キックボクシング
インタビュー

【RISE】互いに再起戦の加藤有吾「自ずと激闘になる」、有井渚海「今のRISEにはないような凄いガツガツした試合になる」

2023/12/04 21:12
 2023年12月10日(日)東京・後楽園ホール『RISE 174』のセミファイナルにて、バンタム級(-55kg)3分3R延長1Rで対戦する同級3位・加藤有吾(RIKIX)vs.同級9位・有井渚海(ARROWS GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。  加藤は元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・石井宏樹の愛弟子でジュニア時代から石井の指導を受け、プロデビューすると持ち前の強打で頭角を現し2019年12月にWMC日本スーパーバンタム級王座を奪取。2021年1月には元山祐希と壱・センチャイジムを破って岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント優勝を果たした。2022年8月に翔真、12月に大森隆之介、2023年2月に京谷祐希も破り、6月には鷹介にも勝利して4連勝を飾ったが、8月の大﨑孔稀戦で判定負け。戦績は24勝(11KO)6敗。  有井は2019年7月にRISEでプロデビューすると10戦無敗の快進撃を続けていたが、2021年7月の「ケージキックチャンピオンシップ(CKC)-54kgトーナメント~新世代王者決定戦」決勝戦で寺山遼冴にプロ初黒星。その後は京介、彪司に連勝も2022年12月に山田虎矢太にKO負けを喫した。戦績は11勝(3KO)2敗1分。 加藤有吾「弱い相手じゃないし再起戦にピッタリ」 ――試合まで2週間となりましたがコンディションはいかがですか? 「めちゃくちゃいい練習ができていて調子がいいです」 ――11月の中旬には韓国でも練習されてましたよね? 「そうです」 ――イ・ソンヒョンとチャンヒョン・リーのジムに行っていましたが、どの様な練習ができましたか? 「日本の練習とは違ってスパーリングや打ち込みが多くて独特でした。強い韓国人ファイターの感覚が分かったし、自分のスタイルにも結び付くことが多くて良い合宿になりました」 ――遠征の期間は3日間と聞いていましたが、短期間でも吸収する事が多かったですか? 「週2回スパーリングの日があって、1日で2時間以上15ラウンドのスパーリングをしているんですよ。日本だと15ラウンドは2週間でやるラウンド数ですけど、それを1日にまとめた感じで2日間やったので感覚的に分かる事が多かったです」 ――実際にチャンヒョン選手らとスパーリングをした手応えはいかがでしたか? 「チャンヒョン選手は73kgくらいあって僕は60kgくらいだったので流石にパワーで押されましたけど、その中でもチャンヒョン選手が使うフェイントや戦い方などを身をもって知る事ができました」 ――イ・ソンヒョン選手ともスパーリングはしましたか? 「イ・ソンヒョン選手はパンチの打ち方が綺麗でした。韓国人のファイターは体が強くてガンガン来る中で、チャンヒョン選手とソンヒョン選手はずば抜けて上手かったです」 ――その2人以外にも沢山選手が居たわけですね。 「韓国のチャンピオンが何人かいて、レベルが高い選手もいて強かったです」 ――また機会を見つけて韓国遠征をしたいと思いましたか? 「僕もテクニックよりはフィジカルでガツガツいくタイプなので、そのスタイルが合っていたので年に何回か行きたいです」 ――今回再起戦の相手が有井渚海選手になりましたが、決まった時はどういう心境でしたか? 「有井選手も僕も再起戦ということで、僕は怪我をしていたんですけど良くなったタイミングでオファーが来て、弱い相手じゃないし再起戦にピッタリだと思いました。油断はしていないですけど差は見せないといけないです」 ――有井選手は加藤選手の試合を見て「こんなやつと試合がしてみたい!」と思っていたそうですね。 「向こうが僕と試合をしたいと言っているのを聞いて、最近そう言われることが有るので選手として嬉しいです」 ――今の話を聞いていると有井選手とは噛み合いそうな感覚ですか? 「向こうはガツガツな試合をしたいのかなと思っています。僕も相手が向かって来る方が得意なので、自ずと激闘になると思います」 ――その激闘の中で最後に勝ち名乗りを上げているのは自分であるという事ですね。 「もちろんです」 ――前回、8月の大﨑孔稀戦から自分のどんな所が成長していますか? 「負けた時に改めて足りない部分が分かりました。攻撃力もディフェンスも2回りはレベルが上がっています」 ――RIKIXの小野寺代表やトレーナーの石井宏樹さんにはどのように褒められていますか? 「最近はスパーリングとかもレベルが上がっているねと言われます。自分もそれを体感していて、自信もついてきました」 ――同じ日には加藤選手と同階級の-55kgのタイトルマッチもあります。鈴木真彦vs大﨑孔稀の試合は意識するものはありますか? 「意識もするけど、どっちが勝つか僕も分からない試合なので楽しみです。自分の試合が終わったら楽しむ側で見ます」 ――そうなると自分の試合が終わってシャワーも浴びずにこの試合に見入る感じですね。 「実際生で見たいです。順番的に自分がセミなのかなと考えると確かにシャワーを浴びてる暇もないですね」 ――加藤選手から見てもこのタイトルマッチの勝敗予想は難しいですか? 「最初はタイプ的に鈴木選手かなと思っていましたが、大﨑選手は5ラウンドで強いイメージがあります。最近の鈴木選手は倒れたりもしているので、本当にどっちが勝つか分からないです」 ――いずれにせよ、その勝者に次挑戦するのは自分だという意識で戦うという事になりますね。 「RISEのベルトはRISEに出た時からずっと意識しているので、絶対自分の腰に巻きたいです。 ――9月2日で24歳になりましたが、年齢を1つ重ねて意識的に変わる事はありますか? 「RISEに出てきている選手は10代が多くて、僕も前までそうだったのに気付いたら1個上の世代になっていました。でもここから数年が1番強い時期なのかなと思っているので、今を必死に頑張っています」 ――最後に加藤選手のファン、RISEファンの皆様に熱いメッセージをお願いします。 「前回は次期挑戦者決定戦で負けて、今回タイトルマッチではなくて再起戦という形になったのですが、常にレベルアップしています。今回は相手も気合が入っているみたいで、自ずと面白い試合になると思うので期待して楽しみにしていてください。応援よろしくお願いします」 [nextpage] 有井渚海インタビュー「1年前から見てきて一番自分がやりたい相手」 ――1年ぶりの試合となりましたね。「はい、1年ぶりの試合です」 ――この1年のブランクはなぜ空いてしまったのでしょうか? 「昨年12月の試合が終わってから拳の怪我とかもあって、自分の気持ち的にももっと変化してから試合に出たいという思いがあったのでここまで期間が空いてしまいました」 ――昨年大阪から上京してきてこれからという次期だったので、焦りや葛藤はありませんでしたか? 「焦りはあまりなかったです。今は逆にチャンスだと思って何をやれば良いかを考える事ができたので、自分的には変化ができた良い時間でした」 ――自分が休んでいる時の-55kg戦線はどのように見ていましたか? 「RISE以外の団体でも-55kgが1番盛り上がっていて、それを見て早く試合がしたいと楽しみになっていました。今の自分だったらいけると思っています」 ――ということは満を持しての再起戦になりますね。 「はい」 ――対戦相手の加藤選手も今回は再起戦となりました。 「大﨑孔稀選手と戦った後ですもんね」 ――加藤選手は今回の試合のテーマを「圧倒」という風に言っているのですが、有井選手がテーマにするならば何と言いますか? 「自分も『圧倒』ですね。というか普通に自分を出せれば圧倒できると思います」 ――今ランキング的には加藤選手が3位で有井選手が9位です。今回の1戦でランキングがひっくり返る事を考えている訳ですね。 「加藤選手と戦えることが1番楽しみなのでランキングはあまり気にしていないです」 ――今の加藤選手の戦いぶりはどのように見ていますか。 「1年前からずっと見てきて1番自分がやりたい相手ですね。ガツガツ行ってアグレッシブで相手に合わせず自分の試合をしているイメージです。今の自分と噛み合うタイプの相手なので1番戦いたかったです」 ――加藤選手がガツガツ来たら有井選手はどのように応えるイメージですか? 「同じ事をします(笑)」 ――加藤選手よりももっとガツガツ行きますか? 「今のRISEにはないような凄いガツガツした試合になると思います」 ――SNSでは「加藤君、メインを超えよう」というエールを送っていましたが、それだけメインになっている-55kg級のタイトルマッチは意識するものがありますか? 「-55kgのチャンピオンの鈴木真彦選手はずっと見てきているので意識しています。鈴木真彦選手が持っているベルトを目標にやってきているので、それを超えていきたいです」 ――このタイトルマッチについてはどちらが勝つと予想していますか? 「自分は鈴木真彦選手に勝ってほしいですね」 ――そして自分が挑戦するという事ですね。 「はい。鈴木真彦選手とやりたいので、今回は勝ってもらって自分が倒しにいきます」 ――その前には加藤有吾という高いハードルがあります。このハードルをどう乗り越えますか? 「加藤選手は乗り越えるというか、自分の試合をすれば乗り越えれると思っています」 ――有井選手のSNSを拝見すると7人制ラグビーの日本代表になった林大成選手にものすごく影響を受けているみたいですね。 「林大成選手からスポーツの厳しさとか色々な事を教えてもらって、自分の成長にも影響した方なので本当に感謝しています」 ――林選手は家も所属も無くやっている方なんですね。 「ずっと家がなくて毎回色んなホテルを探して『今日どこ泊まろうかなー』とか言って頑張ってます。(笑)」 ――有井選手も近い将来、家もなく所属もなく戦い続けるなんて事にはならないですか? 「上京したての時は家も決めずにとりあえず出てきたのでそんな感じでした(笑)」 ――元々そういう部分があったという事ですね。 「何も考えずに先に行動する部分はありますね」 ――有井選手がこの1年間で成長した部分をお客さんに見せつける自信はありますか? 「自信しかないです。練習でも人より考えてやってきた自信があるので」 ――去年大阪から上京した訳ですが、ほとんど帰っていない状態ですか? 「大阪には帰らないようにしています(笑)。大阪には試合が終わって帰るようにしています」 ――そしたら言葉も関西弁が抜けてきていますか? 「どうですかね? でも関西に行くと関西弁に戻るんですよ。東京にいると標準語に戻るって感じですね」 ――最後に有井選手の復帰を待ち望んでいたファンの皆様に決意表明をお願いします。 「負けてからこの1年間は格闘技のことしか考えずに生きてきたぐらい毎日着々とやってきたので、そこでどう変化したかを見てもらえればありがたいです。楽しみにしていてください」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント