大岩と弘輝、強打を売りにする両者が激突
2024年2月24日(土)東京・後楽園ホール『Krush.158』の第2弾対戦カード発表記者会見が、1月10日(水)都内にて行われた。
ライト級3分3R延長1Rで、大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)vs.弘輝(WORLD TREE GYM)が決定。
大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。2021年11月には第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。2023年は6月に横山朋哉に判定負けしたが、12月にライト級に階級を上げると篠原悠人を初回でKOした。戦績は24勝(9KO)10敗。
弘輝は2020年6月にKrush初参戦を果たしたサウスポーで、初陣ではSEIYAを3Rでマットに沈めた。その後は朝久泰央と龍華にKO負け、東本央貴に判定勝ちも里見柚己、大沢文也、鈴木翔也に3連敗を喫した。しかし、2022年6月の明戸仁志戦でKO勝ちすると9月の伊藤健人戦で判定勝ちとK-1 GROUPで初の連勝。12月のK-1では篠原悠人に判定で敗るが、2023年9月にKNOCK OUTから参戦したREITO BRAVELYをダウン応酬の末にKOした。戦績は10勝(7KO)7敗1分。
宮田充Krushプロデューサーは「事実上の次のライト級王座挑戦者を決めるにふさわしい試合になるのかなと思っています」と、この試合の勝者は同日に行われるKrushライト級タイトルマッチ、王者・里見柚己(team NOVA)vs.伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)の勝者に挑戦する可能性が高いとした。
【写真】ライト級タイトルマッチを争う王者・里見vs.伊藤
弘輝は「今回のライト級タイトルマッチは里見くんが(K-1で伊藤に)KOされてのリマッチなので、誰も見たくないと思うんですよ、これは。ここはあまり興味なくて大岩くんとやれるのが楽しみです」といきなり毒を吐く。
2021年3月以来、3年ぶりのKrush出場となる大岩は「最初に声をかけてもらった時に『また宮田さんやったな』と思って。この間の試合を見ました? ってまず思いましたね。なんでここで試合が組まれるのかなって率直に思ったんですけれど、ライト級はこの間が一戦目ですし、Krushのベルトには3回くらい挑戦していますが獲れていないので。Krushのベルトを獲りたいのでKrushのリングに上がって、サクッと勝ってベルト獲りたいと思っています」と、やや不満気なコメント。
すると弘輝が「Krushのベルト欲しいんですか?」と絡み始め、「もちろん欲しいけれど、K-1も欲しいし。全部欲しい」と大岩が答えると「Krushが嫌なんですか?」と追撃。それには「別に嫌じゃないけれど、なんで俺がここで弘輝君とやらないといけないのかなって率直に思った。(自分は)K-1で勝ったし、(弘輝は)篠原くんに負けてるじゃん」と返す大岩。
弘輝は「大岩くんって客観的に見て、すぐチャンスもらっているから。これもタイトルマッチ前哨戦って言ってくれているし、それをラッキーやなって思わないと。タイトルマッチが出来るか分からないけれど、Krushで一番面白い試合しましょう」と、大岩は恵まれているとしながらもいい試合にしようと話す。
大岩も「普通に考えて弘輝くんはKrushのライト級で考えたら、一番面白い試合が出来るんじゃないかなって率直に思ったし、別に弘輝くんのことは嫌いじゃないし、気持ちも強いし、いい打ち合いが出来るんじゃないかなと思ったので僕も楽しみですね。だから絶対に勝たないといけない相手だし、サクッと勝ちます」と、いい試合になるという部分には同意した。
Krushで弘輝との試合を受けた理由を聞かれた大岩は「率直に弘輝選手との試合が楽しいかなっていうのが一番と、いきなりタイトルマッチもありかなと思ったんですが、ライト級に上がって一発目で勝っただけなので、ベルトを獲る前に存在を示して…と順番があるのかなと」と、タイトルマッチ前に1試合挟むことには納得している様子。
大岩戦のオファーを受けた弘輝は「すぐにやりたいと言いました、マジで。俺と大岩くんってファン目線で言うとめっちゃ面白そうじゃないですか。楽しそうやなと思いました。ベルトはもちろん見ていますけれど、ベルト云々でなく大岩くんとやりたいと思いました」と、タイトルは関係なく大岩という対戦相手に魅力があるとする。
これだけは相手に負けたくないのは何かと聞かれると、弘輝は「全部ですかね。打ち合いは負けたくないですかね」、大岩も「自分も全部ですね。打ち合いも負けたくないし。階級上げたけれどフィジカルでも負けたくない」と、共に全てにおいて負けたくないと答える。
互いの言葉を聞いていると打ち合いをしたいようだが、弘輝は「バンタム級の子らは上手い子が多いじゃないですか。ピョコピョコ跳ねてリングいっぱい使って。他所でやれと思うんですよね。僕が大好きやった頃のKrushはめちゃくちゃ打ち合っていたので。だからKrushの中では打ち合いたいですね」と、自分の中でKrushの試合は打ち合うものだとの信念があるという。大岩は「見たら分かります。打ち合うしかないと思います」と、2人の対決は打ち合い以外ありえないとした。
Krushのベルトへの想いについて、弘輝は「もちろん里見くんも伊藤くんも両方やっているのでベルトは欲しいし近いなと思っているけれど、今回は大岩くんにだけ集中して勝ちたいと思っています」と今はタイトルのことは考えないとし、大岩は「Krushのベルトはずっと獲れなかったベルトだし、年齢的にも31だし、最後の挑戦だと思っているので。何が何でも一戦一戦落とせない。弘輝選手に勝ってタイトルマッチに絡んでベルトを獲りたいと思います」とこちらはタイトルへのステップだと答える。
大岩には2023年の試合でダウンを取る、KOで倒せるようになった印象があるが何が変化したのかとの質問が飛び、「純粋に最近のKOって62kgと62.5kgだったんです。今まで無理して減量していたので、武尊のベルトを獲るって意識し過ぎたので無理して減量して調整していました。でもライト級に上げて無理なく楽しく練習が出来てコンディションもいいので。アップの時から違うなって感じるので、そこがKOにつながっていると思います。(ライト級は)めちゃくちゃ合っています」と、適正体重でやれていることが大きいとした。盟友・武尊との練習も「ちょこちょこやっています」という。
最後には、弘輝が「今年、Krushの大阪大会やりますよね?」と地元でのKrush開催を宮田プロデューサーに迫ると、すかさず大岩も「名古屋でやりますよね?」と迫る。2人に挟まれた宮田Pは「大阪も名古屋も考えたい」と返答。
すると弘輝は「大岩くんに勝ったら大阪のメインで(今回のタイトルマッチの)どっちか勝った方とやらせてくださいよ。クソ盛り上がりますからね。絶対にやった方がいいって試合で思わせます」と言い、大岩も「じゃあ、僕が勝ったら名古屋でタイトルマッチ」と、2人とも今回勝ったら地元大会でタイトルマッチをやらせて欲しいとアピール。宮田Pは「ここでは決められない」としながらも、2人の要求に前向きだった。