2024年11月23日(土)東京・後楽園ホール『RISE 183』の記者会見が、9月20日(金)都内にて行われた。
RISEフライ級(-51.5kg)タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで、王者・数島大陸(及川道場)vs.挑戦者同級1位・那須川龍心(TEAM TEPPEN)が決定。
数島は2020年9月にプロデビューすると軽量級でも倒す選手として注目され、2021年7月大会にはラジャダムナン王者の竜哉・エイワスポーツジムと対戦しドローとなったもののダウンを奪い一躍名を挙げた。2022年4月から開幕したフライ級王座決定トーナメントでは準決勝で当時無敗の塚本望夢とダウン応酬の末の判定勝ちで決勝進出を決めたが、10月の決勝戦で初代スーパーフライ級王者の田丸辰に敗れて王座戴冠を逃した。2023年10月に第2代王座決定戦を松本天志と争い、判定勝ちで王座に就くと2024年2月にはクンスックに延長戦で判定勝ち、6月にはストローに3RでKO勝ちと5連勝中。戦績は13勝(7KO)2敗2分。
那須川はアマチュア大会で数々の優勝を経て、2022年4月のRISEでプロデビュー。2戦目で6月の『THE MATCH 2022』でK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星を喫したが、フライ級に階級を下げると3連勝。2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れるも、その後は6連勝。2024年6月には塚本へのリベンジを果たした。また、2023年大晦日の『RIZIN』でMMAに初挑戦し、シン・ジョンミンにパウンドでTKO勝ち。9月にRISEルールでジョンミンと再戦すると2RでKO勝ち。戦績は10勝(3KO)2敗。
会見に出席した那須川は「格闘家としての存在価値を証明できる場がやっと来たとワクワクしています。ここでしっかり勝って那須川天心の弟としてだけではなく、那須川龍心としての存在価値を証明しようと思っています」と意気込み。
初防衛戦となる数島は「タイトルマッチが決まったけれど、今回は那須川選手とだけの対決じゃないと思っていて。僕はRISEとの勝負でもあると思うし、那須川選手はいろいろなメディアに出て勢いあって注目あって、RISEも凄い待遇していると思うのでそんなヤツらには負けたくないし、お前ら全員見とけよって思っています。僕の次のタイトルマッチに懸ける執念を見てください。キックボクサーは泣かないぜ」と怒気をはらんだコメント。
互いの印象を聞かれると、那須川は「完成はされていますよね、。良くも悪くも。しっかりとした型がある。そこをどう崩すかと思っています」、数島は「前回の試合は相手が調整試合として組まれて全然参考にならなかったけれど、塚本望夢戦と松本天志戦は試合重ねるごとに強くなっているなと思っていて。挑戦者としてはふさわしいかなと思っています」とそれぞれ評する。
タイトルマッチの3分5Rで行われることで、クライマックスはどのラウンドで訪れそうか、との質問には、那須川は「5Rは初めての経験なので不安な部分もあるけれど、最初の3R。1~3Rが重要になって来ると思いますね」と通常の3R以内が山場になると予想。これに数島は「最初から潰しに行くので見とけと思います」と1Rから倒しに行くと言い放つ。
サウスポーとの対戦について那須川は「サウスポーに対して怖いものはないです」ときっぱり。ようやくタイトルマッチが実現したことには「自分自身、飛び級してここまで来たわけではないと思っていて。しっかり一歩ずつ勝たないといけない相手に勝ってきたので、それをとやかく言われる筋合いはないです。意外と早かったですね。ここまで来たのは。あっという間に感じました」とする。
数島は遅かれ早かれ那須川が自分の前に立ちはだかることは予想していたか、と聞かれると「実力は認めているし、選手としてのリスペクトはあるので。いつかやるやろなとはずっと思っていました」と答える。
では、なぜ不満そうにしているのかと聞かれると「那須川選手よりRISEに不満があって。正直言ってしまえば俺は調整試合ないのに向こうはあるし。それでRISEから言われるのは結果で見せたらええやんと言われますが、どっちかと言うと僕は今まで無口で結果で証明してきたんですけれど、なんか今って結果だけ出していても本当に強いヤツが注目されていなかったり、どっちかと言うとRISEはガチって言っているわりには数字ばっかり気にしているんちゃうかなって思うんですけれど、伊藤さんはどう思いますか?」と不満をぶちまけ、伊藤隆RISE代表に直接質問。
苦笑した伊藤代表は「よく見ているとなと思いますね。若い子は細かいところまで見ているんですね。事実だと思いますし、これは数島だけじゃなく全選手に言えるんですけれど、これは主催者との戦いですよ。一瞬で評価も変わりますし、数字に捉われすぎてもいけないですが、いい試合をすれば数字も上がるでしょうし、いろいろな部分も含めて王者、スーパースターになれると思うので。彼の発言は素晴らしいと思いますし、思っていることはどんどんぶつけた方がいいと思います。彼だけじゃなく那須川龍心も主催者との戦いだと思います。数字に捉われすぎるのはよくないと思いますし、王者はドシッとしていないといけないと思うので試合内容で見せてもらいたいと思います」と返答した。
これを受けて数島は「那須川選手は勢いがあって知名度もあって、いろいろな面で注目されているので、僕が勝つことによって実力が証明できるし、数島大陸の価値も上げられると思うので全部奪ったろと思っています」と宣言。
さらに、髪を短くして染めていないのはなぜかと聞かれると「僕は判定もちょっと勝ってるくらいじゃひっくり返されると思っているから、ガードしていて髪の毛がふわっとなってポイントを取られないように髪の毛をめちゃめちゃ短くしてきました。それくらい僕はガチなので。黒髪は伸びたところを切ったら黒いところだけになっただけなので、試合前はまたスーパーサイヤ人になります」と、パンチをガードの上からもらって髪の毛がなびいたら印象が悪くなる、との理由で短くしたと説明。
数島がRISEはガチというところを試合で見せたいという想いなのか、と聞かれると「今の格闘技は本当に強い選手がいっぱいおるし、今のキックボクシングにおいて軽量級はRISEが一番やと思っているので、それを僕がこの試合でしっかり証明したいと思っています」と語った。