2024年5月4日の『ONE Fight Night 22:Sundell vs. Diachkova』(U-NEXT配信)第7試合のバンタム級キックボクシング(3分3R)で、秋元皓貴(元ONEバンタム級キックボクシング世界王者)に、判定3-0で勝利した中国のウェイ・ルイ(初代K-1 WORLD GPライト級王者)が、「この勝利を疑う者は、キックボクシングのルールを勉強すべき」と主張。同級王者のジョナサン・ハガティとのタイトルマッチを希望した。一方で、チャトリ・シットヨートンCEOは、秋元との再戦を示唆した。
ルイ「判定前は、100%勝てるという自信はなかった」
試合後のZOOM会見に出席した、元K-1王者のウェイ・ルイは、ONEデビュー戦のパフォーマンスについて、「このテストに合格したと思う。ONE Championshipのリングに適応するためにベストを尽くすこと。そして、次回はもっといいパフォーマンスができると思う」と語り始めた。
秋元との試合は、接戦となったが、「ヒロキはとてもタフで強い相手だと思う。みんな承知の通り、彼のキックや攻撃はいつもクレイジーでパワフルだし、今までの対戦相手と比べても、こういう相手と戦うのは難しいと感じている。彼はクレイジーなことをたくさんしてきた。しかし、彼は私のペースでは戦えないし、私は常に予測不可能だ。それが私の最大のテクニックでもある」と、ポイントアウトしたという。
ONEのジャッジペーパーでは、ジャッジ1人が30-27のフルマークでルイを支持。ジャッジ2名が2Rのみ秋元を支持したが、29-28でルイに軍配をあげた。
「判定が発表される前は、100パーセント勝てるという自信はなかった。でも、それでも勝利のためにすべてがうまくいったと信じていた」というルイ。
「今回がONE Championshipデビュー戦だったが、自分のベストの試合ではなかったと思う。でも、今はやる気満々で、これからもトレーニングに集中し、次はもっと頑張る。必ず戻ってくる」と、ベストパフォーマンスではなかったとしながらも、次戦での奮起を誓った。
さらに海外メディアには、「この勝利を疑う者は、キックボクシングのルールを勉強すべき」と主張。今回の秋元戦の勝利で、バンタム級王座挑戦権を得たとし、ジョナサン・ハガティとのタイトルマッチを希望した。
「間違いなく次のベルトに挑戦する資格はあると思う。というのも、ご存知のようにヒロキはかつて王者で、私は彼を倒した。つまり、僕は間違いなく挑戦できる。もちろん、チャンピオンに挑戦するのは簡単なことではない。たくさん準備しなければならないし、次の段階ではトレーニングに集中すると思う。長期的で体系的なトレーニングプランに従うつもりだ」「自分は後ろを向かず前へ行きたい。リマッチをするなら秋元が王者になって自分が挑戦するか、自分が王者になって秋元の挑戦を受けるタイトルマッチでやりたい」(ルイ)
一方で、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOは、ルイの次戦はタイトルマッチと考えてはいないようだ。
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チャトリCEO「中国でも議論されている。再戦があるべき」
メディアに対し、チャトリ代表は、「超接戦だったが秋元が勝ったと思った。世界中のファンが結果について議論していて、それは中国でもされている。私は再戦するのがいいと思っています」と、両者の再戦を考えているとした。
再戦の舞台は東京だ。ONEは9月に日本大会を予定しているが、チャトリCEOは、「まだ両選手のどちらとも話ていない」と前置きしながらも、再戦が東京で行われる可能性があることを語っている。
「今回の件は、ファイターが(試合を)決してジャッジの手に委ねてはいけない理由を思い出させる。クロスファイトだったが、ほとんどの専門家やファンがジャッジが間違えたと考えている。私はジャッジをリスペクトしているが、接戦にもかかわらず、秋元が明確な勝者だったと信じている。論争のもとで勝ちたいファイターはいない。ファイターとファンのために、再戦があるべきだと考えます」
既報通り、秋元は「僕も1回リマッチをしているから分かりますが、『リマッチしないと先に行けないよ』っていうのが僕からの意見です」と語っている。