MMA
インタビュー

【ONE】MMA王者アンドラージとキック世界王座を争うムエタイ王者ハガティー「彼が僕に『ストライキングとは何かを教えてやる』と発言したことを後悔させてやる」

2023/11/02 11:11
 2023年11月4日(土)にタイ・バンコクのルンピニースタジアムにて開催される『ONE FIGHT NIGHT 16』のバンタム級キックボクシング世界王座決定戦で、同級MMA王者のファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)と対戦する同級ムエタイ世界王者のジョナサン・ハガティー(英国)が試合前公式インタビューに応じた。  ムエタイ王座に加え、キック王座の二冠を狙うハガティーは、7歳からムエタイを学び、12歳からアマチュアで試合を開始。2016年4月にISKAムエタイ世界スーパーフェザー級王座を奪取し、2018年5月にはWBCムエタイ世界スーパーフェザー級インターナショナル王座も奪取。  2019年1月からONEに参戦し、5月の2戦目ではサムエーを破りONEフライ級ムエタイ世界王者に。同王座はロッタンに奪われるも内藤大樹、モンコルペットらに勝利。2022年11月にフライ級でウラジミール・クズミンに判定勝ちすると、2023年4月の前戦でノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)を1R 2分40秒、右ストレートでKOに下し、ONEバンタム級ムエタイ世界王者についた。  今回は「バンタム級キックボクシング世界王座決定戦」。ONEムエタイのオープンフィンガーグローブから、ボクシンググローブに変えて、現MMA同級王者でWFL武林風時代にキックボクサーとして活躍したアンドラージと対戦する。  ハガティーは、「僕の一番のアドバンテージは、僕がこれまでずっと立ち技競技にだけに専念してきたことだ。経験も豊富で、僕の対戦相手は立ち技において、彼の対戦相手とは比較にならないくらいのレベルだ」と自信を語った。 ムエタイとキックだけじゃない、MMAのベルトも獲る ──4月に“生きる伝説”ノンオーを1R KOに下しました。 「(ノンオーをKOしたことは)それまで多くの人達が、自分が勝つと思っていなかったら、最高の気分だった。でも、そんなことは大きな問題じゃない。僕のことをチーム、父、ガールフレンド、そして支えてくれる全ての人達が僕を信じてくれる限り、それが全てなんだ。リングに立つのは自分だけ、リングサイドはチームだけ。ハードな試合になると覚悟していたが、我々は上手くやり遂げたんだ」 ──今回はONEムエタイではなく、キックボクシングルールです。適応をどう考えていますか。 「キックルールには自信はある。僕はファイターだから、適応出来るはずだ。フットワークもキックボクサー並みだし、むしろ、それは自分の強みだ。何度も言うが、僕はファイターなので、ルールが何であっても適応できる。楽しみだ」 ──ムエタイとキック、両競技での王座戴冠をどうとらえていますか。 「ONE Championshipに参戦した時から、左肩と右肩にベルトをかけるのが夢だったんだ。でも今は、さらにもう一本腰に巻いて、3競技(ムエタイ、キック、MMA)制覇が僕の夢だ。やってやる!」 ──あなたもアンドラージ選手同様に、3競技制覇を狙っているのですね。ムエタイ王座防衛戦ではなく、キックの王座戦に挑む理由は? 「元々は(ムエタイの)防衛戦を行いたかった。僕は防衛に成功してからが真のチャンピオンと思っているからね。でも、今回キックボクシング王座戦のオファーを受けた時、断る気持ちはなかった。その理由はゴールドの数を増やしたかったからだ。ベルトは多ければ多いほど、良いからね」 ──キックボクシング対策をどのように行ってきましたか。 「これまでキックボクシングのトレーニングはしてきてなかったから、どこまで自分がやれるのか分からない。正直、キックに特化した練習をしたのは、今回のファイトキャンプからだ。だから、これまで通りの自分を出すだけだ。僕はヒジが得意だが、キックルールでは、ヒジも首相撲もない。僕はキックボクサーじゃないが、キックボクシングで相手を倒す」 ──ムエタイとキックのトレーニングでは異なりましたか。 「両者は全く違う。キックはステップをもっと軽やかに動かし、攻撃のコンビネーションをもっと増やす必要があると感じている。ただ、気をつけなければいけないことは、(反則の)ヒジ攻撃や首相撲をやることだ。でも、楽しんでいる。純粋にフィットネスを楽しむ感覚だし、全てが上手くいっているよ」 [nextpage] アンドラージは僕の攻撃を被弾した瞬間、自分が5Rリング上でただ立っている為だけに存在するということが分かるはずだ ──対戦相手がMMA王者のファブリシオ・アンドラージになったことについては? 「アンドラージはこの5年間、MMAのトレーニングを行なってきた。グラウンド、レスリング、スタンドと様々な技術をやってきた選手だ。それでも、僕は立ち技でこれまで過酷な練習を積んできたので、この試合はそのことが、(自分が勝つ)大きな要素になると思う。彼と戦うのが楽しみだ」 ──戦前のフェイスオフでは、バチバチの睨み合いになりましたね。 「あれは最高に楽しかった。戦う時と変わらず、平常心で向かい合った。これも試合前の心理戦だ。彼は自分ともっとやりあいたかったと思うけど、でも、上手くいかなかったはずだ」 ──アンドラージには20戦以上のキックボクシング歴があります。 「彼のキックの記録はどうでも良い。僕が見ているのは、彼が過去5年間、何を専念してきたかだ。今回のリングでは、彼は僕をテイクダウンすることはできない。きっと手詰まりになるはずだ。彼の戦い方にはたくさんの隙間がある。(MMAの戦い方とは違うので)彼はスタンスも間合いも変えないといけない。さらに、僕の戦い方にどこまでついていけるのか。彼は僕の攻撃を被弾した瞬間、自分が5R、リング上でただ立っている為だけに存在するということが分かるはずだ」 ──どのような試合展開を予想していますか。 「まず、ファブリシオは素晴らしいファイターだ。尊敬に値する選手だし、MMAでもその強さを証明している。しかし、もし彼が今回の戦いに自信を持っていて、自分を圧倒するつもりで来るなら、これまで戦ってきた相手とは違うことが分かるはずだ。そんな気持ちで来るなら、考え直したほうが良い。僕は彼を深いところに引き摺り込む。彼が僕に『ストライキングとは何かを教えてやる』と発言したことを後悔させてやる。彼をボコボコにして倒す」 ──お互いにアグレッシブなファイターです。 「彼の戦い方は超攻撃的だ。真っ向勝負を厭わないし、常にフィニッシュを狙う。お互い構えをスイッチするタイプだし、戦いの相性は良いと思う。僕は“炎には炎”で対抗するつもりだ。彼は前に出てアグレッシブに攻めてくるが、僕達はそれに対する戦略を多く持っている。フットワーク、ポジション取りが鍵だ。僕は自分に優位な場所に入ることができるし、足を使いながら、最後は倒すつもりだ。自分の望む戦いを見せるよ」 ──アンドラージの弱点をどうとらえていますか。 「彼の戦い方の欠点はガードが低いこと。もっとガードを上げるべきだ。そして、僕の一番のアドバンテージは、僕がこれまでずっと立ち技競技にだけに専念してきたことだ。経験も豊富で、僕の対戦相手は立ち技において、彼の対戦相手とは比較にならないくらいのレベルだ。僕は世界トップの相手と様々な戦いを行なってきたし、どんな相手であっても、戦う準備はできている」 ──理想的なフィニッシュは? 「(前回同様)今回も1RでKOだ。パーフェクトな勝ち方をイメージしているが、それで自分の戦い方を縛るつもりはない。自分のペースで戦う。彼のタフさは知っている。いつも言っているが、相手がダウンして立ち上がってきたら、次は完全に倒すだけだ」 ──このバンタム級キックボクシング世界王座決定戦の意味は? 「自分にとって、ベルトがかかったこの試合に勝つことはとても重要だ。ムエタイのベルトに加え、キックボクシングの世界タイトルを手にしたら、自分の強さは疑いのないものとなるし、偉大な選手たちと肩を並べることになる。対戦相手には、僕の偉大さを感じてもらいたい。ONEと契約した時、『2本のベルトを獲得するのが夢だ』と語った。その実現が目の前だ。11月4日、僕はムエタイとキックの2競技制覇王者になる。腹は決まっている。自分の夢は叶うんだ」
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