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【KNOCK OUT】死闘から一夜明けて龍聖、ダウン後は記憶がなかった「初めて『戦った』気持ちになりました」

2023/06/12 16:06
 2023年6月11日(日)東京・後楽園ホールで開催された『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.2』の一夜明け会見が、12日(月)都内にて行われた。  ダブルメインイベント第2試合(第7試合)のスーパーファイトKNOCK OUT-BLACK -59.0級3分3R延長1Rで、チュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)に延長戦の末に判定3-0で勝利した龍聖(WIVERN)が出席。前夜の試合を振り返った。 「試合はほとんど覚えてないですが、お客さんがほとんど最後まで残っていてくれて皆さんの声がパワーになったと思っています」と、1Rに喫したキャリア初のダウン以後は覚えていないと明かす。 「気持ちで勝ったなと。勝ててよかったなと、執念…それだけですね」と苦しい試合だったとし、「試合中のことはダウンをとられる前までは覚えていて、してからが飛んでいます。試合中で覚えているのはセコンドで会長がガードを上げて何か言ってるのと、3Rが終わった後に『俺、ダウンしたの?』って聞いたこと。それしかないです」と、バックステージに戻るまで記憶が飛んでいたと告白。「ラウンドガールにも『俺、ダウンしたの?』って聞いていた」という。  ダウンに関しては「冷静に戦えていて、もう見切れたなって。どう料理しようかなって考えていて、カウンターをとろうとしたところに予想外のカウンターのカウンターをもらいました」と完全に油断だった。 「今まではダウンする人の気が知れなかった。何でダウンするのかって分からなかったんですよ。ガードすればしないと思っていたので。自分がするとは思わなかったのでビックリでした」と、自分がダウンするとは考えてもいなかったという。 「拳もデカかったし、これはもらったらヤバいなって分かってはいたんですが、あれは想定外でした」と言い、ダメージに関しては「拳と蹴った足、頭が痛いくらいで。病院に行って異常はなかったです」と大きなダメージはないとする。  初めてと言っていいほどの苦戦を強いられたことで、どんな教訓を得たかと聞かれると「ちゃんとガードすること」と苦笑しながら答える龍聖。「ただ、やってきたことは間違いなかった。(ダウンで)みんな負けると思ったと思うけれど、俺は負けない。俺が龍聖だぞ、と。そういう気持ちです」と、どんなに苦境に陥っても自分は負けないとした。  改めて世界の広さを実感したのでは、との質問には「日本人と比べて身体が強い。ペットセーンセーブもそうだったけれど違いますね。倒れないし、そこは海外の選手と試合をして感じることです。もっと冷静になるのと、自分は経験も少ないですし、いろいろ積んでいかないといけない。凄くいい経験になりました」と、この経験を糧にして世界と戦っていきたいと答える。 「格闘技を初めて感じましたね」との言葉も。顏は今までにないくらい腫れや傷が目立ったが、龍聖は「格闘家っぽいなと。勲章じゃないけれど、清々しい気持ちです」と笑顔を見せた。 「初めて『戦った』気持ちになりました。僕の試合はいつも綺麗ですし、この間も激闘でしたがゲーム、ファイトとは違うゲームをしているようなサッカーとかのゲームのような試合で、ファイトじゃなかったと思う。だから今回は初めて戦ったとと言うか、それを感じました。記憶が何もなくて、映像を見たら自分が声を出して向かっていってるんですよね。自分にそういうことが出来ると思っていなかったし、逆に相手は打たれながらも奇声を発しながら前へ出て来るのは知っていたので、僕が殴ってそうなるんだろうなと思っていて、その時に気弱ないようにと考えていたんです。それが逆に僕がやっていて、自分はこんなことが出来るんだなって。映像を見て思いました」と、初めて“格闘”をしたという気分になった、と打ち明けた。  記憶が飛んだ状態でも戦い、勝ちをもぎ取れたのは「尋常じゃない練習をしている自信はあるし、僕より練習している人は少ないと思う。そこが出たのかなと思います」と、練習量のおかげだと答える。  もしダウンがなく意識がハッキリしていれば苦戦することはなかったのでは、と聞かれると「ダウン後の展開もポイントを取っていましたね。たらればは格闘技にはないから分かりませんが、ダウンがなければとは思います」とし、「骨が凄い硬かったですね。中国だから鉄パイプとか蹴ってるんですかね。ダウンする前に蹴った右足が痛くなったのは覚えています。僕も瓶で叩いたりしないと行けないかなと思いました。本当に」と、骨の硬さが印象に残っていると話した。  ダウン後はボディへのパンチ、ヒザ蹴りでの猛攻を見せたが、それは最初から決めていたことなのかと問われると「顏は打たれ強いと分かっていたので、お腹と足を触っていってどうなのかなって考えていました。1R目に腹が効いたのは分かったんですよ。そこで気が抜けてしまった。ペットセーンセーブもそうでしたが、本物の中の本物は効いたところを見せないので、だからコイツは大丈夫だとそこでスイッチがオフになった。余裕が出たところに不意打ちみたいにもらってしまって。プランがいくつかあって、そのうちの一つがヒザ攻めでした。本能的にそれを覚えていてヒザがハマったからヒザで行った感じです」と、最初からあったプランが本能的に出たと説明した。  また、セコンドにKNOCK OUT-BLACKライト級王者バズーカ巧樹が就いたのは「兄貴と言うか、よくしてもらっていて。寡黙で頼りになるなって。セコンドがチームのメンバーとトレーナーともう一人って考えた時に心の支えで入れました」と、心の支え的な存在であるとする。 【写真】同門の後輩・武蔵はベストKO賞を受賞し、三賞をWIVERNが独占した 大会の冠スポンサーであるMAROOMSから贈られる三賞のうち、ベストバウト賞とベストファイター賞(MVP)を受賞したことには「嬉しいですね。僕の試合はKOじゃなかったけれど、KOじゃなくても本当にお客さんが盛り上がっていたじゃないですか。宮田さんには『龍聖がダウン取られたら面白いでしょう』と言われましたが、選んでもらえて嬉しいし、お客さんあっての興行なので。覚えてないけれど僕も煽っていて盛り上がっているのは分かっていて。それが凄く嬉しかったです」と、盛り上がる試合が出来たのが嬉しかったと語った。  そして「ダメージがあるので、しっかり休んで今回以上に面白い試合が出来るように頑張っていきます。また観てください」とメッセージを送った。
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