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【修斗】18歳・根井博登が20秒一本勝ちで「新井(丈)選手タイトルマッチやらないなら返上してください」、フライ級で安芸が親川に判定勝ち、永井が一條を初回KO! ランディが浜松にバギーチョーク一本勝ち、ザ・タイガー石井が1年4カ月ぶり復帰戦勝利!

2024/10/20 18:10
 2024年10月20日(日)東京・新宿FACEにて、『プロ修斗公式戦 SHOOTO GIG TOKYO Vol.37』(ツイキャスLIVE配信)が開催された。 ▼メインイベント・第11試合 ストロー級 5分3R〇根井博登(同級世界8位・THE BLACKBELT JAPAN)[1R 0分20秒 トーホールド]×石原愼之介(同級世界9位・MMAZジム)  メインカードとなるストロー級ランキングマッチ。現役高校生ながら2023年度新人王に輝いた根井博登(同級世界8位・THE BLACKBELT JAPAN)と、“土佐の雄”石原愼之介(同級世界9位・MMAZジム)の一戦。  根井は2006年6月生まれの18歳。3歳からレスリング、柔術、キックボクシングを習い、小学5年生で広島から引っ越してパラエストラ千葉ネットワーク(現THE BLACKBELT JAPAN)に入門。  キッズ・ジュニア修斗やアマチュア修斗、JBJJF全日本キッズ等で全国大会優勝後、2023年2月にはDEEPフューチャーキングトーナメントも制し、同年4月にプロデビュー。  プロ修斗3勝1分と負け無しで進むも、2024年4月の沖縄大会で上位ランカーの当真佳直(reversalgym OKINAWA CROSS×LINE)へのチャレンジマッチで判定負けで初黒星。今回仕切り直しの一戦を迎える。“高校生の間に世界王者になる”と目標を掲げる天才高校生・根井は巻き返しなるか。  一方、石原は香川で定期開催されているプロ修斗公式戦『FORCE』でデビュー。マッチョザバタフライ、旭那拳に敗れブランクを作ったが、2022年9月に三輪勇気を1R TKOに下して復活。三輪戦含め現在3勝2分と負け無し。地方大会で確実に力を蓄えランカーにまで上り詰めた。2024年5月の前戦ではTORAOで泰斗とドローとなっている。  幕末に高知から立身出世を目指した多くの志士さながら石原がストロー級の台風の目となるか、それとも天才高校生・根井がサバイバルマッチを制するか。  1R、いきなり根井はセンチャイキック、蹴り足を取る石原の足にからみ倒して、外ヒール狙い、バックサイド5/50から最後はトーホールド。20秒、石原からタップを奪い、秒殺勝ちした。  試合後、根井はセコンドの鶴屋浩代表&鶴屋怜親子からのささやき女将さながらのセリフの通り、多少ぎこちなくも「新井(丈)選手、タイトルマッチやらないなら返上してください。田上(こゆる)選手よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] フライ級で安芸柊斗が巧みなポイントメイクで親川龍に判定勝ち ▼第10試合 フライ級 5分2R〇安芸柊斗(同級世界3位・MMAZジム)[判定3-0] ※20-18×3×親川 龍(THE BLACKBELT JAPAN)  メイン出場の石原愼之介と同じくMMAZジム所属“中四国地区のエース”と言っていい安芸柊斗(世界フライ級3位・MMAZジム)の出場が決定。  6連勝後に新井丈、猿丸ジュンジに敗れたものの、フライ級への階級変更を宣言し、7月の大阪大会では西村大地を秒殺KOに下し、完全復活。狙うはストロー級で一敗地に塗れた2階級世界王者“ネバーギブアップ”新井丈の首だろう。  その安芸と対戦相手するのが、沖縄から千葉に拠点を移したLyo'o改め、親川龍(THE BLACKBELT JAPAN)だ。修斗沖縄大会等で3連勝後、2022年3月の後楽園大会では齋藤奨司に判定で敗れた親川。同年9月から心機一転、千葉に移籍し、ここまでの充電期間の成果を試合で見せられるか。  経験と実績では安芸が圧倒的に有利だが新宿FACEはまさに“下剋上”に相応しい場所。移籍第一戦となり気合が入っている親川の奮起にも注目だ。  1R、先に詰めて左差して組む親川に、コーナー背に安芸はヒザ蹴り。ブレーク。  左三日月蹴りの安芸。ジャブから右ストレートも。親川も右を返すと安芸は笑顔。左ローの安芸に組む親川は下でフルガード。腰を蹴って立つ親川。  安芸の左に右ミドルの親川。安芸は右カーフ。遠間から走り込んでダブルレッグテイクダウン。そのままサイドを奪うが、ハーフにしてレッスルアップの親川がコーナーに押し込みクラッチしてゴング。  2R、ワンツースリーで前に出る親川にダブルレッグテイクダウンの安芸。フルガードの親川はコーナーで立ち上がり。そこにヒザを突く安芸に押し込む親川。ボディ打ちから右ヒジを突いて離れる。左インローの親川、互いに右を当てて打ち気になったところに安芸は再びダブルレッグテイクダウン。パスからニーインの際でなんと下からブリッジで返した親川。  トップから片足をまたごうとした親川だが安芸の足は長い。安芸は下からボディトライアングルに組み、左手でギロチンチョークのままゴングにすぐに親川も上体を立てる。  判定は2Rともに安芸が取って20-18×3で勝利。  試合後、安芸は「(親川は)強かったです。来年、もっと強くなって帰ってきます。この後の石原愼之介もよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] バンタム級で永井奏多と一條貴洋が激突 ▼第9試合 バンタム級 5分3R〇永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)[1R 2分32秒 KO] ※左フック×一條貴洋(ストライプル南相馬playground)  永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)は、修斗で藤田ムネノリとドロー後、新井拓巳を1R TKO、小林佳純、HAMMER KATU、松下祐介にいずれも判定勝ちと4連勝。その後、8月のTTFでは唐沢タツヤにも判定勝ちで5連勝中だ。  一條は2023年11月に行われた『THE SHOOTO OKINAWA vol.9』で2年半振りの復帰戦を勝利で飾り、2024年3月の『修斗LIVE! TOKYO』のメインに登場。以前に痛み分けに終わった小林佳純との3年ぶりの決着戦に挑むもユナニマス判定で黒星を喫した。4月にはわずか1カ月のインターバルで大道塾出身の谷井翔太と対戦し判定負けで連敗となっている。  1R、ともにオーソドックス構え。一條の蹴りがローブローに。中断後、再開。左前手で飛び込み一條に、永井も左をヒット。右ローの一條に左ボディを当てる永井。一條は四つに組んで右オーバーフックも外す永井はワンツーの右!  一條も蹴りを返すが永井はスタンド勝負。一條をコーナーに詰めてボディ打ちから右、さらに返しの左フックを打ち抜くと、一條がヒザから崩れ、すぐにレフェリーが間に入った。  シャ・ランディに続く、TRIBE勢の1Rフィニュシュ勝利。試合後、永井は「こんなレベルじゃなくて、ランカーだって、誰とでもやれるので、お願いします。僕は絶対に修斗チャンピオンになります」と力強く語った。 [nextpage] フェザー級でシャ ランディが浜松ヤマトに失神一本勝ち ▼第8試合 フェザー級 5分2R×浜松ヤマト(T-GRIP YOKYO)[1R 2分03秒 バギーチョーク]〇シャ・ランディ(TRIBE TOKYO MMA)  3月の配信限定マッチ『修斗Live! Tokyo』でのデビュー戦でメイヘム和成に初回一本勝ちを収めたシャ・ランディ(TRIBE TOKYO MMA)と、2023年11月に竹原魁晟との再戦で敗れた浜松ヤマト(T-GRIP TOKYO)が激突。  1R、ランディはいきなり走り込み跳びヒザで飛び込むと、組む浜松にオモプラッタ。サイドに出る浜松に長い手足を活かしてバギーチョーク! 浜松が失神して一本勝ち。  試合後ランディは、「格闘技、面白いでしょう? もっともっとたくさんの人に届けたいから、みんなでもつと盛り上げていきましょう。で、フェザー級、正直ランカーしょぼいです。極めに行く意識もないから、マジやる気ないならブッ飛ばしにいきます。絶対にこの階級でチャンピンになるので応援よろしくお願いします。この後の永井奏多もマジ強いんでよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 バンタム級 5分2R〇松下祐介(パラエストラTB)[1R 4分40秒 TKO]×宮澤ゴリラ和郎(飛翔塾) 松下は、2023年に小林佳純とドロー後、Jセロウ若林に2R TKO勝ち。2024年4月の前戦で永井奏多に判定負けで1年半ぶりの黒星を喫した。  宮澤は、2024年9月の『越後風神祭り13』でプロデビュー。新人王決定トーナメントバンタム級で恵真と判定1-1ドローとなっている。  1R、シングルレッグの宮澤に松下は腹固めからトップに鉄槌連打! 宮澤は腕十字狙いもヒジを抜く松下はインサイドガードから左右のパウンド。宮澤は出血。  下から足を手繰ろうとするが、右で脇差し寝かせてパウンド連打の松下。ハーフガードの宮澤は差し返せず。ヒジを突く松下。宮澤は亀になるも立てず。打たれ続ける宮澤にレフェリーが間に入った。  試合後、松下は「パラエストラTBの松下祐介です。(後輩の)歩生が圧勝してちょっとプレッシャーだったんですけど(笑)、勝ててよかったです」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 53kg契約 5分2R〇ザ・タイガー石井(とらの子レスリングクラブ)[判定2-0] ※20-18×2, 19-19×梅木勇徳(THE BLACKBELT JAPAN)  2023年4月に旭那拳に判定勝ち後、23年6月に田上こゆるにTKO負けし、1年4カ月ぶりの試合となるザ・タイガー石井(とらの子レスリングクラブ)が怪我からの復帰戦。  対する梅木勇徳(THE BLACKBELT JAPAN)は5月の『TORAO32』で大城正也に判定0-2で惜敗。再起を目指す。  1R、石井の前進に梅木がダブルレッグテイクダウン。頭を外に出す梅木にフルガードの石井はネルソン。コーナーに押し込む梅木だがブレーク。  再びシングルレッグの梅木だが、石井は左手で脇を救い背中越しにクラッチ。ブレーク。詰める梅木はダブルレッグテイクダウン。ここも石井はガードに入れてオーバーフックから得意のスイープもゴング。  2Rも先に詰める梅木に半身でアームロック狙いの石井。構わずシングルレッグの梅木に後方に回してキムラを極めに行く。右手を股下で回させない梅木は体を起こすと、そこに腕十字狙いは石井。頭を刈ってキムラに切り替える石井は得意の展開。  キムラクラッチのままトップを奪い絞るとクローズドに入れて右手をついに背中に回すが、梅木は仰向けになって極めさせず、ゴング。  判定は2-0で石井が勝利。1年4カ月ぶりの復活を勝利で飾った。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級 5分2R〇輝龍(ROOTS)[2R 1分30秒 TKO] ※パウンド×蓮池勇太(飛翔塾)  輝龍は、2023年10月の寺嶋直人戦での1R KO負けからの再起戦。蓮池は、2024年7月の中池武寛戦で1R RNCにより一本負け。  1R、サウスポー構えの蓮池。輝龍は右を振ってコーナーに押し込み右ヒジ。右で差して左で細かいパンチを入れて小外がけテイクダウン。  輝龍がサイドに出るところを浮かせた蓮池は立ち上がりに。しかしそこでバックに回る輝龍は両足フック。リアネイキドチョークを狙うが蓮池も組ませず。背後からパンチの輝龍。ゴング。  2Rも先に左から入る輝龍。コーナーに押し込みヒザから長身の蓮池に右ヒジ! ヒザから崩れた蓮池にパウンドする輝龍! 立ち上がる蓮池をボディロックテイクダウンしてマウントからヒジを打つ輝龍に蓮池は動けず。輝龍がTKO勝ち。セコンドの土屋大喜と熱いハグをかわした。  KO負けから1年ぶりの復帰戦をTKO勝ちした輝龍は「47歳のおっさんです! 今日変な負け方したら終わりにしようと思っていました。ほんとやっといい勝ち方できました。もうちょっとだけ頑張るんで。応援よろしくお願いします。修斗、最高!」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 バンタム級 5分2R〇青井心二(心技舘)[判定2-0] ※20-18×2, 19-19×森本ユタカ(THE BLACKBELT JAPAN)  青井は、2024年4月の新宿FACE大会で新井拓巳に1R TKO負け。アマチュアボクシングで実績を持つ森本も同じ新宿で藤田ムネノリに2R TKO負けしており、どちらが先に再起するか。  1R、サウスポー構えの森本に、オーソの青井。森本はインロー、左ボディ、さらに連打に青井は一気に組んでバックへ。リアネイキドチョークを絞めるが、腰をずらした森本が背後にパンチ。青井はポジション取りに移行しマウントに。  半身になる森本は腰を切り足を戻してフルガードに。クローズドにして下から長い手で殴る森本。青井は頭をアゴ下につけてパウンド。森本はコーナー使って立つ。森本の大外をかわした青井だが、森本は正対して左ハイをガード上に打ってゴング。  2R、遠間から左ローの森本。左ボディストレートも。青井は右ミドルを当てると、森本は前手フック。そこで組む青井はボディロックテイクダウン、座る森本は右手手繰り。すぐさま右足をかけて二重がらみの青井。しかし森本は青井を落とすと左右で前に。  そこで青井はダブルレッグテイクダウン。コーナーに尻着けて座るが、青井は引出し寝かせて、立ち際にヒザ。右手で送り手を掴んでコントロールして左ヒザを突いてゴング。判定2-0で青井が勝利。1年ぶりの白星を掴んだ。 [nextpage] ▼第3試合 2024年度新人王決定トーナメント準決勝 フェザー級 5分2R×松岡 拓(OOTA DOJO)[1R 1分30秒 三角絞め]〇歩生(パラエストラTB)※プロデビュー戦 「2024年度新人王決定トーナメント」フェザー級準決勝。7月に井上翔太に判定勝ちした松岡拓(OOTA DOJO)と、プロデビュー戦の歩生(パラエストラTB)が対戦。  1R、歩生の右に松岡が腰を落とすと、歩生はバックから後ろ三角絞め&アームバー! さらに背後からパウンドも正対した松岡に下になり前三角絞めに移行して極めた。  決勝進出の歩生は「デビューまで2年かかりました。新人王の決勝でKOか一本で極めます」と宣言した。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 5分2R〇御前昂史(パラエストラ小岩) ※プロデビュー戦[判定3-0] ※20-18×3×森 貴史(MMAZジム)   1R、御前が投げてテイクダウンからサイド。肩固め狙いも外して立つ森がコーナーに押し込み。シングルレッグに移行する森だがブレーク。組む御前は大内・小内狙いも残す森がコーナー背に。大内刈で崩すが、森が入れ替え押し込みゴング。  2R、先に詰める森がダブルレッグ。コーナー背にこつこつ叩く御前。サウスポー構えの森は左を伸ばす。しかし組む御前は大外刈テイクダウン! そのままサイドを奪い、細かいヒジ・ヒザ、腕十字狙い。しかし、森はシングルレッグでレッスルアップで上に。御前はキムラロックで後方に回すも森もクラッチ。  判定は20-18×3で御前が勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 ストロー級 5分2R×牧ヶ谷 篤(和術慧舟會群馬支部)[1R 2分06秒 ヒザ十字]〇小林良徳(修斗GYM東京)※ プロデビュー戦  ストロー級ではベテランの牧ヶ谷篤(和術慧舟會群馬支部)が、全日本アマ修斗フライ級3位で、今回がプロデビュー戦となる小林良徳(修斗GYM東京)と対戦。  1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ&ローの小林。入りにくい牧ケ谷は強引に組んで引き込み、腕十字へ。しかし、ヒジを抜いた小林が牧ケ谷の右足を深くまたぎヒザ十字を極めた。
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