2024年2月12日(月・祝)東京・後楽園ホール『Rajadamnern World Series JAPAN』(RWS JAPAN)の記者会見が、1月9日(火)横浜市内で行われた。
外国人初のラジャダムナンスタジアム3階級制覇を達成したラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王者の名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)が、正規王者プレーオプラーオ・ペップラオファー(タイ)と王座統一戦を行うことが発表された。
名高は2018年12月にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座(47.63kg)を獲得し、2019年4月にはルンピニーの同級タイトルも獲得。日本人初のムエタイ2大殿堂ラジャダムナン・ルンピニー統一王者となった。その後も快進撃を続け、2023年2月にはRWSシリーズに参戦し、左ハイキックで見事なKO勝ち。4月にはムエタイ強豪ソンチャイノーイもKO、5月にペットナコンをKOすると、7月にはウェウワーを破りラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を奪取。タイ人以外では史上初となるラジャダムナン王座の2階級制覇を達成した。
快進撃は止まらず、8月には『RWS』で初防衛戦を行い4R TKO勝ちで日本人では史上2人目となるタイでの防衛に成功。9月も『RWS』に出場してスーパーフライ級でスーウィチャイを初回KO。10月のBOMでは左ミドルキックでチョンデンの左腕を1Rで破壊し、11月の『ジャパンキック』ではルンサックノーイを左ハイキックで2RにTKO。そして12月のRWSにてシューサップを2RでKOし、暫定王座を獲得して27連勝中。戦績は53勝(37KO)6敗1分。
名高の師でもある中川夏生BOMプロモーション代表は「凄く難航しました。RWSの力があって、このタイミングならタイトルマッチが出来るということで、名高は1月にも試合がありますが、このタイミングを逃したらないということだったので無理してでもやることにしました」と、王座統一戦はこの機会を逃したら実現が難しかったと説明。
会見に出席した名高は「たくさんの皆様がサポートしてくれたおかげで実現したと思います。対戦するプレーオプラーオ選手は正規王者の実力・人気がある選手。プレーオプラーオ選手を倒して初めて三階級制覇を成し遂げたと言えるので、必ず勝って自分が一番いい試合をして一番輝きたいと思います」と意気込み。
プレーオプラーオの印象については「自分が初めてラジャのミニフライ級王座のベルトを17歳で巻きましたが、その時の一階級上の王者で二階級のベルトを持っている選手です。当時は自分と交わるとは思っていなかった上の人の存在でした。今は自分の方が実力があると思っているので見切ったうえで完封勝利したい」とした。
完封勝利ということはKOは狙わないのかと聞かれると「プレーオプラーオ選手はタイでも一番人気がある選手だと思うので、その選手にKOで勝てたら次につながる。そんな簡単に勝てる相手ではないと分かっていますが、そういう相手を倒してこそスターになれると思うのでそこを目指したい」と、KOで勝つのは難しい強敵だが倒して勝ちたいと宣言。
前日に1月21日(日)群馬県オープンハウスアリーナ太田で開催される『TOP BRIGHTS』にてジャオクントーン・ソーペッチタワン(タイ)との対戦が発表されたばかりだが、「3週間での試合はけっこう経験しているので、試合が終わって2日休んだらまた追い込めば問題ないかなと思います。1月に結果を出して臨みたいと思います」と経験から大丈夫だとした。
ムエタイは一般層にはなかなか刺さらないコンテンツとされていることに対してどう思うか、と聞かれると「ムエタイが日本でメジャーにならないのは判定基準が難しいことがあると思います。RWSはオープンスコアなので判定が分かりやすく、3Rなので(本来のムエタイは5R、RWSでもタイトルマッチは5R)アグレッシブな選手も多くて、テクニックの選手もいますが技の美しさや技術がトップの選手が集まっています。今回出場する日本人選手もトップの選手なので面白い試合になると思います」とする。
また、3階級制覇を達成したら次の目標はどうするのかとの質問には「どんどん目標を達成していけば新しい目標が出来てくると思ますが、今は3階級を獲ることしか考えていません」と、王座統一戦で正規王者になることに集中していると回答。
会場の後楽園ホールは1978年3月8日に、藤原敏男がモンサワン・ルークチェンマイを破り、ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王座を奪取。ムエタイ史上初の外国人メジャースタジアム王者に就いた歴史的な出来事があった会場でもある。同じ後楽園ホールで名高が王座統一を果たせば、さらなる歴史が刻み込まれることになる。
そのことについて名高は「藤原敏男さんがベルトを獲って、ずっとレジェンドとして語り継がれる中で自分も伝説に残る選手になりたいと思っているので、ただ勝つだけでなく完璧な試合をして史上初の三階級制覇を成し遂げようという気持ちが強いです」と、藤原のような“伝説の男”になりたいと話した。