三日月蹴りの元祖・盧山初雄「左はレバー、右は脇腹か肋骨を蹴る」
三日月蹴りの元祖・盧山初雄氏はかつて本誌の取材に「左に構えたときはレバーかみぞおちを、右に構えたときは相手の左脇腹、あるいは肋骨を蹴る。内臓に中足がグッと入れば七転八倒するし、入らなければ肋骨が折れる。スパンッと蹴った後に相手がもんどりうって倒れるのではなく、前に崩れるような蹴りでないとダメ」と、その切れ味を語っている。
松濤館流空手&ムエタイ&ATTのシャブリーは、ムサエフが前かがみで右を振ってきたとはいえ、そこに突いた前蹴りは打点の高いものだった。そしてストッピングのための前蹴りではなく、ヒザをいったん上に上げてから中足を突き刺し、それが胸の肋骨をとらえていた。空手とも、ムエタイの蹴り方ともいえる突き方で、それは常にピンポイントでとらえられるものなのか。
この肋骨蹴りが、今後、必殺技となっていくかどうか分からないが、ATTのキビスは、「カーフキックはATTで長い間練習されてきたもので、新しい技とさえ考えられていない。ここ(ATT)でやる肋骨蹴りは正確な位置に蹴ることが出来る」と語っている。
三日月蹴り、踵蹴り、カーフキックと、技には流行り廃りがあり、その防御方法も含め、アップデートされ、技は巡っていく。果たして「リブキック」は、新たな潮流となるか。