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【FIGHT CLUB】朝倉未来はなぜ敗れたのか――久保優太が分析「原因は大きく分けて2つ。距離感と対策」

2023/11/22 13:11
 2023年11月19日(日)都内某所で開催された全試合オープンフィンガーグローブマッチのキックボクシング大会『FIGHT CLUB』。そのメインイベントで行われたYA-MAN(TARGET SHIBUYA)vs.朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)を久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)が自身のYouTubeチャンネルにて分析した。  久保は最初に「YA-MAN選手に有利なルール」であることが前提だとし、「最初からYA-MAN選手の距離だったなと思いましたね。僕の事前予想ではYA-MAN選手が攻めていったところに朝倉未来選手が右フックのカウンターでKOするんじゃないかなって思ったんですけれど、予想が外れてしまって」と、自分の予想は外れたとする。 「この原因は大きく分けて2つ。ひとつめは距離感、ふたつめは対策。この2つが非常に大きなポイントだったかなと思います。対策が作れているからこそ距離感を作れた。この2つは連動します。対策をしたことによってYA-MAN選手の距離感が作れた」と、YA-MAN勝利のポイントをあげた。 「その対策はYA-MAN選手が最初からプレッシャーをかけて、かけるだけではなく右のインローとか右ストレート、右のボディストレートとかも上手く散らして入れていました。そうすることによっておそらく朝倉選手は右フックのカウンターを…1Rが始まって10~15秒くらいで同時打ちのカウンターがあったんですよ、あれはYA-MAN選手があれ(右フック)が来るって分かっていたんでしょうね。だから右ストレート行くよって同じモーションで右インローを蹴る、同じモーションで右ボディストレートも打つ。  こうすると朝倉未来選手側からすると、YA-MAN選手が散らすことによって右フックのカウンターのタイミングが非常にとりづらくなるんですよね。タイミングを合わせることが出来なくなった。そうすることによって朝倉選手がコーナーまで詰められてしまって、YA-MAN選手の右ストレート、左フック、右ストレートの連打をもらってしまった」と、同じモーションで攻撃を散らしたことで朝倉の得意技を封じたと指摘。  続いて久保は、YA-MANの“構え方”がいつもとは違ったとする。 「このプレッシャーをかけるというのはMMAだと無い距離感なんですよ。その対策をしていたというのは、これまでのYA-MAN選手は頭が前に出ていたんですよ。そうなると朝倉選手の右フックは入りやすいんですよ。頭が前に出ているので。ところが、今回のYA-MAN選手は腰を落として重心を据えて頭が前に出ないように(構えて)インローとかを上手く散らしていたので、相当サウスポー対策とか朝倉未来対策をやられていたんじゃないかと見受けられましたね。本来の頭が前に出ていれば朝倉選手の左ハイキックも当たりやすくなるんですけれど、YA-MAN選手が腰を据えて重心をレベルチェンジすることによって、パンチも重心を使った強いパンチも打てますし、なおかつ前に重心がいかない。ストレートや蹴りが出しやすくなる重心になるので、そこはYA-MAN選手がアップデートされていると感じました」  そして、K-1からMMAに転向した自身の経験から「ふたつめは距離感ですね。MMAと立ち技ルールは別競技です。卓球とテニスくらい違う。あの距離感でじりじり行くのは、あの距離感はMMAにはないので。遠い距離感になるので、朝倉選手からするとあの距離感でじりじり詰められたのはめちゃくちゃやりにくかったと思いますよ。あの距離感でカウンターをとろうとすると、どうしても距離が縮まって来るのでワンテンポ遅れてしまうんですよ。ある程度遠い間合いから来るもので合わせていたものが、近い距離から合わせないといけないとなるとタイミングも変わってきてしまうので。YA-MAN選手がいい具合に朝倉選手がやったことのない距離感というか、感じたことがないプレッシャーを出せる距離感を作られていましたね」と、YA-MANはキックボクシングならではの戦い方をして、経験のない朝倉は戸惑ったと分析。 「MMAの距離感とキックの距離感は本当に違くて、僕も2年くらいMMAに挑戦してMMAの距離感でやっていますけれど、キックに戻って欲しいって声もありがたいことに多いけれど、最低でも3カ月距離の修正には時間がかかります」と、キックボクシングとMMAの距離感は全く違うと話した。  その理由は「パンチとローキックが今すぐ当たる距離は組めちゃう距離感なんですよね」と、MMAにはあまりない距離感だから、と説明した。
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