ONE Friday Fights 46: Tawanchai vs.Superbon2023年12月22日(金)タイ・ルンピニースタジアム※watch.onefc.comでLIVE配信
▼第11試合 フェザー級ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5R○タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ/王者)[判定3-0]×スーパーボン・シンハ・マウイン(タイ/挑戦者)※タワンチャイが防衛に成功。
タワンチャイは“タイの神童”。2022年9月にケージ・OFGのONEムエタイでペットモラコットに判定勝利し、ONEムエタイ世界フェザー級王座を戴冠。その後、ジャマール・ユスポフ、ダビッド・キリアをサウスポーからの左の蹴りでTKOに下し、2023年10月の前戦ではナタウットに判定勝ちしている。
スーパーボンはブアカーオの元で腕を磨き、2021年10月のONEフェザー級キックボクシング王座決定戦でジョルジオ・ペトロシアンに右ハイキックによるKO勝利で戴冠。2022年3月の『ONE:X』ではマラット・グレゴリアンを判定で完封し、初防衛にも成功した。しかし、2023年1月にチンギス・アラゾフとケージで対戦し、アラゾフの右スーパーマンパンチから右ストレートでダウンを喫すると、最後は金網に詰まって右ストレートを被弾して2R KO負け、王座陥落。前戦は2023年6月、ルンピニースタジアムのリングでタイフン・オズカンを2R、オーソから離れ際の左ハイでKOに下し、再起を果たしている。
両者の対戦は10月7日、12月9日と2度にわたって流れ、今回仕切り直しでようやく実現した。
1R、サウスポーのタワンチャイは右前蹴りを見せながら左ロー。スーパーボンはその右前蹴りに右ミドルで応戦する。タワンチャイの左ミドルには右フックを合わせに行くスーパーボン。するとタワンチャイは左ミドルを蹴った後にすぐ左ストレートを打つ。スーパーボンも負けじと右ミドルからの右ストレート。
2Rもタワンチャイの左ミドルとスーパーボンの右ミドルの蹴り合いに場内は大いに沸く。右前蹴りを混ぜながら左ミドルを蹴っていくタワンチャイ。左ミドルをスネでカットするスーパーボンだが、すぐにタワンチャイがワンツーを打つ。タワンチャイの左ミドルにスーパーボンが左フックをクリーンヒットも、右ハイを払われて転倒。
3Rも右前蹴りを多用するタワンチャイ、左ミドルにはスーパーボンが右フックを合わせる。スーパーボンがパンチからの右ミドルを2発ヒットさせ、右フック、右ローとパワフルな攻撃。タワンチャイの左ミドルに左右フックを返すスーパーボンは右ミドルも蹴る。スーパーボンが左ヒジを当てれば、すぐにタワンチャイが右ヒジを返す。このラウンドはスーパーボンが攻撃を当てて攻防を終える場面が目立った。
4Rはタワンチャイが左ミドルを的確にヒットさせていき、スーパーボンの右ミドルに軸足蹴りを合わせてバランスを崩す。スーパーボンが左右フックから右ミドル、タワンチャイはヒジを打ちに行くが右ミドルを蹴られる。タワンチャイの左ミドルにスーパーボンが左フックを合わせ、バランスを崩すタワンチャイ。ミドルの蹴り合いで左ミドルを当てるタワンチャイに、スーパーボンは蹴り足をキャッチしてパンチを見舞おうとするが、バランスを崩して転倒したのはスーパーボン。さらにタワンチャイの前蹴りでスーパーボンは大きくよろける。
5R、ミドルの蹴り合いの中にローと前蹴りを混ぜるのはタワンチャイ。ポイントでリードしていることを確信したか、タワンチャイは動きに遊びを入れ始めた。ジャブと前蹴りで突き放し、スーパーボンが近付くと組み付くタワンチャイ。攻めあぐねるスーパーボンにタワンチャイは左ミドル、右前蹴り。スーパーボンも右前蹴りからパンチに行くが、距離をとるタワンチャイには当たらない。タワンチャイが左ミドル、左インローを蹴って試合終了。両者は健闘を称えて抱き合った。
判定は3-0でタワンチャイが勝利。激しい戦いとなったが、テクニックでスーパーボンを振り切った。
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▼第10試合 ストロー級ムエタイ世界タイトル統一戦 3分5R×ジョセフ・ラシリ(イタリア/モロッコ/王者)[1R 1分28秒 KO] ※左ヒジ打ち○プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ/暫定王者)※プラジャンチャイが王座統一。
ラシリは、WBCムエタイ世界バンタム級王者で、ラジャダムナンスタジアムでイタリア人として初めて勝利を収めた選手である。2018年1月にONEでサムエーに敗れているが、2019年3月の両国大会では秋元皓貴と対戦し、秋元にプロ初黒星を付けた一戦が光る。
2021年は4月にパンペッチに判定で敗れたが、12月に品川朝陽を1R、左ヒザでKOに降している。2022年5月、ONEムエタイ世界ストロー級王者プラジャンチャイに挑戦し、3RにTKOで番狂わせの勝利、王座に就いた。被弾しても強いハートで前進し、ヒザを当てる。
プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人。
2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちで王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年1月の『ONE Friday Fights 1』で再起戦を行い、コンペットに勝利した。6月にはサムエーをもKOして暫定王座に就いている。戦績は400勝52敗3分。
1R、ラシリはスピードのある出入りでジャブと前蹴り、サウスポーのプラジャンチャイは左ミドル。右ストレートで入り込んだラシリだが、そこへプラジャンチャイが右フック、続いて左ヒジ。ダウンしたラシリは立つことが出来ず、プラジャンチャイが秒殺KOでリベンジ、王座を奪還した。
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▼第9試合 暫定アトム級キックボクシング世界タイトルマッチ 3分5R○ペッディージャー・ルクジャオポーロントン(タイ)[判定3-0]×アニッサ・メクセン(アルジェリア/フランス)※ペッディージャーが暫定王座に就く。
ペッディージャーは7歳でムエタイを始め、「男の子を打ち負かす少女」として有名となり、10歳で100戦以上を戦い、そのうち70回以上は男子選手との戦いであった。有名になりすぎてテレビで試合が放送されるようになると、タイの法律によって男子選手との試合は禁止に。2016年2月には『ムエタイオープン』に初来日し、小林愛三と対戦して判定負け。2017年11月にはシュートボクシングに再来日するとMIOに判定負けを喫している。
ムエタイで順調に勝ち星を重ねる中、アマチュアボクシングのタイ代表として選ばれ2018年AIBA女子ユース世界選手権48kg級銀メダルになるなど活躍。2022年8月にはプロボクシングデビューも飾っている。ムエタイでの獲得タイトルは、WPMF世界ミニフライ級王座、WMC世界-45kg級王座、2021THAI FIGHTクイーンズカップ-51kg級優勝など。ONEには2023年3月から参戦し、4試合ともTKO勝ち。
メクセンはこれまでISKA世界K-1ルールバンタム級王座、WAKO世界K-1ルール同級王座、GLORYスーパーバンタム級王座(2度)、WPMF世界フライ級王座など合計16本のベルトを獲得し、戦績は驚異の100勝(32KO)5敗という女子キックボクシングの生ける伝説(現在33歳)。サバットでもフランス王者、ヨーロッパ王者、世界王者になっている。ONEとは2020年8月に契約し、2021年9月に念願の初登場。クリスティーナ・モラレスを2RでKOした。ONEでの試合は2022年10月のダオコンファー戦以来となった。
1R、ペッディージャーが右ストレートをヒットさせると、すぐにメクセンが左右の連打をお返し。ペッディージャーはたまらず組み付く。メクセンのワンツーにはペッディージャーがワンツーを返す。
2R、ペッディージャーの右ストレートに右アッパーを2発返すメクセン。単発のペッディージャーに対し、メクセンはショートの連打を常に浴びせる。ペッディージャーの右フックにメクセンがバランスを崩し、連打を見舞うペッディージャー。さらに右ハイをかすめる。メクセンの右ミドルをキャッチしての右ストレートも。ペッディージャーは右ハイを狙い続ける。
3R、フットワークを使い始めたメクセンはワンツー、ペッディージャーも前に出て左ローからワンツーを繰り出す。ペッディージャーのパンチが当たり始め、打ち終わりには左ミドルも蹴る。打ち合いになってもロープを背負うのはメクセン。ペッディージャーはテンカオもいいタイミングで突き刺す。ペッディージャーの右ストレート、左ミドル。メクセンのパンチはスウェーでかわし、完全に距離を支配する。
4R、前に出るペッディージャーが右ストレートを当てて首相撲に持ち込み、ヒザを蹴る。メクセンの先手をとって左ミドル、ヒザ、右ストレートを当てるペッディージャー。メクセンもコンパクトな左フックとコンビネーションを返すが、前へ出て勢いのあるペッディージャーの攻撃が目立つ。また、メクセンは空振りも多く、ペッディージャーがかわして打つ。勢いに乗るペッディージャーに場内からはペッディージャーコールが沸き起こった。
5R、左フックを打つメクセンに右フックを見舞うペッディージャー。さらに左テンカオを連続して突き刺し、左ハイで脅かす。左ボディから左アッパーを突き上げるペッディージャーは、頭を振りながら前へ出て右ミドルの連打、右ストレート。メクセンはスーパーマンパンチも不発。メクセンのジャブを頭を振ってかわし、ワンツーを当てていくペッディージャー。
ボクシングの攻防でも堂々と渡り合い、パンチでも蹴りでも有効打を奪ったペッディージャーが判定3-0で暫定王座に就いた。
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▼第8試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R×ノンオー・ハマ(タイ/元ONEバンタム級ムエタイ世界王者、ルンピニースタジアム四階級制覇)[2R 1分28秒 KO]○ニコ・カリロ(スコットランド)
元ONEバンタム級ムエタイ世界王者でルンピニースタジアム四階級制覇のノンオーは、4月にフルカン・カラパフ、6月にムアンタイをKOしているカリロを迎え撃つ。
1R、体格でかなり優るカリロは圧をかけて前へ出る。ノンオーは左インロー、カリロは右フックから左ボディ。ノンオーはガードを高く上げて右ローの集中砲火を浴びせる。足を上げるカリロはヒジを打つが、ノンオーの右ローに後退。カリロはその蹴り足をキャッチしてパンチの連打を見舞う。サウスポーになるカリロだが、ノンオーは右ローを次々と蹴り込んでダウン寸前に追い込んだ。
2Rもノンオーの右ローは止まらない。しかし、カリロの右フックでフラッシュダウン。すかさずラッシュをかけてコーナーに詰まるノンオーに連打を浴びせるカリロ。ダウン寸前となるもこの猛攻を凌いだノンオーは右ストレートから前へ出て右ヒジ、そして右ローの連打。カリロは足を上げてダウン寸前となったが、左手で押してからの左ヒジを直撃。ノンオーを失神KOに葬った。
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▼第7試合 キャッチウエイト(63.5kg契約)3分3R○セクサン・オー・クワンムアン(タイ)[判定2-1]×リバー・ダス(オーストラリア)
大人気の“鉄人”セクサンが、9月の『ONE Friday Fights 31』でノンタキットに判定勝ちしたダスと対戦。
1R、ダスの右フック&左ボディのコンビネーションで早くも窮地に追い込まれるセクサン。ダスはヒザ、前蹴り、左ミドルで畳みかけ、セクサンは思い切り左右フックを振る。ダスのワンツーにも下がらず左右フックを振り回し、思い切り左ヒジを振り下ろすセクサン。ダスのパンチを被弾しても前へ出てヒジを打ち返すセクサンに場内は大歓声。
インターバル中に鳴り響くセクサンコール。2R、ダスが再び右フック&左ボディ、ワンツーでセクサンを追い込み、右フックでダウンさせるがレフェリーは試合続行を命じる。立ち上がったセクサンはダスのパンチやヒザをいくらもらっても下がらず前へ出てヒジとヒザを返す。ダスの方が明らかにヒット数が多いが、セクサンが攻撃するたびに場内は大合唱。首相撲からのヒザにも大歓声が起こる。セクサンの右ヒジがついにクリーンヒット、さらに首相撲からのヒザ。完全アウェイのダスはかなり消耗した様子。
3Rもヒジを叩きつけるように振り、ミドルを蹴って前に出るセクサンはつかむとすぐに首相撲からのヒザ連打。セクサンの圧を浴びせ続けられたダスは疲労の色が濃いが、左ハイキックをクリーンヒット。セクサンはどんどん組み付いていきヒザ蹴りを連打、ダスを消耗させる。セクサンの右ミドルがヒットするたびに“オーイ!”の大合唱。セクサンの右ミドル連打で試合は終了した。
判定は2-1と割れたが、セクサンが勝利。セクサンはダスの手を上げて健闘を称えた。
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▼第6試合 キャッチウエイト(61.69kg契約)3分3R×ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ/元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者)[判定0-3]○ナビル・アナン(アルジェリア/タイ)
元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイが登場。アナンは麦わら帽子を被り、『one-piece』のルフィスタイルで入場。両者の身長差は20㎝。
1R、アナンは長い手足を利してジャブ、前蹴り、右ハイキック。ヒザを上げると簡単にムアンタイの顏まで届く。ムアンタイはもらいながらも前に出ていくが、アナンがヒザを突き上げて下がらせる。さらに長いジャブ。ムアンタイの左フックには左ヒジのカウンター。ムアンタイは右ローを狙い撃ちにし、ジャブをもらいながらも蹴る。アナンはテンカオ、そして顔面前蹴り。
2R、アナンは思い切り前蹴りでムアンタイを突き飛ばす。それでも前に出るムアンタイにアナンはテンカオ、ジャブ、右ヒジ。前に出ようとするムアンタイへアナンはワンツー、ヒジ、ヒザ。ムアンタイは自分の攻撃が当たる距離に入れさせてもらえない。アナンは前蹴りから前に出ると左右のヒジ。
3R、前に出て来たアナンの右足を左ローで蹴るムアンタイ。しかし、前へ出るとアナンがジャブとヒザ。アナンが前へ踏み込むと同時に放った右ヒザをもらいダウンを喫する。さらにアナンの右ローでムアンタイの足がガクッとなる。しかし、ムアンタイの左インローでアナンが下がり、ムアンタイが最後のチャンスで倒しに行くが逆転はならず。
長い手足を巧みに使ったアナンの判定勝ちとなった。
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▼第5試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R○クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ/元ルンピニースタジアム認定ライト級&スーパーライト級)[1R 2分51秒 KO] ※左ボディ×ファリヤ・アミニプール(イラン)
ONEでも日本でもお馴染みの強打者クラップダムに対するは、タイガームエタイ所属で15戦全勝の戦績を誇るアミニプール。
1R、体格で優るアミニプールはいきなり右ボディの連打とヒジでクラップダムを追い込むが、一方的に打たれていたクラップダムがアミニプールの右ストレートをかわしての左フックでダウンを奪う。
立ち上がったアミニプールは再びラッシュをかけるもクラップダムの左フックを連続被弾。前に出るクラップダムが左右フックで下がらせ、アミニプールがヒザを蹴ってきたところでその蹴り足をキャッチしての左ボディ。アミニプールはその場に崩れ落ち、クラップダムが見事なKO勝ちを飾った。
クラップダムには当然ボーナスが贈られた。
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▼第4試合 フライ級 ムエタイ 3分3R×ペットスクンビット・ボイ・バンナー(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者)[判定0-3]○ジャオスアヤイ・ソー.デッチャパン(タイ)
ペットスクンビットはラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者。
ジャオスアヤイはタイ国BBTVスタジアム・フェザー級8位として、2019年11月の「第3代K-1フェザー級王座決定トーナメント」に初来日。1回戦で安保璃紅を必殺の飛びヒザ蹴りでKO、準決勝でも卜部弘嵩との延長戦に及ぶ激闘の末に勝利。決勝こそ江川優生の左ボディに沈んだものの、鮮烈なインパクトを残した。2020年3月『K'FESTA.3』で小澤海斗からも勝利を収めている。2022年8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で玖村修平にKO負けを喫した。
『ONE Friday Fights』には2023年6月から参戦し、初戦のペットスクンビットには初回KO勝ちも、8月の2戦目ではコンスック・フェアテックスに判定負けを喫している。11月にはパイダンをKOした。
前述のように両者は6月に対戦し、ジャオスアヤイが1RでKO勝ちしている。
1R、前に出るのはペットスクンビットで前蹴りを出しながらワンツー、ジャオスアヤイはジャンプしての右ミドルを見せる。ペットスクンビットが前蹴りを出すと、ジャオスアヤイもジャンプしての前蹴り。ジャオスアヤイがワンツー、右アッパーで攻勢を仕掛け、ペットスクンビットにコーナーを背負わせると飛びヒザ蹴りを繰り出す。
2R、右ミドルを蹴るペットスクンビットに対し、ジャオスアヤイはパンチのコンビネーションで対抗。回転の速いフック&アッパーのジャオスアヤイ。ペットスクンビットの右フックでジャオスアヤイが下がり、ペットスクンビットが前へ出て攻撃をまとめて優勢となるが、ジャオスアヤイが左フックでダウンを奪う。左フック、左ヒジで猛攻をかけるジャオスアヤイにペットスクンビットも左右フックで応戦する激しい展開に。
3R、前に出るペットスクンビットはパンチから組み付くとヒザ蹴り。ジャオスアヤイも左右フックで反撃し、左フックを当てる。両者ヒジを繰り出し、組むとヒザを蹴り合う。残り1分、ダウンを奪っているジャオスアヤイは逃げ切り態勢。追ってくるペットスクンビットをフットワークでかわしていく。さらに前蹴りを連打して突き放し、ペットスクンビットに逆転を許さなかった。 判定でジャオスアヤイが勝利。熱闘を演じた両者にボーナスが贈られた。
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▼第3試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R○スーブラック・トー・プラン49(タイ)[1R 2分15秒 KO] ※左ボディストレート×クレイグ・コークレイ(アイルランド)
1R、スーブラックはコークレイの左ローをキャッチすると、すかさず左ボディストレート。この一撃がボディにめり込み、コークレイはダウン。完全に倒れる前にスーブラックが左ボディ、左ヒザまで叩き込む。コークレイは立ち上がることが出来なかった。
スーブラックはこれでONEにて4戦全勝(3KO)をマーク。試合後にはボーナスだけでなく、ONEとの本契約もリング上で発表された。
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▼第2試合 キャッチウエイト(59.87kg契約)3分3R×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)[2R 0分57秒 KO] ※右ストレート○チョーファー・トー・センティアンノーイ(タイ)
小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得したのを皮切りに、REBELS52.5kg級王座、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座、同フェザー級王座を次々と獲得。今年3月には2022年ムエタイMVPでルンピニースタジアム3階級制覇を達成しているロンナチャイをダウン寸前まで追い込む完勝を収めた。6月にはトンミーチャイに判定勝ち。8月に『ONE Friday Fights』に初参戦するとヨッドウィッタヤに31秒でKO勝ちしたが、11月のOFGマッチでウィンに延長戦で敗れた。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。戦績は43勝(21KO)8敗1分。
チョーファーはスアキム、プラジャンチャイ、ロッタン、ラムナムムーンレックらと戦ってきたムエタイのトップファイターで、2018年のロッタン戦ではラジャダムナンスタジアムの年間最高試合賞を獲得。さらに2022年にも元ONE フライ級キックボクシング世界王者ペッダム・ペッティンディー・アカデミーとの試合で同賞を獲得している。2021年ムエタイ・ナイ・カノムトム認定ライト級王者。ONEには2022年12月の『ONE 164』から参戦し、『ONE Friday Fights』では3勝2敗で現在モンコルゲーウ、ポンペットに2連勝中。
小笠原が入場すると場内からは大きな声援が沸き起こる。前回の秒殺KO勝利で一気に知名度を上げたようだ。
1R、サウスポーの小笠原に対し、右へ回り込んでいくチョーファー。小笠原は左ミドルで止めるとバックハンドブローを繰り出す。越懸澤の左ミドルがヒットするたびに歓声が沸き起こし、小笠原は左ミドルに左奥足ローを織り交ぜる。左ハイからの左ローで早くもバランスを崩すチョーファーは下がる。
強烈な左ローを蹴る小笠原にチョーファーは右ミドルのカウンターで対抗。チョーファーはさらにボディへヒザ。チョーファーの強烈な右ミドルが決まり、小笠原も左ローを返す。蹴りからパンチにつなげたい小笠原だが、パンチはかわされる。序盤は小笠原が優勢も、チョーファーが巻き返した印象。
2R、距離を詰めていく小笠原は左ミドルからパンチにつなぐ。ワンツー、左右フックの連打で一気にまとめる小笠原。左ボディストレートも突き刺す。小笠原がチョーファーにロープを背負わせ強打を叩き込み、完全にペースを握ったかに思われた瞬間、小笠原の右フックにチョーファーが右ストレートのカウンター。
この一発が見事に決まり、小笠原は強烈なダウン。倒れた時に後頭部を打ったか、頭を抑える小笠原。立ち上がろうとするも足元がふらつき、レフェリーがここでストップした。小笠原の2連勝はならず。チョーファーにはボーナスが贈られた。
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▼第1試合 キャッチウエイト(59.87kg契約)3分3R○スリヤンレック・ポー・イェンイン(タイ)[2R 0分15秒 KO]×ヨックリサダー・ソー・ソンマイ(タイ)