【KNOCK OUT】苦闘の末に勝利した小笠原瑛作「コア層にだけ伝わる試合じゃなくて、一般層も分かる試合をするのが僕の課題」

　2023年6月11日(日)東京・後楽園ホールで開催された『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.2』の一夜明け会見が、12日（月）都内にて行われた。 　ダブルメインイベント第1試合（第6試合）のスーパーファイトKNOCK OUT-REDフェザー級3分3R延長1Rで、トンミーチャイ・FELLOW GYM（タイ/FELLOW GYM）に判定2-0で勝利した小笠原瑛作（クロスポイント吉祥寺）が出席。前夜の試合を振り返った。 「練習から調子がよくて仕上がりも良くて倒せるという気持ちだったんですが、思った以上に強くて手こずってしまった。勝つのは当たり前で、お客さんに魅せる試合をしないといけないのでそれが自分の今後の課題だと思います」 　苦戦を強いられたのは「倒せるかなと思った部分はあったので、タフな選手でした。あと身体が大きかった。組み力や、前蹴りでも吹っ飛ばなかったのでフィジカルが強かったですね。単純にロンナチャイに比べて身体の大きさを感じました。その分、相手が前へ来るからこそカウンターを狙えると思ったんですが、圧力をフェザー級に上げて初めて感じました」と、身体の強さが想定外だったとした。 「ローとかは効いている部分が見えたし、トンミーチャイはスタミナが切れて下がって疲れているのはあったけれど、相手も日本に5年もいるので対策もしているし、ローを簡単には当てさせてくれなかったり、いいポジションで組まれたりしました」と、前回対戦したムエタイMVPよりもやりづらさがあったと振り返る。 　改めてムエタイと戦うのは難しいと感じたか、との質問には「ムエタイの試合ってコアな人が観たら面白いと言われているので、そこの難しさもある。強い選手を倒して一般層に伝えていかないと意味がないと思っているので、テクニックとかコア層にだけ伝わる試合じゃなくて、強さがあって一般層も分かる試合をするのがもう一個課題だと思います。ダブルメインと言っても結局セミじゃないですか宮田さん、と思っていたんですけれど、この流れが見えていたのかなと思って（苦笑）。試合で自分の強さを見せて行ければと思います」と、一般層にも面白いと思わせる試合をするのが難しいと感じたという。 　ムエタイ現役MVPのロンナチャイに圧倒して勝ったことから、今回の苦戦は意外だったと言われると「単純にやってみて、ロンナチャイは日本に来るってところでナメていたと感じました。身体の強さ、スタミナ、相手の気迫だったり、今回の相手の方が2カ月前から作り込んで来たと言っていたので、そこまでしっかり作ってきた選手とそうじゃない選手の違い、身体の大きさも含めてトンミーチャイの方が強かったですね」と、試合に懸けている本気度が違ったと評する。 　3Rにトンミーチャイが失速したのは「いくら2カ月練習してきたと言っても、僕は継続して練習しているので最後はスタミナがあった。スタミナが切れてガクッと落ちた感じがあったので、そこで差を付けられたと思います」と、練習量の違いだとした。 　顏には腫れや傷が目立ち、激闘を物語るが「唇の上にヒジをもらって縫ってもらいました。1Rにもヒザをもらって息が止まりました。組み際で効かされたのがあって苦しかったですね」と明かす。 「スッキリ倒せないのはモヤモヤするし、タイ人を倒すのは難しいですが、そんなことを言っていてもしょうがないので、どんな相手でも倒し切りたい。ムチャクチャ悔しいので、倒せなかったこともスッキリした試合でもないので、もやっとした悔しい気持ちがあるので。この悔しさを次につなげたいと思います」と、勝っても悔しいと小笠原。 　次回に関して宮田充KNOCK OUTプロデューサーは「ロンナチャイともトンミーチャイとも違うタイの選手か国内の選手か、それとも海外の選手なのかマッチメイクを考えていきたい」と、新たな強豪を小笠原に用意する気満々。 　それを受けて小笠原は「KNOCK OUTが大きくなってきていると思うので、主要選手として僕らで引っ張って、近い将来にビッグマッチを毎回開催できるようにしていきたいと思います。僕らに付いてきてもらえれば、と思います」と、KNOCK OUTをさらに面白く大きい存在にしていきたいと改めて誓っていた。