2024年5月3日(金)、タイ・ルンピニースタジアムにて『ONE Friday Fights 61』(U-NEXT配信)が開催された。
▼第1試合 ONEバンタム級 5分3R×後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA)[3R 3分01秒 リアネイキドチョーク]〇イリアス・エジエフ(ロシア)
後藤は、空手と柔道をバックボーンに、地下格闘技では6戦5勝1敗(5KO)、プロMMAでは修斗で魚井フルスイングやダイキ・ライトイヤー、加藤ケンジらに勝利するも、2022年11月には須藤拓真に内ヒールフックを極められレフェリーストップにより一本負け。
2023年6月にはRIZINに初参戦してトレント・ガーダムにツイスターで一本勝ち、10月のRIZINでも日比野“エビ中”純也にツイスターを連続で極めて話題となった。MMA戦績は16勝6敗1分。
エジエフはロシアのACAで活躍、4勝1敗の戦績を引っ提げて2024年2月の『ONE Friday Fights 52』に参戦し、判定勝ちでONE白星デビューを飾った。4勝のうち1勝はスタンドのパンチで1Rわずか15秒でのKO勝ち、パウンドによるKOが2勝。タイガームエタイで練習してきた。
1R、ともにサウスポー構え。互いの左が交錯。エジエフの左をかわして左を当てる。右ボディストレートを突き、左ストレートも、そこにシングルレッグのエジエフ。
ギロチンチョークを合わせる後藤に首を抜き、上になったエジエフにクローズドガードの後藤に、パウンドを入れて上体を離して強いパウンド。背中を見せた後藤のバッククリンチからコントロール。
立つ後藤を倒すと、後藤もコーナーを使い立ち上がり。シングルレッグから首相撲ヒザのエジエフは離れてワンツーの長い左で後藤の腰を落とす!
左ボディストレートは遠い後藤。コーナーで組むエジエフの押し込みを突き放して左ロー。さらに左ストレートから左オーバーハンド。ハイも。上下に散らして左カーフ、左ボディストレートを入れてゴング。
2R、左ハイから入る後藤。エジエフは低い左ストレートからシングルレッグもコーナーに背中を預けてバランスを保つと、足を戻して左ストレート、左ロー。エジエフの組みを切り、右ジャブ。左カーフ。そこに左ストレートを狙うエジエフだが、その入りに左は後藤。被弾しながらも組んでダブルレッグで尻を着かせるエジエフ。
ボディロックから崩すが、回りながら立ち上がる後藤は、背後につくエジエフにアームロック狙い。背後からヒザを突くエジエフ。ボディロックで持ち上げ崩すが、コーナーに頭をつけて戻す後藤。
エジエフがバックに回りかけたところに正対した後藤は左ストレート。ワンツーのエジエフをかわす後藤だが、左ストレートを潜ったエジエフがシングルレッグからバッククリンチ。正対した後藤が左フックを入れてゴング。
3R、ワンツーの左をボディストレートに入れる後藤。続くワンツーの左を顔面に打ち下ろした後藤! ダウンしたエジエフだが立ち上がりシングルレッグへ。
これを差し上げたエジエフ。後藤の左ローをかわしてシングルレッグからバックテイク! 上体を立てる後藤を再三剥がして寝かしつけてバックへ。後藤は這って場外逃避。戻されたところに左足をかけたエジエフが左足をかけてリアネイキドチョーク! 後藤がタップした。
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▼キャッチウェイト(143ポンド/64.8kg)ムエタイ 3分3R×伊賀道凌平(STAGE)[判定0-3]〇ミン・チョー・サー(ミャンマー)
ボクシング経験もある伊賀道は、WSR札幌でムエタイを学び、キックボクサーとしてプロデビュー後、渡嘉敷ジムに移籍してプロボクサーに転向も1戦1敗。その後、MMAに転向したようだが、今回はムエタイで試合を行う。ミン・チョー・サーはミャンマーラウェイ出身。
1R、サウスポー構えから入る伊賀道に、強い右ミドルで前に出るミン・チョー・サー。左の蹴りの伊賀道にミン・チョー・サーは跳び上がる右ミドルを当てて行く。
左ミドルを打って右オーバーハンドで前に出る伊賀道。しかし退かないミン・チョー・サーミン・チョー・サーは強い右ミドルを返す。
2R、ミン・チョー・サーもサウスポー構えから入ると、右ジャブを突いて頭を振って入るが、右ミドルから、頭を下げて避ける伊賀道に左右ボディ、さらに右跳びヒザのミン・チョー・サー! さらに左ボディストレートで伊賀道がダウン!
左右ボディを突いて詰めるミン・チョー・サーに伊賀道はくの字に。ダウン寸前になるがゴングに救われる。
3R、サウスポー構えから入るミン・チョー・サー。右ボディストレートで腹狙い。伊賀道は左右の前蹴り、左カーフ。しかし動じないミン・チョー・サーは左ストレートを当ててヒジも。両ヒザに手を着いてしまう伊賀道。右ヒジを振るが、身体の軸がブレる。右を突いて前に出る伊賀道。ガードがないミン・チョー・サーに左右もミン・チョー・サーが右を返し右ヒザを入れてゴング。判定3-0でミン・チョー・サーが勝利した。
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▼キャッチウェイト(119ポンド)ムエタイ 3分3R×アントン・サルチャク(ロシア)判定0-3〇谷津晴之(新興ムエタイジム/NJKFフライ級1位)
初参戦の谷津はONE Friday Fightsに参戦している大田拓真、大田一航の同門で戦績は8勝4敗5分。前戦は2024年2月のNKBで杉山空に判定負け。2023年にタイで2試合行い2KO勝ち。
1R、右ローを蹴るサルチャクにワンツーの連打で前に出る谷津を、サルチャクは組むと谷津を投げ捨てる。サルチャクの右ローにワンツーをヒットさせる谷津は、お返しとばかりにサルチャクをコカす。ワンツー、右フックで攻める谷津にサルチャクも左ボディから左フック。サルチャクが後ろ蹴りを出そうと回転すると、背中を前蹴りで蹴って防ぐ谷津。
2R、右を叩きつけるサルチャクは組むと足を掛けて谷津を投げ倒す。離れると谷津が右ミドル、前蹴りではコカす。さらに右ストレートを当てていく谷津。サルチャクが右フックから組み付くと谷津が右の縦ヒジ。右ミドルからワンツーの連打、右フックでサルチャクを追い詰める谷津にサルチャクは右フック。サルチャクは苛立っているのか、またも組むと谷津を投げ捨てる。谷津は右ミドルからワンツーで完全にペースを握る。
3R、谷津が右ローから右フック。サルチャクが前に出るところには前蹴り。左右フックを思い切り振って来るサルチャク。谷津は右ミドルからワンツーに行くが、そこへサルチャクが思い切り左右フックを振ってヒットを奪う。サルチャクの胴廻し回転蹴りは空振り。右フックをもらう谷津だが前へ出る。疲れが見えて来た谷津だが左右フックで前へ。サルチャクはクリンチを繰り返した。
終始自分のペースで戦った谷津が判定3-0で勝利を収めた。
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▼キャッチウェイト(132ポンド)ムエタイ×カビラン・ジェレバン(マレーシア)KO 2R 1分29秒 ※右フック〇瀬戸睦雅(ビクトリージム/ジャパンキックボクシング協会ライト級王者)
瀬戸は「睦雅」のリングネームでジャパンキックボクシング協会に所属。戦績は15勝(9KO)4敗2分で、2023年3月には同協会のライト級王座に就いている。前戦は2024年3月のジャパンキックでパランラックにKO勝ちを収めている。
ジェレバンはONE Friday Fightsで3戦を行い2勝1敗。前回は2024年2月にミャンマー人選手から判定勝ちしている。
1R、瀬戸は右ローで先制していき、ジャブと左ローも放つ。ジェレバンは何度も瀬戸の蹴り足をキャッチしに行き、キャッチからのヒジを狙う。瀬戸も蹴り足を掴まれたままの縦ヒジ。瀬戸の右ローをキャッチしてパンチを顔面とボディに打つジェレバンは、さらに瀬戸を投げ飛ばす。左右フックの打ち合い、瀬戸は左ボディブロー。組むとジェレバンがヒザを何発も瀬戸のボディに突き刺していく。パンチで攻める瀬戸だが、ジェレバンに捕まれてのヒザをもらってしまう。
2R、ジェレバンは左ミドルを多用し、瀬戸は右ローで応戦。接近するとジェレバンはすぐに組んでのヒザをボディへ突き刺す。瀬戸は右ストレート、左ボディ、ヒジも打つ。左ミドルを蹴って前に出るジェレバンだが、そこへ瀬戸が左右フックとアッパーの乱れ打ち。
棒立ちとなるジェレバンに左フックからの右フックが4連打でクリーンヒット。ジェレバンはバンザイするように豪快に倒れ、瀬戸の見事なKO勝ちとなった。
笑顔で勝利をアピールする瀬戸。「ルンピニースタジアムのファンの皆さん、今日は名前を憶えて帰ってください」と勝利者インタビューに答えると、35万バーツのボーナスが贈られることが告げられ「気分はハッピーでーす!」と満面の笑顔を浮かべた。