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【PANCRASE】フェザー級の高木凌が中田大貴を1R TKO! ストロー級で黒澤亮平が小林了平を1R KO! 佐藤豪則は近藤有己との接戦制す

2023/07/09 15:07
 2023年7月9日(日)12時30分から東京・ニューピアホールにて、『PANCRASE 335』昼大会が開催されている。  8日の前日計量では、第4試合に出場するジョセフ・カマチョ(Spike22)が57.80kgで650gの体重超過も、ルール上の試合可能許容範囲の5パウンド以内だったため、対戦相手の前田浩平(GRABAKA)が試合を受諾。フライ級から57.80kgのキャッチウェイト契約での試合に変更された以外は、ほか全選手が規定時間以内に再計量も含め、パスしている(※選手名から試合解説)。  今大会の当日券は12時から販売。配信はPANCRASE YouTubeチャンネル メンバーシップおよび、TIGET PPV、ABAMAプレミアム、U-NEXTにて配信される。 ▼メインイベント 第8試合 フェザー級 5分3R×中田大貴(和術慧舟會HEARTS)#2位 6勝5敗 65.9kg[1R 2分03秒 TKO] ※右ストレート〇高木 凌(パラエストラ八王子)#5位  6勝1敗 66.05kg  Bellatorと契約した“絶対王者”ISAOが王座を返上したことにより大きく動くPANCRASEフェザー級戦線。現王者は透暉鷹で、1位に亀井晨佑がつけている。  2位の中田“ザ・リッチ”大貴は、MMA3連勝から、2021年11月にRIZIN初参戦で堀江圭功とケージで大激闘の末、判定負け。2022年3月に亀井晨佑にスプリット判定負けで初の連敗も、2022年7月の内村洋次郎戦で1R TKO勝ち。10月のRIZIN.39では芦田崇宏に判定負けを喫した。  2023年3月の前戦では、三宅輝砂のダブルレッグに下になりパウンドを浴びるも中田が逆転のギロチンチョークを極めて白星を掴んでいる。組み技の猛者が揃う和術慧舟會HEARTSでの進化を見せたMMA6勝4敗の27歳。  対する高木は、中田を破った亀井と同門のパラエストラ八王子所属。中田が三宅に勝利した同日の夜大会で、RIZIN北海道大会に出場する遠藤来生に2R、左ストレートから返しの右で鮮烈KO勝ちを収めている。  MMA5勝1敗で漆間將生、斎藤拓矢、渡辺謙明、林優作相手に4連勝後、2022年12月に新居すぐるに1R アームロックでプロ初黒星を喫するも遠藤を下し、4勝をKOで決めているストライカーだ。  PANCRASE公式では、「説明不要! 最初に打撃を当てた方が勝つ! タンカでCAGEを降りるのは、中田か? 高木か?」と煽るが、“打ち合い上等”の中田も三宅戦で見せたキャリア初の一本勝ちで、強打者相手に押し込んで組みを混ぜた泥試合を仕掛けることも予想される。  一方の高木も、所属のパラ八に出稽古に来る鈴木千裕との練習に加え、ボクシングで内山高志のKOD LABでパンチも磨きながら、ダウン後の遠藤からバックで攻めたように、専修大学レスリング部、ロータス世田谷で組み技も磨いており、こちらもMMAファイターとして日々、成長を続ける23歳だ。  果たして言葉通りの“ストライカー対決”となるか。それともMMAの進化を見せた者が王座戦線に名乗りをあげるか。 中田「明日は自分の人生全てを懸けて、高木選手にぶつかりたいと思います。よろしくお願いします、押忍」 高木「中田選手みたいに、倒れたことがないストライカーを倒すのが本物のストライカーだと思うので、正直、戦えて嬉しく思います。明日は絶対勝ちます」  1R、両手をハイガードのムエタイスタイルで片足を上げながら前に出る中田。高木はワンツーで中田のバランスを崩す。中田はガードを上げながら詰めて左で差して組んで押し込み。  突き放す高木は左フック。ガードの上に左右を突く高木に、中田は右で圧力をかけるが、さらに左前蹴りで片足になったところに、高木は下がりながら右ストレート! 中田がダウンし、高木のパウンドにレフェリーが間に入った。  試合後、高木は「ご来場ありがとうございました。自分は、やっぱこの瞬間のために生きているなと。プレリミナリーのときはお客さんもこんなにいなくて、いまは涙が出そうなくらいめちゃくちゃ嬉しいです。“見えてれば効かない”どうですか? 自分はいまボクシング世界王者から教わっていて、誰でも効かすことが出来ます。もっと上に行きます。ほんとに一人ひとり感謝しています。ありがとうございました」と語った。 [nextpage] ▼コメイン 第7試合 ストロー級 5分3R〇黒澤亮平(パラエストラ松戸/初参戦)16勝4敗 52.6kg[1R 2分40秒 KO] ※右フック×小林了平(SONIC SQUAD/初参戦)5勝3敗 52.15kg  名門パラエストラ松戸に所属し、修斗ストロー級で現在5位にランキングされる黒澤は、2016年7月の澤田龍人戦の2R KO勝ちでの世界フライ級王座戴冠以降、2年半試合から離れたが、2019年1月に復帰。2連勝後に本田良介にスプリット判定で敗れたものの、木内 SKINNY ZOMBIE 崇雅を1R KOに下すと、マッチョ ザ バタフライにも判定勝ちで再び連勝。  2021年11月に猿丸ジュンジとの「修斗世界ストロー級暫定王者決定戦」に漕ぎつけるが一本負けで戴冠ならず。2022年5月に現世界ストロー級王者の新井丈にも敗れ、キャリア初の連敗を喫した。  しかし、2023年4月の修斗で大城匡史を再三のテイクダウンを奪う組みからパスガード、立ち際に1R リアネイキドチョークを極めて一本勝ち。再起を果たしている。  対するSONIC SQUADの小林了平もPANCRASE初参戦。小学生から始めた空手をベースに、中学2年からMMAを始めた19歳の新世代だ。Fighting Nexusを主戦場に5連勝(3KO・TKO)の快進撃を見せると、2023年2月の前戦では宮澤雄大と対戦。  長い射程の上下の蹴り、リーチを活かした打ち下ろしの右ストレートなどを当てたが、宮澤のテイクダウンに尻を着かされ苦い判定負けを喫している。  山北渓人が返上した空位の第4代ストロー級K.O.P.の座を狙う黒澤に対し、ストライカーの小林は宮澤戦を経たことで、よりMMAとして成長を遂げている可能性もある。  格闘第3世代と第4世代による“RYOHEI”対決を制するのは黒澤か小林か。 黒澤「明日はPANCRASEストロー級の空気が変わる試合をします」※くろさわ りょうへい  1993年5月10日 163cm 千葉県出身 小林「SONIC SQUADの小林了平です。パンクラス初参戦ということで、爪痕を残せるようにしっかり勝ちたいと思います。応援よろしくお願いします」※こばやし りょうへい  2003年8月19日 167cm 神奈川県出身  1R、ともにオーソドックス構え。右の上段蹴り、右ストレートを見せる小林。  黒澤の組みを突き放すが、黒澤は近い距離で左右を突き、圧力をかける。右フック! ダウンした小林が立ち上がったところに詰めた黒澤は狙いすました右クロス! 一瞬動きが止まってダウンした小林に、黒澤は追打を入れずにレフェリーを待った。  1R、2分40秒 KO勝ちした黒澤は、試合後マット上で「PANCRASEのベルトを獲りに来ました。若林、八田、北方、誰でもいいんで」と上位戦線に宣戦布告した。 [nextpage] ▼第6試合 ウェルター級 5分3R×近藤有己(パンクラスイズム横浜)第5代・8代 無差別級K.O.P./64勝39敗9分 72.5kg[判定0-3]〇佐藤豪則(Battle-Box)第6代同級K.O.P./20勝12敗7分2NC 72.6kg  13年5カ月ぶりに近藤有己と佐藤豪則がPANCRASEで対戦する。近藤と佐藤は2010年2月に対戦し、佐藤が判定負け。佐藤にとって13年越しの雪辱戦となる。 “アームロッカー”佐藤豪則は37歳で、10年ぶりのPANCRASEカムバック。10年前のPANCRASE最後の試合は現DEEPウェルター級王者・鈴木慎吾にアームロックを極めて勝利している。その後、2014年2月にUFCに参戦。エリック・シウバとイム・ヒョンギュに1R KO負けでリリースされると、2015年5月にPRO FCウェルター級王者に。  韓国のTop FCにも参戦し、ホン・チャンソンとの2つのノーコンテスを経て、2017年12月のMFPで現UFC同級8位のアルマン・ツァルキヤンに判定負け。以降は試合から遠ざかり、近年はBattle-Boxで宇佐美正パトリックや芦澤竜誠らを指導してきた。  対する47歳の近藤は、2連勝中。2022年2月に鈴木一史に判定勝ち後、同年4月にGLEAT MMAに参戦し、BreakingDownミドル級ワンデイトーナメント優勝のプロレスラー・井土徹也に判定勝ち。パンクラスイズム横浜に所属し、円熟のMMAを見せている。  柔道から髙田道場を経て桜庭和志に師事した佐藤と、少林寺拳法からPANCRASE一筋で戦ってきた近藤は、ともにU系の技術を持ち、さらにMMAへと進化を遂げてきた。13年5カ月ぶりの再戦は、ケージの中でどんな動きを見せるか。設立30周年となる9月大会に向け「プレ30周年記念マッチ」となる。 近藤「明日は佐藤選手と試合ができるので、心から楽しみにしています。最高の自分で明日を迎えたいと思います。よろしくお願いします」 佐藤「久しぶりにPANCRASEで試合ができて嬉しく思います。PANCRASEが一番好きな団体で、近藤選手が一番好きなパンクラスの選手なので、平成の戦いというか、昔の戦いをしたいと思います。よろしくお願いします」  1R、ともにサウスポー構え。近藤は左カーフをこつこつと突き、佐藤の入りに左を狙う。  近づき首相撲ヒザを狙う佐藤。左から右ストレート、右フックを放つ。それをかわして右を狙う近藤だが、合わせの状態。佐藤は左ロー。近藤も左ロー。近距離で近藤の頭が佐藤の目に当たり中断も再開。オープンスコアのジャッジ3者が10-9で手数の多い佐藤を支持。  2R、先に前に出る近藤。左を突いて組みに行く佐藤だが、近藤は受けて離れる。左ローを当てる近藤。佐藤も右ジャブをダブルで突き、左ハイ。ブロックする佐藤は左ローを脛を外受けにし、左ローを互いに打ち合う。左ロー、左ストレートの佐藤。近藤は頭を振って左右で前進。下がりながら左を突く佐藤。鼻頭から出血する。3者10-9で佐藤を支持。  3R、右ジャブ、右インローと織り交ぜて前に出る近藤。佐藤の左から右に、右を当てて前に。左ローを返す佐藤。右ジャブを突くが、そこに近藤は左をヒット! 受け返しの数をまとめ、左ローまでつなげる。  試合数の差が最終ラウンドに出てきたか。手数が減ってきた佐藤に近藤は詰めて左右。佐藤の入りに右フックも。左インローの佐藤だが、近藤の圧力にサークリング。残り10秒で組んだ佐藤だが、スタンドバックについたままでホーン。判定は3-0で1、2Rを取った佐藤が逃げ切った。佐藤は今後、ライト級も視野に入れるという。 [nextpage] ▼第5試合 フェザー級 5分3R×名田英平(総合格闘技道場コブラ会)#6位 /2019年NBT同級優勝 13勝6敗2分 66.15kg[判定0-3]〇Ryo(グランドスラム/RINGS)#7位/第3代THE OUTSIDER 75-70kg王者 4勝4敗 66.15kg※以下、試合詳報は後ほど掲載  混沌とするパンクラス・フェザー級。名田は3月大会で糸川義人に判定勝利し、9位からしっかり順位を上げてきた。Ryoは2022年12月に田村一聖に判定負けで泥沼の4連敗中。ランキング落ちの瀬戸際にいる。両者とも得意のグラップリングを活かして勝利し、タイトル射程圏に登りたいところ。 Ryo「RINGS/GRAND SLAMのRyoです。去年の12月からGRAND SLAMさんの所属になって、たくさんの方に支えられて明日を迎えるので、感謝の気持ちをしっかり込めて思いっきり行きます。応援お願いします」 名田「総合格闘技道場コブラ会の名田です。明日はベテランのRyo選手としっかり戦いたいなと思っているので、アグレッシブかつテクニカルな試合を出来たらなと思っています。応援よろしくお願いします」 [nextpage] ▼第4試合 フライ級→キャッチウェイト 5分3R×前田浩平(GRABAKA)2018年IMMAFオセアニア選手権優勝・7勝5敗 57.05kg[判定0-3] ※28-29×3〇ジョセフ・カマチョ(Spike22)5勝1敗 ※57.8kg※カマチョが57.80kg(650g超過)でルール上の試合可能許容範囲5パウンド以内で対戦相手が試合を受諾した為、キャッチウェイトに※試合詳報は後ほど掲載  28歳の前田浩平は、2018年IMMAFオセアニア選手権優勝者でMMA7勝5敗。2022年3月に田代悠生に2R TKO勝ち後、7月に大塚智貴に判定負け。11月にグアムのBrawl Internationalでジョーイ・クリソストモJrにリアネイキドチョークで一本勝ちし、2023年3月の前戦で今井健斗にスプリット判定勝ちで2連勝中。  対するカマチョはグアム在住。2017年に後のコンテンダーシリーズ出場のデズモンド・ト-レスをギロチンチョークで秒殺すると、2022年3月にDEEPファイターの中村真人にもTKO勝ち。2022年6月からLFAに参戦し、アルデン・コリアに判定勝ち。2023年3月の前戦ではコディ・デヴィスの肩固めに一本負けしている。戦績は2つのKO・TKO勝ちと2つの一本勝ちと1判定勝ち。身長174cm。 前田「カマチョ選手はちょっと計量オーバーしちゃったみたいですけど、僕もグアムに行った時に、ちょっと体重キツイなと思ったんで、気持ちはすごく分かるんで、これから落としてもらって、明日良い試合をしたいです。本当は去年の11月にやる予定だったんですけど、今回、PANCRASEの皆さんが組んでくださったので、絶対にやりたいと思ってるんで、必ず落としてきて試合をしたいなと思っています。(カマチョに向かって)頑張ってください。よろしくお願いします。僕は頑張ります」※カマチョは計量ミスに。 [nextpage] ▼第3試合 ライト級 5分3R〇余 勇利(マッハ道場)#9位・2勝2敗 70.65kg[判定3-0] ※30-27×3×貞永大輔(パラエストラ広島/初参戦)1敗 70.15kg  余は、望月貴史、DARANIに勝利も、2023年3月の平信一戦で判定負け。ここが正念場か。山口出身で修斗TORAOでデビュー戦黒星の貞永(1991年7月22日生まれ、177cm)は、9位の余を相手にチャンスを掴むか。 余「押忍、余です。取り返しのつかない一戦を取り返します、押忍」 定永「パラエストラ広島からきた定永です。明日、全力を尽くして戦おうと思います。よろしくお願いします」 [nextpage] ▼第2試合 アトム級 5分3R〇沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム)#2位 7勝2敗 47.7kg[判定3-0]×MIYU(DFCプロモーション)KICK 九州大和ジュニア-45kgムエタイ王者 2敗 46.6kg※試合詳報は後ほど掲載  2022年12月の横浜大会でジェニー・ファンのリアネイキドチョークに一本負けした沙弥子。連勝が「6」でストップしたが、その後、ファンは修斗で古賀愛蘭にも一本勝ちしており、実力者だったことが分かっている。  そんな沙弥子の出直し戦は、MMA2戦目のJK-16歳のMIYU。空手で九州を荒らし回り、九州「大和」のジュニア-45kgムエタイ王者にも輝いている。  MMAでは2023年1月の「GLADIATOR 020」で住村竜市朗の長女セアリにテイクダウンされて判定2-1で惜敗。得意の立ち技を総合にアジャスト出来るか。沙弥子にとっては試合内容が問われる、MMA9戦目だ。 沙弥子「こんにちは、GRAND SLAM所属の沙弥子です。前回の負けは、自分にとっては前向きな負けと捉えています。あの試合から自分が今までやってきたことを、明日出せると思うので、皆さん楽しみにしていてください。よろしくお願いします」 MIYU「DFC所属のMIYUです。今回、PANCRASE初参戦で緊張していますが、リスペクトの気持ちをもって戦い、JKの強さを見せつけます、押忍」※MIYU/ミユ (DFCプロモーション) 2007年5月16日 148cm 大分県 MMA戦績:1敗 [nexapage] ▼第1試合 ライト級 5分3R×水杉泰誠(blooM)2敗 70.7kg[判定0-3]〇鈴木悠斗(パラエストラ八王子)1勝 70.45kg※試合詳報は後ほど掲載 水杉「明日は全力で楽しみたいと思います。以上です」  今やプロ選手育成の分野では名伯楽と言える、パラエストラ八王子・塩田“GOZO”代表の秘蔵っ子、17歳の現役高校生、鈴木裕斗がプロデビュー(2005年12月11日、東京県出身・178cm) 鈴木「パラエストラ八王子の鈴木悠斗です。今回、パラエストラ八王子が、メインと1試合目に出させてもらうので、1試合目から派手なKOを見せつけて盛り上げたいと思います。よろしくお願いします」
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