦となったがスプリット判定勝ち。UFC戦績を2勝2敗の五分に戻した。ライト級では大きめの体格を活かした打撃が武器。24歳。
ブラジルのモッタもUFC2勝2敗(1NC)。14勝中10KOで、うち8試合が1RでのKO勝ち。UFCでの2勝も1RでKOしての勝利。現在はラスベガスのエクストリーム・クートゥアに所属しており、ここまでの戦績はすべてアメリカとブラジルでのもの。キャリア初のアジアでの試合に向け、タイでファイトキャンプを張って準備してきた。31歳。
1R、両者オーソドックス。両者間合いに入らず、前手を出して距離を測る。ジャブを出すモッタだがまだ距離が遠く届かない。モッタのカーフキックがヒット。飛び込んで左右のフックを入れるとマハシャテは首相撲に捕らえてヒザを一発入れる。モッタがまた飛び込み左フック。ジャブ。また飛び込んできたモッタを首相撲に捕らえてヒザ!バランスを崩して倒れたモッタ。すぐに立ちがる。マハシャテまだ自分から攻めない。モッタが飛び込んで左ボディからワンツーを打ち込む。マハシャテもワンツーを入れたがまだ間合いが遠い。モッタが出てきたところにテンカオを合わせるが、パンチ連打で出るモッタ。ケージまで下がるマハシャテ。サークリングで距離を取る。残り15秒で飛び込んだモッタが左右の連打を打ち込むと左アッパーがヒットしマハシャテダウン!タックルで凌ごうとするマハシャテだが、モッタ切ってケージを背負ったマハシャテにパンチのラッシュ。1R終了のホーンに救われたマハシャテ。1Rはモッタが優勢に試合を進めた。
2R、モッタがパチで先手を取る。右フックがヒット。さらに左フックから右ストレートでダウン気味に倒れたマハシャテ。すぐに立ち上がると深追いしないモッタ。マハシャテ前に出ると飛びヒザを見せる。モッタはカーフキック。ジャブを突くマハシャテ。前蹴り。しかしまた飛び込んで間合いを詰めるモッタ。左右のフックを入れる。マハシャテパンチを返して距離を取る。遠い間合いからジャブを放つマハシャテだが、モッタは腕でブロック。残り30秒でまた詰めてきたモッタ。しかしマハシャテの右をもらうと下る。マハシャテ追っていかない。2R終了。
2Rに入り手数が増えたマハシャテだが、まだモッタに先手を取られている。
3R、モッタが蹴りを出していく。モッタの飛び込んでの右がクリーンヒットしマハシャテダウン!すぐにマウントを取りヒジの連打を入れるモッタ。背中を向けたマハシャテ。バックマウントを取るモッタがチョークを狙う。マハシャテはモッタの腕を掴んでディフェンス。反転してマウントを狙ったモッタだが、上を取られる間際にマハシャテが立ち上がりスタンドに。パンチからヒジを入れるマハシャテ。無理に攻めないモッタに対し、マハシャテが先にパンチを出していく。モッタは距離を取りサークリング。追っていくマハシャテ。前蹴り、右オーバーハンドを放つがブロックされる。残り20秒になりモッタが前に出てきた。両者ともに観客を煽ると、残り5秒で足を止めて打ち合う。タイムアップ。
ジャッジ30-27×3でモッタ勝利。地元中国のマハシャテはダウンのピンチを乗り切ったものの判定負け。
【延期】※『ROAD TO UFC 3』フェザー級トーナメント決勝 5分3Rシエ・ビン(中国)13勝4敗(UFC0勝0敗) RTU2度目の挑戦ズー・カンジエ(中国)20勝4敗(UFC0勝0敗)※はカンジエの負傷欠場