2024年10月30日、都内某所にて長谷川賢が代表を務める新団体『Breakthrough Combat』(ザ・ワンTV YouTubeチャンネルライブ中継)旗揚げ大会が開催された。大会開始前に、長谷川賢代表が挨拶し、GLADIATORはじめ、モンゴルファイターを日本格闘技に繋げた故・荒井順一さんへの追悼の10カウントゴングが鳴らされた。
Breakthrough Combat01 速報
▼バンタム級 5分3R〇シンバートル・バットエルデネ(シャンダスMMA/モンゴル)61.5kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×吉野 光(フリー/日本)61.5kg
『RIZIN Trigger 2nd』から『UAE Warriors』3戦を経て、2年8カ月ぶりに日本での試合となる吉野は、今年の5月に強豪テムーレン・アルギルマーに判定勝ちしている2勝無敗の新鋭・シンバートルと対戦。シンバートルが所属するシャンダスMMAは、元ONEフェザー級王者でK-1 MAXでも活躍したジャダンバ・ナラントンガラグ代表が率いるモンゴルの強豪ジムだ。
1R、サウスポー構えの吉野とオーソのシンバートルがMMAで対戦。吉野がいきなりダブルレッグテイクダウン。ギロチンを狙うシンバートルに対角にハーフで足は出している吉野。
パスガードからマウントの吉野に、ブリッジから立つシンバートル! 吉野はなおもダブルレッグで組んで四つから大内刈で投げて押さえ込むが、背中を見せて立つシンバートルが左右を振って、吉野も打ち合いに。シンバートルは、右フックを振ってダブルレッグに入りゴング。
2R、吉野は左ミドルを突いてダブルレッグテイクダウンからサイドに出るとまたもブリッジで返してしまうシンバートル。立つ吉野は左ハイ、しかしシンバートルはクラッチして尻を着かせて両足を束ね、ヒジを落としてコントロール。スクランブルを制する。
3R、吉野は左ミドル、蹴り合いでもインローを返すシンバートル。そのダブルレッグにキムラクラッチを狙う吉野。突き放してスタンドに。
シンバートルのボディロックからの投げを左で差し上げてニータップの形で上を取った吉野はハーフガードで押さえ込むが、またもブリッジから左で差し上げてヒザ立ちにして立ったシンバートルは、吉野をダブルレッグで持ち上げテイクダウン。立った吉野がスタンドで左の蹴りから打ち合いに行ったところでゴング。
打撃で退かず、恐るべきテイクダウン、リカバリー能力を見せたキャリア3戦目のシンバートル。判定は29-28×2, 30-27の3-0で22歳のシンバートルが格上の吉野の勝利。モンゴルのナラントンガラグ軍団が全勝で幕を閉じた。
試合後、シンバートルは「試合が終わったばかりで何とも言えない状況ですが、これからも頑張ります。いつももあまり感情を表に出さないです(笑)。私は今からスタートなのでもっと練習して、もっと強くなります。家族やチームのみんな、ナラントンガラグ先生もありがとうございました」と語った。
【写真】2024年8月4日に亡くなった荒井順一さんに、と拳を天に突き上げたジャダンバ・ナラントンガラグとその門下生たち。
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レスリングの泉に引き込んだ森戸が三角極める「地方でも頑張っている選手はいっぱいいる」
▼Progress暫定ウェルター級選手権試合 5分3R〇森戸新士(Leos&藤田柔術/日本)王者 76.45kg[1R2分38秒 三角絞め]×泉 武志(Fighter's Flow/日本)挑戦者 ※当日計量※TDで2P、相手が引き込んだら2P。上下の入れ替えで2P。立ちあがって離れると1P、バックで2P
泉は、グレコローマンで世界選手権に出場経験を持つ強豪レスラー。2020年にレスリングから総合格闘家へ転向。2023年11月の北岡悟戦までMMA5連勝を飾るが、2024年7月の野村駿太戦で3R TKO負けで戴冠ならず。今回、IBJJFアジア選手権黒帯ライト級優勝など柔術で活躍するProgress王者・森戸新士に挑戦する。
1R、森戸と泉がProgressルールで対戦。泉の崩しにいきなり引き込んだ森戸は泉に2P謙譲も構わず下からシッティングガードで攻めに。泉は足を持ちながらもパスには行けず。
森戸はシッティングガードで近づき、泉の左足に絡んで引き込み、足を剥がしてトップからガードの中に入った泉だが、森戸は右腕で泉の左腕をオーバーフック。ケージに押し込んで潰そうとする泉に、右手を掴んだ森戸は巧みに腰を切って頭を横に逃して腕十字狙い。
左足をかけられたくない泉は頭をケージにつけてスペースを作らないようにするが、左足で頭を刈った森戸は腕十字へ。中腰で上体を起こし両手をクラッチする泉に、森戸は左足を顔から外して、ケージを蹴って四角の体勢に。
頭を引き寄せて、右ヒザ裏を頸動脈にかけた森戸は、右足首を引き寄せてヒザ裏でロック。三角絞めに移行。うつ伏せに三角十字も狙う森戸をまたいだ泉だが、森戸は左足を手繰って回らせて正対させてタップを奪った。
暫定王座防衛に成功した森戸は、「プラン通り1Rでフィニッシュできたのでとりあえず嬉しいです。最初から引き込むプランはあったんですけど、同時にいなされてクルンと回りました(苦笑)。あれはさすがでした。相手が回って逃げるのは予測通りで、チャンスがあれば極める自信はありました。ケージ際で足の指がケージに入って抜けなくてやりにくかったんですが、相手が差し込んできたので三角を狙いました。
またMMAの強い選手とやりたいです。河名選手とやったときは結構、相手のフィールドに付き合いすぎた部分もあって負けちゃったんで、今度は自分の強みを活かして戦おうと思ったのがいい結果に繋がったと思います。レスリングをやってみたい気持ちもあったんですけど、3Rあるので、出来れば汗かく前に一本を極めた方がいいと。その場でああいう形になりました。広島からやってきて、地方でも頑張っている選手はいっぱいいます。今回の第1試合の有松選手のようにLEOSにもいい選手がいっぱいいて、セコンドの城戸(泰介)君とか、これからできれば選手をどんどん出して行きたいと思います」と語った。
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ダウン奪い、TDでも上回ったオトゴンバートル「ナラントンガラグ代表が全部のスキルを教えてくれた」
▼58kg契約 5分3R〇オトゴンバートル・ボルドバートル(シャンダスMMA/モンゴル)57.9kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×風我(K-Clann/日本)57.85kg
風我は山本哲也、切嶋龍輝に判定勝ちで2連勝も2024年3月のDEEPで杉山廣平にバックコントロールされて判定負け。対するナラントンガラグの愛弟子・オトゴンバートルは、3月に久保健太からオーソから左の二段蹴りでダウンを奪い、最後はギロチン葬。7月には和田教良に左ハイからパウンド&ヒジでTKO勝ちしている強豪だ。25歳。
1R、風我とオトゴンバートルがMMAで対戦。オトゴンバートルのスピニングバックキックや右をかわす風我は前蹴り、シングルレッグへ。
金網にドライブし左の差しを小手に巻いて投げたオトゴンバートルは、得意のオーソからの左の蹴りをローで当てるが、廻し蹴りは風我がかわし、左前手のフックを打ち込むとダブルレッグも、切るオトゴンバートル。競った初回に。
2R、サウスポー構えの風我。左インローを当て、三日月蹴り、左フック。詰めるオトゴンバートルに風我の蹴りがローブローに。
再開。オトゴンバートは左前蹴り、右フックから返しの左フック、さらに右にダウンした風我。パウンドに三角絞めを狙うがかつぎのオトゴンバートルはスタンド選択。
風我はワンツーから左ミドルに繋げ、シングルレッグから脇潜るもバッククリンチは出来ず。離れるオトゴンバートル。
3R、サウスポー構えから左インローを当てる風我。詰めるオトゴンバートルは左フックから右ストレートも右ローがローブローに。再開。
再びのローブローを振り切って再開するオトゴンバートルはダブルレッグ。切る風我は左ミドルも単発に、左フックから右ストレート、右ハイキックとアタックを続けるオトゴンバートルは、右のスーパーマンパンチ。風我の左右からのシングルレッグにも崩れず。オトゴンバートルはシングルレッグからケージに押し込みゴング。
大熱戦の判定は3-0(30-27×2, 29-28)で、21歳のオトゴンバートルが勝利。 試合後、「勝ってほんとうに嬉しいです。(風我は)技術的に優れている選手でした。私も1カ月間くらいしか練習できなかったということもありました。打撃で戦おうと思ったのですが、相手がレスリングで来たのでそこで戦いました。(ナラントンガラグ代表は)全部のスキルを教えてくれました」と試合を振り返った。
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中原由貴が中川晧貴にTDポイントで勝利、視察のRIZIN柏木氏に「試合お願いします」
▼Progress72kg契約 5分2R〇中原由貴(マッハ道場&MAJESTIC/日本)71.85kg[ポイント2-1]×中川晧貴(reliable/日本)71.85kg※TDで2P、相手が引き込んだら2P。上下の入れ替えで2P。立ち上がって離れると1P、バックで2P
1R、中原と中川がProgressルールで対戦。中原のシングルレッグに尻は着かない中川。ケージづたいに右足を外に出して凌ぐ。中原のボディロックも切った中川。中原はダブルレッグで尻まで着かせそうになるが、背中を着けてコントロールしてないため2Pは入らず。中原がキムラクラッチで回したところでゴング。
2R、中原のシングルレッグからリフトは着地した中川だが、続くダブルレッグテイクダウンで2P獲得。右足を外にハーフからパスを狙う中原に、中川は下からフックガードで跳ね上げ、足関節も狙うと離れた中原に中川は立ち上がり1P。ポイント2-1で中原が勝利した。
ポイント2-1で勝利した中原は。「ちょっと点のこととかを考えちゃってリクスを冒したかったんですけど、ちょっとビビっちゃったスね(笑)。腰がメチャクチャ重くて、取ったあとも1R、カウンター狙われていたんで、あれでカウンタービビって下になっちゃったら相手に点が入るんで、やってみると結構、難しいルールですね。楽しかったです。ここに(MMAの)本番、パウンドが混ざって、さらに、という感じもあるんで、途中からはグラップリングじゃなくて、MMAを意識して動いてましたね。やっていてこれほんとうにそう(MMAで強くなるためのグラップリング)だなと感じましたね。壁際とかのボディクラッチでもう一回寝かせるとかが出来ないんで。だったらいいところを押さえて、殴れるところにいた方がリスクが少ないというか。(この1年ケージ際の攻防を磨いてきた成果は?)あんま出来かったですね。最後、ちょろっと出たくらいで(笑)。今度はこの点も意識して練習します。(今後は?)柏木(信吾・RIZINマッチメーカー)さんがいらっしゃるんで、試合お願いします!」と語った。
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42歳・久保健太が奮闘も19歳ジュンゴンが判定勝ち「10戦無敗で6、7試合は海外の試合で進んでいる」
▼フライ級 5分3R〇チョ・ジュンゴン(The Gym Lab/韓国)56.4kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×久保健太(GSB多治見&ASHURA/日本)56.85kg
1R、久保とジュンゴンがMMAで対戦。オーソから左ミドルを当てるジュンゴンは右カーフも。中央を取る久保は圧力をかけて右を返すとジュンゴンはスイッチ。
2R、左ミドルのジュンゴン。追う久保は右ストレートを突くがサークリングのジュンゴンを金網に詰めても突き放すジュンゴンはヒジ。左瞼から出血する久保。
3R、久保の詰めに右ヒザをつき、ダブルレッグテイクダウンはジュンゴン。久保も詰めて得意の小外がけテイクダウン奪うも、すぐに立つジュンゴンは久保の前進を回り、動きを落とさずヒザ、久保の右を受けながらも左右からダブルレッグテイクダウン、パウンドでゴング。判定3-0で19歳の10戦無敗のジュンゴンが勝利した。
試合後、ジュンゴンは「ありがとうござます、押忍。久保選手が最後までめちゃくちゃ強くてびっくりしました。試合前は簡単に出来ると思っていたのですが、直接戦ったら難しい試合でした。久保選手は自分より身長も高くて、年齢も上、私はまだ19歳で10戦無敗ですが、そういう若い選手でも試合が出来るところを見せたかったです。自分は6、7試合は海外の試合なので、周囲の同年代の選手よりは進んでいるんじゃないかなとと思います。支えてくれるすべての人たち、愛しています」と語った。
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林源平にテイクダウン差で勝利の有松「ボグダノフ、僕の挑戦を受けてほしい」
▼Progressミドル級 5分2R〇有松息吹(藤田柔術/日本)82.4kg[ポイント2-0]×林 源平(和術慧舟會IggyHandsGym/日本)84.1kg※TDで2P、相手が引き込んだら2P。上下の入れ替えで2P。立ちあがって離れると1P、バックで2P
1R、有松と林がProgressルールで対戦。互いに激しい組み手争い。1R終了間際に有松が金網際でボディロックテイクダウンで2Pを獲得。
2R、林のダブルレッグが偶発的なバッティングになり、中断も再開。押し込むも体を入れ替えて右を差す有松。林もスタミナ切らさず、ダブルレッグでアタックを仕掛けるがテイクダウンに繋げられず。有松が2P差で勝利した。
19歳の有松は試合後、「嬉しいです。相手の林選手は凄く力が強くて、圧が凄かったです。最後、ちょっと逃げちゃったです。これからは力を強くしたり、体重もちょっと増やしたいです。(セコンドの森戸からはどんなアドバイスを?)ちょっと忘れちゃいました(笑)。次、ちょっとやりたい相手がいて、ミドル級で一度練習したことがあって、強いと思う、グラント・ボグダノフ、僕の挑戦を受けてほしいです」と語った。