ここまで圧倒的な強さを見せている悠斗に挑む大夢(C)K-1
2023年1月28日(日)東京・後楽園ホール『Krush.157』にて、Krushフライ級タイトルマッチ3分3R延長1Rで王者・悠斗(HUNGRY GYM)大夢(WIZARDキックボクシングジム)の挑戦を受けての初防衛戦に臨むのインタビューが主催者を通じて届いた。
大夢は10勝(5KO)3敗の戦績を持ち、2021年6月からKrushに参戦。山脇、萩原秀斗らを破って4連勝(3KO)を飾ったが、2022年の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」の決勝戦で大久保琉唯に延長戦の末に惜敗。2023年5月に再び「第2代Krushフライ級王座決定トーナメント」に挑んだが、決勝で大鹿統毅に敗れ王座を逃した。10月に宗一郎をKOし、王座挑戦をアピールしていた。
チャンピオン以外は全員最下位
──悠斗選手とは記者会見で顔を合わせて、自信満々の言葉を投げられる場面もありました。あの会見で感じたことは?
「もちろん悠斗選手はベテラン選手ですし、自分の力に自信があるというのはしっかり感じましたし、強い気持ちは伝わりました。ただ同時に『ナメんなよ』とも思いました」
──実際、悠斗選手はKrushですごいKOを2回見せて、あっという間にチャンピオンになりました。あの勝ち方や破壊力はどう見ていますか?
「他の試合も見させてもらったんですけど、ボクシングやってたからパンチの当て勘やったりパワーもあると思うんですけど、僕のことも他の選手と一緒にしてもらったら困るなと」
「そうですね。しっかり作戦は立ててます。言えないですけど(笑)」
──ですよね(笑)。では、悠斗選手に何で対抗しようと思っていますか?
「技術的なことについては言えないですけど、僕がチャンピオンになったら、一緒に戦ってくれているチームの人たちとやってきたことが間違いやなかったんやなということを証明できると思っています」
──そのチームの中で、戦略や作戦はWIZARD GYMの田邊一鷹会長が中心になって立てている感じですか?
「まあ会長もですけど、同じチームのみんなで『こんなんどうかなあ?』って意見を出し合って、当てはめていくっていう感じですね」
──その対策の中で、「仮想・悠斗」みたいな相手とのスパーリングなどはしていますか?
「そんなにメッチャ細かくというわけではないですけどね。相手どうこうというよりも、自分の普段のスタイルの中で、できる技を絞り込んでいくという練習をやってます」
──最終的に勝つイメージも、もうできている?
「そうですね。勝つイメージもですし、『自分がこうしたら負ける』という形も見えてきているので、自分の弱点も分かってますし、あとはそれを自分の倒せる技を出すこと、逆に『こうしたらアカン』というポイントを、細かく細かくやっていってるだけですね」
──初代フライ級王座決定トーナメント決勝が一昨年の9月。第2代の決定トーナメントが昨年の5月。そこからすると、今回こういうカードでタイトルマッチを迎えるとは思ってもいなかったですよね。
「まあ去年の7月、悠斗選手がKrushデビューした時に会場で見させてもらってたんですけど、その時から『絶対やることになる』とは思ってたんで、それが来ただけという感じではあります。2回トーナメントに出させてもらって、選手層が薄いからチャンスをもらったということもあるとは思うんですけど、これが3度目なので、ここで負けたらもうチャンスはないかなとは思ってます」
──ではその中で、今の時点でベルトや王座に関する思いというのは?
「もちろん、今は悠斗選手がチャンピオンですし、強い者が正義で、チャンピオン以外は全員最下位と教えられてきているので、自分自身、大口を叩けるような選手ではないと思ってます。今回の試合でしっかりチャンピオンになってから全部始まるという感じですね」
──少し意外な感じもするんですが、勝てばWIZARD GYMとして初のチャンピオンということになりますよね?
「そうですね。アマチュアやったら何本か獲ってるんですけど、プロでは初めてになります。僕自身はアマチュアの時に全然タイトルを獲れてなくて、今みたいな感じで3回ぐらいトーナメントにも出させてもらってるんですけど、決勝で敗れたりというのが多かったんですよ。アマチュアの時からこういう状態が続いてるんで、プロの3度目の正直ということで、今度こそ獲らなアカンなと思ってます。周りの人からもけっこう声をかけてもらってますし、当日も京都から応援に来てもらえるので、気合いも入ってます」
──力になりますよね。
「そうですね。応援してもらえるのも当たり前じゃないと思ってますし、僕が勝って輝く姿を見るためだけに関西から東京という遠い距離を移動して時間も作ってもらってるので、大きなパワーになりますね」
──先ほどの話で出た作戦を遂行してベルトを獲るのに、一番必要なものは何だと思っていますか?
「技術とかも大事だとは思うんですけど、やっぱりメンタル面、気持ちの持っていき方と言いますか、そこが一番カギになってくるかなと思います」
──過去2回、もう一歩というところでベルトに手が届かなかったという経験は、そこにどう生きてくると思いますか?
「2回トーナメントに出させてもらって、決勝で負けたんですけど、あの時は自分の気持ちの弱さが出たというか。トーナメント2回とも、僕が一番試合数が多かったと思うんですけど、変に試合慣れしちゃってたのが仇になった部分があったのかなと思います。今回はこれまで以上に技術面もしっかりやってきてますし、チームで話し合って、練習の時のメンタルと試合の時のメンタルを常に同じように保つというのが課題というのも分かったので、試合でも気持ちをしっかり整えて臨みたいと思います」
──では最後に、この試合に向けての“決意”を改めて教えていただけますか?
「今回3度目の正直で、3度目のチャンスをもらえたんで、相手の全てを食ったるというイメージで、全てを懸けて獲りたいと思います」