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【ONE FF】劣勢のスアキムが一撃KO勝ち、GRACHANの小田魁斗が初参戦初勝利、小笠原瑛作が3勝3KOの強敵に勝利、町田真美が下がらない突進ファイトで奮戦も判定負け

2024/04/26 22:04
ONE FridayFights 602024年4月26日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信 ▼第6試合 キャッチウェイト(63.5kg契約)3分3R〇スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)KO 2R 1分22秒 ※左フック×デニス・デミルカプ(トルコ)  スアキムはルンピニースタジアムのバンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級の三階級制覇王者で、2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日。那須川天心への最強の刺客として大きな話題を呼んだが、那須川に5R判定負け。2019年7月には『RISE』で那須川と再戦したが、胴廻し回転蹴りで目尻を切り裂かれて流血、3R1分25秒、TKOで敗れている。  その後、RISEでニキータ・セブンを一蹴、ルンキットとの再戦でリベンジし、スーパーレックには判定負け。2019年12月に日本の『BOM』でチャンヒョン・リーにTKO勝ちし、BOMスーパーライト級王者になった。しかし、2020年4月に突然の引退宣言。2023年7月、ONEで現役復帰を果たすもキリル・ホムトフにKO負け。9月にサマン・アシュリをKOして再起を果たすも2024年1月にはアレクセイ・バリカにKO負けを喫した。  デミルカブは2019年8月のK-1に19歳で初来日し、林健太と対戦した(林のKO勝ち)。その試合ではヒザ蹴りで先制のダウンを奪うも逆転KO負け。その後、Enfusionで65kg級の世界王者となり、2022年11月の『GLORY RIVALS』で勝利をあげている。2024年2月の『ONE Friday Fights 53』でONEに初参戦すると、ブアキャオ・ポー・パオインを1Rわずか59秒、三日月蹴りでKOした。  1R、いきなり左ミドルを蹴るデミルカプにスアキムも右ミドルを返すが、スアキムに強烈な左フックを叩き込む。この時、スアキムの伸ばした手がアイポークとなり、試合中断。再開後、サウスポーのデミルカプが左の連打で前へ出て強打を振るう。スアキムは右フックで迎え撃ち、途端に打ち合いへ。  スアキムは右ヒジを繰り出すが、デミルカプの左ストレートで後退。スピードと手数でデミルカプが優るも、スアキムは右ヒジと強い右ストレートで応戦する。前へ出るデミルカプにスアキムが左右ミドル、デミルカプはスアキムの右ミドルに右ボディのカウンター、これで下がったスアキムを左右のボディとヒザでコーナーへ釘付けに。  2R、前へ出るデミルカプに左右ミドルを蹴るスアキム。デミルカプは左フックをヒットさせるが、スアキムも左フックを打ち返す。左右ボディを打ったデミルカプがヒザを出しながら前へ出たところにスアキムが左フックを浴びせ、デミルカプは豪快にダウン。大の字のデミルカプを見て即座にレフェリーがストップし、スアキムの一撃KO勝ちとなった。  スアキムは「前回負けてしまったから、今回はどうしても勝たないといけなかった。支えてくれたファンに感謝したいです」と勝利者インタビューに答え、35万バーツのボーナスを受け取った。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級MMA 5分3R×クーパー・ロイヤル(オーストラリア)判定0-3〇小田魁斗(CARPE DIEM福岡)  小田はGRACHANを主戦場として2023年3月に鈴木崇矢にマジョリティ判定で敗れたものの、10月に長野将大を1R 14秒でKOに下しており、2024年3月にはテムに1Rでリアネイキドチョークを極めて連勝中。  ロイヤルは2023年11月の『ONE Friday Fights 40』でONE初出場。その試合で1Rにリアネイキドチョークで勝利すると、2024年1月には3Rにアームバーを極めて連続一本勝ち中。  1R、サウスポーのロイヤルに右ロー、右フックを繰り出し、ボディロックに行く小田。外掛けでテイクダウンを奪い、ハーフガードのロイヤルからサイドを奪う。ロイヤルは立ち上がるが、小田は今度は内掛けでテイクダウン。ロイヤルはクローズドガードで下から小田にパンチとヒジを打つ。小田も鉄槌を打ちながらパスを仕掛けるがロイヤルはニーシールド。小田がトップをキープしたまま初回を終えた。  2Rもボディロックからの外掛けでテイクダウンを奪う小田。サイドにも移行したがハーフに戻される。小田がボディ、顔面へとパンチを入れながらパスを狙うと、ロイヤルは小田の首を抱える。細かく顔面とボディにパンチを入れ、このラウンドも小田がトップを支配して終えた。  3R、右ローを蹴るロイヤルに小田が組みに行き、一瞬バックをとられかかるもロイヤルを前に落として一瞬マウントを奪う。パスを狙う小田の首を抱えるロイヤル。クローズドガードの中に小田を入れるが、すぐにハーフに。小田は抑え込みながら細かいパンチを当てていく。残り2分でブレイク。小田はパンチの連打で前へ出るとダブルレッグでテイクダウンし、ロイヤルはフロントチョークの体勢になるが小田は難なく首を抜く。中腰になってパウンドを打つが、ロイヤルは足を利かせてヒットを許さない。小田は抑え込みながらのパウンド。首を抱え込まれながらも左を顔面へ連打する。  試合終了のゴングが鳴ると小田は勝利の雄叫びとガッツポーズ。判定3-0で小田が連勝中だったクーパーに初参戦・初勝利を飾った。 [nextpage] ▼第4試合 キャッチウェイト(50.87kg)ムエタイ 3分3R×ソーンスックノーイ・FAグループ(タイ)判定0-2〇小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)  小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得したのを皮切りに、REBELS52.5kg級王座、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座、同フェザー級王座を次々と獲得。2023年3月には2022年ムエタイMVPでルンピニースタジアム3階級制覇を達成しているロンナチャイをダウン寸前まで追い込む完勝を収めた。  8月に『ONE Friday Fights』に初参戦するとヨッドウィッタヤに31秒でKO勝ちしたが、11月のOFGマッチでウィンに延長戦で敗れ、12月のONEでもチョーファーにKO負けと連敗中。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。戦績は43勝(21KO)9敗1分。  完全にペースを握ったかに思われたところで、右ストレートのカウンターをもらい逆転KO負けを喫した前回のチョーファー戦から4カ月、小笠原が3度目のONEに挑む。  今回の対戦相手ソーンスックノーイは、2023年9月の『ONE Friday Fights 31』にONEデビューを果たすと、タイ人を相手に11月、2024年1月と3連続KO勝ち中(3連続ボーナス)の強豪。しかも1RでのKOが2回、2RでのTKOが1回という速攻型である。  1R、両者ともサウスポー。小笠原は左へ回り込みながら左右ローを蹴る。ソーンスックノーイが左ローを蹴り返すと大歓声が沸き起こる。そこを小笠原が軸足払いで転倒させた。ソーンスックノーイが左ストレートを打って来ると、小笠原は一気に連打を返す。小笠原は左ストレートから右ボディ、すぐにバックステップでソーンスックノーイの返しの左をかわす。詰めて来るソーンスックノーイが1発打って来ると、連打を返してすぐに離れる小笠原。右ボディと左右ローが次々と決まるが、ソーンスックノーイも強い左ストレートを返す。手数とヒット数では完全に小笠原だが、ソーンスックノーイが前に出続けたのがどう評価されるか。  2R、右フックから左ローの小笠原。そこで前へ出て来たソーンスックノーイに小笠原が右フックをヒットさせてソーンスックノーイはダウンっぽいスリップ。小笠原はソーンスックノーイの蹴り足をキャッチして左を連打。さらに動きながら左ボディ、ジャブ。強烈な左ローを蹴る小笠原は左ボディストレートも突き刺す。さらに右の三日月も連打。ボディとローを攻められるソーンスックノーイはほとんど手が出なかった。  3R、前に出るソーンスックノーイに左へ回り込みながら左ローを蹴る小笠原。ソーンスックノーイが入ってくるところには右フックを合わせる。左ストレートの一発を狙うソーンスックノーイに小笠原はジャブをしっかり当てる。ソーンスックノーイの左ストレートをかわしての左ストレートをヒットさせる小笠原だが、ここでソーンスックノーイのアイポークがあり、一時中断。再開後、ソーンスックノーイの左ミドルをキャッチする小笠原だが、パンチは出せない。最後はやや流し気味に試合を終わらせた。  判定は2-0で小笠原が強敵を退け、ONEでの2勝目をあげた。 [nextpage] ▼第2試合 アトム級ムエタイ 3分3R〇ジュニア・フェアテックス(タイ)判定3-0×町田真美(Team immortaL)  町田(日本でのリングネームは真美)はアマチュアで15戦全勝の戦績を引っ提げて2018年10月にプロデビュー。2021年11月にERIKOを破り、NJKFミネルヴァ・ライトフライ級王座を獲得した。2020年6月からはKrushにも参戦し、4勝2敗。2023年9月にデビューから3年でS1レディース世界ライトフライ級王座にも就いた。1月にはタイでの初試合でKO勝ちを収めている。戦績は16勝(4KO)5敗。  対戦相手のジュニアは2023年3月に『ONE Friday Fights 8』でONEデビューすると、2024年2月の『ONE Friday Fights 51』までタイ、中国、トルコ、アメリカの選手を相手に4連勝を飾っている18歳の強豪だ。  1R、ジュニアの右ミドルに真美は右ロー、そして両腕ガードを高く上げてパンチで前へ出ていく。ジュニアはジャブ、ヒジでガードの隙間を狙い、前蹴りで崩しに行く。ジュニアのパンチをもらいながらも前に出る真美は右ロー。なかなかパンチを当てられなかった真美だが、右ボディストレートの連打から右ストレートをヒットさせる。ジュニアはジャブと前蹴り、右ミドルで止めにいく。前に出る真美に右ストレートと右ミドルをしっかりと当てていくジュニア。  2Rも前に出てパンチを打つ真美にジュニアは前蹴りと左ミドル、ヒジで対抗。手数を出すのは真美だが、ジャブや蹴りを当てるのはジュニアだ。真美の右ローからのワンツーがヒットするが、ジュニアは右ミドルや前蹴りで後退していき、ジャブと右ストレートをしっかり当てる。それでも前に出る真美だが、空振りしたところにジュニアにパンチとヒジをもらう。右ヒジをヒットさせるジュニアだが、真美の前進に披露を感じさせる。  3R、右ローからワンツーで前へ出る真美はスーパーマンパンチを繰り出す。ジュニアは左右ミドルとジャブ。真美は下がって回り込むジュニアを追いかけていき、ジャブと右ストレートを打っていく。ジュニアの左フックにバランスを崩してロープにもたれかかる真美だが、すぐに前進してパンチを繰り出していく。圧倒的な手数でジュニアを追い詰めていった真美。  判定3-0で的確に攻撃を当てていったジュニアの勝利となった。 [nextpage] ▼第1試合 ストロー級サブミッショングラップリング〇リーシ・ヴァート(エストニア)1R 1分38秒 アームバー×高本奈月(TATORU)
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