キックボクシング
レポート

【NARIAGARI】HEATキック王者・安川侑己が貫録のKO防衛、対抗戦はK-1グループが2連勝、寒天マンが3連勝、ペットサムイがKO勝ちで梅野源治戦をアピール、安藤優介が豪快KOでK-1参戦アピール、朝太がSANTEをKO、プロ2冠王の矢島直弥が初勝利

2023/12/02 14:12
NARIAGARI vo.32023年12月2日(土)大阪・176BOX※皇治チャンネルにて配信 ▼第12試合 HEAT KICKライト級タイトルマッチ 3分5R〇安川侑己(王者)KO 2R 1分48秒 ※左フック×悠里(挑戦者/NARIAGARI)※安川が防衛に成功。  メインイベントは、HEAT KICKライト級(-60.0kg)タイトルマッチ3分5Rとして王者・安川侑己にNARIAGARIの悠里が挑戦する。  安川はHEATを主戦場とし、2021年6月にKrush初参戦で提髪和希に判定勝ち、2022年2月の2戦目も目黒翔大に判定勝ちで連勝を飾ったが、7月の3戦目で斎藤祐斗にTKOで敗れた。ホームリングのHEATでは2021年10月にHEAT KICKライト級王者決定戦を制して王座に就いている。  悠里は2011年9月にシュートボクシングでプロデビューし、4勝1敗の戦績を残した。NARIAGARIの第1回大会オーディションで「自ら小指を切り落とした」(手術で現在は回復)と告白して話題に。7月のDEEPとの対抗戦では多湖リキトにMMAで挑みアームバーで敗れている。  1R、安川はハイガードを固め、右ローを蹴って右ミドル。悠里もサウスポーからワンツーを繰り出すが、安川はガードを突き破る右ストレートから前蹴りで悠里を吹っ飛ばす。前に出ていく安川はかなり近い距離での攻防に持ち込み、右を当てて蹴りにつなげる。悠里は左ローを狙い撃ち。安川は悠里にコーナーを背負わせ、パンチを次々と当てていった。  2Rも悠里は安川のパンチを被弾しながらもしつこく左ローを蹴っていく。安川は距離を詰めて左フック、右ストレート、右ミドル、左ボディ。悠里の左ローに安川は右ストレートの打ち合い。安川のワンツーに悠里が大きくグラつき、コーナーにバウンドして戻ってきたところへ安川がトドメの右ストレートからの左フック。悠里がダウンしたところでレフェリーが試合をストップした。  安川はマイクを持つと「こいつ(ベルト)戻ってきてマジで嬉しいです。正直プレッシャーしかなかったので勝てて本当に良かったです。いつも応援してくれる方、スポンサーの方、お父さんお母さん、みんな本当にありがとうございます。今日はみんなのおかげで戦うことが出来ました。もっともっと上を目指すのでここから僕も成り上がっていきます」と宣言した。  大会CEOの皇治は「NARIAGARIの選手含め、世間の皆さんもプロの偉大さや強さが分かったと思うので、この悔しさをバネに、勝負事なので必ず負けはあるのでここで腐らずに上がっていって欲しい。安川選手はさすがやったので、ここで大きな舞台に安川選手自身も上がって行ってほしいですね」と総括した。  さらに皇治はリング上から、観戦に来ていたNKBフェザー級王者・高橋亮に「いま怪我であまり試合が出来ていないみたいなんですけれど、NKBというキックボクシングの日本タイトルも獲っていて。僕は勝手に喋っているんですけれど、今日盤石の強さを見せたHEATのキックボクシング王者の安川くんと高橋亮くんが試合をしたら大阪も盛り上がるし、地方も盛り上がるし、いいんじゃないかと思うんですけれどどうでしょうか」と安川にマイクを渡す。  安川は「やらせていただけるんでしたら僕はやりたいです」と答え、高橋もリングに上がって「凄いサプライズですね。僕は今、去年のRIZINで大雅選手とやって膝を怪我して今はまだ休養中なんですけれど、来年辺りには復帰できるように頑張っていきたいので応援お願いします。いきなりのこの対戦は何て答えたらいいのか分からないですけれど、機会があればお願いします」と即答は出来ないがやる意志はあるとした。  皇治が「安川くんに勝てる?」と問いかけると高橋は「余裕ですね」と答え、皇治は「これ勝手に見たいので、もしよかったらどこかでやってもらいたいと思う」と話した。 [nextpage] ▼第10試合 ライト級 キックボクシングルール 3分1R〇三宅祐弥(K-1)判定3-0 ※10-9×3×来希(NARIAGARI)  プロ7勝(3KO)3敗の三宅祐弥と皇治の弟子・来希の対戦。  ジャブを突き合い、ローを蹴り合う中、来希のローにジャブを合わせる三宅。手を出す来希だが距離がなかなか合わず、逆に三宅がジャブと右ローを当てていく。来希の右ローにしっかりとジャブを合わせる三宅。さらに右アッパーを突き上げる。来希もジャブの突き合いに挑み、右ローを蹴る。三宅のパンチを被弾しながらもしつこく右ローを蹴る来希だが、三宅の右ストレート、右拳に体勢を崩す。前へ出てガムシャラにパンチを繰り出す来希。  根性を見せた来希だったが、判定3-0で三宅が勝利。三宅はマイクを持つと「すいません、しょっぱくて。KOしたかったんですけれどちょっと力んでしまいました。12月4日、自分が代表でキックボクシングジムをやらせてもらいます」と告知すると、この後ホテルで祝勝会をやるので来てくださいとアピールした。皇治は「やっぱりプロは甘くない、K-1が甘くないところをしっかり見せてくれたと思う」と2勝したK-1勢を称えた。 [nextpage] ▼第9試合 ヘビー級 キックボクシングルール 3分1R〇植村真弥(K-1/ウィラサクレック・フェアテックスジム幕張)KO 1R 0分32秒 ※右フック×カンホサ(NARIAGARI/フリー)  プロ13勝(8KO)12敗1分の植村真弥とカンホサが対戦。  開始と同時に植村が前に出て左インローからさっそくフックを振り回す。ガードを固めて前に出る植村が左インローからの右フックをさく裂させ、カンホサは前のめりにダウン。植村が一撃でカンホサを沈めた。  植村は「喋るのが苦手なので感謝だけ」と感謝の言葉を述べると「宮田さんも組んでくれてありがとうございます。このままだと多分、腐っていたと思うので」と勝利を喜んだ。 [nextpage] ▼第8試合 -67kg契約 MMAルール 5分2R 賞金50万円〇寒天マンリアネイキドチョーク 2R 3分47秒×高木 亮  正体不明ではないマスクマンの寒天マンはRIZINやHEATで活躍したMMAファイターの春日井“寒天”たけし。現役は引退しているが、地元を盛り上げるためにマスクマンとしてNARIAGARIのリングに上がる。  高木は2010年2月に『CAGE FORCE』にて亮AKBのリングネームで『AKB参上!』の入場曲でプロデビュー。パンクラス、ROAD FC、DEEPなど様々な団体に出場したほか、キックボクシング3戦、シュートボクシング1戦、オープンフィンガームエタイ1戦、ラウェイ1戦など様々なルールに挑戦しているマルチファイター。2023年9月のGLADIATORで敗れて3連敗中。  1R、高木は左ハイから右ロー、さらに右フックと打撃を見せていき、寒天マンは右ストレートから両脇を差していく。高木は寒天マンをロープに押し付けて脇の差し合い。寒天マンが右で差して高木をコーナーに押し付け、右足を引っ掛けてテイクダウン。寒天マンはしっかりと抑えつけながらパスガードを仕掛けていき、サイドからバックへ。そのまま寒天マンがバックをキープし、残り10秒でチョークへ移行するもラウンド終了。  2R、蹴り技を多用してフックを打つ高木だが、寒天マンはすぐに両脇を差して行く。ボディロックからテイクダウンした寒天マンは右腕を枕にして抑え込み、ボディへパンチ。またもバックを奪うと寒天マンはリアネイキドチョーク。今度はしっかりと極めてタップを奪った。これで寒天マンは3連勝。 「みんな、ヘルシーだよ」とマイクを持った寒天マン。「皇治さん、ひとつ質問があります。僕は何を目指しているんですか? みんなNARIAGARIからK-1とか見ているじゃないですか。僕、現状維持ですよ。僕もNARIAGARIたいです」とアピールしたが、皇治は「いろいろな舞台を目指してほしいけれど、あの覆面を被ってたらどこにも上がれないでしょう」と冷静に突っ込んでいた。 [nextpage] ▼第7試合 -64kg契約 キックボクシングルール 3分3R〇ペットサムイ・シムラ(タイ)KO 2R 1分17秒 ※右カーフキック×安達元貴  元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者で、現在はHEATを主戦場とするペットサムイがK-1アマチュア出身の安達と対戦する。  1R、右ローの蹴り合いが続く中、ペットサムイの右カーフキックで安達は足が流れ始める。圧を懸けて前に出るペットサムイは右ストレート、右カーフ。安達も右を返していくが、ロープを背負う場面が多い。じりじりと詰めていくペットサムイは左ミドル、右カーフ。  2Rは安達も前へ出てボディ、左右フックで攻めていく。ペットサムイが右ローを蹴ると前へ出てボディを打つ安達。ペットサムイの左フックからの右フックに安達は右ボディを返す。パンチでどんどん前へ出る安達だったが、ペットサムイの右カーフをもらってダウン。安達は立ち上がることが出来ず、ペットサムイはNARIAGARIで2連続KO勝ちとなった。  ペットサムイはマイクを持つと「今度は梅野源治とムエタイルールでRIZINで戦いたい」とアピールした。皇治は「梅野、NARIAGARIに来いよ。俺に負けてるんだから俺の言うことを聞かんとね」とNARIAGARIに来てペットサムイと戦えとアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 ヘビー級 キックボクシングルール 3分1R×ラモンKO 1分05秒 ※右フック〇安藤優介  安藤は元MA日本キックボクシング連盟ウェルター級3位。ラモンはHEATの推薦を受けて出場する4戦4勝4KOの戦績を持つプロ選手。  安藤はいきなり左ロー、右フック、左三日月を立て続け手にヒットさせていく。安藤の右フックをもらったラモンは片手でクリンチしながらの右連打を見舞うが、これは反則で警告が与えられた。再開後、安藤が右フックから左フック、そして右ローを蹴るとラモンはダウン。さらに安藤が左インローからの右フックを打つと、ラモンは力なく倒れ、安藤の豪快KO勝ちとなった。  安藤は「前回しょっぱい試合をしてK-1選手の山口に負けてしまったので今回はバチバチに行くつもりだったんですけれど、練習の成果が出てしっかりKOしました。今日、宮田さんがおられるんで、K-1ぜひお願いします。クルーザー級で」とアピールした。  これを受けて宮田充Krushプロデューサーは「K-1で見てみたい。来年あるかもしれない」と前向きに返答した。 [nextpage] ▼第5試合 ヘビー級 キックボクシングルール 3分1R〇朝太KO 2分30秒 ※右フック×SANTE  NARIAGARIの特攻隊長・朝太が北陸の怪人SANTEと対戦。両者はNARIAGARI Vol.1でも対戦し、朝太が勝利を収めている。  SANTEは右のカカト太腿蹴りから右ハイキック、朝太はワンツーで前へ出る。両者見合う場面が長かったが、残り1分で朝太が右フックをヒットさせる。さらに右フックで追撃の一発を当て、最後はANTEの右フックを空振りさせての右フック。SANTEは崩れ落ちてダウン。立つことが出来ず、朝太のKO勝ちとなった。  朝太は号泣し「苦しかった。でもね、負けても負けても立ち上がる事を教えてくれたのは皇治さんです。いっぱい言いたいことがあったけれど飛んでもうた」とマイクで言うと、大晦日のMMAデビュー戦を控えた皇治の入場テーマ曲を高らかに歌い、エールを送った。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級 キックボクシングルール 3分1R×良太判定0-3 ※8-10×3〇勇弥  皇治CEOがNARIAGARIのエース候補と期待をかける勇弥。良太は第7代ACCELライト級王者。  サウスポーの良太は前蹴りから右フック、左ミドルから右フックとアグレッシブに攻めていく。勇弥は右ストレート、左フック、右アッパーのコンビネーション。オーソドックスになった良太は右ストレートを繰り出して前に行くが、勇弥がカウンターの右ストレートでダウンを奪う。  勇弥は右ハイを空振りするとそのまま右フック、ロープを背にした良太へ連打を見舞うと、良太もこれに応じて足を止めての打ち合いとなる。右フックを被弾する勇弥だが倒れずに打ち合う。最後も良太が売悲哀を挑み、両者最後まで足を止めての激しい打ち合い。互いの左右フックを被弾しても打ち返した。  判定3-0でダウンを奪った勇弥が勝利。皇治は「前半のベストバウト」と評価した。「対抗戦と第2回は事情があって断ってすいません。でも世界チャンピオンを3月KOして、9月も世界チャンピオンに挑戦してきて、もっと成長すると思うので平山(迅)君とやりたいと思っている。平山選手じゃなくてもいいので、強い選手を僕にどんどんぶつけてください」とアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 ライト級 キックボクシングルール 3分1R×真守(TSK JAPAN)判定 ※8-10×3〇千聖  今大会で唯一のオープンフィンガーグローブマッチ。千聖は「覚醒」、真守は「若い芽を潰す」をテーマに掲げている。  真守はしっかりジャブを突いていき、それを当てる。千聖は右ローを蹴りつつ、真守が右ローを蹴り返してくると右ストレートを合わせてダウンを奪う。前に出てくる千聖をワンツーで迎え撃つ真守だが、サウスポーにスイッチした千聖は左右フックのラッシュで真守にロープを背負わせる。右ストレート、左フックで対抗する真守に千聖はかわして左右フック。  判定はダウンを奪った千聖が勝利。「全然盛り上がってないけれど、ここからおもろい試合しかないので。NARIAGARIから目を離さないで」とアピールした。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 キックボクシングルール 3分1R〇矢島直弥判定3-0 ※10-9×3×光希  試合開始と同時に光希がコーナーからダッシュしての飛び蹴り。さらにハイキックから左右フックと先手必勝とばかりに一気に攻め込む。矢島は体勢を立て直そうとするが、光希は一気呵成に攻め続ける。矢島は左フックと左ボディで応戦するが、サウスポーの光希は左のパンチをガムシャラに繰り出す。矢島も前へ出て左右ボディ&フック。疲れが見える光希のボディへヒザも突き刺す。ボディを攻める矢島に光希も必死に左ミドルと左フックを返すが、矢島が力強い右ストレートと右フックを打ち込んでいった。  判定は3-0で矢島が勝利。NARIAGARI3戦目にして涙の初勝利を収めた。「めちゃくちゃ嬉しくて凄いホッとしています。僕はやりたい夢があって、昔からRIZINに出たいと言っていて。来年もう3Rやらせてください。ちょっと1R苦手です。宮田さん、喧嘩を売らせてください」と宮田KrushプロデューサーにK-1グループの選手と戦わせて欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 バンタム級 キックボクシングルール 3分1R〇爽良(フリー)判定3-0 ※10-9×3×楓冬(TEAM ONE)  19歳の爽良と皇治の元で修行を積む17歳の楓冬が対戦。飛び二段蹴りを放つ爽良に楓冬は左右ローを毛ていく。爽良はそこへ右ストレート、飛び二段蹴りを挟んで左右フックを打つ。前へ出るのは楓冬だが、爽良は左右ストレートで迎え撃つ。楓冬が右フックを繰り出すところへ爽良が右ストレート。楓冬の右カーフキックが効果を発揮し始め、残り1分で両者とも打ち合いに行く。楓冬は前へ出ていくが、爽良がカウンターのヒザを何度も突き刺す。さらに左ミドルを叩き込み、楓冬を圧倒。  爽良が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト バンタム級 キックボクシングルール 3分1R×岡田悠希(クロスポイント吉祥寺)判定0-3 ※8-10×3〇内山朋紀(マルジム)  20cm近く身長で優る岡田はジャブと右ロー、内山は岡田に蹴られながらも潜り込んでの左右フックを放っていく。その内山に岡田はヒザ蹴り。左右フックでどんどん前に出る内山に、岡田は左右ミドルを出すが内山の左右フックには押される。左右のハイキック、右フック、ヒザ蹴りの内山に残り10秒で岡田が左右フックのラッシュを仕掛け、試合終了直前に内山が右フックでダウンを奪い勝利した。
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