フライ級GPに繋がる試合に
勝者は、同日にベルトを巻くRIZINフライ級王者への挑戦者候補となるが、扇久保は、「ここでしっかり勝って、RIZINフライ級がもっと盛り上がれば自ずとベルトも見えてくると思いますし、来年フライ級GPというところにもつながってくると思うのでこの試合に注目してください」と、王座への意欲と、層が一気に厚くなってきたフライ級のGP開催を望む。
一方のドッドソンも「同じ日にフライ級のタイトルマッチ(堀口恭司vs.神龍誠)があると聞いた。という事は、俺のベルトコレクションが近いうちにまた増えるという事だ。フライ級タイトルマッチの勝敗に興味はない。“俺にベルトを渡してくれる役を決めるだけの試合”だ。俺の試合はとにかく動きが多い。みんな俺の試合で思い切り楽しんでもらいたい」と、フライ級王座も視野に入れていることを語っている。
会見では、前戦でバンタム級に戻してスクランブル参戦した扇久保と戦ったアーチュレッタが、扇久保について「自分と試合をした時はそんなにフェアな状態ではなかった。短い期間で階級を上げて戦った扇久保選手を本当にリスペクトしていますし、凄くタフだと思っています。今回の対戦相手は危険な相手。自分とは違うスタイルで、自分はどちらかと言えば重くて上から押さえる選手ですが、ドットソンは爆竹のような選手で常に動き回って速い展開で動く。とはいえ、扇久保選手は準備期間があれば十分対応できる選手だと思っています」と、エールを贈る場面も。
「センキュー!」と力強く答えた扇久保は、ファンに向けて「3連敗中ということで自分自身も後がないと思っていますし、次が最後くらいの決意で戦うつもりで……毎回そうは思っているんですけれども。今回かなりコンディションもすでに仕上がっているので、ここ3試合とはまた違ったいい試合が見せられるなと思っています」という。
扇久保が現UFC世界フライ級王者のパントージャにTUFで勝利したとき、すでにドッドソンはデメトリアス・ジョンソンとの2度目の王座挑戦を果たしていた。
もし、扇久保がUFC入りしていれば、対戦していたかもしれないドッドソンとRIZINフライ級で戦うことは、忘れ物を取り戻す試合であり、いまの自身の強さを証明する試合にもなる。
扇久保は、「僕も36歳で年齢もおっさんになってきて3連敗中で結構ヤバいんじゃないかなって思っているファンの人もいると思うんですけれども、それでも諦めずに戦い続けてここで勝てば、見てくれているファンの人に勇気を与えられると思うので、そういうところを見て欲しいなと思っています」と語った。