愛鷹(右)に不満をぶちまけた王者カリミアンは「彼は勝ったことに思いあがっているのではないか」
2019年11月24日(日)神奈川・横浜アリーナで開催される『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり』の記者会見が、9月6日(金)都内にて行われた。
K-1 WORLD GPクルーザー級王者シナ・カリミアン(WSRフェアテックス・イラン)とBigbangヘビー級王者・愛鷹亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の再戦が、K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチで決定。
両者は8月24日にエディオンアリーナ大阪にて開催された『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』で、ノンタイトル戦で激突。愛鷹が3R57秒、右フック一発でカリミアンをマットに沈めるジャイアントキリングを起こした。
中村拓己K-1プロデューサーは「シナ選手の方からすぐに再戦したい、タイトルを賭けてやりたいとの要求があり、K-1実行委員会と愛鷹選手サイドが了承してベルトを賭けての再戦になりました」と、カリミアンの方からタイトルマッチでの再戦を希望して今回の再戦が実現したと説明された。
愛鷹は「K-1のタイトルマッチなので敬意を表して」と和装で登場。「タイトルマッチをやらせてくれてありがとうございます。これを目標に頑張ってきたのでめちゃくちゃ嬉しいですね。カリミアン選手はイランの英雄と言われていて国民にも慕われている選手で、そこは希望を与えているので僕も尊敬するところですが、そこで物おじせず僕も日本の英雄になりたいと思っているので勝ちます」と挨拶。
一方、サングラスをかけて登場したカリミアンは「この場を借りて言いたいことがある」と前置きして語り始めた。
「ファンの皆さん、試合に負けてごめんなさい。私を応援してください」と日本語で言い、「イランの国民にもありがとう。相手は今回の試合ではツイていたので勝ちました。ご存じの通り私からこのリベンジマッチの要請をしました。次回の試合は本当はベルトを守る試合ではなかったが、それを自分自身が要請しました。前の試合について相手が話をしていたらしいのでそれに対して反論したい。
私の試合を分析した魔裟斗さんの話によると、あの日は私の日ではなかった。ツイていなかったということなので私はそれを信じています。愛鷹選手の頭の中では私はチャンピオンじゃないかもしれないが、私は3試合を勝ち抜いてチャンピオンになりました。そのあとの初防衛戦でも勝つことができました。愛鷹選手にはたまたま私に勝った試合の喜びを長い期間ではないが、味わってほしい。そしてチャンピオンに悪口を言うのはやめてほしい」
どうやら愛鷹が一夜明け会見やSNSにて、カリミアンはチャンピオンにふさわしくないと発言したことに対して怒っているようだった。
「言い訳はしたくないが、彼はたまたま勝っただけです。私は外国の地で慣れない過酷な環境の中で試合をしました。正直、その時は精神的にいい状態ではなかった。魔裟斗さんが言うように私は技のコレクションの持ち主だが、その日は全てを見せることができなかった」と、愛鷹が勝てたのは“たまたま”だと主張。
さらに、試合後に暴れたことは「すいませんでした。試合の前は尊敬していましたし、敬意も払っていました」と詫びたが、「彼には敬意をもって私に接してほしい。彼は勝ったことに思いあがっているのではないか。好き放題言っているのでその態度にはよく思っていない」と続けた。
それについて愛鷹は「あまりカッコよくはないと思います。いま話を聞いていても、あまり言いたくないですが、俺らは格闘家ですし、勝った負けたは50-50の確率であること。その試合後の話でどうだかこうだか言うのはあまりカッコいいものではないと思う。もっとK-1王者らしく振舞ってほしかったです」と、王者なら堂々としていてほしいと返答。
するとカリミアンは「彼に対して言いたいことを言っただけです。彼は発言する機会があり、自分にはなかったので言いたいことを言っただけなのでカッコ悪いと言われても仕方がない。私は彼に対して勝ったことにお祝いを申し上げたし、自分のインスタグラムで負けたことも多くの人に伝えたし、自分の非も認めています。私が一番気にしていることは日本のファンが大勢応援してくれるので、その人たちを喜ばせることができなかったのが一番悲しいことです」と、愛鷹を批判したかったわけではないと説明した。
そして「日本のファンは変わらない。心から応援してもらっています。負けたことでガッカリさせたことを悔しく思っています。次の試合で必ず勝てると慰めてももらいました。横浜ではより強くなって試合に臨みます。日本とイランのファンを喜ばすことを約束します」とリベンジを宣言。
愛鷹は「前回はノンタイトル戦で、そんなに自分の名前が売れていなくて(カリミアンは)油断していたと思う。その油断が練習に出ていなかったことはないと思います。今回はタイトルを賭けて戦うので100%で来るでしょう。より強いカリミアンとまた戦うことになると思うので、自分はそれを超えて3倍練習して3倍強くなって必ずタイトルを獲ります」と、気を引き締めて再戦に臨むと語った。
<決定対戦カード>
▼K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
シナ・カリミアン(イラン/WSRフェアテックス/王者)
愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)