2024年9月3日(火)東京・有明アリーナにて、WBOバンタム級王者・武居由樹(大橋)が初防衛戦。、同級1位で元WBCフライ級王者の比嘉大吾(志成)と対戦した。
K-1からボクシングに転向して9戦で世界王者になった武居は、場内の動画で、「K-1チャンピオンからボクシングに転向して絶対ベルトを獲らなきゃいけないっていう責任感が自分を強くしてくれた。1個でも落としたら自分は終わり。自分の未来を守らなきゃいけないし、自分の価値を挙げていくことが目標。那須川天心くんと試合したい気持ちがあって、お互いが無敗でいればいいんじゃないかなと」と語る。
対する比嘉は、約6年5カ月ぶりの世界王座返り咲き&世界2階級制覇を狙う。ともに練習仲間でもあった。
写真は前回の王座獲得時の武居。
1R、サウスポー構えの武居。オーソの比嘉。長い右リードジャブの武居に、比嘉は入りながら右を狙う。比嘉は鋭い踏み込みのジャブから左フックへ。コーナー際で左右の比嘉に右回りでさばく武居。
2R、ワイドスタンスの武居。左ボディを当てる武居に左フックを返す比嘉。効かされた武居は戻す。顔を振る武居。比嘉の左フックの飛び込みをかわし、ワンツー、右フックに比嘉も左を振るがかわす武居。左ボディから右フックの武居に左フックをかぶせる比嘉。かわす武居。コーナーに詰めるが、比嘉は出る。
「自分の距離で行け」と指示を受ける武居。
3R、比嘉が頭を下げて入るところに武居は右アッパー! コーナーに詰めて左から右も、そこに比嘉は左を合わせに行く。ガード固めて入る比嘉に左アッパーを突く武居。距離を詰めてブルファイトも比嘉に、武居は右アッパーから左に繋ぐ。そこに前手をかぶせに行く比嘉も空振り。
4R、右ジャブを突く武居に右オーバーハンドを合わせた比嘉! 一気に詰めて左右の速い回転で左フックを当てるが、武居も前に。右ジャブで詰めて左アッパー、右ジャブ。左ジャブを突いて武居の顔を上げさせる比嘉。武居は右ジャブを5発。そこからの入りに左フックを狙う。
武居陣営は「アームで打て、アゴを守れ」と声。
5R、右ジャブを突く武居。比嘉の入りに左アッパーの武居、比嘉は右を合わせに行く。互いにジャブの刺し合い。左アッパーからの入り、右アッパーからの入りと散らす武居。比嘉はガード固めて詰めるが、武居は足をシャッフルして左右にステップし、入りに左アッパーを突く。
6R、右ジャブを突く武居。比嘉の左ジャブをかわす。互いに喧嘩四つで足が交錯。右ジャブをこつこつ突き、右から左アッパー。ガード固めて前に詰める比嘉の右フックはクリーンヒットせず。
右からロングの左アッパー、さらに回りながら左アッパーの武居! 足を使って距離を外てアッパー。コーナーに詰めた比嘉は左ボディ打ちもすぐに体を入れ替えた武居。
比嘉陣営は「削れ、頭を2つ3つ分動かせ」とアドバイス。
7R、ジャブダブルで詰める比嘉をさばく武居は右ジャブから左アッパー。ガード固める比嘉は左オーバーハンド。しかし武居は左右のアッパー。比嘉の左フックは間合いを外す。
左ロングアッパーを突く武居。右アッパーから入った武居に、比嘉も左を当てる! 左手を回して見せる武居は右ジャブ。
8R、中央を取る比嘉は圧力も、手が出ない。武居はそこに左右アッパーを突く。左から右を当てた武居。比嘉は頭を下げてコーナーに押し込み左右ボディも、武居はクリンチ。
右前手を伸ばして、左手を低い位置に構えてアッパーを突く武居。コーナーに押し込む比嘉は左右ボディからコーナーを出る武居に左をかすめるが、ここで足が止まった比嘉。武居が押し戻してゴング。
9R、右から左ボディの武居。ロープに詰めての比嘉の近距離での打ち合いに応じる武居はショートの右アッパー。左フックの比嘉に武居もカウンターを狙うが、足を止める。
ジャブの相打ち。比嘉の入りに左ストレートを当てる武居だが比嘉も右ストレートを返す。右目を若干腫らす。左ボディを突く武居。
10R、左から飛び込む比嘉を右にかわした武居。ガード固め頭を下げて詰める比嘉に左右のアッパーを突く。ともに左の相打ち! しかし押し込みに下がらず、押し戻せる武居は軸が強い。
右ジャブ、左アッパーの武居。右アッパーから左! しかし、武居の右目の腫れで比嘉の左ジャブが見えていないか被弾。武居は左目上をカットする。有効打。
11R、右ジャブを突く武居に詰める比嘉の左右に武居は左目から出血、比嘉の左ジャブを被弾。比嘉も左目尻から出血。前に出る武居。武居の打ち終わりに左を当てる比嘉! スリップしながらダウンした武居は手を挙げるがダウン。詰める武居に左に回り時間を使う比嘉。
12R、ラストラウンド。左ジャブの比嘉。詰める武居はワンツーから左アッパーに比嘉がクリンチ、右アッパーを当てて比嘉のアゴを上げさせる武居。比嘉は動きが鈍い。詰める武居に比嘉はクリンチ。左右アッパーの武居、ロープ背に打ち合いのなかで左右ボディから右を当てる武居に、左オーバーハンドも単発の比嘉。
クリンチする比嘉。ブレーク、詰める武居はコーナーでガード固める比嘉に右アッパー、左ストレートを繋いでゴング。両者ハグ。
判定3-0(115-112, 114-113×2)で武居が勝利。ダウンを取られた武居だが、初防衛に成功した。
試合後、武居は「こんにちは、足立区から来た大橋ジムの武居由樹です。今日の試合は、全然納得できなくて大吾さんと最高の試合が出来て良かったです。大吾さん、野木(丈司)さん、ありがとうございました。比嘉選手、本当に打たれ強いし、気持ちも強くて、自分がやられたくないことをいっぱいやられてすごく強い選手でした。感謝しています。
(ダウンは)あれは自分のなかではダウンか分からないですけど、ダウン取られる動きで自分が悪いです。おかげでまだまだ上に行けるなと思ったので感謝しています。
ほんとうにキツい試合が出来てもっともっと強くなれるな反省点ばかりです、もっともっと頑張ります。本当に今日は応援ありがとうございました」と反省の弁。
続けて、「最後に10月の天心君、頑張ってください、応援しています」と、ジェルウィン・アシロ(フィリピン)とWBOアジアパシフィックバンタム級王座決定戦に臨む那須川天心(帝拳)にエールを送った。