2023年12月6日(午後7時~)、カザフスタン バリスアリーナにて開催される『Naiza FC 55』に、元修斗世界フライ級王者で現DEEPフライ級暫定王者&DEEPフライ級GP優勝の福田龍彌(MIBURO)と、DEEP3連勝中のマサト・ナカムラ(レンジャージム)が参戦。ともに前日計量を5日、パスした。
メインイベントに出場する福田は、フィニッシュ率86%を誇るNaiza FCフライ級王者ディアス・エレンガイポフ(カザフスタン)に、5分5Rで挑戦。
「公開」計量では、赤コーナーは赤ジャージ、青コーナーは青ジャージを着用する同大会で、先に計量パスしたエレンガイポフに続き、福田も体重計に乗るが、体重はコールされず。
また、地元のエレンガイポフとジュマグロフにはマイクでコメントの時間が与えられたものの、福田とナカムラにはマイクが渡されないというアウェーの洗礼を受けている。
しかし、福田はSNSに「無事に計量パスしましたー! 戦うまで本当長かったー! 存分にヒリヒリさせて来ます」と、様々な予想外の出来事がある敵地でも、いつもの『ヒリヒリ』した試合をする、と投稿した。
コメインでは、2022年6月までUFCで戦っていたカザフスタンのジャルガス・ジュマグロフ(14勝9敗)と、緊急参戦のマサト・ナカムラが対戦する。当初、ジュマグロフは、ブラジルのイアゴ・ヒベイロと対戦予定だったが、欠場。11月下旬にナカムラに白羽の矢が立てられた。
ナカムラは「計量クリア! 明日はカザフスタンでかましてくる 勝ってメインの福田選手にバトンを渡します」とコメインの意気込みを記している。
▼Naiza FCフライ級選手権試合 5分5Rディアス・エレンガイポフ(カザフスタン)王者・14勝3敗福田龍彌(日本/MIBURO)挑戦者・21勝7敗1分
DEEPフライ級GP4試合も含め、8連勝中の福田は、2023年9月の前戦『RIZIN.44』で山本アーセンと対戦。
巧みにジャブを当てて、距離をコントロールした福田がペースを掴み、2Rにはアーセンのカーフを見切り始め、テイクダウン狙いも切って流れを掴むと、3Rにパンチでアーセンの右眉をカット。さらに左目も塞ぎ、TKO勝ちとなっている。
試合後に福田は、「フライでやるんだったら、日本人相手に作るより海外勢と。現に8連勝しているので。日本を代表して海を渡って、このスキルで。それが海外の人らにどう通用するか確かめたい。日本でやるよりかは、人生として考えたらいい。海を渡ってみたいという気持ちがあります」と語っていた。
福田が挑戦するディアス・エレンガイポフは、3月の『Naiza FC 50』でラジザホン・ウズベコフに4R ギロチンチョークで一本勝ち。新王者となったばかり。今回が初の防衛戦となる。
28歳でスイッチヒッターのエレンガイポフは、14勝中6つのKO・TKO勝ち、6つの一本勝ちと、打撃でもサブミッションでも試合を決める、決着率86%のフィニッシャーだ。
右でも左でも強いオーバーハンドを振り、左右ロー・左ミドルも強力。レスリングではシングルもダブルもいずれもこなす。相手のレッスルアップにがぶりを合わせてのハイエルボーのギロチンチョークや、相手の頭が下がればすぐにニンジャチョークやダースチョーク、ブラボーチョークを狙うなど、首系を得意とするが、バックテイクからのリアネイキドチョークも3つマークしている。
3月のウズベコフ戦では、4Rに相手の低いダブルレッグをがぶり、アームインギロチンチョーク狙いからノーアームギロチンに切り替えてそのままマウントで絞め上げて、タップを奪っている。組みの強さからか、これまでKO・TKO負けしたことはないタフファイターだ。
サウスポー構えの福田にとって、同じサウスポーで構えてくる可能性もあるエレンガイポフの左右のオーバーハンドに注意し、組みの圧力には頭を下げたくない相手だ。
キャリアの初期に一度RNCによる一本負けを喫しているものの、2つ目の判定負けを4年前に記録して以降は、負けてないエレンガイポフを相手に、福田は精緻なスタンドを軸としたMMAで上回ることが出来るか。注目のタイトルマッチだ。
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元UFCジュマグロフと緊急参戦のナカムラが対戦
▼バンタム級 5分3Rジャルガス・ジュマグロフ(カザフスタン)14勝9敗マサト・ナカムラ(日本/レンジャージム)9勝7敗
地元カザフスタンのジュマグロフは、UFC参戦前の『Fight Nights Global』時代に、現UFCフライ級13位のタギル・ウランベコフに判定勝ち、元UFCで堀口恭司に判定負けしたアリ・バガウティノフ、タイソン・ナムにも判定勝ちしている。
UFCでは、ハウリアン・パイヴァ、アミール・アルバジ相手に2連敗後、ジェロム・リベラにギロチンチョークで一本勝ち。その後、マネル・ケイプに1R KO負け。ジェフ・モリーナに不可解なスプリット判定負け、チャールズ・ジョンソンにスプリット判定負け、ジョシュア・ヴァンにもスプリット判定負けと、オクタゴンで3試合連続のスプリット判定負けでリリースされている。MMA14勝(6KO・TKO、2SUB)9敗。
対するMMA9勝7敗のナカムラは、フィリピンと日本のハーフ。 9歳からグローブ空手を始め、15歳で地下格闘技に出場し、2019年12月にDEEP初参戦。2021年から3連勝をマークするも林豊に判定負け、越智晴雄に一本負け。しかし、現在は3連勝中で、2023年3月に高柳京之介に1R リアネイキドチョークで一本勝ちすると、5月に安永吏成に判定勝ち。9月の前戦では亀田一鶴を1R、リアネイキドチョークで極めている。緊急参戦のため、バンタム級契約に。
地元のビッグネームを相手に、アウェーのナカムラは、得意の打撃で勝利を掴むことができるか。