2022年12月25日(日)東京・両国国技館で開催された『Cygames presents RISE WORLD SERIES / SHOOTBOXING-KINGS 2022』の一夜明け会見が、26日(月)都内にて行われた。
第15試合の「RIVALS RISE×GLORY」山田洸誓 FInal Match スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1Rで、ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/Kiatmoo9/初代RISE世界スーパーライト級王者、GLORY世界フェザー級王者)と対戦し、判定で惜敗。この試合を最後に現役を引退した山田洸誓(正道会館KCIEL/第4代RISEスーパーライト級王者)が会見に出席した。
伊藤隆RISE代表は「ラストに最強の相手をぶつけたのは、私も現役最後に最強とやりたいとの想いがあったし、山田もそうだろうと思って最後ならと思ってぶつけました。結果的には光を消されて完封されましたが、得たものはあったと思います。これからの選手育成もそうだし、いろいろなものを学べたと思うので、最後にそれをプレゼント出来たのではないかなと思います。プロになって5年、最初の頃は勝ったが上手く進まない時期もあって大変な部分もありましたが、空手とキックを融合させて前回KO勝ちして。今が一番いいと思う。まだまだ活躍できる、あと2~3年は出来ると思いつつ、彼が決めたことなので全面的にバックサポートしていきたい。今後はRISEファイターを作っていただけると思うので、その育成に関わっていただきたい。RISEライフを楽しんだのではないかと思います」と、引退試合で世界二冠王を選んだ理由を話し、引退を惜しんだ。
山田は「昨日でラストでいろいろな人に感謝の気持ちを伝えたいのですが、それは個人的にお礼を言いたい思います。何よりファンの人たちに見守られて選手は成り立っているので感謝しています。ありがとうございました」と引退の挨拶。
試合を見返した感想は「強かったですね。昨日の試合後のインタビューの時にも言ったんですが、正直1Rは自分のやりたいことをやれたのでいけるかと思ったんですが、2Rからのゲームを支配する上手さを感じたのでそんなに上手くいかないなと思いました」と振り返る。
怪我は「自分が蹴った足くらいですかね。あとは負けてから言うのは好きじゃないんですが、今年に入ってすぐくらいに左肩を怪我して、直樹戦(2月)の前からずっと痛みと付き合いながらでした。試合2~3週間前にジャブも打てないくらいでどうしようって感じだったんですが、痛み止めを打って乗り切りました。試合では何とか動いてくれたので良かったです。でもそれは関係なく、ペッチ選手が強かったですね」と、肩の怪我をだましだまし試合をしていたことを最後に打ち明けた。
RISEで得たものは何かとの質問には「全部ですね。自分の人生の経験を積まさせてもらったし、一皮むけました。空手はアマチュアですが、キックボクシングはプロでお金をいただいて高いチケットを買って見に来ていただいているので、その感覚は特にこの1~2年で変わって来ました。いろいろな人に勉強させていただいて、RISE関係者には感謝しかありません」とした。
一夜明けて、選手じゃない自分になったことには「あまり実感はないですね。昨日やったばかりだから」とし、「後ろにいてる(原口)健飛君、門ちゃん(門口佳佑)…みんなと一緒にこの時代に選手を出来たのは嬉しいです」と笑顔を見せる。
原口が自分の試合前に引退試合を終えた山田の控室を訪ね、泣いたというエピソードを披露しており、それについて聞かれると「あかんですね。Twitterにもその動画が上がっているし、何してくれるんだろうと思いました。ずるいっすよ、ああいうところがずるいんですよ」と笑い、「本当にいい男というかカッコいいですよね。彼はまだ24~25歳でしょう。もうちょい出来るので頑張ってもらいます。サポートする側にまわりたい」と原口をサポートしていきたいと話した。
これに伊藤代表は「山田の人格でしょう。人望だと思います。私も感動しました」との感想。
2019年9月に獲得して以来、保持し続けたRISEスーパーライト級王座はこれで返上となるが、どんな選手に次の王者になって欲しいかと聞くと「自分のことは凄いと思ったことはないし、65kgは来年からGLORYとの対抗戦もあると思うし、これから65kgに上げて戦う選手も多いと思うので、魅力的な選手が出て来てくれると思います。RISEファイターらしい倒し倒されのアグレッシブな選手、自分はそれに近いスタイルだったと思うので、そういう選手になって欲しいですね」と、RISEを体現するような選手に次の王者になって欲しいと答えた。
現役生活で最も印象に残った試合は、「タイトルマッチの山口(侑馬)君とやった試合と、直樹君とやった王者対決、この前のヤン・カッファ、そして今回…ごめんなさい、いっぱい言って(笑)」とたくさんあるとする。
最後に、キックボクサーとしての人生は楽しかったかと聞かれると「楽しかったですね。楽しかったし、しんどかったし、最初はこんな感じやなかったんですよ。遊び半分で空手の延長でやっていたのが、ここまでどっぷり浸かるとは思わなかったので。楽しかったですね」と語った。
(写真)夫人は元RISEラウンドガールでもある そして「押忍。25年の選手生活は終わりましたが、うちのジム生からもRISEにプロとして出る選手を育成したいと思うので、自分は地方出身で四国の愛媛県新居浜市という小さい街からですが、RISE王座を獲れるような選手を育成したいとセカンドキャリアで描いています。皆さんには応援してくれて感謝しかないです。伊藤代表にも感謝しかない。個人的に感謝の気持ちを言いたい人はいっぱいいるので、個人個人にお礼を言いたいと思います。ファンの人たち、ありがとうございました。押忍」と締めくくった。