2023年6月23日(金)東京・後楽園ホール『RISE 169』にて、「第2代ライトヘビー級(-90kg)王座決定トーナメント」の準決勝を争う、南原健太(極真会館)と入田和樹(TEAM日高)のインタビューが主催者を通じて届いた。
南原は幼少時代から極真空手を学び、小学生の時はあの那須川天心とライバル関係にあった。第32回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級第3位、第11回全世界空手道選手権大会ベスト32、第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会準優勝、2022オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会軽重量級優勝などの実績を持つ。2021年7月にRISEでプロデビューし、3試合連続KO勝ちを収めたが、2022年4月にカルリ・ギブレインにKO負け。その後、坂本優起にKO勝ちして再起を果たし、今年3月にはK-1との対抗戦で愛鷹亮を1Rでマットに沈めた。戦績は6勝(6KO)1敗。
対する入田はCHAKURIKIを主戦場として活躍中の37歳。2019年に行われた第59回全日本拳法男子個人選手権大会ベスト8の実績を持ち、6戦6勝(6KO)で5月7日には第3代ICO認定インターコンチネンタルへビー級王座を戴冠している。
南原健太「見てるお客さんがワッと驚くようなビリビリ来るようなKOを見せたい」
――公開練習ではいい動きをしてましたがもう仕上がってますね?「そうですね、明日にでも試合できます」
――最後に見せてくれた上段の二段蹴りは試合でも見せられそうですか?
「試合で出そうと思ってます。技の名前は『稲妻蹴り』です」
――出そうと思ってる技をあえて公開練習で出した意図は?
「相手に出来ないものが僕の武器だと思うので、色々な技を出して警戒させようと思ってます」
――第2代ライトヘビー級トーナメント1回戦を争う入田選手は日本拳法出身ですが、日本拳法にはどういうイメージが有りますか?
「日本拳法の選手は踏み込みとか思い切りの強い選手だと思います」
――対策の方は?
「相手の技に対してのカウンターは何通りもパターンを用意しているので、どの技で相手を倒そうかなという感じです」
――1回戦勝って決勝で勝てばチャンピオンベルトを巻けるというシチュエーションですが、チャンピオンロードへの心境はいかがですか?
「こんなに凄いチャンスは二度とないので、最短で必ずベルトを巻きます。このメンバーを見て分かる通り、南原健太が巻かなくてはいけないベルトだと思っているので。ここで落とす奴はチャンスをモノにできない選手ですし、獲るやつは絶対獲ると思うので、僕が必ずベルトを巻いてライトヘビー級の王者になります」
――自分の試合がメインイベントに組まれるのはいかがですか?
「びっくりしましたね。ベルトを巻く以外の自分の中の目標としては、後楽園でメインに出て試合をしたいと思っていたので、それがまず一つ叶うので。ただ自分がデビューした時のメインイベント(RISE151 RISEフェザー級タイトルマッチ 工藤政英vs竹内将生)で凄い試合を見せていただいていたので、それに匹敵するような、またそれを超えるような試合を見せられると思っています」
――かつてライバルだった那須川天心選手がボクシングで白星デビューを果たしましたがいい刺激になってますか?
「すごく刺激になりました。ボクシングのデビュー戦にも関わらず、すごく余裕のある那須川天心の動きを見せていてさすがだなと」
――もうバトンを渡されたような感じですね。
「勝手ながら思ってます。天心には天心にしか見せられない動きがあると思うので、さすがにあの動きを真似しようとしてもできないので、南原健太の良さを出して世に広めていきたいと思っています」
――先日6月9日に『RISE Fight Party』で後輩の山科直史選手もKO勝ちで再起を果たしましたけど、その辺は如何ですか?
「あれは本当に力になりましたね。一緒に練習してる仲間ですし、あの最高の勝ち方をして山科直史本人も凄く喜んでいたので、僕もチームメイトとしてすごく嬉しいです。バトンを受け取ったので僕も必ず勝ちたいです。同じ日に極真会館のチームメイトの樋口知春も試合なので、全勝で行きたいです」
――今アメリカで武者修行中のベイノア選手からは何かバトンは渡されましたか?
「ビデオメッセージを貰って、後はちょこちょこ連絡もしてるので。ベイノア先輩も異国の地で本当に厳しいトレーニングを積んでいると見てわかるし聞いて分かったので、僕もそこに負けないように先輩の活躍に負けないように頑張ります。いつ日本に帰ってきても胸を張っていられるようにしたい。ベルトを持ってまた成田空港にお迎えに行きたいと思ってます」
――ちなみにベイノア選手からのビデオレターはどの様な内容でしたか?
「RISE Fight Partyの中で流れたのですが、メッセージでは『今頃“一撃雷帝”南原健太が会場をドカンと沸かしてくれているでしょう』といただいて、僕的にファンイベントは全然かませなくて。ちょっと置きにいっちゃって(笑)。そこの期待には応えられなかったですが、ただ格闘技の部分のメッセージでは『チャンスは絶対にモノにしよう』って言われたので、必ずベルトを巻いて良い報告ができるようにしたいです。あと今週の土日に極真会館で体重別の全日本大会が行なわれまして、そこに僕の先輩や成増道場の後輩、チームメイトがたくさん出場するので、そこのウエイト制も必ずみんな頑張って欲しいと思ってます。ウエイト制のパワーをもらって、僕もRISEのライトヘビー級タイトルマッチに繋げて、極真会館の強さをこれからも証明していきたいです」
――ウエイト制の大会で去年初優勝したと思いますが、キックと並行して階級は違っても結果を出していて、例えばキックをすることで空手が活きたりとか逆があったりとかあれば教えてください。
「キックボクシングに転向してから極真会館の土台がなければ、技の大きさだったりタイミングだったり距離感というのはなかったと思うので、幼稚園生から今まで極真会館でずっと積み上げてきたものが活きているのかなと思います」
――間合いとかディフェンスも違うと思いますが、両立してるところで何を気を付けたりしているのでしょうか?
「まず距離は完全に違うので、キックボクシングを始めた時に別競技だなとすごく感じました。打つ場所、蹴る場所を変えればできるのかなというぐらいの感覚でいたので、キックボクシング始めた時に全然上手くいかなくて、すごく手こずったのを覚えてます。その中で自分の師匠である相見先生にたくさんボクシング技術を教えていただいて、そこから自信がつくようになってきましたね」
――対戦相手も日本拳法出身で凄いパンチでKOしていますが、例えば警戒するところだったり自分が明らかに勝ってるところだったり、入田選手個人について思うことを教えてください。
「まず日本拳法の選手ということで相手も日本拳法代表として出てきていると思うので、僕も極真会館を代表してそこの看板を懸けた闘いで僕は絶対負けられないと思っています。入田選手の倒すパンチは右ストレートですごくよく倒してるというのと、右ストレートが伸びのあるパンチですけど、相手の一番の得意技に僕はカウンターで合わせられるものをいくつも用意しているので、相手の得意技が出た瞬間に僕のカウンターが入れます。僕の階級ライトヘビー級では判定じゃ駄目なので、見てるお客さんがワッと驚くようなビリビリ来るようなKOを見せたいと思います」
――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
「このライトヘビー級王座決定トーナメントで頂いたチャンスを掴んで、僕が必ずチャンピオンになりますので皆さん応援よろしくお願いします。またRISEのライトヘビー級をもっともっと盛り上げていきますのでたくさんの応援をよろしくお願いします。押忍」
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入田和樹「気持ちだけは負けずにKO記録を更新したい」
――RISE初登場となりますが団体としてはどの様なイメージを持っていますか?
「国内最高峰の団体だと思っています」
――第2代ライトヘビー級王座決定トーナメントへのオファーが来たときはどの様な心境でしたか?
「5月7日に自分の復帰戦でタイトルマッチ(第3代ICO認定インターコンチネンタルへビー級タイトルマッチ)があり、それが終わって和歌山に帰って祝勝会等で久しぶりにお酒飲んで寝て、朝一の電話でのオファーだったので非常にびっくりしたのを覚えてます」
――入田選手は日本拳法出身と聞きましたがキャリアはどれくらいですか?
「小学校低学年の頃から警察官だった父の影響で始めました」
――お父さんが警察官で日本拳法をやっていたのですか?
「はい、父の影響で日本拳法と柔道を」
――最初はお父さんに習ったのですね?
「そうですね、厳しかった父に嫌々連れて行かれ徐々に好きになっていき今でも続けています」
――お父さんは相当厳しかったですか?
「厳しかったですね。今は歳をとったのでだいぶ丸くなりましたけど」
――日本拳法と柔道どちらの方が好きでしたか?
「今はどっちも好きで、今でも両方やっています」
――日本拳法出身のプロボクサーやキックボクサーの方も非常に多いですが、周りにやっている方はいますか?
「自分の周りにはいないですけど、日本拳法出身の方が世に出てきているのが大変嬉しく思います」
――例えば長島☆自演乙☆雄一郎選手とかは交流とか接点はありましたか?
「日本拳法時代にありましたが、そこまで面識はないです。ボクシングも出稽古に行くくらいでそこまで接点はないです」
――日本拳法の強みはどこにあると思いますか?
「日本の武道で空手は寸止めですが、日本拳法は唯一本気でぶつけ合う『直突き』という縦拳、正拳があるんですけど、一直線に走るパンチですかね。重たい鉄面をつけてど突き合いするので、強い武道だと思ってます」
――キックボクシングは面がないので視界も広いし動きやすいですか?
「それはありますね、非常に見やすいです。全ての防具をしてると7kgとかあるので、それを取るとかなり身体が軽くていつも錘をつけて練習しています」
――プロ格闘家としての活動は何歳から始めましたか?
「アマチュアで優勝してから26歳でプロに転向しました」
――キックボクシングはやり始めていかがですか?
「日本拳法はローキックもないですし防具に慣れていたので最初は打撃が痛くて怖くて『何でこんなことしてるんだろう?』って思いましたけど、今まで負けたことがないので勝ち進んでいくにつれて非常にやりがいを感じています」
――デビュー以来6連勝ということですが、勝ち続けている一番の要因を自分でどのように分析してますか?
「どんなしんどい時でも毎日のルーティン、練習を欠かさず日々の練習が自分を強くしてくれます」
――今、和歌山県在住ということですが和歌山県のどの辺りですか?
「和歌山県の中部、和歌山市と有名な白浜のちょうど真ん中に位置する日高川に在住してます」
――日高川の日高を取って「TEAM日高」?
「そうです」
――ご自分でやられてるのですか?
「師匠と二人三脚で始めて今はかなり生徒も増えています」
――師匠ってもしかしてお父さんですか?
「お父さんではないです(笑)」
――お父さんは息子のプロ活動については何か仰ってますか?
「私4人兄弟で上に姉が2人、下に弟が1人で長男なので警察官になって欲しかったんだと思いますけど、中高とヤンチャしてまして私は警察官にならなかったので、弟が継いでくれて警察官になってくれました。ちょっと悲しそうな親父を見て、親父に認めてもらいたくて今は格闘技を一生懸命頑張ってます」
――格闘技をやること=親孝行ということですね。
「親孝行になれば良いなと思ってます」
――今回の試合についてお父さんはどんなリアクションでしたか?
「『ほう』の一言でした(笑)」
――初戦の準決勝から優勝候補の南原健太選手との対戦になりましたが、南原選手の印象はいかがですか?
「イケメンで、長身で、両方とも負けているので気持ちだけは負けずにKO記録を更新したいと思います」
――南原選手の分析はしましたか?
「今までアマチュアも含め対戦相手をあまり見ないようにしてるので、当日を楽しみに本能のまま戦います」
――今回もあえて分析をせずに試合開始のゴングがなってから本能の赴くままに動くと?
「はい。かなり強敵でこれからの重量級の格闘技を担う選手だと思ってますので、そんな選手と戦えることを光栄だと思っています」
――5月に戴冠されてそんなに試合間隔が空いていませんがそれは問題ないですか?
「いつオファーが来ても良いようにコンディションを整えてましたので大丈夫です」
――今回ライトヘビー級(90kg)ということですが自分ではベスト体重は何kgくらいだと考えてますか?
「いつもは100kg前後、98から100kgの間だったので今回10kg近くの減量で、初めての減量なので減量する選手の気持ちがわかりました。非常に辛いですね」
――食事制限ですか? それとも運動量を増やしてますか?
「運動量はいつも通りで食事制限ですね。ビールをやめたらすぐに落ちました(笑)」
――ビールは結構飲みますか?
「お酒を飲むために練習を頑張ってます。酒断ちするとこんなに身体が軽いんだなと世界が変わりました」
――今回KO勝ちして勝利の美酒に酔いたいですか?
「甘井会長と乾杯できたら良いなと思います」
――今までの6戦は基本的な舞台はどこですか?
「ドージョーチャクリキのリングです。小さい頃から夢の舞台だったのでそんなところで戦えて自分の夢が叶いました」
――前戦で1RKO勝利をした将軍岡本選手とはかなり体重差もあったと思いますが。
「約20kg差ですね。その前の試合も20kg差があって、いつも戦う前は不安で怖いんですが、日頃の練習は嘘をつかないと思っています」
――毎日どれくらい練習してますか?
「基本は週3ですけど、試合が決まると週6で日曜日だけ休んでます」
――試合になったら一番頼るべきは自分の直突きですか?
「そうですね、小さい頃からずっとやってた日本拳法で磨いたパンチと蹴り。田舎なので川で泳いだり山道走ったり、坂道で軽トラックを押したり、近代的なトレーニングではなく野生的なトレーニングで体力をつけています」
――地方に住んでいるということをデメリットじゃなくて逆にメリットにしてますね?
「スポーツに限らず皆さん上京する方が多いですけど、田舎からでも戦えるという事を証明します」
――TEAM日高には子供の会員さんがいると思いますが、皆さんどんな風に応援していますか?
「『おっちゃん頑張れ!』ってエールをくれました(笑)」
――TEAM日高の子供達にとっては希望の星になりますね。
「なれたら良いなと思います」
――今回RISE初登場ということで入田選手のことを初めて見るファンの方が多いと思いますが、自分のどこに注目して欲しいですか?
「今まで3R以内に全てKOで勝ってきたので、チケットを購入して来てくれるお客さんのためにも熱い燃えるような試合を見せたいです」
――今までのフィニッシュは右と左どちらが多いですか?
「右ですね、右で全てKOして来たので今回も当たったら倒れるかなと」
――最後にファンの皆様に熱いメッセージをお願いします。
「今回初参戦します入田と申します。熱い試合をしますので、皆さん少しでも応援してくれたら幸いです。よろしくお願いします」