（C）ゴング格闘技/Wakahara Mizuaki
2023年4月8日（土）東京・有明アリーナにて、プロボクシングのスーパーバンタム級（3分6R）で、元RISE世界フェザー級王者の那須川天心（帝拳）がプロボクシングデビュー。日本バンタム級2位の与那覇勇気（真正）を相手に判定3-0（59-55, 60-53×2）で勝利した。
試合後のリング上では「初めて6Rやるっていうのは、試合前もほんとうにするんだ、と。6R戦えるか分からないじゃないですか。フワフワして変な感じだったけど、それでも倒せなくてもダウンを取ったんで、“ボクサー那須川天心”として認めてみもらるかな、と。ボクシング初めて半年、これが限界じゃないんで、これからもっと進化していきます」と語っていた那須川。
初陣を飾ったバックステージでは、「今後ももっと強い選手とやって、チャンピオン、形としてベルトを狙いたい。やっぱり強いやつとやっていかないと意味ないと思ってるんで、強いやつとやって勝っていくのが格闘技だと僕は思うんで、しっかりと今後も自分の中の格闘技を見せようかなと思ってます」と、ボクシングでも強豪との試合、そして日本王座を狙うことを語っている。
那須川との一問一答は以下の通りだ。
2Rに奪ったダウンは、これがダウンになるんだったら、俺も気をつけないとな、と思った
「皆さん、初めましてですかね。こうやってボクシングデビューすることができました。しっかりと勝って『那須川天心・第2章開幕』ということで、今後も那須川天心という船にみんなで乗って、応援していただけたら嬉しいなと思います。今後も応援よろしくお願いします」
──プロボクシングデビュー戦を終えた率直な気持ちは？
「まず、デビュー戦を終えてホッとしてます。セコンドからも『このままでいい』っていうのは言われてましたし、自分の中でも“こう倒したかったな”っていうのもあるんですけど、6Rを経験できたというのは自分の中でも大きいですし、いい部分も課題もいろいろありますよね。これが那須川天心の一番強い姿とは思ってほしくないです。
だけど、6Rをしっかり動きを見せることもできたし、なんか自分の中でもパンチだけになっても、パンチはほぼほぼもらわなかったんで、だから動き的にはスピード的にも良かったですし、空間把握もできたし、コントロールは凄くできた。やりながら、“もっとこういう動きをしたいな”と、確認しながら戦い、楽しかったですね。いろんな引き出しも見せられたと思います。緊張もプレッシャーもなかったですし。やっぱこう、警戒しすぎたっていうのは大きかったですね。だからこれを機に、もっと倒せるようにというか、そっちのパンチを磨くようにしたいなと思いました」
──2Rにダウンを奪った右のパンチは？
「どちらかというと、あれはめちゃくちゃダメージがあったかと言えばそうじゃないと思うんですけど、“そういうのでもダウンになるんだな”っていうのが、自分でもちょっとびっくりしましたね。キックとかだったらスリップとなって、そのまま続行っていうパターンもあったと思うんですけど、だからやっぱ逆に、そのダウン取った時に“あっ、これがダウンになるんだったら、俺もちょっと気をつけないとな”っていう風に思いましたね」
──相手の攻撃、自身のディフェンスについては？
「攻撃は見えましたね、ほぼ全部見えたかな。顔のパンチも多分ほぼ貰ってないと思うんで。だからダメージもないですし、顔が命なんで（笑）、やっぱりそこはもらわないように、と思いました」
──トリッキーな技が多かったが？
「どうだろう……今日は多分、そうですね、そう（使おうと）思ったんでしょうね。あえて“出そう”とか“出さない”とかじゃなく、このタイミングだったらできるな、とかこれだったら大丈夫だな、とかって思いながら打てたかなっていう。やっぱり、お客さんがいての格闘技だと思うんで、沸かせるっていうのじゃないですけど、そういうマインドも持ちながら、試合ができたなっていうのはあります。だから自分、余裕はありましたけど、やっぱその余裕だけを見せるんじゃなく、倒せるものをもっと磨けば、さらに武器になるなっていう風に感じました」
──ラウンド間にコーナーの椅子に座らなかったのは？
「あれは、マジ癖です。キックの時、僕、1回も座ったことないですよ。その癖がそのまま出ちゃった感じですね。だからアマプラで（12Rになったときにどうする？）聞かれて、確かに、と思って。座った方がいいんですかね？ ちょっとわからない。リングチェックの時にも椅子を出されて『これって座るんですか』みたいな話になって、『基本座るよ』みたいな。『分かりました』っていう話もしたんですけど、やっぱ試合になると癖でこうやって立ってたっすね」
──今後の目標を。
「とりあえず強くなることですよね。こうして日本ランカー2位の選手を相手に内容ではほぼパンチをもらわず、ダウンをとって勝つことができたんで、やっぱ既存のボクシングが好きな人にも“なかなかやるじゃん”って思ってもらえたと思うんで、やっぱその周囲を期待させるようなカードをちゃんとやっていきたいですよね。やっぱりデビュー戦で外国人の選手とか、そういう選手とやるかなってみんな思ったと思うんですけど、この僕の、何だろう、覚悟というか、意思でこうやって日本人の選手と、と探してもらったんで、やっぱり、そこで（覚悟を）見せるというか、そういうの見えたんじゃないかなと思うんで、今後ももっと強い選手とやって、チャンピオン、形としてベルトを狙いたいなっていうのはあります。そうしたら、みんな認めると思うので。そこですかね。
これで日本ランキングに入ると思うんで、日本タイトルとかはもうどうなんでしょうね（※JBCルールでは、基本的には6回戦で2勝しないと8回戦に進めない）。分からないですけど、やっぱ強いやつとやっていかないと意味ないと思ってるんで、強いやつとやって勝っていくのが格闘技だと僕は思うんで、しっかりと今後も自分の中の格闘技を見せようかなと思ってます」
