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【RTU】河名マストが死闘制しシエ・ビンと対戦へ「UFCとの契約はマスト」、原口伸の相手は安藤達也に判定勝ちしたズー・カンジエに。女子ストロー級2回戦は本野美樹vs.シャオツァの再戦、シー・ミンvs.フアシャンに

2024/05/18 19:05
 2024年5月18日(土)、中国・上海のUFCパフォーマンス・インスティチュート(UFC PI)にて『ROAD TO UFC』シーズン3(U-NEXT配信)のオープニングラウンド(エピソード1&2)が開催された。  初日のエピソード1&2に出場した日本人は、フェザー級の原口伸、安藤達也、河名マスト。女子ストロー級では本野美樹が出場予定も、本野の対戦相手のホアン・フェイル(中国)が116.7ポンド(52.93kg)で体重超過。試合は中止となり、本野は女子ストロー級トーナメント2回戦進出が決定している。  日本人レスラー3人が出場したフェザー級では、トップバッターの原口が、ホン・ジュニョン(韓国)から左フックでダウン奪ってのコントロールで判定勝ち。 「僕の得意な試合運びだったので、見ている方はつらいかもしれないですが、僕はあまりきつくなかった。これをつまらないというなら、相手は逃げてください。次は僕が目指すスクランブル多めのレスリングを使っていきたいと思います」と語った。  続けて、『ROAD TO UFC:JAPAN』以来、9年ぶりにRTUに出場した安藤は、一階級上での挑戦でズー・カンジエ(中国)と打撃戦を展開するも被弾し、組みでも後手に。TKO寸前に追い込まれるも持ちこたえ、判定3-0で敗れた。  勝利したカンジエは、2回戦で原口伸と対戦に。  日本人として初日の最後に出場した河名は、ソン・ヨンジェ(韓国)と対戦。右フック、ミドルを被弾しながらも、得意のグレコをMMAに融合させた組みで、ヨンジェの心を折り、判定3-0で勝利。2回戦で中国のシエ・ビンとの試合を決め「UFCとの契約はマスト」と、自身の名を文字って優勝を誓った。  なお、2日目の19日(日)は、バンタム級に野瀬翔平、小崎連、透暉鷹が出場。またワンマッチに雑賀“ヤン坊”達也が出場する。なお、フライ級の松井斗輝が体重超過で試合中止となっている。。 Road to UFC: Shanghai Episode 2 2024年5月18日(土)日本時間21時開始 ▼第5試合 フェザー級 5分3R〇シエ・ビン(中国)Bin Xie 12勝4敗 145lbs/65.77kg[判定3-0] ※30-27×3×イーブーゲラ(中国)Yibugele 24勝13敗1分 145.5lbs/66.00kg  フェザー級トーナメント一回戦。 中国のシエ・ビンは2021年にコンテンダーシリーズ出場(オリバー・ムラッドに判定負け)。2022年の『ROAD TO UFC』 に出場したが、一回戦で優勝したイ・ジョンヨンにガードからの腕十字で秒殺一本負けした。その後はインドネシア、中国で3戦して全勝(2試合が1RパウンドでのKO勝ち)。26歳。  当初出場予定だったハミド・アミリの代役として出場を果たすのは、2023年の『ROAD TO UFC』し、神田コウヤに判定負けした中国のイーブーゲラ。神田戦ではタックルを切り、パンチを打ち込む場面を度々見せていた。その後は中国国内でライト級に上げて2戦し、8月には元修斗王者の川名雄生にスプリット判定勝ちしている。24勝12敗1分の34歳。  1R、オーソドックスのシエ・ビンにイーブーゲラはサウスポーで構える。ジャブの刺し合い。シエ・ビンがインロー。詰めてきたイーブーゲラに右を打ち込む。ジャブから踏み込んでタックルに入ったイーブーゲラ。ボディロックから投げを狙うが、シエ・ビンはケージでこらえる。離れ際にヒザを入れたイーブーゲラ。ジャブをつくシエ・ビン。イーブーゲラが出たところにカウンターの右がヒット!イーブーゲラダウン!上になったシエ・ビン。パウンドを入れるが、イーブーゲラは下から足で距離を作ると立ち上がり離れた。再び詰めてきたシエ・ビン。ワンツーがヒット。右ハイ。カーフキック。イーブーゲラが前に出るとすぐバックステップしてかわす。ホーン。  2R。またインローを入れていくシエ・ビン。ジャブを突く。イーブーゲラも飛び込んで左を放つが、打ち終わりに右を返すシエ・ビン。右ミドル。腹に入って動きが止まったイーブーゲラ。さらに右のパンチを打ち込むとイーブーゲラはサークリングし距離を取る。イーブーゲラが飛び込んでパンチを入れると一瞬膝を着いたシエ・ビン。しかしシエ・ビンがジャブから右ボディストレートを入れる。右ミドル。カウンターをもらっているイーブーゲラだが、打たれながらも飛び込んでのパンチを打ち込んでいく。シエ・ビンのワンツーがヒット。すぐに打ち返すイーブーゲラだが、バックステップされヒットせず。残り1分。シエ・ビン右ミドル。ホーン。  3R。前蹴りを入れるイーブーゲラ。シエ・ビンは右ハイからインロー。プレッシャーを掛けてケージ際まで追い込む。パンチで飛び込んで抜け出したイーブーゲラだが、シエ・ビンはすぐにまた圧を掛けていく。右ハイ。ジャブから右ストレート。ワンツーから右ハイ。イーブーゲラの左がヒットして一瞬膝を着いたシエ・ビンだが、すぐに立て直してジャブを入れていく。右ストレート。イーブーゲラがスーパーマンパンチを放つがかわされる。残り1分。ジャブ、ボディで接近させないシエ・ビン。最後はバックステップで距離を取り逃げ切った。  判定3-0(30-27×3)のフルマークでシエ・ビンが勝利。準決勝では河名と対戦する。準決勝2試合はいずれも日本vs.中国に。勝ったシエ・ビンは「上海合宿で完璧に準備ができた。UFCとするにあたって完璧に準備が出来ている」と自信のコメントを残した。 [nextpage] ▼第4試合 女子ストロー級 5分3R〇シー・ミン(中国)Ming Shi 15勝5敗 115.5lbs/52.39kg[判定3-0] ※29-28×3×ソ・イェダム(韓国)Seo Ye Dam Seo 7勝4敗 115.5lbs/52.39kg  女子ストロー級トーナメント一回戦。  中国のシー・ミンは14勝5敗の29歳。キック・テコンドー・レスリングがバックボーン。上海のUFCパフォーマンス・インスティチュートでトレーニングを積んでいる。医師免許を持っており、ファイターになる前は医師として病院で勤務していた。  韓国のイェダムは2018年にパンクラスに参戦し、三浦彩佳と対戦したが判定負け。2022年の『ROAD TO UFC』ではワンマッチに出場。K-1出場経験もあり、現在はUFCに出場しているヨセフィン・ノットソンに判定負け。その後はカザフスタンのNAIZA FCに出場し、判定勝ちしている。7勝3敗の32歳。  1R、両者オーソドックス。いきなり前蹴りで距離を詰めたシー・ミンが肘を入れるが、イェダムもパンチを振って打ち合いに。ワンツーで出るイェダム。イェダムのローに合わせて組み付いたシー・ミンだが、引き剥がしたイェダム。シー・ミンが左ハイを放つとヒザが顔面にヒットしイェダムダウン!シー・ミンがバックに回りチョークに入るが、イェダムは正対して外した。マウントからガードに戻したイェダム。イェダムが腕十字を狙うが、シー・ミンが立って離れると、イェダムも立ってスタンドに。左右のパンチを振って出るイェダム。シー・ミンはローキック。ホーン。  2R、イェダムがパンチからタックルにつなげてテイクダウン。サイドからあえてハーフに移行すると右腕で鉄槌を落とす。じわじわとケージ際まで移動したシー・ミンだが、イェダムが押さえ込みながら細かいパンチを入れる展開が続く。残り1分。ケージを蹴って体勢を変えようとするシー・ミンだが、変えられないまま下の状態で2R終了。  1Rずつ取り合い3Rへ。  3R。すぐに左右のパンチで出るイェダム。シー・ミンの右の打ち終わりにイェダムの右フックがヒット。シー・ミンから組み付いて四つ組みでケージに押し込む。両者ヒザを腹に打ち込み合う。シー・ミン離れた。再び打撃戦に。左右のフックを振って出るイェダム。インロー。カーフキック。イェダムタックルへ。左を差して受け止めたシー・ミンがケージに押し込む。両脇を差したシー・ミン。しかし差し返したイェダム。首相撲に切り替えてヒザを一発入れるが、シー・ミンが再びケージに押し込む。入れ変えたイェダムがヒザを入れて離れた。残りわずか。タックルに入ったシー・ミンだが受け止めたイェダム。タイムアップ。  三者29-28でシー・ミンが勝利。「イェダムが3Rはテイクダウンを狙ってくると思ったので、打撃できたのは驚いたが、すぐに作戦を変えて対応できた」とコメントした。  準決勝はドン・フアシャンとの中国人ファイター対決に。女子ストロー級は不戦勝の本野を除いてすべて中国人ファイターが勝ち上がった。 [nextpage] ▼第3試合 フェザー級 5分3R〇河名真寿斗(マスト)(日本)Masuto Kawana 10勝3敗 146lbs/66.22kg[判定3-0] ※30-26, 29-27×2×ソン・ヨンジェ(韓国)Young Jae Song 6勝1敗1分 145lbs/65.77kg 【写真】2017年U-23世界選手権グレコローマン59kg級初代世界王者、そしてGLADIATORフェザー級王者の河名マスト。LFAで後の王者アライジャ・ジョンズと戦い、GLADIATORでのパン・ジェヒョクとの2戦で大きく進化した。  フェザー級トーナメント一回戦。  河名はグレコローマン・レスリングがバックボーンで、2017年全日本社会人選手権・国体で優勝。同年には初開催となったU-23世界選手権でも優勝している。  2021年にMMA転向。2024年2月の『GLADIATOR CHALLENGER SERIES 01』で、GLADIATORフェザー級王者のパン・ジェヒョクとの再戦で王座に挑戦。1Rにパンチを効かされるピンチを乗り越えて、2R・3Rはテイクダウンからグラウンドでコントロールしてパウンドを打ち込み、判定勝ちで王座を獲得した。29歳。  韓国のヨンジェはAFCバンタム級王者。MMAは6勝0敗1分で負けなしの28歳。プロデビュー戦でドローとなった後の6勝はすべてフィニッシュで5KO・1一本勝ち。うち4試合は2分以内の勝利。早く勝負を決める能力を持つ反面、未だに未知数な部分も多い。  1R、両者オーソドックス。河名はタックルのフェイントから、すぐまたタックルに入りケージに押し込む。両脇を差して背中でクラッチした河名。ボディロックから反り投げでテイクダウン。ヨンジェは背中を向けて立つと、河名のクラッチを切ろうとする。クラッチが切れて正対したが、四つでまたクラッチし直す河名。  小手を一度放してからまたタックルに入る河名は脇を潜りテイクダウン。ハーフに。ヨンジェは河名の頭を押して引き剥がして立とうとする。立ち上がったがバックを取った河名が投げてまたテイクダウン。バックからコントロールしつつ、左のパウンドを連打する。ヨンジェが立ち上がるとまた投げた河名。クラッチを切って正対するヨンジェ。残り1分。また押し込みながら両脇を差した河名。投げで崩すとバックに回る。投げながら左のパンチを打ち込んだ河名。ヨンジェが打ち返すと離れて距離を取った。ホーン。  1Rは河名が組みでコントロールし、打撃を入れ攻勢。  2R。すぐタックルに入る河名。ヨンジェはヒザを入れると引き剥がした。詰めてくるヨンジェ。河名またタックルへ。組んだが引き剥がしたヨンジェ。パンチで詰めてくる。河名はタックルのフェイントからアッパーを入れるが、ヨンジェがパンチでプレッシャーを掛ける。河名タックル。両脇を差したが、動きがなくレフェリーからブレイクがかかる。すぐまた詰めるヨンジェ。離れ際に右を入れた河名。ヨンジェがパンチを入れて出てくるところにタックルでテイクダウンしたが、ヨンジェはすぐ立ち上がり引き剥がす。消耗が見える河名。ヨンジェが右フックをヒット。さらにアッパーをもらった。河名タックルへ。肘で抵抗するヨンジェ。河名が両足をすくってテイクダウンしたが、すぐに立たれた。距離を取る河名を追いかけてパンチを入れるヨンジェ。河名またタックルからバックを取るが、立ち上がったヨンジェが正対。残り10秒で河名がクリンチからの肘・アッパーの連打!ホーン。  最後に打撃を入れた河名だが、そこまでの打撃のヒットでヨンジェのラウンドか。  3R。飛び込んで左を入れた河名。もらったヨンジェがケージ際まで後退。追った河名がパンチを入れると、ヨンジェは逃げ気味のタックルへ。切った河名がバックに回ると片足をフックしつつ、脇の下からパンチを入れていく。ヨンジェも相当疲れが見える。立ち上がったヨンジェをすぐに崩して膝をつかせる。両膝を着いたヨンジェにバックからパウンドを入れる河名。立つとすぐ崩してまた殴る。疲れて動けないヨンジェにパウンドを入れる河名。殴ってヨンジェが立つと崩す。タイムアップ。  両者ともに疲労困憊も最後に攻めたのは河名。30-26、29-27×2の判定3-0で勝利した。河名は勝利後のインタビュー中も息が上がってつらそうだが、英語でインタビューの受け答えをする。「レスリングを信じていた。UFCとの契約はマストだ。なぜなら、俺はマスト(真寿斗)だから」とコメントした。 [nextpage] ▼第2試合 女子ストロー級 5分3R〇ドン・フアシャン(中国)Huaxiang Dong 12勝2敗 115.5lbs/52.39kg[判定3-0] ※30-27×3×プリヤ・シャルマ(インド)Priya Sharma 5勝2敗 116lbs/52.93kg  女子ストロー級トーナメント一回戦。  インドのシャルマは32歳で5勝1敗。ムエタイのバックボーンがあり、2022年にはタイのルンピニーでも試合をしている。  中国のフアシャンは25歳で11勝2敗。2018年10月以来10連勝中。本野と対戦予定だったホアン・フェイル(※体重超過で失格)にも2021年に判定勝ちしている。11勝のうち1KO・7一本勝ちとフィニッシュ率が高い。  1R、オーソドックスのシャルマにサウスポーのフアシャン。お互い前手で距離を測る。左ハイを出したフアシャン。シャルマのインローにパンチを合わせたフアシャン。フアシャンタックルへ。右を差してケージに押し込むが、引き剥がしたシャルマ。左ストレートを打ち込むフアシャン。さらに左ハイ。シャルマはローキック。フアシャンが徐々にプレッシャーを強める。じりじりとケージ際まで下がるシャルマ。左ハイを入れるフアシャン。シャルマはスーパーマンパンチで飛び込んでケージ際から脱出。残り1分。飛び膝をボディに打ち込むフアシャン。またプレスしてきてシャルマがケージを背負う。右フックから左ボディを入れたフアシャン。ホーン。  1Rはフアシャンがプレッシャーを掛けるも、あと一歩踏み込まず、大きな展開のないまま終了。  2R。お互いローで牽制。単発のパンチを入れる展開から、フアシャンがタックルへ。ボディロックから前に崩してテイクダウン。ハーフバックに。片膝を着いたシャルマの背中に乗ったフアシャン。シャルマは背負って立つと、ケージに寄りかかってこらえる。フアシャンは足のロックが外れて降りると離れた。フアシャンまたタックルへ。両脇を差すと投げを放つ。ケージでこらえるシャルマ。シャルマが差し返すと、フアシャンはパンチを入れて離れた。シャルマのローにフアシャンがワンツーを返す。左ストレート。ホーン。  2Rはフアシャンが打撃の手数、組みのコントロールで明確にラウンドを取った。  3R。左ミドルを入れるフアシャン。またボディへの飛び膝。左ボディストレート。ワンツーを返すシャルマにフアシャンはサイドキック。またプレッシャーを掛けてシャルマを下がらせるフアシャン。フアシャンがタックル。ほぼオクタゴン中央でテイクダウン。バックにつくと、立ち上がろうとするシャルマを前に崩す。また立ち上がりスタンドバック。向き直ったシャルマだが、また投げてテイクダウンしたフアシャン。ボディロックでコントロールしつつヒザを打ち込んでいく。立って正対したシャルマだが、フアシャンはまた両脇を差してケージに押し込む。残り30秒で離れた。KOを狙って出てくるシャルマに左ストレートを打ち込むフアシャン。タイムアップ。  判定は3者30-27でフアシャンが勝利。勝ったフアシャンだが「自分のパフォーマンスにはがっかり。ゲームプランを遂行できなかった。みんなが自分のことをグラップラーだと思っているので、自分の打撃の実力を証明したかった」と反省の弁を述べた。 [nextpage] ▼第1試合 女子フライ級 5分3R ※ワンマッチ〇ワン・ツォン(中国)Cong Wang 5勝0敗 125lbs/56.70kg[1R 3分4秒 ギロチンチョーク]×パウラ・ルナ(ペルー)Paula Luna 5勝3敗 125lbs/56.70kg  女子フライ級ワンマッチ。  中国のワン・ツォンはキックがバックボーンで、2年前にMMAデビューしたばかり。ここまで4戦全勝。もともと散打から格闘技を始め、2013年に世界選手権優勝。キックに転向して8勝0敗1分の記録を残すと、その後はアマチュアボクシングに転向し、2019年に世界選手権で準優勝。前戦では元UFCのウー・ヤナン(1勝5敗でリリース)に判定勝ちしている。32歳。  ペルーのルナは25歳で戦績5勝2敗。バックボーンは7歳から始めたキックボクシングでアマチュアIFMA王者。  1R、ルナの蹴り足をキャッチしたワン・ツォンがテイクダウン。ルナは下から足関に。ストレートフットロックを狙うが、ワン・ツォンにパウンドを打たれる。レッグドラッグで足を流してパスしたワン・ツォン。サイドを取る。ルナが腕十字を狙うと逆のサイドに。ワン・ツォンがアナコンダチョークに捕らえる。外れたがギロチンを取り直したワン・ツォン。そのまま上になりニアマウントの体勢で絞める。ルナタップ!  1R3分4秒、ヘッド&アームチョークでの一本勝ちとコールされた。  ワン・ツォンは「私がグラウンドゲームが苦手と言っていたやつ、黙れ!今日はいつも通り。これが私の戦いだ」と叫んだ。 [nextpage] Road to UFC: Shanghai Episode 1 2024年5月18日(土)日本時間19時開始 ◆フェザー級(65.8kg以下) ▼第5試合 フェザー級 5分3R〇ズー・カンジエ(中国)Kangjie Zhu 19勝4敗 146lbs/66.22kg[判定3-0] ※30-28×2, 30-26 ×安藤達也(日本)Tatsuya Ando 14勝4敗1 145lbs/65.77kg  フェザー級トーナメント1回戦  地元中国のカンジエ。28歳で18勝4敗。キック・ムエタイで中国王者となっているストライカー。18勝中、1Rフィニッシュが12回ある。相手のレベルが不明なものの、2023年の中国勢の活躍を見ると侮れない。  修斗バンタム級世界王者の安藤は、2023年3月にONE Friday FightsでKO勝ちしたものの本戦契約はならず。当時はONE参戦を目標としていて、コンテンダーシリーズ出場のオファーも断っていた。2024年はオファーを受けたものの、145ポンドをバンタム級と勘違いしていて、階級上での出場となったとのこと。  水抜きをしないナチュラルウェイトで計量をクリアしている。バックボーンはレスリングで高校王者。2015年に行われた「Road To UFC:Japan」にプロキャリア3戦で出場しており、その時は一回戦で石原夜叉坊に敗れている。34歳。  安藤には高野優樹、清水清隆がセコンドに付く。  1R、サウスポーの安藤にカンジエはオーソドックス。ノーガードで脱力した構えの安藤。ワンツーで飛び込んだが、離れ際にカンジエのパンチを貰いバランスを崩した安藤。クリンチでしのぎ離れた。カンジエの右ストレートがヒット。安藤はまた詰めていく。安藤がまた飛び込んだが、カンジエのカウンターをもらう。タックルに入る安藤。切ったカンジエ。またカンジエが右を打ち込むが、安藤も左右のパンチを打ち込む。  体を沈めてタックルのフェイントを見せつつ詰めていく安藤。バックブローを見せた安藤だがかわされた。カンジエの右がヒットしバランスを崩した安藤だが下がらない。残り1分。アッパーで飛び込んだ安藤。ケージを背負った安藤に左フックをヒットさせるカンジエ。残り20秒でカンジエの右が入り安藤ダウン! シングルレッグでしのごうとするところにパンチを貰い再びダウンした安藤。バックからパンチを入れるカンジエだが、安藤が左右のパンチを振り回してしのぎ1R終了。  2R。飛び込んだカンジエの右をもらった安藤。右ミドルを腹に入れるカンジエ。さらにまた右ストレート。ワンツーが入りダウンした安藤。バックにつくカンジエだが、安藤が立ち上がり引き剥がした。またカンジエの右をもらう安藤。足元がややふらついているが、それでも前に出ていく。左ストレートを打ち込む。カンジエの右ストレートの打ち終わりに右ジャブを返した。カンジエの右の打ち終わりを狙っていく安藤。しかし右ボディをもらった安藤。効いた。ケージ際まで後退する。しかしカンジエも警戒しているのか間合いを詰めずミドルを入れる。ホーン。  おそらく判定での勝ちが難しい安藤はフィニッシュを狙うしかない。  3R。安藤がジリジリと詰める。カンジエが右ボディストレートを入れる。安藤の一発を警戒しているのか、カンジエも手数が少ない。インローを蹴るカンジエ。飛び込むフェイントを見せる安藤に右ミドルを入れるカンジエ。安藤も間合いを詰めない。残り1分。飛び込んだ安藤。組んだが肘を入れるカンジエ。左右のフックを打ち込む安藤にカンジエはインロー。カンジエの右。残りわずかで組み付いたカンジエがバックに回ると後方に豪快に投たところでタイムアップ。  30-26×2、30-25の3-0でカンジエが勝利。完勝のカンジエだが、試合後のインタビューでは「KOを約束したのに駄目だったので、ファンに謝りたい。安藤はアゴもボディも打たれ強かった。次は絶対にKOする」とコメントした。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級 5分3R〇原口 伸(日本)Shin Haraguchi  8勝1敗 145.5lbs/66.00kg[判定3-0] ※30-27×2, 30-25×ホン・ジュニョン(韓国)Jun Young Hong 13勝8敗1分 146lbs/66.22kg  フェザー級トーナメント一回戦。  原口は、2023年の『ROAD TO UFC』ではフェザー級に出場枠がなく、やむを得ず階級上のライト級で出場。レスリングを活かして決勝まで進んだものの、決勝の相手の元UFCのロン・チューにタックルにヒザを合わされて消耗。3Rにパウンドでほぼ戦闘不能に追い込まれたところでチョークを極められ、一本負けでMMA初黒星。2024年は適正階級のフェザーで出場する。2019年レスリング全日本選手権フリースタイル70kg級優勝、GRACHANライト級王者。25歳。  韓国のジュニョンは2022年の『ROAD TO UFC』に出場し、一回戦で松嶋こよみにスプリット判定負け。2023年はローカルイベントで2試合連続1Rフィニッシュ勝利し、2年ぶり2度目の出場を果たした。AFC、Double Gのフェザー級王者。33歳。  1R、サウスポーの原口にオーソドックスのジュニョン。飛びヒザを放ったジュニョン。ヒットしたが、原口がキャッチしそのままシングルレッグに。解除したがケージに押し込もうとする。原口の腕を掴んで防いだジュニョンが入れ替えて離れた。ジュニョンがプレッシャーを掛けるが原口がタックルに。片ヒザをついたジュニョンがヒジ・パンチで抵抗するが、原口がバックに回る。  立ち上がったジュニョンの腹にヒザを打ち込む原口。ジュニョンが引き剥がして離れる。原口の左オーバーハンドのパンチがヒットしジュニョンダウン! すかさず飛び込む原口に立ち上がって飛びヒザを合わせたジュニョンだが、原口がそのままタックルに入り、ドライブしてバックに回る。ケージ際でバックコントロールする原口。足のフックを防ぐジュニョンだが、原口がパンチを打ち込み1R終了。  1Rはダウンを奪った原口のラウンドか。  2R、ミドルを入れたジュニョンだが、原口がタックルで飛び込むと反応できずテイクダウンを許す。上半身を起こしてケージ際まで移動したジュニョン。ケージを使って立ったジュニョンが入れ替えて離れると左アッパー。原口は今度はシングルレッグからテイクダウンを奪う。すぐにケージを使って立って離れるジュニョン。またシングルレッグに入った原口。ヒザを着かせるが、ジュニョンがパンチで抵抗。原口はバッククリンチでコントロールしながら腹にヒザを入れる。ジュニョンがクラッチを切ると原口はヒザつきタックルで両足をすくってテイクダウンし、バックに回る。片膝をついたジュニョンが立ち上がり、原口のクラッチを切って正対するが、その瞬間にすぐタックルで尻もちをつかせる。2R終了のホーン。  2Rも原口が優勢に試合を進めた。  3R、原口がシングルレッグから朽木倒しでテイクダウンを奪うとジュニョンの首を抱えてがぶる。ケージに押し込むとまた膝を着いてタックルへ。ダブルレッグに切り替える原口。バックに回ってスタンドバックになるが、ジュニョンが向き直るタイミングでまたタックルに入る。片ヒザを着いて寝かされないようにしているジュニョンに、原口はヒザを背中に打ち込む。ジュニョンが立ち上がりスタンドバックになると、原口はまたタックルへ。テイクダウンを狙いつつ、パンチやヒザを入れる原口。押し込まれたままのジュニョンから残り10秒でまたテイクダウンを奪うとパンチを打ち込んでタイムアップ。  判定は30-27×2、30-25の3-0で原口が一回戦を突破。打撃でダウンを奪い、テイクダウンコントロール12回、コントロールタイム12分の完封劇だった。  試合後、原口は「去年はライト級で出ることになって準優勝だったんですけど、今回はフェザーということで、自分の適性階級なので、絶対に優勝してやるという気持ちで臨みました。僕の得意な試合運びだったので、見ている方はつらいかもしれないですが、僕はあまりきつくなかった。これをつまらないというなら、相手は逃げてください。次は僕が目指すスクランブル多めのレスリングを使っていきたいと思います」と語った。 [nextpage] ◆女子ストロー級(52.2kg以下) ▼第3試合 女子ストロー級 5分3R〇フォン・シャオツァン(中国)Xiaocan Feng 9勝2敗 116lbs/52.62kg ※7連勝[1R 2分03秒 TKO] ※パウンド×キラン・シン(インド)Kiran Singh 6勝4敗 110lbs/49.89kg  女子ストロー級トーナメント一回戦。  シャオツァンは2023年10月の中国での試合で本野美樹に3R 腕十字で一本勝ちしており、女子ストロー級優勝候補の一角。まだ22歳で8勝2敗。170cmの長身。  インドのキラン・シンは6勝3敗の23歳。首投げからのネッククランクが得意。レスラーだった父に影響されて格闘技を始めている。  1R、サウスポーのシャオツァンに対し、シンはオーソドックス。間合いを詰めるシンだが、シャオツァンはバックステップしながら強烈なパンチを打ち込む。組んで首を抱えたシンが首投げを狙うが、シャオツァンはボディロックして逆にテイクダウンするとマウントに。なおも首を抱えたまま放さないシンだが、振りほどいたシャオツァンがマウントからパウンドを打ち込む。下からしがみつくシンを引き剥がしてパウンド連打を打ち込むシャオツァン。連打が入り防戦一方となったところでレフェリーストップ。  1R2分3秒、TKOでシャオツァンが勝利。試合後のインタビューで、テイクダウンしたら極めるプランだったが、展開的にKOできた、とコメント。準決勝では本野美樹とのリマッチとなる。 [nextpage] 【中止】 ▼第2試合 女子ストロー級 5分3Rホアン・フェイル(中国)Feier Huang 14-8 116.7lbs/52.93kg ※体重超過本野美樹(日本)Miki Motono 8-4 115.5lbs/52.39kg※フェイルが体重超過で試合中止。本野が2回戦進出。準決勝では第3試合の勝者フォン・シャオツァンと対戦する。 試合前・本野美樹インタビュー [nextpage] ▼第1試合 ウェルター級 5分3R ※ワンマッチ〇バテボラティ・バハテボラ(中国)Bahatebole Batebolati 10勝1敗1分 171lbs/77.56kg[判定3-0] ※29-28×3×キム・ハンスル(韓国)Han Seul Kim 13勝6敗 171lbs/77.56kg  ウェルター級ワンマッチ。  地元中国のバハテボラ。MMA戦績9勝1敗1分で、9勝のうち5KO・1一本勝ち。昨年のRoad To UFCではライト級に出場し、GLADIATOR王者キ・ウォンビンと対戦。劣勢の展開からウォンビンの後頭部打撃により反則勝ちで勝ち上がったものの、準決勝の原口戦は体重オーバーにより失格となっている。今年2月にローカルイベントのワンマッチで勝利すると、今年はウェルター級のワンマッチでRoad To UFC出場のチャンスを得た。26歳。  ハンスルは韓国Double Gのウェルター級王者。Road To UFCでは3年連続でのワンマッチ出場。2020年はパンチでダウンを奪ってからの三角十字で1R一本勝ちしたがUFCとの契約はならず。昨年5月のRoad To UFC2では、地元中国のタイイーラークエ・ヌエアジと対戦。2RにヒジをもらいKO負けした。今年1月には堀口恭司主催の『TOP BRIGHTS』に参戦予定だったが負傷欠場している。33歳。  1R、両者サウスポー。お互い警戒して間合いに入らずローキックで牽制する。ハンスルの左がヒットしバハテボラダウン!すかさずパウンドを打ち込む。グラウンドでバックに回りパウンドを打ち込むが、バハテボラは立ち上がりケージ際へ。なおもバックからパンチを打ち込むハンスルだが、バハテボラ離れた。ハンスルが左ストレートを打ち込む。バハテボラのパンチはバックステップでかわす。バハテボラがタックルで飛び込んだが、がぶって切ったハンスル。左右のパンチを打ち込んでいく。残り1分。バハテボラのワンツーがヒットするが、ハンスルのカーフキックで足が流れた。ホーン。  1Rはダウンを奪ったハンスルのラウンドに。  2R。バハテボラが飛び込んだ際に頭が当たり、ハンスルが右目尻をカット。バハテボラが前に詰めてくるが、ハンスルのカーフキックがヒット。バハテボラの出した手の指がアイポークとなり、インターバルが取られる。再開。圧を強めてきたバハテボラ。ワンツー。前蹴り。距離がつまりお互いのパンチが交錯するが、ハンスルのカーフキックをもらったバハテボラが右足を引きずる。バハテボラがタックルで飛び込んでテイクダウンを奪うが、ハンスルはケージを使って立つ。投げをすかされてバックを取られかけたハンスルだが、すぐに立ち上がる。ホーン。  2Rはバハテボラが盛り返したラウンドに。  3R。ジャブを突くハンスル。バハテボラも詰めるが、両者ともに慎重になっている。パンチが交錯する。ハンスルはやや攻撃が単発に。カーフキックはバハテボラがバックステップでかわした。手数で上回るバハテボラ。ハンスルがタックルに入ったがケージでこらえて切ったバハテボラ。残り10秒でバハテボラのカーフキックでスリップ気味に倒れたハンスル。バハテボラがバックに回りパウンドを打ち込んでタイムアップ。  ジャッジ3者とも29-28でバハテボラを支持し、バハテボラが判定勝ち。「去年は家族のことを含め、いろいろな問題があったが乗り越えて戻ってくることができた。今日は1Rにやられたから作戦を変えてやりあったが、ベストの試合ではなかった」と語った。
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